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起業するにはいくら必要?資金調達方法の違いと調達時の注意点を解説

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起業する際には、ほとんどの事業でお金が必要になります。

しかし「何も実績がないのに、どうやってお金を調達すべきなのか?」と不安に感じている人も多いのではないでしょうか?

起業するなら資金調達先や資金調達方法もしっかりと理解したうえで計画を立てましょう。

この記事では起業に必要な資金の考え方、起業資金を調達する方法や注意点について詳しく開設していきます。

起業資金は少なく見積もると資金ショートする可能性がありますし、多く見積もりすぎると債務超過に陥る可能性もあります。

調達方法や調達に必要な資金の考え方などについてしっかりと理解しておきましょう。

起業資金の考え方

起業資金がいくら必要になるのかを正確に見積もることで、起業する際に資金不足をおこすことも借入過多に陥ってしまうこともあります。

起業資金がいくら必要になるのかについて、起業時に必要になる費用の項目は次のとおりです。

  • 広告費
  • 事業所・店舗の賃貸費
  • 設備費
  • 仕入れ
  • 通信費
  • 人件費

起業の際には、初期投資として必要な設備資金と、毎月の運転資金×6ヶ月分程度は確保しておきたい運転資金に分かれます。

起業資金を過不足なしで見積もる方法について詳しく解説していきます。

広告費

起業の際にはほとんどの業種で広告費が必要になります。

最初は自社の商品やサービスについて知っている人が少ないため、より多くの人に自社の商品やサービスの内容を知ってもらい顧客を確保しなければならないためです。

広告費の目安は媒体によって次のように異なります。

  • テレビCM:30万~100万円/月(制作費別)
  • 新聞広告:数万円〜数十万円/回
  • 雑誌広告:50万円~250万円/回
  • ラジオ広告:数万円〜数十万円/回
  • リスティング広告:数万円〜50万円/月
  • ディスプレイ広告:数万円〜50万円/月
  • YouTubeなど動画広告:20万~80万円/月
  • SNS広告:数万円〜30万円/月
  • アフィリエイト広告:数万円〜5万円/月

自社が訴求したい層に対して有効な広告はどの広告かを検討し、必要な広告費を用意しましょう。

例えば高齢者向けに訴求したいのであれば、テレビや新聞が効果的です。

できる限りターゲットを絞って広告費を抑えたいのであれば、ターゲティングを細かくできるリスティングなどのWEB広告がおすすめです。

広告費はお金をかけようと思えば際限なくかけられる部分ですので、あらかじめ予算を決めて最適な広告を選択しましょう。

もちろん、自社でSNS発信や動画投稿をおこなうことで、お金をかけずに宣伝することも可能です。

事業所・店舗の賃貸費

事務所や店舗の賃貸費も起業の際には必要です。

賃貸契約を始める際には、敷金・礼金・仲介手数料・家賃などによっては家賃の6ヶ月〜7ヶ月分が必要になるのが一般的です。

物件によっては数百万円程度の保証金が必要になることもあるので、場合によっては店舗の契約をするだけで1,000万円以上のお金が必要になることもあります。

飲食店などを起業する場合には、立地も非常に重要になります。

ターゲットとする顧客層の人通りはあるか、駐車場は必要か、通りから目につきやすい場所かなど、詳細にリサーチし、起業するために必要な物件を決め、そこから事務所や店舗の賃貸に必要な資金を見積もりましょう。

開業当初は売上がないことを予測して、契約時に必要なお金とは別に家賃の6ヶ月分程度は手元に持っておくと安心です。

設備費

起業する際には設備費用も必要です。

店舗であれば、店舗の内装費や机・テーブルなどの備品、飲食店であれば厨房機器なども必要になります。

製造業であれば機械が必要になりますし、業種によって専用の自動車も必要になるかもしれません。

起業する際に何の設備が必要で、いくら費用がかかるのかを詳細に把握しましょう。

なお、店舗の場合は、同業他社が退去した居抜き物件を借りれば、内装費用を大きく抑えることができます。

飲食店などは、どの程度開業時の設備費を抑えられるかによって、その後の資金繰りが大きく変わってくるので、できる限り居抜き物件を探して設備費を抑えるようにしてください

仕入れ

仕入れに必要な資金も用意しなければなりません。

起業の際には、顧客に対して販売する商品が手元にない状況なので、業種によっては起業前に多くの在庫を確保しなければなりません。

ただし、多くの在庫を抱えすぎると資金繰りは苦しくなります。

そのため、1ヶ月で販売できる分はどの程度なのかを詳細に判断し、できる限り過不足なく1ヶ月に必要な在庫を用意しましょう。

そのため仕入れに必要なお金は1ヶ月〜2ヶ月分程度を確保しておけば問題ありません。

ただし飲食店など、在庫のロスが多い(売りなければ廃棄しなければならない)業種の場合は、やはり6ヶ月分程度の資金を手元に持っていた方が安心でしょう。

通信費

起業する際には通信費も必要です。

会社には電話やインターネット環境が必要不可欠です。

また、携帯電話も必要になります。

通信費は会社の規模や従業員数によって異なるものの、月に1万円〜5万円程度必要になると理解しておきましょう。

起業の際には、やはり手元に6ヶ月分程度の通信費があった方が安心です。

人件費

起業の際には人件費の確保も必要です。

やはり手元には6ヶ月分程度の人件費を確保しておきましょう。

従業員を雇わない場合でも、経営者自身の生活費は必要になります。

そのため、起業の際には経営者の生活に必要な最低限の報酬がいくらなのかを見積もり、その金額を月額報酬として想定し、月額報酬×6ヶ月分程度は確保しておくようにしてください。

起業して法人設立する際の費用

起業して法人を設立される方は、運転資金や設備資金だけでなく、法人設立に必要な費用そのものも用意しなければなりません。

起業の際に考えられる法人の形態は主に次のとおりです。

  • 株式会社
  • 合同会社
  • 一般社団法人
  • 一般財団法人
  • NPO法人

それぞれの設立費用がいくらになるのかについて詳しく解説していきます。

株式会社の設立費用

株式会社を設立するために必要な最低限の費用は25万円です。

会社設立の際には法人登記や定款の認証が必ず必要になるので、自分で会社設立の手続きをする場合も25万円は必要です。費用の内訳は次のとおりです。

  • 登録免許税:15万円または資本金の0.7%の額のどちらか高い方
  • 謄本手数料:約2,000円(1ページ250円)
  • 定款認証手数料:約5万円
  • 印鑑作成代:1万円程度
  • 定款に貼る印紙代:4万円 (電子定款認証は不要)

電子定款の場合、印紙代は必要ありませんが、それでも20万円は必要です。

なお、司法書士に設立手続きを依頼する場合はさらにここに司法書士報酬として5万円〜20万円程度の費用が発生します。

株式会社の場合、資本金も必要になります。

資本金は1円から設立できますが、起業のために自己資金が用意できている場合には自己資金を資本金といて入金した上で起業した方がスムーズです。

銀行によっては資本金は100万円以上ないと融資に応じてもらえないケースもあるので、融資を利用して起業する場合には、ある程度の資本金を用意しておいた方がよいでしょう。

合同会社の設立費用

合同会社は少ない出資者(社員)で構成される小規模の経営に向いている法人形態です。

株式会社よりも設立費用を抑えられる点が特徴で、自分で設立手続きをおこなう場合は10万円程度で設立できます。

合同会社設立に必要な費用の内訳は次のとおりです。

  • 登録免許税:6万円または資本金の0.7%の額のどちらか高い方
  • 謄本手数料:約2,000円(1ページ250円)
  • 印鑑作成代:1万円
  • 定款に貼る印紙代:4万円(電子定款認証は不要)

電子定款認証をおこなう場合は、登録免許税の6万円+印鑑作成費用などの諸費用だけで設立可能です。

小規模経営の法人を設立したいのであれば、株式会社よりも合同会社の方が手軽に設立できます

ただし、合同会社は株式の発行ができないので新株発行による出資を受けられません。そのためベンチャーキャピタルなどから出資を受けて会社を大きくしたいと考える方には向いていません。

さらに、株式会社よりも社会的信用力が劣るので、新規開拓をスムーズに進めたい方は合同会社より株式会社の方がよいでしょう。

一般社団法人の設立費用

一般社団法人とは、人が集まって社会活動などの特定の事業をおこなうことも目的として非営利の法人です。

法人自身の財産が必要ないので資本金などの払込も不要です。

設立に必要な資金は11万円程度で内訳は次のようになります。

  • 登録免許税:6万円
  • 謄本手数料:約2,000円(1ページ250円)
  • 定款認証手数料:約5万円

一般社団法人は公益性が高いので、〇〇検定などの検定ビジネスや会員ビジネスをおこなう場合に向いています。

ただし、株式発行などはできないので出資での資金調達は不可能です。

日本政策金融公庫などから融資を受けることは可能です。

一般財団法人の設立費用

一般財団法人とは財産を運用し、そこから得られる運用益で事業をおこなう法人です。

一般財産法人設立には最低でも300万円の基本財産が必要です。それに加えて10万円程度の設立費用が必要になります。内訳は以下のようになります。

  • 基本財産:300万円以上
  • 登録免許税:6万円
  • 謄本手数料:約2,000円(1ページ250円)
  • 定款認証手数料:約5万円

印紙税はかからず、登録免許税も株式会社よりも安いので、設立費用はそれほどかかりませんが、基本財産300万円が必要になる点が他の法人形態との大きな違いです。

NPO法人の設立費用

NPO法人とは特定非営利活動法人のことで、社会貢献活動などの営利を目的としない活動をおこない、団体の構成員に収益を分配する法人です。

NPO法人は次の20種類の業種に限られます。

  • 保険、医療または福祉の増進活動
  • 社会教育の推進活動
  • まちづくりの推進活動
  • 観光の振興活動
  • 農山漁村または中山間地域の振興活動
  • 学術、文化、芸術、スポーツの振興活動
  • 環境の保全活動
  • 災害救援活動
  • 地域安全活動
  • 人権擁護または平和の推進活動
  • 国際協力活動
  • 男女共同参画社会の形成促進活動
  • 子供の健全育成を図る活動
  • 情報化社会の発展活動
  • 科学技術の振興活動
  • 経済活動の活性化を図る活動
  • 職業能力の開発もしくは雇用機会の拡充を支援する活動
  • 消費者保護の活動
  • 前各号に挙げた活動を行う団体の運営もしくは活動に関する連絡、助言または援助活動
  • 前各号に挙げた活動に準ずる活動として都道府県または指定都市の条例で定める活動

1つのNPO法人が上記の複数の業種を運営することが可能です。

NPO法人では登録免許税、定款認証手数料、印紙代などは不要です。

必要な費用は印鑑作成などの諸経費にかかる実費のみとなっています。

株式発行ができないので出資による資金調達が難しく、株式会社は合同会社よりも融資を受けにくい点はデメリットです。

ただし、補助金などは受けやすい傾向にあります。

起業に必要な資金の調達方法

起業に必要な資金の調達方法は主に次の9つの方法です。

  • 自己資金
  • 知人などからの借入
  • 制度融資
  • 日本政策金融公庫
  • ベンチャーキャピタル
  • クラウドファンディング
  • 補助金や助成金
  • エンジェル投資家
  • 注文書ファクタリング

それぞれの資金調達方法の特徴やメリットについて詳しく解説していきます。

自己資金

自己資金で開業に必要な資金を用意するケースです。

自己資金であれば、返済の必要がないので起業後に事業が軌道に乗らなかったとしても資金繰りへの負担がありません。

そのため起業するために必要な自己資金が手元にあるのであれば、自己資金を使用して起業するのが最も安全です。

しかし起業にはそれなりに高額な資金が必要になります。

大きな起業資金を借入なしで貯めるには時間がかかります。もともとも手元に資金がある方以外は起業に必要な資金をすべて自己資金で用意することは非常に時間がかかります。

また、起業後も緊急時や追加の投資が必要なときに備えて、一定の自己資金を手元に持っていることに越したことはありません。

手元に潤沢な自己資金があるのであれば自己資金で開業することにはメリットしかありません

しかし手元に資金がない場合、起業に必要な資金ギリギリしかない場合は、自己資金で開業することはリスクも伴うので注意しましょう。

知人などからの借入

知人などからお金を借りて起業するケースです。

銀行などの金融機関で起業資金を借りた場合は返済できなくなった場合は財産の差し押さえなどの法的措置が取られる可能性がありますが、知人などから借り入れた場合には即法的措置を取られるようなことはありません。

また、親などであれば金利0で借りられる可能性もあります。

これらの理由から金融機関などからお金を借り入れるよりもメリットの多い方法です。

一方で、個人的な知り合いからお金を借りると、貸した人が上、借りた人が下という上限関係が生まれてしまうので人間関係が壊れる可能性があります。

また、お金を貸した側にとっては「貸したお金が本当に返ってくるか不安」という心理的な負担も生じます。

知人からのお金の借入は、親のようなよほど近しく、お金を借りても人間関係が壊れない関係性でない限りは、人間関係を壊すなどのデメリットもある点に注意しましょう。

制度融資

制度融資とは地方自治体が地元の事業者の資金繰り円滑化のために、金利等の貸付条件を決定している融資です。

自治体が金利等を決めているので、非常に低い金利で融資を受けられます。

また、自治体の財源から利息や保証料に対して補助を受けられるので、中には実質的な負担がほとんどなく資金調達できるものもあります。

起業に必要な資金もほとんどの自治体で用意しているので、制度融資を利用すれば低金利で起業資金を借りることが可能です。

制度融資を融資するのは銀行や信用金庫などの地元金融機関です。

金融機関は自治体から預かっている預託金の範囲内で原則的に融資をおこないます。

さらに信用保証協会の保証をつけるので、制度融資は金融機関にとって非常にリスクの低い融資で、審査にも通過しやすいと言えるでしょう。

自治体によってどのような制度が用意されているのかは異なるので、まずは地元の役所の商工課窓口や金融機関窓口へ確認してください。

日本政策金融公庫

日本政策金融公庫は国が出資する金融機関です。

国が中小企業の資金繰り円滑化のために設立している金融機関です。

創業や起業を増やすことは、新たな産業を生み出し若者のチャレンジであるため、国にとって重要な政策課題です。

そのため、日本政策金融公庫は開業資金融資で起業資金を積極的に融資しています。

日本政策金融公庫には「新規開業資金」という金利や限度額が決まったパッケージ商品が用意されており、基本的な概要は次のようになっています。

利用できる人 新たに事業を始める方または事業開始後おおむね7年以内の方
資金使途 新たに事業を始めるため、または事業開始後に必要とする設備資金および運転資金
融資限度額 7,200万円(うち運転資金4,800万円)
返済期間 設備資金 20年以内
<うち据置期間5年以内>
運転資金 10年以内
<うち据置期間5年以内>
利率(年)
(2025年1月現在)
税務申告を2期終えてる方
2.50%~3.60%税務申告を2期終えていない方
2.50%~3.60%

この融資は担保がある人や、若者や女性が融資を受ける場合など、一定の条件を満たすとさらに金利が優遇されます。

日本政策金融公庫は最も起業に必要な資金を借りやすい金融機関の1つですので、融資金を利用して起業するなら日本政策金融公庫へ相談するのは最も一般的な方法の1つです。

ベンチャーキャピタル

ベンチャーキャピタルは将来性がありそうなスタートアップやベンチャー企業へ出資をおこない、企業を成長させることで将来的に上場させて多額の株式売却代金を得ることを目的とした投資会社です。

ベンチャーキャピタルから出資を受けられれば、数億円規模の多額の資金調達が可能です。

短期間で一気に事業を大きくしたいと考える方にはベンチャーキャピタルから出資を受けることが向いています。

ベンチャーキャピタルの担当者側も早期に資金を回収して利益を得たいと考えているので、会社が大きくなるために必要なノウハウや人脈を提供してもらえます。

ただし、ベンチャーキャピタルに出資を受けると、経営に口を出されるので経営の独立性を損なわれてしまうデメリットがあります。

また、もしも投資したお金を回収できないと判断された場合、株式の買い戻しを請求される可能性がある点にも注意しましょう。

クラウドファンディング

クラウドファンディングとは、事業やアイデアをクラウドファンディングサイトに掲載し、事業やアイディアなどの賛同者から事業に必要なお金を少しずつ集める資金調達方法です。

日本のクラウドファンディングの多くが購入型クラウドファンディングで、資金提供によって支援する代わりに返礼品などのリターンをわたす「リターンを購入する」という形態でおこなわれます。

そのため、クラウドファンディングで集めたお金は返済の必要性がありません。

自己資金として利用できるので、ベンチャーキャピタルなどから出資を受けるよりもはるかに気軽に資金提供を募ることができます。

ただし、クラウドファンディングおける支援者は「儲かりそう」と考えて資金提供しているわけではありません。

事業やアイディアに対して、「おもしろうそう」とか「助けてあげたい」「一緒に参加したい」などの共感を感じた案件に対して支援をおこなう傾向があります。

そのため、単に起業して儲けたいとの案件では起業に必要な資金を集めるのは難しいでしょう。

NPO法人や一般社団法人などの非営利団体が資金を集める際に向いています

補助金や助成金

補助金や助成金も起業の際に受け取れる場合があります。

例えば北海道小樽市では「創業支援補助金」という補助金があり、内外装工事費補助を限度額50万円、補助率2分の1で実施しています。

補助金には交付条件があり、条件を満たしていない交付を受けることはできません。

また、中には創業計画に対して審査があり、厳しい採択率をクリアしないと受け取れない補助金もあります。

補助金も返済不要な資金ですので、上手に補助金を活用して起業すれば資金繰りはかなり楽になります

しかし、基本的に補助金は後払いですので、補助金が給付されるまでは自己資金や借入で補助金の対象となる支出を支払わなければならない点に注意しましょう。

エンジェル投資家

エンジェル投資家とは、若手の起業家などへ投資する個人の投資家です。

エンジェル投資家の中には引退した元経営者や起業家なども多く「若手を応援したい」という気持ちで出資してくれる人も少なくありません。

このような投資家からは、人脈の紹介や経営ノウハウの提供など資金面以外の支援を受けられる点もメリットです。

もちろん出資などで資金の返済義務はありません。

ただし、投資額の10%程度のリターンを配当として渡さなければならないのが一般的ですので、資金調達コストはそれほど低くありません。

また、投資家からは経営に関与されるので独立性が大きく損なわれる場合もあります。

関係性が崩れると、株式の買い戻し請求を迫られるなど、トラブルも多いので、本当に信頼できる投資家から出資を受けられるかどうかの見極めが重要です。

注文書ファクタリング

注文書ファクタリングとは、取引企業から発注を受けた注文書を売掛債権とみなして受注段階でファクタリアング会社へ売却して資金調達する方法です。

例えば1,000万円の受注を受けたのであれば、その注文書をファクタリング会社へ売却することで1,000万円に掛け目を乗じて手数料を控除した金額を調達できます。

受注を受けるとそれに対応した運転資金が必要になるので、起業直後には一定の運転資金を保有していないと受注を受けられません。

そこで、注文書ファクタリングを利用すれば受注に対応した運転資金を最短即日で獲得できるので、手元に資金がなくても高額な受注が可能です。

また、審査は発注企業に対して主におこなわれるので、創業間もなく信用度の低い企業でも、優良企業からの受注であれば審査に通過できる可能性があります。

資金力が乏しく信用度が低い起業直後におすすめの方法です。

起業資金調達時の注意点

起業資金を調達する際には次の点に注意が必要です。

  • 据え置き期間を適切に利用する
  • 無理に返済額を増やしすぎない
  • 出資の際は会社の所有権に注意する
  • できる限り自己資金を用意する
  • 事業計画は根拠に基づいたものとする

起業する際に必要な資金は事業計画に対して審査がおこなわれるので、審査に通過しやすい特徴があります。だからこそ、計画はシビアに立てて起業後に返済で苦労しないように準備しましょう。

起業資金を調達する際の5つの注意点について詳しく解説していきます。

据え置き期間を適切に利用する

起業資金の融資を受ける際には据え置き期間を設定できます。

据え置き期間とは、借入から一定期間元金の返済を据え置き、利息だけ返済していく期間のことです。

起業直後は事業が軌道に乗らず、思うような売上を確保できないことから、返済のための資金が不足するケースが少なくありません。

そのため、借入から一定期間は据え置き期間を設定し、元金返済をせずに事業を軌道に乗せる時間を稼ぐことができます。

起業前は希望に溢れているので「初月から返済は簡単」と強気になる人が多く、据え置き期間を設定しないか短めに設定する人が少なくありません。

据え置き期間を設定するとのその期間分の利息負担が増えるためです。

しかし、実際に起業してみると事業が軌道に乗るまでに時間がかかったというケースが多いので、据え置き期間は「万が一計画通りに事業が進まなかった場合」を考慮して、期間を設定しましょう。

無理に返済額を増やしすぎない

起業資金を借りる際には、毎月の返済額を増やしすぎないよう注意してください。

やはり起業前には「毎月このくらいの返済なら余裕だろう」とタカをくくり、高めの返済額を設定することが多いですが、実際には売上が思うように上がらずに返済が苦しくなるリスクがあります。

借入期間を短くして、毎月の返済額を多くすれば利息負担額を抑えられることは間違いありません。

しかし起業前に想定していた売上を起業後に確保できないケースは決して珍しくありませんので、できれば借入時は最悪の想定でも返済できる程度の金額に返済額を抑えるようにしてください。

出資の際は会社の所有権に注意する

新株発行などによって出資を受けて資金調達する場合、出資をして株主となった投資家は会社の所有権の一部を取得することになります。

投資家が会社の所有権の過半数を取得してしまうと、その会社の事実上の持ち主は投資家になってしまいます。

場合によっては投資家が悪意をもって経営者が会社を追われ、技術やノウハウだけを奪われてしまうケースもあります。

出資を受けて資金調達することは会社の所有権の一部を譲渡することになると理解して、本当に出資を受けて問題ない人かどうかをよくよく検討しましょう。

できる限り自己資金を用意する

できる限り自己資金を用意した方がよいでしょう。

自己資金を多く用意すれば、借入額が少なくなるので起業後の資金繰りは非常に楽になります。

また、日本政策金融公庫や制度融資などの開業資金(創業資金)融資の審査では、自己資金は3割程度あった方が審査に通過しやすいと言われています。

起業後の資金繰りを楽にするためにも審査にスムーズに通過するためにも、基本的には必要な資金総額の3割程度の自己資金を用意したうえで、創業資金融資の相談に行くとよいでしょう。

事業計画は根拠に基づいたものとする

事業計画は根拠に基づいたものとするようにしてください。

事業計画は月商〇〇万円、年商〇〇万円、2年後の年商〇〇万円などと、起業してから将来にわたる売上や仕入の計画を立てるものです。

起業前ですので、創業間もなくから順調に売上を確保し、事業が成長し、創業から数年後にはかなり会社が大きくなるという計画を立てるのが基本です。また、事業計画は成長するための計画を立てるものですので、基本的にはその姿勢で問題ありません。

しかし、売上や仕入の根拠が根拠のない曖昧な数字の場合は、金融機関からも投資家からも信用されません。

市場規模がどの程度あり、そのうち何割程度のシェア獲得を何年で目指すのか、どのように達成するのかの戦略を詳細に立てて、その裏付けのある数字としましょう。

起業資金についてよくある質問

起業資金を調達する際に多い質問は次のとおりです。

  • 自己資金なしでも起業できますか?
  • 自己資金なしでも融資は受けられますか?
  • 起業する業種の経験がないのですが融資を受けられますか?
  • 開業資金と起業資金の違いを教えてください
  • 自己資金500万でいくら起業資金を借りることができますか?
  • 借金で起業するのは危険でしょうか?

自己資金なしでも起業できますか?

自己資金なしでも起業できます。

全ての業種に起業資金が必要なわけではありません。

デザイナー、プログラマー、ライターなどは手持ちのパソコンがあれば起業資金0円で自宅で起業できます。

業種によっては起業に必要な資金はかなり異なるので、自己資金なしで起業したいという方は技術やスキルを売り物にできる業種で起業すればよいでしょう。

なお、どんな業種でも事業が軌道にのるまでの経営者とその家族の生活費は必要になります。

自己資金なしでも融資は受けられますか?

自己資金なしでも起業資金の融資はほとんどの金融機関で受けられます。

日本政策金融公庫の新規開業資金融資も、ほとんどの自治体の制度融資でも自己資金〇〇%以上などの自己資金に関する基準はありません。

そのため、原則的には自己資金なしでも融資を受けられます。

ただし、自己資金ありの方が「計画的に起業に向けた準備をしている」とポジティブに判断されるので審査に通過しやすいでしょう。

起業する業種の経験がないのですが融資を受けられますか?

未経験の業種でも融資を受けられる場合があります。

日本政策金融公庫の新規開業資金融資も、ほとんどの自治体の制度融資も「同業種での勤務経験〇〇年以上」などの決まりがないためです。

未経験であっても、なぜその業種で起業することにしたのか、未経験のデメリットをどのように克服していくのかの説明がしっかりできれば未経験でも融資を受けられる可能性があります。

ただし、同業種で経験があった方が、「独立したい」などの起業理由が明白なので

開業資金と起業資金の違いを教えてください

開業資金と起業資金の違いは特にありません。

どちらも新たに事業を始めるために必要な資金です。

ただ、開業は「新たに事業を開始する」、起業は「新たに事業を起こす」という意味の違いがあるので、既存のビジネスを新たに始める場合は「開業」、これまでにない事業を始める場合は「起業」という違いがあるようです。

基本的には審査基準やポイントなどは変わりません。

自己資金500万でいくら起業資金を借りることができますか?

明確にいくらなら借りられるという区分はありません。

一般的には借入額の3割程度の自己資金が必要と言われていることから、自己資金500万円あれば1,000万円程度の借入はできると考えられます。

なお、借入可能額は単に自己資金がいくらなのかではなく、事業計画の内容や実現可能性や必要総額に応じて変動します

借金で起業するのは危険でしょうか?

危険ではありません。

多くの起業家が最初は借入金を利用して起業しています。

危険なのは中途半端な事業計画で見切り発車する起業です。

起業の際には、売上やコストや利益率について詳細な検討を重ね、計画通りにいかなかった場合のリスクも考慮し、勝てる計画を作った上で借入をおこないましょう。

まとめ

起業するなら一定の資金が必要です。

自己資金で用意できないのであれば、融資を受けるか出資を受けるかいずれかの方法で調達するしかありません。

融資も出資もメリット・デメリットが明確に分かれているので、それぞれの特徴をよく理解し、自社にあった方法で調達しましょう。

なお、どの方法で資金調達するにせよ、審査で最も重要なのは数字の裏付けのある事業計画を立てることです。

事業計画は資金調達時だけでなく、その後の経営がうまくいくために最も重要なので、時間をかけて失敗しない事業計画を立てるようにしてください。

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