ファクタリングは、今の会社を使っている途中でも他社に乗り換えられます。条件は1つだけです。今の会社に売った請求書とは別の売掛債権で申し込むことです。
とはいえ、今の会社への支払いが残っている状態で他社に申し込んでよいのか、判断しにくいと感じている方は多いと思います。手数料が高いと感じても、乗り換えて本当に安くなるのかも分かりにくいところです。
この記事では、乗り換えて得かどうかを手取りで判定する方法を説明します。あわせて、今の会社との精算の進め方と、他社の利用が相手に伝わる経路も説明します。公式サイトで条件を確認した32社の比較と、乗り換えないほうがよい場合も載せています。
先に結論
他社を利用中でも、別の売掛債権であれば乗り換えも併用もできます。できないのは、同じ請求書を重ねて売ることです。
判断は手数料率ではなく、諸費用と2回目以降の料率を含めた手取り額と、実際の入金日で行います。
今の会社への送金が終わっていない段階で、その穴埋めのために新しい契約を結ぶのは、資金繰りを悪化させます。
| 手数料や条件に不満がある乗り換えて得かを手取りで判定する | 他社利用中で2社目を探しているできる条件・できない条件 |
| 他社利用が知られないか不安相手に伝わる経路を整理 | 今の会社との契約を整理したい精算と抹消登記の順番 |
| 受注段階で資金が必要注文書の段階で資金化する方法 | 今の会社への送金が苦しい乗り換え以外の選択肢 |
受注済みの注文書があれば、いくらで買い取れるかを先に確認できます。
他社利用中でも乗り換え・併用はできる
別の売掛債権なら、他社を利用中でも申し込めます。同じ請求書を複数社に売ることだけができません。
ファクタリングは債権の売買です。1件の売掛債権は1社にしか売れません。ただし売掛債権が複数あれば、A社で1件、B社で別の1件を資金化できます。乗り換えも併用も、この考え方で行います。
| 状況 | 可否 | 条件 |
|---|---|---|
| A社で資金化した請求書とは別の請求書を、B社に売る | できる | 売掛先・対象月が重なっていないこと |
| A社との契約が終わった後、B社に乗り換える | できる | 回収金の送金と精算が完了していること |
| A社とB社を同時に使う(併用) | できる | それぞれ別の債権であること。管理が煩雑になる |
| A社に売った請求書を、B社にも売る | できない | 二重譲渡にあたり、契約違反や権利関係のトラブルになる |
| 将来の債権をまとめてA社に譲渡する契約がある状態で、B社に売る | 要確認 | 包括して譲渡する内容なら、対象に含まれる債権は売れない |
| A社への送金が遅れている状態で、B社に申し込む | 勧めない | 穴埋めのための資金化になり、負担が増える |
併用する場合は、どの請求書をどこに売ったかを自分で管理します。件数が増えるほど、同じ請求書を二重に出す危険が高まります。管理表の見本は、精算の手順の章に載せています。
申込時に、他社利用中であることは伝えてよい
他社利用中であること自体は、審査に落ちる理由になるとは限りません。
注文書買取ファクタリング BESTPAY(株式会社アレシア)の申込ページには、他社の利用状況を申告する任意の欄があります。
同社は、選択した項目だけで利用の可否が決まるわけではないと明記しています。
隠すよりも、申し込む債権が他社のものと重なっていないことを先に伝えるほうが、手続きは早く進みます。
乗り換えを考えるサインと、乗り換えないほうがよいケース
手数料の高さだけがサインではありません。入金の遅さ、買取の上限、諸費用、契約の条件も乗り換えの理由になります。
今の会社を見直すサイン
| サイン | 確認すること |
|---|---|
| 2回目以降の手数料が上がった | 初回だけの割引だったのか、料率の決まり方を聞く |
| 手数料のほかに費用が引かれている | 事務手数料・登記費用・出張費の有無と金額 |
| 額面の一部しか買い取ってもらえない | 掛け目の設定と、留保分が戻る時期 |
| 申込から入金までが遅い | 締切時刻、契約方法(オンラインか対面か) |
| 必要な金額に届かない | 買取可能額の上限、売掛先1社あたりの上限 |
| 債権譲渡登記を必ず求められる | 登記なしで対応する会社もある。費用と手間が変わる |
| 見積もりと契約書の条件が違う | 償還請求権・買戻しの条項、振込金額の内訳 |
| 連絡が取りにくい、説明が曖昧 | 担当者の対応と、書面の交付状況 |
手取りを大きく左右するのは、手数料・諸費用・掛け目の3つです。手数料率が同じでも、この3つの違いで、実際に振り込まれる金額は数万円単位で変わります。
乗り換えを考えたきっかけの例
乗り換えのきっかけは、手数料の高さだけではありません。公開されている取引事例から、他社から切り替えた理由を匿名化して整理しました。
| 業種・調達額 | きっかけ |
|---|---|
| 建設業・1,500万円 | 2社間と見積もりを比べたところ手数料はほぼ同じで、入金の時期を2か月早められた |
| 製造業・3,000万円 | 大手に相談したが、資金化できるのは受注額の一定割合までと制限され、希望額に届かなかった |
| アパレル事業・300万円 | 請求書買取での手数料に不満があり、注文書の段階で買い取る会社を探した |
| 小売業・500万円 | 数社に申し込んだが、設立1年未満を理由に断られた |
| サービス業・600万円 | 買取率・手数料・入金までの日数を総合して判断し、条件の合わない業者は見積もり段階で外した |
| 運送業・800万円 | 必要書類が注文書・通帳・申込書の3点で済んだ |
出所:注文書買取ファクタリング BESTPAY(株式会社アレシア)の取引事例。金額・条件は債権の内容や売掛先の信用で変わります。
乗り換えないほうがよい場合
次の4つに当てはまる場合は、乗り換えより先にやることがあります。
今の会社への送金や精算が終わっていない。
見積もりの手取りの差が、数千円程度しかない。
今の会社に手数料の引き下げを相談していない。
毎月ファクタリングを使う状態が続いている。
最後の状態に当てはまる場合は、送金が苦しいとき・乗り換え以外の選択肢をお読みください。
乗り換え先の選び方(手数料だけで選ばない)
比べるのは7項目です。手数料率は7つのうちの1つで、単独では手取りを決めません。
| 比較項目 | 確認したいこと |
|---|---|
| 手数料 | 自分の債権での見積額。表示の下限が適用される条件 |
| 手取り | 手数料・諸費用・掛け目を引いた、実際の振込額 |
| 入金スピード | 申込から着金までの時間。当日振込の締切時刻 |
| 買取可能額 | 下限と上限。売掛先1社あたりの上限があるか |
| 契約条件 | 償還請求権の有無、買戻しの条項、債権譲渡登記の要否 |
| 必要書類 | 自社で用意できるか。決算書や登記簿が必要か |
| 2回目以降 | 継続して使った場合の料率。初回だけの割引か |
今の会社と乗り換え先を並べる比較シート
見積もりを取ったら、次の表に書き込んで比べてください。埋まらない項目が、そのまま各社に確認する質問になります。
| 項目 | 今の会社 | 乗り換え先A | 乗り換え先B |
|---|---|---|---|
| 売掛債権の額面 | 円 | 円 | 円 |
| 手数料率 | % | % | % |
| 手数料額 | 円 | 円 | 円 |
| 事務手数料・登記費用など | 円 | 円 | 円 |
| 掛け目による留保 | 円 | 円 | 円 |
| 実際の振込額 | 円 | 円 | 円 |
| 着金日 | 月日 | 月日 | 月日 |
| 2回目以降の料率 | % | % | % |
| 償還請求権 | 有・無 | 有・無 | 有・無 |
| 債権譲渡登記 | 要・不要 | 要・不要 | 要・不要 |
問い合わせのときに聞く質問
| 質問 | 聞く理由 |
|---|---|
| この債権だと、手数料は何%になりますか | 表示の下限と、自分に適用される率は別物のため |
| 手数料のほかに引かれる費用はありますか | 事務手数料・登記費用・出張費で手取りが変わるため |
| 額面の全額を買い取ってもらえますか | 掛け目があると、その場で受け取れる金額が減るため |
| 2回目以降の手数料は変わりますか | 初回だけ低い設定のことがあるため |
| 他社を利用中ですが、申し込めますか | 会社ごとに扱いが違うため。先に伝えると手戻りがない |
| 債権譲渡登記は必要ですか | 費用と、取引先に知られる可能性に関わるため |
| 契約書に買戻しや償還請求権の定めはありますか | 売買ではなく貸付に近い契約かどうかの判断材料になるため |
| 今日の何時までに申し込めば、当日に着金しますか | 審査より振込の締切時刻のほうが先に来るため |
乗り換えて得かを手取りで判定する
比べるのは料率ではなく、振り込まれる金額の差です。諸費用と2回目以降の料率を入れると、順位が入れ替わることがあります。
手取りの計算
500万円の請求書を、手数料8%、事務手数料2万円、掛け目90%の条件で資金化した場合の計算です。掛け目がある場合、留保された分は売掛金の回収後に精算されます。
| 売掛債権の額面 | 5,000,000円 |
| 買取対象(掛け目90%) | 4,500,000円 |
| 手数料 8% | −360,000円 |
| 事務手数料 | −20,000円 |
| その場で受け取る金額 | 4,120,000円 |
同じ500万円の請求書でも、掛け目がなく手数料10%の会社なら、受け取る金額は450万円です。料率が高いほうが、手取りは30万円多くなります。手数料率だけでは判断できません。
6回使った場合の合計で比べる
毎月100万円の請求書を6回資金化する場合の、手数料の合計です。初回の割引だけを見て選ぶと、合計では高くつくことがあります。
| 今の会社(毎回10%) | 60万円 |
|---|---|
| 乗り換え先A(初回5%、以降8%) | 45万円 |
| 乗り換え先B(初回5%、以降12%) | 65万円 |
乗り換え先Bは、初回の料率だけを見ればAと同じ5%です。それでも6回の合計では、今の会社より5万円高くなります。見積もりの段階で、2回目以降の料率を必ず確認してください。
表示されている下限の手数料が出る条件
各社が掲げる手数料の下限は、多くの場合、特定の条件を満たしたときの数字です。アクセルファクターは、金額帯と契約形態ごとの手数料を公式サイトに掲載しています。
| 利用額 | 3社間 | 2社間 |
|---|---|---|
| 2,000万円以上 | 0.5%〜6.0% | 1.0%〜8.0% |
| 1,000万円以上 | 1.0%〜7.0% | 3.0%〜9.5% |
| 500万円以上 | 2.0%〜9.0% | 3.5%〜10.0% |
| 100万円以上 | 3.0%〜10.0% | 4.0%〜11.0% |
| 100万円未満 | 4.0%〜10.5% | 4.5%〜12.0% |
出所:アクセルファクター公式サイト(2026年9月17日確認)。審査の状況によって上下することがあると注記されています。
50万円の請求書を2社間で資金化する場合、アクセルファクターの手数料は4.5%〜12.0%です。手取りは44万〜47万7,500円で、下限の0.5%は適用されません。少額の乗り換えは、下限ではなく自分の金額帯の数字で比べてください。
2社間から3社間への切り替えという選択肢
会社を変えずに手数料を下げる方法もあります。売掛先の承諾を得て、2社間から3社間に切り替える方法です。アクセルファクターの500万円以上の区分では、2社間3.5%〜に対して3社間は2.0%〜です。ZISTも公式サイトで、2社間5%〜15%、3社間3%〜7%と公表しています。
ただし3社間は、売掛先に債権を譲渡したことを知らせ、承諾をもらう必要があります。承諾を得るまでに日数がかかるため、今日や明日の入金には間に合いません。取引先との関係で説明ができるか、資金が必要な日までに余裕があるかで判断します。
参考:手数料を年率に直すと
下の表は、手数料を利用期間で割り戻した参考値です。受け取った金額に対する手数料を、365日で換算しています。融資の実質年率と同じ条件で比べられる数字ではありません。
| 手数料 | 支払期日まで30日 | 60日 | 90日 |
|---|---|---|---|
| 2% | 約25% | 約12% | 約8% |
| 5% | 約64% | 約32% | 約21% |
| 10% | 約135% | 約68% | 約45% |
| 15% | 約215% | 約107% | 約72% |
支払期日まで1か月の債権を手数料10%で資金化すると、年率換算の負担は約135%です。これを毎月続けると、資金繰りは苦しくなります。数日から数週間の余裕があるなら、融資などの負担が軽い手段も一緒に検討してください。
計算した手取りは、実際の見積もりで確かめられます。
請求書買取から注文書買取への切り替え
手数料を下げる乗り換えだけが選択肢ではありません。資金化の時期を前に動かす乗り換えもあります。
請求書を買い取ってもらえるのは、納品が終わって請求書を発行した後です。受注から入金までが長い取引では、着手前に材料費や外注費、人件費が出ていきます。注文書買取は、受注した時点の注文書や発注書を対象にするため、請求書の発行前に資金化できます。
| 取引の段階 | 請求書買取 | 注文書買取 |
|---|---|---|
| 受注(注文書の受領) | 対象外 | 資金化できる |
| 着手・材料の仕入れ | 対象外 | 調達済みの資金を使える |
| 納品 | 対象外 | — |
| 請求書の発行 | 資金化できる | — |
| 売掛金の入金 | ファクタリング会社へ送金 | ファクタリング会社へ送金 |
建設業の取引事例では、請求書買取と注文書買取の両方で見積もりを取ったところ、手数料はほぼ同じでした。それでいて、入金の時期は2か月早くなりました。手数料が同じなら、早く受け取れるほうが資金繰りは楽になります。
切り替えが向く場合と、向かない場合
| 向く場合 | 向かない場合 |
|---|---|
| 受注は決まったが、請求書はまだ出せない | すでに請求書を発行し、入金待ちの状態 |
| 着手前に材料費や外注費の支払いがある | 納品まで日数が短く、請求書の発行が近い |
| 受注から入金まで数か月かかる取引が中心 | 数万円から数十万円の少額を資金化したい |
| 法人で、売掛先も法人 | 個人事業主、または売掛先が個人 |
注文書買取の手数料は、請求書買取より高めになりやすい傾向があります。納品も請求も済んでいない取引を扱うため、キャンセルや減額の可能性があるからです。審査では、その受注が売上につながるかどうかが見られます。同じ取引先との過去の取引履歴や基本契約書を用意しておくと、審査は早く進みます。
注文書買取の条件(BESTPAYの例)
注文書買取に対応する会社の一例として、条件を公式サイトの記載で整理します。
| 運営会社 | 株式会社アレシア |
|---|---|
| 対象 | 法人(注文書買取は法人のみ) |
| 買取の対象 | 受注済みの注文書・発注書 |
| 手数料 | 5%〜 |
| 買取可能額 | 100万円〜3億円程度 |
| 入金スピード | 最短翌日(内容確認により3営業日程度になる場合あり) |
| 契約形態 | ノンリコース(回収できなくても利用者が返済を負わない) |
| 必要書類 | 注文書・表紙付きの通帳3か月分・本査定申込書 |
| 契約方法 | 来社または訪問による面談 |
| 他社利用中 | 申込可。ただし同じ債権を重ねて売ることはできない |
出所:注文書買取ファクタリング BESTPAY(株式会社アレシア)公式サイト(2026年9月17日確認)。
BESTPAYが公開している取引データでは、買取額の最低は15万円、平均は615万円、審査通過率は88.8%です。注文書買取の仕組みと受取額の比べ方は、注文書買取のメリット・デメリットと受取額の比べ方にまとめています。
法人で受注済みの注文書があれば、請求書を待たずに資金化できるか確認できます。
乗り換えの手順と、今の会社との精算
今の会社を「解約」する手続きがあるわけではありません。回収金を送金し、精算を終えることが、実質的な区切りになります。
| STEP1 | 今の契約の状態を確認する未精算の債権、継続契約の有無、債権譲渡登記の有無を洗い出します。 |
|---|---|
| STEP2 | 次に売る債権を決める今の会社に売った債権とは別の売掛先・対象月の請求書を選びます。 |
| STEP3 | 乗り換え先に見積もりを依頼する他社を利用中であることと、申し込む債権が重なっていないことを伝えます。 |
| STEP4 | 売掛金が入金されたら送金する2社間では、入金された代金を契約どおり今の会社へ速やかに送金します。 |
| STEP5 | 精算を終える留保金がある場合は精算を受け、残高がないことを書面で確認します。 |
| STEP6 | 登記があれば抹消を依頼する債権譲渡登記をしている場合は、抹消登記を依頼します。 |
資金が途切れないように段取りする
精算日と、次の資金化の着金日が離れると、その間の支払いに困ります。
乗り換え先の審査と書類の提出は、精算を待たずに並行して進められます。
ただし、新しい会社から受け取る資金を今の会社への送金に充てる計画は立てないでください。
今の会社への送金は、売掛先から入金された代金で行います。
請求書の管理表
併用や乗り換えのときは、どの請求書をどこに売ったかを1枚で管理します。二重譲渡は、この管理ができていないときに起こります。
| 売掛先 | 対象月 | 請求番号 | 額面 | 譲渡先 | 入金日 | 送金・精算日 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| A建設 | 7月 | 2026-0712 | 180万円 | 今の会社 | 9/30 | 9/30 |
| B工業 | 8月 | 2026-0805 | 240万円 | 乗り換え先 | 10/31 | — |
| C物流 | 8月 | 2026-0811 | 90万円 | 未譲渡 | 10/31 | — |
継続契約と将来債権の扱いを確認する
基本契約で、将来発生する債権をまとめて譲渡する内容になっている場合があります。
この場合、対象に含まれる債権は他社に売れません。
契約書で譲渡の範囲と期間を確認し、分からなければ今の会社に書面で確認してください。
債権譲渡登記が残っていると、乗り換え先の審査で内容を確認されます。精算が済んだ時点で抹消を依頼してください。
登録免許税は、抹消登記で1件1,000円です(設定時は債権5,000個以下で1件7,500円)。
2社間ファクタリングの仕組みと手取りの計算は、2社間ファクタリングの仕組みと手取りの計算で詳しく説明しています。
他社利用は知られるか
信用情報には載りません。ただし、通帳の明細・債権譲渡登記・売掛先への確認から、他社の利用が分かる場合があります。
ファクタリングは債権の売買であり、借入ではありません。OLTAは公式サイトで、審査に信用情報を参照せず、記録も残らないと説明しています。銀行や貸金業者のように、利用履歴が業者間で共有される仕組みはありません。
一方で、申込の過程で他社の利用が分かることはあります。経路を整理すると次のようになります。
| 経路 | 法人 | 個人事業主 | 内容 |
|---|---|---|---|
| 信用情報機関 | なし | なし | ファクタリングの利用は登録されない |
| 債権譲渡登記 | あり | 対象外 | 登記の対象は法人が行う金銭債権の譲渡。個人事業主は使えない |
| 通帳・入出金明細 | あり | あり | 審査で提出する明細に、他社からの入金や送金が残る |
| 売掛先への確認 | あり | あり | 3社間や、売掛先に事実確認をする会社の場合 |
| 申込時の申告 | あり | あり | 他社利用の有無を確認する欄を設けている会社がある |
債権譲渡登記の有無は、乗り換え先にも確認できます。法務省の説明では、債権を買い取ろうとする人は、概要記録事項証明書で先行する登記の有無を調べられます。この証明書は誰でも請求できます。登記があれば、乗り換え先から登記事項証明書の提示を求められる場合があります。
申込のときに伝える内容
次の4つを先に伝えると、審査の途中での確認が減ります。
現在ほかの会社を利用していること。
その対象になっている売掛先と、請求の対象月。
今回申し込む債権は、それとは別であること。
未精算の債権がある場合は、精算の予定日。
乗り換えの審査で落ちやすいパターンと準備
見られるのは自社の業績より、売掛先が期日に支払えるかどうかです。乗り換え特有の落ち方もあります。
| 落ちやすい状況 | 準備できること |
|---|---|
| 今の会社への送金が遅れている | 先に精算を済ませる。遅延の事実は伝える |
| 同じ債権が他社に譲渡されている | 管理表で対象を分け、別の債権を出す |
| 短期間に何社も同時に申し込んでいる | 見積もりは複数社でよいが、契約は1社ずつ進める |
| 売掛先が個人 | 契約書と過去の入金履歴で取引の実態を示す |
| 取引実績が浅い売掛先 | 継続取引のある別の売掛先の請求書に替える |
| 支払期日が遠い | 期日が近い債権を優先する |
| 必要書類がそろわない | Web明細の画面を印刷したもので代用できる会社もある |
乗り換えのときに用意しておきたいのは、今の会社との取引明細です。期日どおりに送金してきた履歴は、資金を管理できている証明になります。審査に落ちた場合は、別の売掛債権に替えて申し込み直せます。審査の基準は、審査で見られる基準と落ちる理由で詳しく説明しています。
乗り換えのデメリットと注意点
手数料が下がるとは限りません。二重譲渡と、契約書の条項の見落としが、特に損害につながります。
同じ債権を重ねて売らない
同じ売掛債権を複数の会社に譲渡すると、契約違反になります。権利関係のトラブルにつながり、悪質と判断されれば損害賠償や刑事の問題に発展する場合もあります。二重譲渡は、売掛先と対象月の管理が曖昧なときに起こります。管理表の譲渡先の欄を必ず埋めてください。
今の契約書で確認する項目
| 確認する項目 | 見る場所 | 注意したい記載 |
|---|---|---|
| 買戻し・償還請求権 | 契約書の債権譲渡・保証に関する条項 | 回収できない場合に自分が買い戻す、または支払う内容 |
| 担保・保証人 | 特約条項 | 担保の差し入れ、代表者の個人保証を求める内容 |
| 将来債権の包括譲渡 | 譲渡の対象・範囲 | 期間内に発生する債権をまとめて譲渡する内容 |
| 中途解約・違約金 | 契約期間・解除 | 解約に条件や費用がある場合の金額 |
| 債権譲渡登記 | 対抗要件に関する条項 | 登記の要否、費用の負担、抹消の手続き |
| 留保金の精算 | 買取代金の支払い | 掛け目で留保した分を、いつ、どのように返すか |
| 振込金額の内訳 | 手数料・諸費用 | 見積もりと契約書で金額が違っていないか |
買戻しの定めがある契約は、貸付にあたることがある
買戻しの定めがある契約は、貸付にあたる場合があります。
金融庁は、債権を売った側が買い戻す契約や、売った側が自分の資金で業者に支払う契約について、貸金業に該当するおそれがあるとしています。
形式ではなく、経済的な実態で判断されるとも説明しています。
「審査なしで必ず通る」とうたう業者や、契約書の控えを渡さない業者にも注意してください。
判断に迷う契約は、署名する前に弁護士などの専門家に確認してください。
相見積もりは取ってよいが、契約は1社ずつ
見積もりは複数社に依頼して構いません。ただし、同じ債権で複数社と契約を進めると二重譲渡になります。見積もりの段階と契約の段階を分けて、乗り換え先を1社に決めてから書類を提出してください。
他社利用中でも乗り換えられるファクタリング会社32社
公式サイトで条件を確認できた22社と、条件を公表していない10社を分けて掲載しています。数字はすべて2026年9月17日時点の公式の記載です。
3つの質問で候補を絞る
Q1
注文書なら、比較表の注文書欄が◎の会社に絞られます。
Q2
個人事業主は対象外の会社があります。注文書買取は法人のみの会社が中心です。
Q3
当日に必要なら、最短入金が時間単位の会社に絞ります。営業日単位の会社は間に合いません。
公式サイトで条件を確認できた22社
| 会社名 | 注文書 | 手数料 | 買取可能額 | 最短入金 | 対象 | 乗り換え・他社利用 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| BESTPAY | ◎ | 5%〜 | 100万〜3億円程度 | 最短翌日 | 法人 | 申込可(同一債権は不可) |
| ウィット | ◎ | 要問合せ | 下限なし | 2時間 | 法人・個人 | 要問合せ |
| ビートレーディング | ◎ | 要問合せ | 1万〜300万円(オンライン) | 1時間以内 | 法人・個人 | 要問合せ |
| トップ・マネジメント | ◎ | 2社間3.5%〜/3社間・発注書0.5%〜 | 要問合せ | 即日 | 法人・個人 | 要問合せ |
| GMO BtoB早払い | ◎ | 注文書2%〜12%/請求書1%〜10% | 要問合せ | 2営業日 | 法人 | 要問合せ |
| GoodPlus(のりかえPLUS) | ✕ | 5%〜15% | 要問合せ | 90分 | 法人・個人 | 乗り換え専用の審査あり |
| JBL | ✕ | 2%〜14.9% | 要問合せ | 即日(2時間) | 法人・個人 | 乗り換えに優遇あり |
| アクセルファクター | △ | 3社間0.5%〜10.5%/2社間1.0%〜12.0% | 最大1億円 | 即日 | 法人・個人 | 審査可・一本化の提案あり |
| No.1 | △ | 要問合せ | 売掛先1社あたり5,000万円まで | 即日 | 法人・個人 | 申込フォームに申告欄あり |
| PayToday | ✕ | 1%〜9.5% | 10万円〜上限なし | 30分 | 法人・個人 | 他社に譲渡済みの債権を除き申込可 |
| ベストファクター | ✕ | 2%〜 | 20万〜4,000万円(前月実績) | 即日 | 法人・個人 | 要問合せ |
| 日本中小企業金融サポート機構 | △ | 1.5%〜 | 下限・上限なし | 40分 | 法人・個人 | 要問合せ |
| ZIST | ✕ | 2社間5%〜15%/3社間3%〜7% | 30万円〜 | 当日 | 法人・個人 | 要問合せ |
| OLTA | ✕ | 2%〜9%(諸経費込み) | 上限・下限なし | 即日 | 法人・個人 | 要問合せ |
| QuQuMo | ✕ | 1%〜 | 上限なし | 2時間 | 法人・個人 | 要問合せ |
| うりかけ堂 | ✕ | 1.5%〜(別ページは2%〜) | 要問合せ | 2時間 | 法人・個人 | 要問合せ |
| 買速 | ✕ | 2%〜 | 10万円〜無制限 | 即日 | 法人・個人 | 要問合せ |
| メンターキャピタル | ✕ | 要問合せ | 要問合せ | 即日 | 法人・個人 | 要問合せ |
| PMG | ✕ | 要問合せ | 50万円〜上限なし | 即日 | 法人・個人 | 要問合せ |
| ペイトナー | ✕ | 一律10% | 1万円〜 | 即日 | 法人・個人 | 要問合せ |
| フリーナンス | ✕ | 3%〜10% | 要問合せ | 即日 | 法人・個人 | 要問合せ |
| 電子請求書早払い | ✕ | 1%〜6% | 最大1億円 | 2営業日 | 法人 | 要問合せ |
注文書対応の見方
◎ 受注段階(請求書の発行前)で買い取れる
△ 条件付き、または公式の記載から判断できない
✕ 請求書の買取が中心で、注文書は対象外
「要問合せ」は、公式サイトに記載がなかった項目です。
数字は2026年9月17日時点の公式サイトの記載に基づきます。
条件を公表していない10社
次の会社は、乗り換え先の候補として名前が挙がりますが、手数料や買取可能額を公式サイトで確認できませんでした。条件は問い合わせで確認してください。
| 会社名 | 手数料 | 買取可能額 | 最短入金 |
|---|---|---|---|
| ラボル | 要問合せ | 要問合せ | 要問合せ |
| MSFJ | 要問合せ | 要問合せ | 要問合せ |
| マネーフォワード アーリーペイメント | 要問合せ | 要問合せ | 要問合せ |
| エスコム | 要問合せ | 要問合せ | 要問合せ |
| ファクタリングのTRY | 要問合せ | 要問合せ | 要問合せ |
| みんなのファクタリング | 要問合せ | 要問合せ | 要問合せ |
| AGビジネスサポート | 要問合せ | 要問合せ | 要問合せ |
| SHIKIN+ | 要問合せ | 要問合せ | 要問合せ |
| 入金QUICK | 要問合せ | 要問合せ | 要問合せ |
| バイオン | 要問合せ | 要問合せ | 要問合せ |
相見積もりの前に知っておくこと
運営会社が同じサービスに重ねて申し込むと、条件の比較になりません。
BESTPAYとベストファクターは、どちらも株式会社アレシアのサービスです。注文書買取と請求書買取で役割が分かれています。
PAYBRIDGEはトップ・マネジメント、けんせつくんはウィットのサービスです。
GMO BtoB早払いと電子請求書早払いは、どちらもGMOペイメントゲートウェイが債権を買い取ります。
1. BESTPAY(注文書買取)
株式会社アレシアが運営する、受注段階の注文書を買い取るサービスです。請求書の発行前に資金化できる点が、請求書買取との違いです。対象は法人で、契約時に面談があります。
| 注文書対応 | ◎(受注段階で買取) |
|---|---|
| 手数料 | 5%〜 |
| 買取可能額 | 100万〜3億円程度 |
| 入金スピード | 最短翌日(内容確認で3営業日程度になる場合あり) |
| 対象 | 法人(注文書買取は法人のみ) |
| 契約形態 | ノンリコース |
| 必要書類 | 注文書・表紙付きの通帳3か月分・本査定申込書 |
| 対応方法 | 来社または訪問による面談 |
| 実績 | 最低買取額15万円、平均買取額615万円、審査通過率88.8% |
| メリット | デメリット |
|---|---|
| 受注段階で資金化でき、入金サイクルを前倒しできる | 手数料の下限は5%で、請求書買取より高めになりやすい |
| 必要書類が3点で、準備の負担が軽い | 契約時に面談があり、当日の着金には向かない |
| ノンリコースで、回収できなくても返済を負わない | 注文書買取は法人のみで、個人事業主は対象外 |
向いている場合
BESTPAYが向くのは、次の3つが重なる場合です。法人で、受注は決まったが請求書をまだ出せない。着手前に材料費や外注費の支払いがある。数日の余裕があり、当日の着金までは必要ない。
2. GoodPlus(のりかえPLUS)
GoodPlusは、他社からの乗り換えに特化したプラン「のりかえPLUS」を公式サイトで掲げています。すでにファクタリングを使っていることを実績として評価する審査を行い、低い手数料と高い買取価格を目指す内容です。
| 注文書対応 | ✕(請求書が中心) |
|---|---|
| 手数料 | 5%〜15% |
| 最短入金 | 90分 |
| 対象 | 法人・個人事業主(売掛先が個人の債権は対象外) |
| 乗り換え関連 | のりかえPLUS:審査通過率90%以上、最大買取率97%、債権譲渡登記なし、他社との並行利用も可 |
| 諸費用 | 手数料以外の諸経費はかからないと明記 |
| メリット | デメリット |
|---|---|
| 乗り換え利用を前提にした審査がある | 手数料の下限は5%で、上限は15%まで開く |
| 手数料以外の費用がかからないと公表している | 注文書の段階では資金化できない |
| 債権譲渡登記なしで対応する | 売掛先が個人の債権は扱えない |
向いている場合
GoodPlusが向くのは、次の3つのいずれかに当てはまる場合です。すでに他社を利用していて、その実績を評価してほしい。債権譲渡登記を避けたい。買取率を上げて手取りを増やしたい。
3. JBL
JBLは即日の請求書ファクタリングを掲げています。他社からの乗り換えには、手数料の引き下げなどの優遇があると公式ページに記載しています。手数料は上限まで公表しています。
| 注文書対応 | ✕ |
|---|---|
| 手数料 | 2%〜14.9% |
| 最短入金 | 即日(最短2時間) |
| 対象 | 法人・個人事業主(設立1年未満も可) |
| 債権譲渡登記 | なし |
| 乗り換え関連 | 他社からの乗り換えに優遇あり |
| メリット | デメリット |
|---|---|
| 手数料の上限まで公表していて、想定の幅を読みやすい | 上限は14.9%で、条件によっては高くなる |
| 設立して間もない会社でも申し込める | 注文書の段階では資金化できない |
| 債権譲渡登記なしで対応する | 買取可能額は公式に記載がなく、問い合わせが必要 |
ファクタリング会社の口コミサイトには、JBLの利用者の投稿が載っています。乗り換えで資金繰りが安定したという声もあります。ただし個人の体験のため、条件は自分の債権で見積もりを取って確認してください。
4. アクセルファクター
金額帯と契約形態ごとの手数料を公式サイトに掲載している会社です。他社を利用中でも審査を受けられ、複数社の利用を一本化する提案も行っていると記載しています。
| 注文書対応 | △(債権の内容により要確認) |
|---|---|
| 手数料 | 3社間0.5%〜10.5%/2社間1.0%〜12.0%(金額帯で変動) |
| 買取可能額 | 最大1億円 |
| 最短入金 | 即日(申込の半数以上が即日と記載) |
| 対象 | 法人・個人事業主 |
| 審査通過率 | 93.3% |
| 債権譲渡登記 | 必須ではない |
| メリット | デメリット |
|---|---|
| 金額帯ごとの手数料が公開され、見当をつけやすい | 少額は料率が上がり、100万円未満の2社間は4.5%〜12.0% |
| 他社利用中の相談に対応し、一本化の提案もある | 注文書の買取可否は、債権の内容ごとの確認が必要 |
| 経営革新等支援機関の認定を受けている | 下限の料率は高額・3社間の条件に限られる |
5. PayToday
オンラインで完結する請求書ファクタリングです。他社に譲渡していない債権であれば、他社利用中でも申し込めると公式サイトに記載しています。
| 注文書対応 | ✕ |
|---|---|
| 手数料 | 1%〜9.5% |
| 買取可能額 | 10万円〜上限なし |
| 最短入金 | 30分 |
| 対象 | 法人・個人事業主 |
| 債権譲渡登記 | なし |
| その他 | 支払期日が最大90日後の債権まで対象 |
| メリット | デメリット |
|---|---|
| 他社利用中でも申し込める条件を明示している | 注文書の段階では資金化できない |
| 手数料の上限が9.5%で、想定の幅が読みやすい | 買取可能額の記載がページによって異なる |
| オンライン完結で、面談がない | 対面で相談したい場合には向かない |
6. トップ・マネジメント
注文書・発注書・見積書の買取に対応する会社です。3社間と発注書の手数料の下限を0.5%と公表する一方、審査通過率は公開していないと明記しています。
| 注文書対応 | ◎(見積書・発注書も対象) |
|---|---|
| 手数料 | 2社間3.5%〜/3社間・発注書0.5%〜 |
| 最短入金 | 即日 |
| 対象 | 法人・個人事業主 |
| 関連サービス | PAYBRIDGEを同社が運営 |
| メリット | デメリット |
|---|---|
| 注文書だけでなく見積書の段階から相談できる | 買取可能額は公式に記載がなく、問い合わせが必要 |
| 審査通過率を公開していないと正直に記載している | 下限の0.5%は3社間・発注書の条件に限られる |
| 即日の資金化に対応する | 同じ運営のPAYBRIDGEと重ねて申し込むと比較にならない |
7. ウィット
ウィットは少額の注文書・請求書に対応し、最短2時間での資金化を掲げています。買取額の下限は設けていません。建設業向けの「けんせつくん」もウィットのサービスです。
| 注文書対応 | ◎ |
|---|---|
| 手数料 | 要問合せ |
| 買取可能額 | 下限なし |
| 最短入金 | 2時間 |
| 対象 | 法人・個人事業主 |
ウィットの手数料は公式サイトに記載がないため、見積もりで確認してください。少額の債権を早く資金化したい場合の候補になります。ファクタリング会社の口コミサイトには、ウィットの利用者の投稿も掲載されています。
8. ビートレーディング
ビートレーディングは注文書のファクタリングにも対応しています。オンラインでは1万円から300万円までを扱い、最短1時間以内の資金化を掲げています。
| 注文書対応 | ◎ |
|---|---|
| 手数料 | 要問合せ |
| 買取可能額 | 1万〜300万円(オンラインの場合) |
| 最短入金 | 1時間以内(オンライン) |
| 対象 | 法人・個人事業主 |
| 買取率 | 最大98% |
ビートレーディングは、少額をオンラインで早く資金化したい場合に向きます。高額の相談は別の窓口になるため、必要な金額を先に伝えてください。
9. ベストファクター(請求書ファクタリング)
BESTPAYと同じ株式会社アレシアが運営する、請求書のファクタリングです。注文書買取が法人のみであるのに対し、こちらは個人事業主も対象です。
| 注文書対応 | ✕(請求書が対象) |
|---|---|
| 手数料 | 2%〜 |
| 買取可能額 | 前月実績で20万〜4,000万円 |
| 最短入金 | 即日(即日振込実行率47.8%) |
| 対象 | 法人・個人事業主 |
| 初期費用 | 0円 |
ベストファクターは即日振込の実行率を公表しています。最短即日と書かれていても、当日中に着金するのは申込の一部です。当日に資金が必要な場合は、締切時刻を確認して午前中に申し込んでください。
10. 日本中小企業金融サポート機構
経営革新等支援機関の認定を受けた一般社団法人です。手数料は1.5%からで、買取可能額に下限・上限を設けていません。
| 注文書対応 | △(要確認) |
|---|---|
| 手数料 | 1.5%〜 |
| 買取可能額 | 下限・上限なし |
| 最短入金 | 40分 |
| 対象 | 法人・個人事業主 |
日本中小企業金融サポート機構は、金額の大小を問わず相談できます。運営の主体がはっきりしている先で相談したい場合の候補になります。
11. ZIST
2社間と3社間の手数料をそれぞれ公表している会社です。債権譲渡登記は行わず、留保もできると記載しています。
| 注文書対応 | ✕ |
|---|---|
| 手数料 | 2社間5%〜15%/3社間3%〜7% |
| 買取可能額 | 30万円〜 |
| 最短入金 | 当日 |
| 対象 | 法人・個人事業主(売掛先は法人) |
| 審査通過率 | 93% |
| 事務手数料 | なし |
ZISTは2社間と3社間の手数料の差を公表しています。売掛先から承諾を得られる場合に、どちらが有利かを判断しやすくなります。
12. OLTA
オンライン完結のクラウドファクタリングです。買取金額に上限も下限も設けず、手数料は諸経費込みで2%〜9%と公表しています。
| 注文書対応 | ✕ |
|---|---|
| 手数料 | 2%〜9%(諸経費込み) |
| 買取可能額 | 上限・下限なし |
| 最短入金 | 即日 |
| 対象 | 法人・個人事業主 |
| 契約形態 | 2社間・面談不要 |
| 信用情報 | 審査で参照せず、記録も残らないと明記 |
OLTAの手数料には諸経費が含まれます。上限の9%が、そのまま負担の上限になります。手取りの金額を事前に計算しやすい条件です。
比較表の数字の見方
比較表の手数料の下限は、高額の取引や3社間など、条件がそろったときの数字です。自分の債権の見積もりとは別のものとして見てください。
公式サイトでも、ページによって数字が違う会社があります。うりかけ堂の1.5%と2%、PMGの買取可能額の上限などが該当します。
申込の前に、各社の最新の条件を確認してください。
請求書買取の会社を手数料と掛け目で比べた一覧は、請求書買取の手数料と掛け目を30社で比べた一覧にまとめています。
候補の1社として、条件を比べる材料にできます。
個人事業主が乗り換えるとき
個人事業主も乗り換えできます。債権譲渡登記の対象にならない点と、注文書買取は法人のみの会社が多い点が、法人との違いです。
債権譲渡登記の対象は、法人が行う金銭債権の譲渡です。個人事業主の取引は登記できないため、登記から他社の利用が分かることはありません。ただし、提出する通帳の明細や売掛先への確認から分かる場合はあります。
注文書買取は法人のみとしている会社が中心です。受注段階で資金が必要でも、個人事業主の場合は請求書の買取が選択肢になります。比較表の対象欄で、個人事業主が使えるかを先に確認してください。
| 確認する点 | 個人事業主の場合 |
|---|---|
| 債権譲渡登記 | 対象外。登記を理由に断られることはない |
| 注文書買取 | 法人のみの会社が中心。請求書の買取が選択肢になる |
| 売掛先 | 売掛先が個人だと断られやすい。法人向けの請求書を選ぶ |
| 必要書類 | 本人確認書類・請求書・事業用の通帳が基本。確定申告書を求める会社もある |
| 少額の債権 | 下限のない会社や、1万円から扱う会社がある |
個人事業主が即日で使える会社の条件は、個人事業主が即日で使えるファクタリング会社で整理しています。
送金が苦しいとき・乗り換え以外の選択肢
今の会社への送金に充てる目的で新しい契約を結ぶと、手数料が二重にかかり、資金繰りはさらに細くなります。
売掛金が入金されたのに送金できない、または入金前に資金が尽きた。この状態で新しいファクタリングを申し込むと、翌月も同じことが起こります。資金化のたびに手数料がかかるため、手元に残る金額は使うほど減ります。
送金が難しいときに、先にすること
送金が遅れそうだと分かった時点で、今の会社へ連絡してください。連絡をしないまま放置すると、状況はさらに不利になります。
契約書で、遅延したときの扱いと精算の条件を確認してください。
2社間では、回収した代金を契約どおり送金する義務があります。生活費や別の支払いに使うと、問題になるおそれがあります。
資金繰り全体の立て直しは、公的な経営相談窓口や、顧問税理士、弁護士への相談も検討してください。
乗り換え以外で資金繰りを改善する方法
| 手段 | 入金までの目安 | コスト | 返済 |
|---|---|---|---|
| ファクタリング | 最短即日 | 手数料(年率換算では高い) | なし(債権の売却) |
| ビジネスローン | 数日 | 金利 | あり |
| 銀行・公庫の融資 | 1〜2週間以上 | 金利(低め) | あり |
| 取引条件の見直し | 交渉次第 | 原則なし | なし |
| 補助金・助成金 | 数か月 | 原則なし | なし |
数日から数週間の余裕があるなら、融資のほうが負担は軽くなります。ファクタリングを毎月使っている場合は、料率を数%下げる乗り換えより、融資への切り替えや取引条件の見直しのほうが効果は大きくなります。
支払い条件そのものを見直せる場合がある
取引先の支払い条件そのものを見直せる場合があります。
2026年1月1日に施行された取適法(中小受託取引適正化法)では、対象となる取引の手形払いが禁止されました。支払期日も、受領から60日以内とされています。
受注者が手数料を負担して、満額の現金を受け取れない支払方法も制限されています。
すべての取引が対象になるわけではないため、自社の取引が対象かどうかを先に確認してください。
契約の内容や資金繰りに不安がある場合は、申込みを急がず、専門家への相談も検討してください。
よくある質問
Q. 他社を利用中だと審査に落ちますか。
A. 他社利用そのものが失格の理由になるとは限りません。見られるのは、申し込む債権が他社に譲渡されていないことと、売掛先が期日に支払えるかどうかです。申込時に他社利用の有無を確認する会社もあります。
Q. 2社を同時に使っても問題ありませんか。
A. 別の売掛債権であれば併用できます。同じ請求書を重ねて売ることはできません。売掛先と対象月を一覧で管理し、譲渡先の欄を必ず埋めてください。
Q. 乗り換えたことが今の会社に伝わりますか。
A. 業者間で利用履歴が共有される仕組みはありません。ただし、債権譲渡登記の記録は誰でも概要を確認でき、通帳の明細や売掛先への確認から分かる場合があります。
Q. 今の会社との契約を解約する必要がありますか。
A. 単発の売買契約であれば、解約の手続きは必要ありません。回収金の送金と精算が終われば区切りになります。継続的な基本契約がある場合は、解約の条項と将来債権の扱いを確認してください。
Q. 乗り換えると必ず手数料は下がりますか。
A. 下がるとは限りません。初回だけ低い料率のこともあり、諸費用や掛け目で手取りが減ることもあります。6回分の合計など、継続して使う前提で比べてください。
Q. 少額でも乗り換えできますか。
A. できます。買取可能額の下限を設けていない会社や、1万円から扱う会社があります。ただし少額は料率が上がりやすいため、その金額帯での見積もりで比べてください。
Q. 元の会社に戻せますか。
A. 戻せます。1件ごとの売買なので、次の債権をどこに売るかは自由です。前回の精算が終わっていることが前提になります。
Q. 債権譲渡登記が残っていると乗り換えできませんか。
A. 登記があること自体で断られるとは限りませんが、乗り換え先から内容の確認を求められます。精算が終わっていれば、抹消登記を依頼してください。抹消の登録免許税は1件1,000円です。
まとめ:手取りと入金日で選ぶ
他社を利用中でも、別の売掛債権であれば乗り換えも併用もできます。避けるのは、同じ請求書を重ねて売ることだけです。
比べるのは手数料率ではなく、諸費用と掛け目を引いた手取り額と、実際に振り込まれる日です。初回の割引だけで決めると、合計では高くつく場合があります。受注段階で資金が必要な法人は、請求書を待たずに注文書の段階で資金化する方法もあります。
今の会社への送金が終わっていない段階で、その穴埋めのために新しい契約を結ぶのは避けてください。その状態は、乗り換えではなく資金繰りそのものの立て直しが必要な段階です。
他社を利用中でも申し込めます。申込時に利用状況を伝えてください。
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