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税金が払えないとどうなる|差押えまでの流れと事業者が使える猶予制度

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税金の納期限を過ぎたまま、次の支払いが先に来てしまうことがあります。税金の滞納は、利益が出ていない会社だけで起きるわけではありません。消費税や源泉所得税は、売上や給与と一緒に預かったお金を後から納める仕組みだからです。

国税庁の統計では、1年間に新しく発生した滞納額の53.4%を消費税が占めています。納期限までに納められない事業者は、決して少数ではありません。

この記事では、滞納から差押えまでがどの順番で進むのかを整理します。納期限から6か月以内に申請できる猶予制度と、その要件も説明します。あわせて、事業者だけに起きる影響と、納税資金を用意する手段も取り上げました。

税金を滞納してから差押えまでの流れ

結論

納期限の翌日から延滞税がかかり、督促状が届いてから10日を過ぎると、法律上はいつでも差押えができる状態になります。

ただし納期限から6か月以内に換価の猶予を申請すれば、分割での納付が認められる場合があります。督促状が届いたあとでも、まだ申請できる期間が残っているかを確認してください。

国税の場合、滞納から差押えまでは次の順で進みます。

時期 起きること この時点で取れる行動 負担
納期限の翌日 延滞税の計算が始まる 換価の猶予を申請する(納期限から6か月以内) 年2.8%
納期限から2か月後 延滞税の割合が上がる 換価の猶予を申請する。認められれば延滞税も軽減される 年9.1%
納期限から50日以内 税務署から督促状が届く 届いた時点で税務署の徴収担当へ連絡する —
督促状から10日後 差押えが法律上可能になる 猶予の申請期限までの残り時間を確認する —
その後 催告書の送付、財産調査、差押え 分割納付を相談する —

督促状から10日という区切りは、国税徴収法で定められた手続き上の要件です。10日を過ぎた時点で自動的に差し押さえられるわけではありません。ただし税務署は、その後いつでも差押えを実行できる状態になります。税務署へ連絡しないまま放置している滞納者から、順に手続きが進みます。

延滞税は2か月を境に年2.8%から年9.1%に上がる

延滞税の割合は年ごとに決まります。2026年(令和8年)の割合は次のとおりです。

期間 2025年(令和7年) 2026年(令和8年)
納期限の翌日から2か月を経過する日まで 年2.4% 年2.8%
2か月を経過した日の翌日以後 年8.7% 年9.1%

出典:国税庁「延滞税の割合」

2026年の延滞税の割合は、前年から上がりました。納期限から2か月を過ぎると、延滞税の割合は3倍以上になります。

200万円を半年放置した場合の延滞税

納期限からの最初の2か月は年2.8%です。200万円×2.8%×60日÷365日で、延滞税はおよそ9,200円になります。

2か月を過ぎると割合は年9.1%に上がります。200万円×9.1%×120日÷365日で、およそ59,800円が加わる計算です。

半年で合計69,000円程度になります。延滞税は放置した期間に比例して増えるのではなく、2か月を境に増え方が変わります。

地方税は督促状が国税より早く届く

住民税や事業税、固定資産税といった地方税は、国税とは別の手続きで進みます。違いが大きいのは、督促状が届くタイミングです。

項目 国税(法人税・消費税・源泉所得税など) 地方税(住民税・事業税・固定資産税など)
窓口 所轄の税務署 都道府県税事務所・市区町村の納税課
督促状の発送 納期限から50日以内 納期限後20日以内(条例で30日以内としている自治体もある)
滞納処分が可能になる時期 督促状を発した日から10日を経過した日まで完納しないとき
遅れた場合の負担 延滞税 延滞金(割合は国税の延滞税と同じ水準)
猶予制度 換価の猶予・納税の猶予 換価の猶予・徴収猶予(自治体の窓口で申請)

国税と地方税の両方を滞納している場合、手続きはそれぞれ別に進めることになります。税務署へ相談しても、地方税の手続きは止まりません。片方だけに連絡していると、もう片方から先に差押えが行われます。

事業者が最初に差し押さえられやすいのは売掛金

差押えの対象は、現金化しやすい財産から選ばれます。事業者の場合、不動産より先に対象となるのは預金と売掛金です。

対象 特徴 事業への影響
預金 調査が容易で、即座に差し押さえられる 引き落とし不能になり、取引先への支払いが止まる
売掛金 売掛先に債権差押通知書が送られる 滞納の事実が取引先に伝わる
不動産 公売までに時間がかかる 登記に差押えが記載され、融資の担保に使えなくなる
車両・在庫 評価と保管の手間がかかるため優先度は低い 事業の継続そのものが難しくなる

売掛金の差押えでは、回収される金額以上に取引関係への影響が大きくなります。売掛先に債権差押通知書が届き、滞納の事実がそのまま伝わるためです。取引の継続や与信の見直しにつながることもあります。事業者の滞納は、納める金額の問題だけで終わりません。

新規発生滞納額の53.4%を消費税が占めている

国税庁の令和6年度の統計によると、1年間に新しく発生した滞納額は9,925億円でした。消費税(地方消費税を含む)の滞納額は5,298億円で、全体の53.4%にあたります。

項目 金額 構成比
新規発生滞納額の合計 9,925億円 100%
うち消費税(地方消費税を含む) 5,298億円 53.4%
滞納発生割合(徴収決定済額に対する比率) — 1.2%

出典:国税庁「令和6年度租税滞納状況の概要」(令和7年8月公表)

税目別に見ると、消費税の滞納額が半分以上を占めています。消費税は利益にかかる税金ではなく、預かったお金を後から納める税金です。資金繰りが悪化すると、納付に回す現金が残りにくくなります。源泉所得税も同じ仕組みです。

滞納発生割合そのものは1.2%で、全体から見れば低い水準です。ただし一度滞納すると、翌期の納付が重なって滞納額は増えていきます。早い段階で窓口へ連絡すれば、滞納額が膨らむ前に分割の形を決められます。

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納期限から6か月以内に申請できる換価の猶予

結論

一度に納めると事業の継続が難しくなる場合、換価の猶予を申請すれば1年以内の分割納付が認められることがあります。

申請できるのは納期限から6か月以内です。この期限を過ぎると、同じ事情であっても申請そのものができなくなります。

国税の猶予制度は2種類あり、どちらに当てはまるかで要件が変わります。

項目 換価の猶予 納税の猶予
使える場面 一度に納めると事業の継続または生活の維持が困難になるとき 災害・盗難・病気・事業の廃業や休業・著しい損失があったとき
申請期限 納期限から6か月以内 該当する事実が生じた後、速やかに
猶予される期間 1年以内 1年以内(延長して最長2年)
納め方 原則として分割 分割または先延ばし
担保 原則として必要。ただし猶予額が100万円以下、または猶予期間が3か月以内なら不要
延滞税 猶予期間中は免除または軽減される
他の滞納 他に滞納している国税がないこと —
差押え 原則として新たな差押えは行われない。すでにされている場合は解除されることがある

出典:国税庁「国税を期限内に納付できないとき」

資金繰りを理由に払えない事業者に当てはまるのは、換価の猶予です。災害や病気といった特別な事情がなくても申請できます。

分割納付の相談と換価の猶予は扱いが違う

分割で納める相談をしているだけの状態と、換価の猶予が認められた状態では、延滞税と差押えの扱いが変わります。

項目 分割納付の相談だけ 換価の猶予が認められた場合
延滞税 そのままかかる 免除または軽減される
差押え 行われる可能性が残る 原則として行われない
手続き 口頭の相談 申請書と財産収支の資料を提出する

手間はかかりますが、申請したほうが負担は軽くなります。窓口で「分割でお願いします」と伝えただけでは、制度としての猶予にはなりません。猶予の申請書を提出したいと明確に伝えてください。

申請に必要な書類

猶予の申請では、払えない事情と、分割であれば納められることを数字で示します。

書類 内容
猶予申請書 国税庁のサイトから取得できる。e-Taxでも申請できる
財産収支状況書 猶予額が100万円以下の場合に使う簡易な様式
財産目録 猶予額が100万円を超える場合に必要
収支の明細書 猶予額が100万円を超える場合に必要。今後の入出金の見込みを示す
担保関係の書類 担保が必要な場合のみ

税理士に依頼しなくても自分で提出できます。書き方が分からない場合は、所轄の税務署の徴収担当に電話で確認してください。申請自体に費用はかかりません。

猶予が認められにくいケース

申請すれば必ず認められるわけではありません。判断が厳しくなるのは、次のような場合です。

状況 理由
申告をしていない 納付すべき税額が確定していない。まず申告が必要になる
他に滞納している国税がある 換価の猶予の要件に当てはまらなくなる
分割でも納められる見込みが示せない 収支の資料で返済計画が立たないと判断される
過去の猶予で納付が守られていない 誠実な納付の意思が認められにくくなる
申請期限を過ぎている 納期限から6か月を過ぎると換価の猶予は申請できない

認められなかった場合でも、分割納付の相談は続けられます。延滞税は軽減されませんが、連絡を取り続けているかどうかで差押えに進む速さは変わります。

税金の滞納が事業に与える影響

延滞税の負担以外にも、滞納が残っていると事業の選択肢が狭まります。

滞納があると融資審査は納税証明書の段階で進まない

金融機関の融資では、納税証明書の提出を求められることがほとんどです。未納があれば、その時点で審査は進みません。日本政策金融公庫や信用保証協会付きの融資でも扱いは同じです。

資金繰りが苦しいために税金を後回しにすると、融資も受けられなくなります。滞納する前に融資を相談しておくほうが、選択肢は多く残ります。

入札参加資格や許認可に影響する場合がある

官公庁の入札参加資格審査では、納税証明書の提出が要件になっています。建設業許可の更新でも、納税状況の確認が行われる場合があります。

継続的に公共工事を受注している事業者にとって、滞納は受注機会の喪失に直結する問題です。

売掛金の差押えで取引先に伝わる

売掛金を差し押さえられると、売掛先に債権差押通知書が届きます。通知を受け取った取引先の経理部門には、滞納の事実がそのまま伝わる形です。

与信の見直しや支払条件の変更につながることもあります。事業者にとって負担が大きいのは、延滞税よりも取引先への影響のほうです。

納税資金が足りないときの選択肢

猶予が認められても、分割で納めるための原資は必要です。現金をどう用意するかによって、選択肢は次のように分かれます。

手段 向いている状況 かかる時間 注意点
換価の猶予の申請 分割なら納められる見込みがある 申請から審査まで数週間 納期限から6か月以内
分割納付の相談 猶予の要件に当てはまらない 相談は当日から可能 延滞税は軽減されない
金融機関の融資 納期限まで1か月以上ある 2週間から1か月 滞納があると納税証明書の段階で進まない
売掛金の早期資金化 入金待ちの売掛金や注文書がある 最短即日から数営業日 手数料と掛け目の分だけ手取りが減る
資産の売却 遊休資産がある 買い手による 売却益に課税される場合がある

滞納中でも使える資金調達は限られる

税金を滞納している状態で使える資金調達は多くありません。融資は納税証明書の段階で進まず、カードローンは事業資金に使えない契約が一般的です。

選択肢として残るのは、売掛金や注文書の早期資金化です。ファクタリングは借入ではなく債権の売却のため、税金の滞納があっても取引できる会社があります。審査で見られるのは、主に売掛先の信用力です。

ただし手数料がかかる分、融資より負担は大きくなります。毎年の納税資金をファクタリングでまかなう使い方は勧められません。今回の納付に間に合わせたうえで、翌期は納税用の口座を分けて資金を確保してください。

手数料率より振込額を確認する

手数料が安くても、額面の全額が振り込まれるとは限りません。買取率(掛け目)が設定されている場合、額面100万円でも振込額が90万円を切ることがあります。

見積もりを取るときは、手数料率ではなく実際にいくら振り込まれるかを確認してください。2社から3社に見積もりを取ると、同じ売掛金でも振込額に差が出ます。

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来年の納付で同じことを繰り返さない方法

同じ状況を繰り返さないために最も手間がかからないのは、納税用の口座を分けることです。消費税と源泉所得税は、預かったお金を後から納める仕組みです。預かっている間に事業資金として使うと、納期限までに戻せなくなります。

やること 内容
納税用の口座を分ける 売上が入ったら税金相当分を別口座へ移す。事業用の口座に置いたままにしない
中間申告の有無を確認する 前年の消費税額が48万円を超えると中間申告が必要になる。年1回払いの前提で資金繰りを組むとずれる
源泉所得税の納期の特例を使う 給与の支給人員が常時10人未満なら、年2回にまとめられる。資金繰りの山を把握しやすくなる
年間の納税カレンダーを作る 法人税・消費税・住民税・事業税・固定資産税・社会保険料の納期を1枚にまとめる
振替納税を使う 口座振替にすると納付日が納期限より後ろにずれる。数週間の余裕が生まれる

5つのなかで最初に取り組みやすいのは、納税用の口座を分ける方法です。売上が入った時点で税金相当分を移しておけば、納期限に現金が残ります。

なお社会保険料は税金とは別の制度です。窓口は年金事務所で、猶予の手続きも税金とは別に申請します。両方を滞納している場合は、それぞれの窓口へ連絡が必要です。

納税資金の調達にファクタリングを使う場合の条件

売掛金や注文書を資金化する選択肢を検討する場合、条件を先に確認しておきます。本記事を運営するBESTPAY(注文書買取)とベストファクター(請求書買取)の条件は次のとおりです。

項目 内容
運営会社 株式会社アレシア
買取の対象 注文書買取(受注段階)/請求書買取
買取可能額 原則として売掛先1社につき1億円
手数料 注文書買取:5%〜/請求書買取:2%〜
入金スピード 請求書買取:最短即日〜3営業日/注文書買取:最短翌日
対象 注文書買取は法人のみ/請求書買取は個人事業主も可
必要書類 審査時:通帳3か月分、請求書または注文書、本人確認書類
契約時:納税証明書、印鑑証明書、登記簿謄本
申し込み オンライン・電話
所在地 東京都新宿区西新宿1-6-1 新宿エルタワー24階(大阪・福岡に支社)

契約時に納税証明書が必要になるため、滞納がある場合は申し込みの段階で伝えておくと手続きが早く進みます。滞納があっても取引できる場合はありますが、可否は金額や状況によって変わります。

税金が払えないときのよくある質問

払えないと分かっていても申告はしたほうがよいですか

申告は期限内に済ませてください。申告と納付は別の手続きです。申告をしないと無申告加算税が別にかかり、猶予の申請もできなくなります。納付できない分は、申告したあとに猶予の申請で対応します。

督促状を無視し続けるとどうなりますか

財産調査が行われ、預金や売掛金が差し押さえられます。差押えの前に本人の同意は必要ありません。事業者の場合は売掛金が対象になりやすく、売掛先に通知が届きます。

滞納している税金が免除されることはありますか

本税が免除される制度は原則としてありません。延滞税については、猶予が認められた期間分が免除または軽減されます。猶予が認められても、本税そのものは全額を納めることになります。

赤字でも税金は払う必要がありますか

消費税と源泉所得税は、赤字でも納付義務が残ります。預かったお金を納める仕組みだからです。法人住民税の均等割も、赤字でも納付が必要です。赤字でも納付義務が残る税金があるため、税目ごとに確認してください。

国税と地方税のどちらから先に相談すべきですか

両方へ連絡してください。手続きが別なので、片方へ連絡しても、もう片方は止まりません。督促状が早く届くのは地方税のため、先に通知が届いた窓口から連絡すると漏れが減ります。

猶予を申請すると税務調査が入りやすくなりますか

猶予の申請が税務調査の直接のきっかけになるわけではありません。ただし申告内容と収支の資料に食い違いがあれば、確認を求められることはあります。資料は実態どおりに作成してください。

まとめ:6か月の期限を過ぎる前に窓口へ連絡する

税金を滞納すると、納期限の翌日から延滞税が年2.8%でかかり始め、2か月を過ぎると年9.1%に上がります。督促状が届いてから10日が過ぎれば、いつ差押えが行われてもおかしくない状態です。

一方で、納期限から6か月以内に換価の猶予を申請すれば、1年以内の分割納付が認められることもあります。猶予期間中は延滞税が軽減され、原則として新たな差押えも行われません。納期限から6か月以内に申請できるかどうかが、実務では最も重要な分かれ目です。

事業者の場合、差押えの影響は金額だけにとどまりません。売掛金を差し押さえられると取引先に滞納が伝わり、納税証明書の提出が必要な融資も受けられなくなります。官公庁の入札参加資格にも影響します。

払えないと分かった時点で、国税は税務署、地方税は自治体の窓口へ連絡してください。そのうえで、分割で納めるための原資を用意します。この順番で動けば、差押えまで進むことはほとんどありません。

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参照した一次情報

国税庁「延滞税の割合」
国税庁「国税を期限内に納付できないとき」
国税庁「令和6年度租税滞納状況の概要」(令和7年8月公表)
地方税法第329条/国税徴収法

本記事は注文書買取ファクタリング BESTPAY(株式会社アレシア)が運営しています。猶予の可否や税額は個別の状況で変わるため、最終的な判断は所轄の税務署、自治体の窓口または税理士にご確認ください。

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