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ファクタリングにおける償還請求権とは?あり・なしのメリットや注意点について解説

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ファクタリングにおける償還請求権とは、売掛金の債務者が支払い不能になった場合、ファクタリング会社が売り手に対して支払いを求める権利のことです。

ファクタリングは基本的に償還請求権のない契約ですが、悪徳業者は償還請求権ありの契約を提示してくる場合があります。悪徳業者と契約しないためにも、償還請求権について理解を深めておきましょう

本記事では、償還請求権の概要やファクタリング契約で重視したいポイントなどについて解説していきます。

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償還請求権とは?

償還請求権とは?

償還請求権は「リコース権」「遡求権」と呼ばれ、債務者から金銭が支払われない場合に元の債権者まで遡って費用の返還を請求できる権利のことです。償還請求権は、ファクタリングや手形取引といった債権譲渡の取引で発生します。

ファクタリングに償還請求権がある契約では、ファクタリング会社が買い取った売掛債権を債務者が支払わなかった場合、ファクタリング会社は債権者に代金の支払いを求められます。ファクタリングは償還請求権のない契約が一般的です。

一方、手形取引には基本的に償還請求権があります。手形取引とは、一定の金額を期日までに支払うことを約束した証書による取引です。

手形を発行した側が期日までに決められた金額を支払わなかった場合、手形は「不渡り」となり、代金を受け取る側は償還請求権を利用して手形代金と償還請求にかかった費用を請求できるようになります。

ファクタリングにおける償還請求権

ファクタリングにおける償還請求権

ファクタリングは償還請求権がある契約とない契約があり、償還請求権なしの契約が一般的です。

ここからは、償還請求権ありの契約となしの契約それぞれの特徴について解説していきます。

償還請求権あり

償還請求権ありのファクタリングは「リコースファクタリング」とも呼ばれます。

償還請求権がある契約をすると、仮に売掛先が代金を支払わなかった場合に売却先から償還請求される可能性があるので、取引完了まで安心できません。仮に売掛債権を回収できないと、売却した売掛債権を買い戻すように求められます。

過去にはリコースファクタリングが売掛債権を担保にした「融資」と判断された判例もあるように、利用者は融資を受けている扱いになります。貸付であるならば手数料は年15%~20%以下に留めなければなりません。

なお、基本的に償還請求権ありのファクタリングは違法です。貸付をおこなうのであれば、業者は以下の2点を守らなければなりません。

  1. 貸金業者登録
  2. 利息制限法の遵守

上記2点のいずれかを守っていない業者は「ヤミ金融業者」なので契約するのは危険です。実際にファクタリングを装い高金利で貸付をおこなう業者が存在し、金融庁が注意喚起を出しています。

稀に償還請求権ありでファクタリングの取り扱いをしている業者もありますが、その業者は貸金業者登録をしており、利息制限法を遵守しています。

償還請求権があるファクタリングを提示されるようであれば、上記2点は必ず確認しましょう。

償還請求権なし

償還請求権のないファクタリングは「ノンリコースファクタリンング」とも呼ばれ、ファクタリングに特化したサービスを提供する業者は基本的に償還請求権なしの契約を採用しています。

売掛債権をファクタリング会社に売却後、もし売掛先が倒産するなどして売掛金が未払いになった場合、そのリスクを負うのはファクタリング会社です。

そのため利用者は未払いのリスクを避けて安心して利用できます。

償還請求権のメリット・デメリット

償還請求権のメリット・デメリット

償還請求権は利用者側からするとデメリットが大きいように見えますが、償還請求権があるかないかでそれぞれメリットとデメリットがあります。

デメリットばかりではなくメリットも確認すれば、自社に合ったサービスを見つけやすくなるでしょう。

ここからは、償還請求権がある場合とない場合それぞれのメリット・デメリットについて解説していきます。

償還請求権ありの場合

償還請求権ありの契約では、売掛債権が支払われなかった場合に支払いを要求されるリスクにさらされます。特に取引先の信用力が低い場合、このリスクは大きくなります。

そのため、償還請求権ありのサービスを利用する際は、取引先の信用力が重要です。

一方、償還請求権ありのサービスには手数料を低く抑えられるというメリットがあります。償還請求権があると金融機関などの買取側は負うリスクが低くなるため、手数料を低く設定できます。

デメリットとしては、利用者の信用も審査で重視されるという点が挙げられます。これは、売掛金が万が一未回収になった場合に利用者が支払義務を負うためです。

償還請求権のある契約はほとんど存在しないものの、銀行のでんさい割引や手形割引が該当します。でんさい割引とは金融機関や手形割引業者にでんさい(電子記録債権)を売却することで、手形割引は同様に期日前の手形を売却することです。

償還請求権なしの場合

償還請求権なしの契約では、売掛債権が回収不能となった場合でも取引業者がリスクを負うため、売掛先の信用リスクを回避できます

また、売掛金の早期現金化により、資金調達がスムーズになり、経営の安定性が向上するのも魅力です。

一方、償還請求権なしの契約は償還請求権ありの契約に比べて買取側の負うリスクが大きいため、手数料は2%~20%と高く設定されることが一般的です。

審査も比較的厳しく、売掛先の信用力によっては利用できない場合もあります。さらに、契約に際しても細かい制約や条件が多くなることも懸念されます。

加えて、売掛債権の売却を売掛先に知られた場合、信用度に疑念を抱かれて顧客関係の悪化につながるリスクもあるので注意が必要です。

ファクタリングとは

ファクタリングとは

ファクタリングは資金調達方法の1つで、事業者が保有している売掛債権をファクタリング会社に売却し、手数料を引いた代金を受け取ります。

ファクタリングには基本的に償還請求権がなく、利用者は売掛金の未回収リスクを負う必要がありません。

ここからは、ファクタリングの仕組みや償還請求権がない理由について解説します。

ファクタリングの仕組み

ファクタリングは、企業が保有する売掛債権をファクタリング会社に売却し、早期に現金化する金融サービスです。

ファクタリングにはおもに2社間ファクタリングと3社間ファクタリングがあります。

2社間ファクタリングでは売掛先とファクタリング会社が直接やり取りをすることはなく、利用者は売掛債権売却後、回収した売掛金をファクタリング会社に支払わなければなりません。

一方、3社間ファクタリングでは売掛先とファクタリング会社のやり取りが発生します。利用者は売掛先に売掛債権売却の承諾を得なければいけませんが、売掛金は売掛先からファクタリング会社に直接支払われるので、売却後の負担はありません。

2社間ファクタリングと3社間ファクタリングのおもな違いを以下にまとめました。

2社間ファクタリング 3社間ファクタリング
手数料 高い(10%~30%) 低い(2%~20%)
資金調達までの時間 短い 長い
売掛先への承諾 必要ない 必要

2社間ファクタリングは売掛先に債権売却の承諾が必要なく、資金調達までの時間が短い代わりに手数料が高くなります。

一方3社間ファクタリングでは手数料を低く抑えられますが、売掛先に資金繰りが苦しいことを知られてしまう点が大きなデメリットです。また、売掛先への承諾など手続きが比較的多く、資金調達までに時間がかかります。

ファクタリングに償還請求権がない理由

償還請求権ありのファクタリングは銀行や貸金業者しか取り扱えないため、ファクタリングに特化した会社のサービスには基本的に償還請求権がありません

償還請求権がない理由は、ファクタリングが貸付ではなく債権の売却(譲渡)取引に該当するからです。

逆に、償還請求権がある契約は売掛金を担保とした貸付(売掛金担保融資)であるとみなされます

償還請求権ありのファクタリングには要注意

償還請求権ありのファクタリングには要注意

ファクタリングは償還請求権なしの契約が基本ですが、なかには償還請求権を契約に付けようとする業者もいます。

そのため、闇業者に騙されないようにするために、契約を結ぶ際に償還請求権についてしっかり確認しましょう。

ここからは、償還請求権ありの契約の危険性について解説するので、ファクタリングを検討している人は必ずチェックしてください。

償還請求権ありのファクタリングは「融資」扱いになる

本来、ファクタリングは売掛債権の売買(債権譲渡)契約であるため、償還請求権は基本的にないサービスです。

逆に、償還請求権があると売掛債権を担保にして資金を調達していると考えられるため、ファクタリングではなく「融資」として判断されます。

償還請求権ありの契約はファクタリング業者が負担すべき未払いのリスクを負っていないとして、実際に裁判では貸金業に該当するなどの判断が下されたケースがいくつもあります。

支払うのは手数料ではなく利息の弁済になる

償還請求権ありのファクタリングを利用する場合、ファクタリング会社に支払うのは買取手数料ではなく利息になります。

利息を算出する際に適用される利率は業者が自由に設定できますが、利息制限法により上限は貸付額に応じて年15~20%と決められています。

貸金業者でないファクタリング業者は危険

償還請求権ありのファクタリングは貸金業登録を受けている業者しか扱えません。ファクタリングに特化した業者は基本的に貸金業登録をしていないため、償還請求権ありの契約を提示する業者はヤミ金融業者の可能性があるので注意しましょう。

実際にヤミ金融業者がファクタリングを装って高金利の貸付をおこなう事例があり、金融庁がホームページで注意喚起をおこなっています。

ヤミ金融業者を利用してしまうと法外な手数料を要求されたり、恫喝のような悪質な取り立てをされたりする危険性があります。

金融庁ホームページ:https://www.fsa.go.jp/user/factoring.html

ヤミ金融業者を見分ける際のポイント

ヤミ金融業者を見分ける際のポイント

ヤミ金融業者とファクタリング契約を結んでしまうと、高額な手数料を要求されかえって資金繰りが悪化する可能性があります。

契約を結ばないためには、ヤミ金融業者を見分けることが重要です。

以下では、ヤミ金融業者を見分ける際のポイントを4つ紹介します。

登録貸金業者か調べる

償還請求権ありのファクタリングを扱えるのは銀行や登録貸金業者のみであるため、償還請求権のある契約を提示されたらその業者が登録貸金業者かどうか調べましょう。この方法は最も簡単にヤミ金融業者を見分ける方法の1つです。

登録貸金業者は金融庁の登録貸金業者検索サービスから調べられます。また、財務局や都道府県で最新情報を確認する方法もあります。

上記の方法で確認しても登録がない場合、その業者はヤミ金融業者の可能性が高いので契約することのないよう十分注意してください。

契約内容をしっかり確認する

ファクタリングを利用する際は契約内容を熟読し、おかしな点がないか確認しましょう。償還請求権の有無についての確認は必須です。

この際、見積書や契約書を提示しなかったり、対面での契約を拒んだりする業者はヤミ金融業者の可能性があります。

見積書や契約書はトラブルが起こった際に証拠となるので、必ずもらって保管するようにしてください。

最近では手続きにかかる時間やコストを削減するためオンラインで契約が完結するファクタリングも増えていますが、あまりに対面を強く拒むようであれば、ヤミ金融業者の可能性があるので警戒しておいた方がよいでしょう。

会社の情報を調べる

ヤミ金融業者はできるだけ情報を開示したくないため、ホームページがなかったり、会社の所在がわからなかったりといった特徴があります。

健全なサービスであれば、信用度を高めるために会社の情報はできるだけ公開しているはずです。

ファクタリング会社の利用を検討する際は、まず入念な下調べから始めるのが安全です。

ほかのファクタリング会社と比較する

1社だけを見ていては手数料の相場や契約内容の違いがわかりません。もしその1社がヤミ金融業者だったら、知らないまま高い手数料を取られて損をしてしまいます

ヤミ金融業者を避けるなら、1社だけを見るのではなく複数社に問い合わせて見積もりを取る、比較サイトを参照するなどして比較検討しましょう。

ファクタリング契約を有利にするためのポイント

ファクタリング契約を有利にするためのポイント

ファクタリングは売却する売掛債権や信用情報によって手数料や資金調達までの期間が変わります

できるだけ早い資金調達のために、以下で紹介するポイントを抑えて契約を有利に進めましょう。

取引歴の長い売掛先への請求書を売却する

取引期間が長い売掛先は、信頼性が高く安定した取引関係である証明になるため、ファクタリング会社にとって未回収リスクが低いと評価されます。

また、取引歴が長く、これまでに入金が遅れたことがない取引先に対する売掛債権は、ファクタリング会社にとっても未回収リスクがないと判断できます。

その結果、資金調達のスピードや手数料などの条件が優遇されることが多く、利用者にとって有利な契約が期待できます。

支払いサイトの短い売掛債権を提出する

支払いサイトが短い売掛債権はファクタリング会社が代金を立て替える期間が短く、その間に売掛先が経営悪化する可能性が低いため、ファクタリング会社にとってリスクが低いと判断されます。

その結果、手数料が低く設定される可能性が高くなり、利用者とって有利な条件で資金調達が可能です。

このように支払いサイトの短い売掛債権を提出することで、利用者は短期間での資金繰り改善につなげられます。

必要書類をすべて準備しておく

迅速な審査と契約のためには、必要書類をすべて揃えてから申し込みましょう。

必要書類が足りないと審査が止まってしまうため、契約や入金が遅くなってしまいます。ファクタリング審査に最低限必要な書類は次の通りです。

  • 売掛金の証明書類(請求書など)
  • 身分証明書
  • 通帳のコピー

また、利用するサービスや審査内容によって以下の書類を求められることもあります。

  • 売掛先との契約書
  • 確定申告書
  • 納税証明書
  • 登記簿謄本
  • 決算書
  • 印鑑証明書

早期の資金調達を目指しているなら、事前に必要書類を確認して準備しておくのを忘れないようにしてください。

3社間ファクタリングを利用する

ファクタリングの形態には企業とファクタリング会社の2者が関与する2社間ファクタリングと、これに売掛先を加えた3社間ファクタリングがあります。

3社間ファクタリングでは、売掛先がファクタリング会社に直接支払いをおこないます。これにより、ファクタリング会社は売掛先と直接やり取りができ、利用者から架空債権を買い取ってしまうリスクや二重譲渡される懸念がありません。

また、直接支払いがおこなわれることで、売掛先からの代金を流用するリスクも排除できます。

結果として、ファクタリング手数料が低く設定されることが多く、利用者にとって有利な条件で資金調達が可能です。

一方、デメリットとしては入金までのスピードが遅いこと、売掛先に資金繰りの悪化を知られてしまうことが挙げられます。

3社間ファクタリングでは売掛先の承諾が必要です。そのため、承諾を得るまでや承諾後の売掛先とファクタリング会社とのやり取りなど、あらゆる手続きに時間がかかります。

ファクタリング会社選びで償還請求権以外に重視したいポイント

ファクタリング会社選びで償還請求権以外に重視したいポイント

健全なファクタリングサービスでも、それぞれの業者によって契約条件や審査スピードには違いがあります。

ここからはできるだけ早く資金調達するために、償還請求権以外に重視したいポイントを5つ紹介します。

審査通過率は高いか

ファクタリングの審査通過率は80%~95%程度と融資よりも高い傾向ですが、審査に自信がないのであれば95%以上の業者を探しましょう。

また、審査通過率の高い業者は審査基準が厳しくないため、短時間で資金調達できる可能性があるのも魅力です。

なお、業者によっては公開していないところもあるため、審査通過率を重視するのであれば明記されているサービスを利用しましょう。

手数料が高過ぎないか

ファクタリングの手数料は融資に比べて高額となることが多く、資金調達の足枷となります。そのデメリットを軽減するためには、手数料の相場を理解したうえで比較検討しましょう。

ファクタリングの手数料の相場は2社間で8%~20%、3社間で2%~10%です。

手数料は売掛債権の金額や売掛先の信用力などで上下するため、まずは複数社で見積もりを取るのがおすすめです。

現金化のスピードが早いか

現金化のスピードが早いファクタリング会社は、資金調達を迅速に行えるため、急な資金需要や資金繰りの改善に対応しやすくなります。

現金化のスピードは平均的には2社間で最短即日、3社間で1週間程度です。なかには最短10分で入金されるサービスもあります。

週末を挟むと入金が前後する可能性があるので、急いでいるなら土日祝対応のサービスに申し込みましょう。

また、オンラインで完結するサービスはAIを導入するなどして審査を簡略化しているためスピーディーです。ただし、オンライン完結のものは対面でない分審査に融通が効かないので、審査落ちのリスクもあることを念頭に入れておきましょう。

ただし、資金繰りに余裕があるのであれば、スピードよりも手数料や審査内容を重視でよいでしょう。

手軽に利用できるか

手数料やスピードに次いで、利用の手軽さも検討対象と言えます。対面での契約を希望する場合、安心感はあるものの、近くにファクタリング会社がなければ何度も足を運ぶ負担がかかります

最近ではオンラインで完結するサービスや、出張契約に対応しているサービスもあるので、状況に合わせて利用しやすいものを選びましょう。

また、必要書類の少なさも利用しやすさに寄与します。必要書類が多いサービスだと書類を用意するのに日数がかかるうえ、書類不備が発生するリスクも上がります。

必要書類は事前にサービスのホームページを見るか、問い合わせで確認しましょう。

買取金額は希望額以内か

買取金額はサービスごとに下限・上限が設けられているところもあるため、売却したい売掛債権の金額が下限を下回っている、もしくは上限を上回っている場合には、そこで資金調達することができません。

まずはファクタリング会社のホームページを確認し、下限と上限、買い取り実績を確認しましょう。

続いて、利用したいファクタリング会社を絞り込んだら、買取金額が希望以内かどうか見積もってもらいましょう。

ファクタリングはどうしても手数料がかかるサービスですが、必要額を確保できなければ事業運営や成長戦略を支える資金が不足するリスクを被るので慎重に検討してください。

まとめ

まとめ

償還請求権があると、売掛先が代金を支払えなかった場合に買取側から代金を請求されるため、契約の際は注意しなければいけません。

ファクタリングは基本的に償還請求権はありませんが、なかには違法に償還請求権を採用している悪徳業者もいます。

悪徳業者を避けて安全に資金調達するために、本記事を参考に償還請求権について理解を深めてください。

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