資金ショートに陥り、取引先や金融機関へ支払うお金を確保できずに焦った経験をお持ちの人も多いのではないでしょうか?
突然の資金不足に陥ると取引先への支払いができなくなり、最悪の場合は倒産につながる可能性もあります。
本記事では、資金ショートの具体的な原因や予防策、発生してしまった場合の対処法を徹底解説します。また、資金繰り改善におすすめのファクタリング会社も紹介するので、ぜひ最後までご覧ください。
発生するとどうなる? 資金ショートの概要
資金ショートとは、企業が必要な資金を手元に確保できず、支出を賄えない状態を指します。
原因には売り上げの減少や売掛金の回収トラブル、予期せぬ災害などさまざまなものがあります。
資金ショートに陥ると設備購入費や公共料金、仕入れ費用などといった社外への支払いができません。また、社外だけでなく従業員への給与の支払いもできなくなります。
最悪の場合は倒産につながる危険な状態なので、あらかじめ予防策を講じておくことが重要です。
赤字や債務超過との違い
ニュースや新聞などで話題となる「赤字」や「債務超過」と資金ショートとはどのように違うのでしょうか。
- 赤字との違い
- 債務超過との違い
それぞれの特徴と違いについて、以下で詳しく解説します。
赤字との違い
赤字とは、企業の売上利益から原価や経費をのぞいた金額がマイナスである状態を指します。ただし、赤字といってもすぐに支払いが滞るわけではありません。
運転資金が潤沢であれば支払いには対応できるため、すぐに倒産することはないでしょう。
それでも、赤字の状態が長期化すれば手元の資金がなくなり、資金ショートにつながる可能性があります。
債務超過との違い
債務超過は企業の負債額が総資産を上回っている状態のことです。ただし、支払いに充てられる手元資金が不足している状態ではないため、すぐに倒産することはありません。
たとえば、企業の総資産が500万円だとして1,000万円の負債があるとしても、資産の売却や別の借り入れにより手元資金が確保できれば、直近の支払いには対応できるでしょう。
一方、資金ショートは直近の支払いも不可能なほど資金が不足しているため、早急な対応が必要になります。
資金ショートのおもな原因
資金ショートに陥るおもな原因は以下の5つです。
- 売り上げの減少
- 過度な支出
- 資金管理の不足
- 売掛金の回収トラブル
- 予期せぬ事態の発生
資金ショートに陥るのを防ぐために、まず原因について理解を深めておきましょう。
売り上げの減少
資金ショートになる原因として多いのが売り上げの減少です。売り上げの減少する要因は、以下のようにさまざまなものがあります。
- 消費者のニーズやトレンドが変わり、商品が売れなくなる
- 他社との競争の激化
- 経済環境の変化
- 顧客の流出
売り上げが減少すると入る資金が減少し、やがて手元資金が枯渇して資金ショートを引き起こす恐れがあります。
過度な支出
不要な経費計上や投資の失敗などによって支出が増えるのも資金ショートの原因です。
蓄えがあるうちは問題ありませんが、手元資金が枯渇すると資金ショートに陥る懸念が生じます。
また、通常の支出以外にも、以下のような想定外の支出も発生するため、日頃からそれらを想定した資金管理が必要です。
- 設備の老朽化・故障などにともなう修繕費用
- 商品に不備や欠陥があった際の補填費用
- 訴訟費用
- 損害賠償費用
資金管理の不足
資金管理に問題があると支出が多くなり過ぎて手元の資金が枯渇し、資金ショートになる可能性があります。
特に、キャッシュフローの予測が不十分な場合、入金が予定よりも遅れたり、支出が予定よりも増加したりすることが原因で資金ショートが発生します。
また、予備資金を確保していないために不足の事態に対応できない状況が重なると、資金ショートのリスクはさらに高まるでしょう。
資金繰り表を作成し、日頃から資金繰り管理を徹底することが資金ショートを防ぎ安定した事業運営をおこなう鍵となります。
売掛金の回収トラブル
売掛先の倒産や未払いなどの要因で売掛金を回収できない、または回収までが長期化すると、その間に手元資金がなくなり資金ショートに陥る可能性があります。
売掛金の未回収を避けるためには、取引相手の与信管理を徹底し、経営に不安のある相手との取引は回避すべきです。
また、取引歴の長い相手でも売買契約書は漏れのないよう作成し、万が一トラブルになった際もスムーズに回収できる準備をしておく必要があります。
加えて、売掛金の回収サイトの長さにも注意しましょう。回収サイトが長いと、それだけ手元に資金が入ってくるのが遅くなり、その間に手元資金が枯渇するリスクが上がります。
回収サイトの長い売掛先に対しては、単価を安くするなど売掛先に有利な条件を提示して短縮化の交渉をしてみましょう。
予期せぬ事態の発生
天災や市場の急変など、予期せぬ事態が発生し、それが資金ショートにつながる可能性もあります。
たとえば、災害の発生で自社の商品がすべて売れる状態ではなくなってしまうと、収入源がなくなりやがて手元資金が枯渇します。
また、売掛先が災害に見舞われて売掛金の回収ができなくなってしまった場合も、手元資金が枯渇して資金ショートに陥る懸念があります。
しかし、天災や市場の急変は避けようと思っても避けられるものではありません。不測の事態が資金ショートにつながらないようにするためには、日頃から資金管理を徹底することや予備資金を確保しておくなどの予防策を講じておくことが重要です。
資金ショートに陥った場合の対処法
注意していても、避けられない事象により資金ショートに陥ってしまうことはあります。もし手元資金が枯渇してしまった場合、企業に取れるのは3つの選択肢です。
- 事業を継続する
- 会社を清算する
- 倒産を選ぶ
それぞれ選ぶとどのようになるのか、以下で詳しく解説します。
事業を継続する
資金ショートが発生した場合に事業の継続を目指すなら、まずおこなうべきは早急に資金調達をして手元資金を確保することです。
資金調達の方法には、次のようなものがあります。
- 融資を受ける
- 借入金のリスケジュールを交渉する
- 資産を売却する
- 支払いの延長を交渉する
- ファクタリングを利用する
上記の方法にはそれぞれメリットとデメリットがあるため、自社の状況に合ったものを選びましょう。
また、入金を早める、支払いを遅らせるなど交渉をおこない、できるだけ手元資金が残るように資金を調整することも必要です。
融資を受ける
すでに資金ショートに陥ってしまった場合は、通常の融資では間に合わないので、銀行以外のノンバンクのビジネスローンを検討しましょう。
ノンバンクのビジネスローンは最短即日の融資を受けられる点が大きなメリットです。また、銀行の審査に落ちた場合でも融資を受けられる可能性があり、無担保・無保証であることも多いのが特徴です。
ただし、金利は10%以上になることがあるため、後の資金繰りを圧迫する恐れがあります。
借入金のリスケジュールを交渉する
資金ショートに陥った場合、できるだけ手元資金を残しておくために支払いで出ていく資金をできるだけ抑える必要があります。そのうちの1つの方法が、借入金のリスケジュールを交渉することです。
リスケジュールとは、借入金の返済が困難になったとき、返済条件を見直して返済期間の延長や一定期間だけ約定返済額を減額することを指します。交渉が成功すれば、短期的に支払いの負担を軽減できるメリットがあります。
交渉の際は、借入先に対して現状の資金計画や今後の回復見込みなどを詳細に説明して納得してもらうことが重要です。
ただし、リスケジュールをおこなうと企業の信用が低下するリスクがあります。信用が低下すると以降の融資を受けるのが難しくなったり、支払い条件が厳しくなる事態も起こりえます。
資産を売却する
会社が保有する資産を売却すれば、融資や支払い延長の交渉をすることなく資金が確保できます。また、維持費や税負担が軽減されることで経費削減にもつながるでしょう。
一方、資産は希望額で売却できるとはかぎらないという点には注意が必要です。
たとえば、500万円で購入した社用車を売却したくても、市場よりも高い価格で金額を設定してしまうと、なかなか買い手がつきません。最終的には金額を引き下げるか、売却を諦めることになるでしょう。
また、不動産のように継続的な収益を生み出してくれる資産は、売却すると当然のことながらそれ以降収益が途絶えるので、よく検討すべきと言えます。
支払いの延長を交渉する
仕入れ先に支払いの延長を交渉するのも、手元資金を確保しておく方法としては有効です。交渉によって手元資金が確保できれば、本当に必要な支払いに資金を回せます。
交渉の際は、延長理由と支払いのスケジュールを明確に伝え、支払う意思があることを示しましょう。
一方、デメリットとしては取引先に資金繰りの悪化を知られてしまうことです。交渉がうまくいったとしても、取引先からの信用の低下は避けられません。
支払いの延長によって今後の取引に影響が出る可能性があるので、交渉先はできるだけ信頼関係の築けている会社を選びましょう。
ファクタリングを利用する
ファクタリングを利用して売掛金を売却すれば、本来の入金よりも前に資金を手にすることができます。ファクタリング会社によっては最短数時間~即日入金を謳っているため、すぐ資金が必用な状況にも対応可能です。
一方、ファクタリングのデメリットは手数料がかかることです。手数料の相場は2%~18%ほどで、場合によっては融資よりも高くなるでしょう。
また、ファクタリングの方法によっては売掛先にファクタリングの利用が知られてしまうため、今後の取引に悪影響が出る恐れがあります。
会社を清算する
事業の継続が困難と判断した場合、会社を清算することになります。会社の清算とは、会社の活動を終了し、すべての資産や負債を整理することです。
清算では会社の解散後、所有している資産を売却して現金化し、その現金を使って負債を返済します。最終的に資産が残れば、それらは株主に分配されます。
会社の清算には法的な手続きが必要なため、弁護士や会計士などの専門家に依頼して進めるのが一般的です。
倒産を選ぶ
倒産とは、会社が経済的に行き詰まり、債務の支払いができなくなった場合に行われる手続きです。倒産手続きにはおもに「破産」と「再生」の2つがあります。
破産では破産管財人が選任され、会社の資産を売却し、債権者に可能な限りの支払いをおこないます。
一方、再生では会社に再建の見込みがある場合に、再生計画を立てて事業の再建を図ります。再生手続きが成功すれば、会社は事業を継続できます。
資金ショートの予防策
資金ショートに陥らないためには、あらかじめいくつかの予防策を講じておくことが重要になります。
おもな予防策は次の5つです。
- 資金繰り表を作成し管理を徹底する
- 請求漏れや未入金がないか確認する
- コストを削減する
- 在庫を抱え過ぎない
- 借入金の支払い延長を交渉する
- 公的な支払いの延長を交渉する
それぞれ詳しく解説するので、すべてチェックのうえ実行してください。
資金繰り表を作成し管理を徹底する
資金ショートに陥るおもな要因としてあるのが、資金管理不足による手元資金の不足です。それを防ぐためには、日頃から資金管理を徹底しておく必要があります。
資金管理を徹底するために便利なのが資金繰り表です。資金繰り表とは、企業の資金の流れを管理・把握するための計画表です。
具体的には、一定期間の現金の収入と支出をリストアップし、その期間の現金収支の動きの実態を把握します。
資金繰り表を作成しておけば資金管理ができるだけでなく、資金不足を予防したり、適切な資金調達や支出のタイミングを決める参考になるため、経営の安定につながります。
請求漏れや未入金がないか確認する
取引数が多く管理しきれていないと、請求漏れや未入金が発生する可能性があります。
請求漏れや未入金を放置しておくと、本来あるはずの資金が確保できずにやがて手元資金が枯渇して資金ショートに陥ります。
未入金を防ぐには定期的に売掛金の状況を確認し、未入金のものがあれば迅速な対応が必要です。また、請求漏れが発生しないよう、請求書発行のプロセスを整備し、徹底した管理をおこないましょう。
コストを削減する
固定費や変動費などを見直し、無駄な支出を削減すれば、資金の流出を抑えることにつながります。
たとえば、必要のないサブスクリプションサービスを解約したり、電力消費を最適化したりすることが考えられます。
また、仕入れ先との価格交渉やコストパフォーマンスの高い資材の選定も有効です。定期的に費用の見直しをおこない、効率的な運営を目指すことで、安定した資金繰りを維持しましょう。
在庫を抱え過ぎない
資金ショートを防ぐためには、在庫を抱え込まずに適切に管理することが重要です。在庫は資産に該当するため、いくら在庫を仕入れても費用としては計上されず、損益計算書上では黒字になる可能性が高くなります。
一方、在庫を仕入れている際に現金は流出しているため、過剰に仕入れると「収支は黒字なのに資金は足りない」という状況になりやすく、結果的に資金繰りにはマイナスだとされています。
在庫の回転率を高め、需要に見合う適切な在庫量を維持することは、現金が流出したままになってしまうのを防ぐことにつながります。また、定期的な在庫の見直しを行い、不良在庫や滞留在庫を早期に処分することも必要です。
借入金の支払い延長を交渉する
資金繰りが苦しい場合は借入金のリスケジュール(リスケ)の交渉を検討しましょう。支払いまでの期間を延ばしたり返済額を一定期間減額したりすることで手元に資金を長く確保でき、キャッシュフローが安定するメリットがあります。
また、日本政策金融公庫などの政策金融機関では、返済期限の延長、割賦金の減額のように返済条件の緩和に柔軟に対応しています。
リスケの交渉では経営改善計画をしっかり策定しましょう。経営改善計画には時間的猶予があれば業績を立て直して返済ができるようになるということを盛り込み、合理的であることを納得してもらうのが重要です。
ただし、銀行でリスケに応じてもらえる期間は「半年から1年」が一般的です。リスケの更新も可能ですが、その際の条件は厳しいものになることが予想されるので、できるだけ早期に業績を立て直す必要があります。
公的な支払いの延長を交渉する
税金を納付できない場合は、税務署への申請に基づいて支払いの猶予が受けられる場合があります。申請の要件は災害、病気、事業の休廃業などやむを得ない理由です。
実際に、新型コロナウイルスの流行によって、要件を満たした事業者には納税の猶予が認められる特例措置が取られました。
ここで注意したいのが、税金の滞納リスクです。資金繰りが苦しくても税金の支払いは優先順位を高く設定し、滞納は避けましょう。
月々の税金を滞納すると延滞税が発生し、さらに税務署から督促状が送付される可能性があります。さらに放置していると、最悪の場合は財産の差し押さえにつながります。
また、税金を滞納してしまうと、借入金を利用することはほぼ不可能になるため、安易に検討すべきではないと言えます。
資金繰りが苦しいときにすぐできる資金調達方法
資金繰りが苦しくなったら、資金ショートを避けるために早急な資金調達が必要になります。以下ではすぐに資金調達できる方法を5つ紹介するので、資金繰りに悩んでいる方はしっかりチェックしておきましょう。
- 新たに融資を受ける
- ビジネスローンを利用する
- 資産を売却する
- 支払いの延長を交渉する
- ファクタリングを利用する
- ファクタリングの特徴
新たに融資を受ける
資金繰りが厳しい状況において、金融機関から新たに融資を受けることは最も基本的な方法です。
融資の審査では、必要書類や面談の内容などさまざまな観点から審査されます。審査を通りやすくするためには事業計画をしっかりと立てて、事業戦略でどれくらいの収益を確保できるかわかりやすく具体的に記載し、返済に当てる資金が確保できることを示しましょう。
審査に通過して融資を受けられれば、手元資金が増えることでキャッシュフローが改善します。支払い能力も向上し、支払い遅延による信用力低下のリスクを防ぐことも可能です。
ただし、融資を受けると返済義務が生じるため、むやみに融資を受けていると返済が滞り、かえって資金ショートの原因になってしまいます。そのため、融資を受ける際は返済計画を慎重に立てることが重要です。
ビジネスローンを利用する
ビジネスローンは企業や個人事業主が事業運営などの目的で利用できる借入金で、銀行、信用金庫、消費者金融といった金融機関がサービスを展開しています。
なかには即日対応のサービスもあり、急な資金調達にも対応可能です。また、ビジネスローンは運転資金や設備投資などさまざまな用途に対応しているため、利用のしやすさというメリットもあります。
ただし、デメリットとして挙げられるのが金利の高さです。ビジネスローンは金利が1
%~18%ほどの相場となっており、通常のローンに比べて高くなる場合があります。
そのため、急いで資金を調達したいときでも、金利や返済条件は入念に確認しましょう。
資産を売却する
会社が保有する資産は短期間に現金化できる「流動資産」、1年以上保有・使用する「固定資産」、支出後に利益を生む可能性のある「繰延資産」の3つに分類されます。資産を売却すると一時的にまとまった資金が確保できるでしょう。
特に「遊休資産」と呼ばれる、現在使用していない固定資産は、優先的に売却すると良いでしょう。遊休資産には土地や建物、設備、有価証券などが該当します。
遊休資産は保有しているだけで固定資産税や維持費などのコストがかかるため、資金繰りを圧迫してしまうデメリットがあります。
資産の売却は一時的な資金を確保するのには有効ですが、売却するものによっては将来の事業運営に影響を及ぼすものもあるため慎重に選定しましょう。
支払いの延長を交渉する
直接的な資金調達方法ではありませんが、支払先に支払いの延長や分割払いの交渉をすることで、手元資金が出ていくことを軽減できます。
その結果、短期的に余裕を持った資金運用ができ、重要な支払いも可能となるでしょう。
ただし、信頼関係の構築できている取引先でなければ、今後の取引に悪影響を及ぼすリスクが高くなります。また、信頼関係があると言っても、交渉の際は誠実な理由と返済計画を示して承諾してもらう必要があります。
ファクタリングを利用する
特に緊急性が高い場合は、ファクタリングの利用がおすすめです。ファクタリングとは自社が保有する売掛債権をファクタリング会社に売却し、手数料を引いた差額分を受け取るサービスです。
ファクタリング会社によっては最短数時間〜即日の入金を強みとしているものもあり、すぐに資金調達が可能です。
ファクタリングの特徴
ファクタリングの大きなメリットは、その資金化スピードです。通常の融資では数日~1ヶ月程度かかるのに対し、ファクタリングは最短数時間~即日で審査から入金手続きまでが完了します。
また、ファクタリングの審査で重要視されるのは売掛先の業績や信用であるため、自社の業績が悪くても審査に大きく影響することはありません。
さらに、仮に売掛先企業が倒産した場合でも自社がリスクを負う必要はないので、売掛債権の未回収リスクを回避できます。
一方、デメリットとして挙げられるのが手数料です。ファクタリングは融資に比べて手数料が高く設定されることがあるため、納得のしたうえで利用しましょう。
また、契約内容によっては資金繰りの悪化を売掛先に知られるリスクがあります。
ファクタリングには2社間ファクタリングと3社間ファクタリングがあり、このうち2社間ファクタリングではファクタリング会社と利用者のやり取りしか発生しないため、売掛先に利用を知られるリスクは低くなります。
一方、3社間ファクタリングでは売掛先企業も交えて契約が行われるため、資金繰りの悪化を知られてしまうとその後の取引に影響が及ぶ可能性があるので注意が必要です。
資金化のスピードが早い優良ファクタリング会社
資金ショートに陥りそうな場合は、できるだけ早く資金化できるファクタリング会社を利用しましょう。資金化のスピードが早い優良ファクタリング会社は次の6つです。
- ベストファクター
- OLTA
- QuQuMo
- ビートレーディング
- ペイトナーファクタリング
- アクセルファクター
以下ではそれぞれの入金スピードや特徴についてより詳しく解説します。
ベストファクター
入金スピード | 最短即日 |
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審査通過率 | 92.2% |
買取可能額 | 30万円〜1億円 |
手数料 | 2%~ |
必要書類 |
|
オンライン契約 | 可 |
公式HP | https://bestfactor.jp/ |
ベストファクターは高い審査通過率と最短即日の入金スピードが特徴のファクタリング会社です。買取可能額は30万円~1億円と幅広く、必要書類が3点で済むため利用しやすいメリットもあります。
手数料は2%~と業界最低水準に設定されているため、できるだけ手元資金を残したい方におすすめです。
また、ベストファクターを利用すれば無料で財務コンサルタントがつくのも大きな強みです。財務コンサルタントに相談すれば、将来的な資金繰り改善につながる可能性があります。
OLTA
入金スピード | 最短24時間以内 |
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審査通過率 | 非公開 |
買取可能額 | 下限・上限なし |
手数料 | 2%~9% |
必要書類 |
|
オンライン契約 | 可 |
公式HP | https://www.olta.co.jp/ |
OLTA(オルタ)は中小企業経営者・個人事業主が選ぶオンラインファクタリングNO.1のサービスです。
必要書類は5点と他サービスに比べて多めですが、最短24時間以内の入金スピード、買取可能額は下限・上限という2つの強みがあり誰でも利用しやすいサービスであると言えます。
また、OLTAでは請求書の一部金額の買取もおこなっています。請求書の金額範囲であれば自由に設定できるので、すぐに必要な金額分だけ売却するといった方法も可能です。
さらに、「かんたん査定機能」を使うことで、利用前に想定審査通過率や買取金額がわかるので、審査が不安な方やファクタリングの利用を迷っている方の判断材料になるでしょう。
QuQuMo
入金スピード | 最短2時間 |
---|---|
審査通過率 | 98% |
買取可能額 | 下限・上限なし |
手数料 | 1%~14.8% |
必要書類 |
|
オンライン契約 | 可 |
公式HP | https://ququmo.net/ |
QuQuMo(ククモ)は最短2時間での資金化が可能なファクタリング会社です。
ファクタリングを利用する際は書類を準備するのに時間が取られることがありますが、QuQuMoは2点の必要書類のみなので、その手軽さから利用者が増加しています。
手数料は1~14.8%と幅広いですが、下限である1%は業界でもトップクラスに低い設定です。できるだけ手数料を安く抑えたい人は、QuQuMoで見積もりを取ってみましょう。
ビートレーディング
入金スピード | 最短2時間 |
---|---|
審査通過率 | 98% |
買取可能額 | 下限・上限なし |
手数料 | 2社間ファクタリング:4%~12% 3社間ファクタリング:2%~9% |
必要書類 |
|
オンライン契約 | 可 |
公式HP | https://betrading.jp/ |
ビートレーディングは、5.8万社以上の取引実績、累計買取額1,300億円以上を誇る、信頼性の高いファクタリング会社です。
審査通過率は98%とほとんどの方が審査に通過しているため、審査に不安を感じている場合や確実にファクタリングしたい場合に向いています。
また、必要書類は3点と少なく、買取可能額は下限・上限ともにないので利用の手軽さも魅力です。
15時前の契約で最短2時間での入金が可能なため、即日入金を希望される方は早めの時間帯に相談すると良いでしょう。
ペイトナーファクタリング
入金スピード | 最短10分 |
---|---|
審査通過率 | 非公開 |
買取可能額 | 1万円~100万円(初回25万円まで) |
手数料 | 一律10% |
必要書類 |
|
オンライン契約 | 可 |
公式HP | https://paytner.co.jp/factoring |
ペイトナーファクタリングは個人事業主・フリーランス向けのファクタリング会社です。買取可能額は最低1万円からで、少額のファクタリングに向いています。
特徴的なのは最短10分という入金スピードです。審査終了と同時に入金が完了しているので、待ち時間も必要ありません。
必要書類も初回は3点、2回目からは2点なので、必要なときにすぐ利用しやすいサービスとなっています。
アクセルファクター
入金スピード | 原則即日 |
---|---|
審査通過率 | 93% |
買取可能額 | 30万円~1億円 |
手数料 | 2%~ |
必要書類 |
|
オンライン契約 | 可 |
公式HP | https://accelfacter.co.jp/ |
アクセルファクターは原則即日の入金スピードと、93%という高い審査通過率を兼ね備えた大手のファクタリング会社です。
中小企業支援のスキルを国が認定する「経営革新等支援機関」に認定されており、一人ひとりに寄り添った質の高いサービスに強みがあります。
また、個人事業主・少額債権も原則即日の対応をモットーとしているので、企業規模やシーンを選ばず利用しやすくなっています。
ファクタリング利用時の注意点
ファクタリングは早期に資金化ができ、資金ショートを回避する手段として有効ですが、利用する際は次のような注意点があります。
- 手数料は審査しないとわからない
- 取引先との関係を悪化させる可能性がある
- 契約時に償還請求権の有無を確認する
- 契約書の控えを必ず受け取る
それぞれ詳しく解説するので、必ずチェックしておきましょう。
手数料は審査しないとわからない
一部のファクタリング会社は手数料の下限・上限を公開していますが、実際の手数料は審査しなければわかりません。
ファクタリングの審査ではおもに以下の5つの内容が審査されます。
- 売掛先の信用力
- 売掛先との取引実績
- 売掛金の内容
- 契約内容やリスク
- 利用者の信用情報
上記の項目から各ファクタリング会社は総合的に判断したうえで手数料を決定します。そのため、同じ内容でもファクタリング会社によって手数料は変動することが予想されます。
手数料をできるだけ低く抑えたい場合は、複数のサービスに見積もりを依頼しましょう。
取引先との関係を悪化させる可能性がある
ファクタリングは利用者とファクタリング会社の間だけで完結する「2社間ファクタリング」と、売掛先企業が契約に関わる「3社間ファクタリング」があります。
2社間ファクタリングは、基本的にファクタリングの利用を売掛先企業に知られることはありません。一方、3社間ファクタリングは手数料は低く抑えられるものの、売掛先企業の承諾が必要です。
そのため、売掛先企業から資金繰りの悪化を知られてしまい、今後の取引に悪影響を及ぼす恐れがあります。
契約時に償還請求権の有無を確認する
ファクタリングの契約時には、契約書をよく読んで償還請求権の有無を必ず確認しましょう。償還請求権は売掛先企業が売掛金を支払わなかった場合に、もとの債権者に遡って金銭を請求できる権利です。
ファクタリングは基本的に償還請求権がない契約であり、もし請求書を売却したあとに売掛先が倒産して売掛金を支払えなくても、利用者がその責任を負うことはありません。
しかし、悪質な業者は償還請求権のある契約を締結させようとしてくる場合があります。悪質な業者を利用しないためにも、契約書には必ず目を通しましょう。
契約書の控えを必ず受け取る
悪質なファクタリング会社とのトラブルを回避するために、契約書の控えは必ず受け取りましょう。優良なファクタリング会社は必ず契約書の控えを渡してくれますが、悪質な会社は契約書を見せないこともあります。
また、ファクタリングとの説明があったのに契約内容が「金銭消費貸借契約」となっている場合は、悪徳業者の可能性が濃厚です。「金銭消費貸借契約」はファクタリングではなく融資の契約です。
ファクタリングは融資ではなく売掛金を売却する売買契約であるため、留意のうえで契約を確認しましょう。
まとめ
資金ショートに陥ると必要な支払いができなくなり、最悪の場合は倒産の原因になります。倒産を避けるために、まずは本記事を参考にして予防策を講じてください。
また、資金繰りが厳しくなったらすぐに資金調達できる手段を実行して手元資金を確保しましょう。