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ファクタリングの会計処理|2社間・3社間・注文書買取の仕訳例

注文書・発注書のスピード買取・資金調達なら

この記事は約17分で読めます。

ファクタリングを使うと、売掛金の仕訳が普段と変わります。手数料を引かれた金額が入金されるため、額面との差額をどの勘定科目で受けるかを決めないと帳簿が合いません。

この差額に使うのが「売掛債権売却損」です。日常の経理ではまず出てこない科目なので、会計ソフトの一覧を探しても見つからないことがあります。

この記事では、2社間・3社間・注文書買取・保証型の4つに分けて、借方と貸方をそのまま写せる形で仕訳を並べました。売掛金の消込、決算日をまたいだときに残る科目、消費税の扱い、銀行に決算書を見せるときの説明まで扱います。

ファクタリングで使う勘定科目は、次の7つです。

勘定科目 使う場面
売掛金 譲渡する前の売掛債権
未収入金 契約したが、まだ入金されていないとき
普通預金 買取代金が入金されたとき
売掛債権売却損 手数料を計上するとき
預り金 2社間で売掛先から回収し、送金するまでの間
前受金 注文書買取で、納品前に資金を受け取ったとき
短期借入金 売却ではなく金融取引として処理する場合

7つのうちどれを使うかは、契約の型で決まります。

自社の契約はどれですか

契約の型 あてはまる状況 仕訳を見る
2社間 売掛先に知らせていない。期日に自社の口座へ入金される 2社間の仕訳へ
3社間 売掛先が承諾済み。売掛先が直接ファクタリング会社へ支払う 3社間の仕訳へ
注文書買取 受注段階で資金化した。まだ納品も請求もしていない 注文書買取の仕訳へ
保証型 保証料を払っている。資金は入ってきていない 保証型の仕訳へ

仕訳シミュレーション(かんたん版)

額面500万円・手数料10%の場合です。開くと基本の1本が出ます。段階ごとの仕訳は本文で解説します。

2社間で、契約と入金が同じ日だったとき
借方 貸方
普通預金 4,500,000 売掛金 5,000,000
売掛債権売却損 500,000    

2社間では、このあと売掛先から入金されたときと、ファクタリング会社へ送金したときに、もう2本の仕訳が必要です。

3社間で、入金があったとき
借方 貸方
普通預金 4,500,000 未収入金 5,000,000
売掛債権売却損 500,000    

3社間では売掛先が直接支払うため、預り金も送金の仕訳も発生しません。

注文書買取で、納品前に入金があったとき
借方 貸方
普通預金 4,050,000 前受金 4,500,000
売掛債権売却損 450,000    

買取率90%・手数料10%の例です。納品前なので、この時点では売上を計上しません。

2社間で、送金前に決算日を迎えたとき
借方 貸方
普通預金 5,000,000 預り金 5,000,000

送金前に決算日が来ると、預り金500万円が期末の貸借対照表に負債として残ります。

ファクタリングの会計処理は4つの型で決まる

結論型が決まれば、切る仕訳は2本から4本です。

ファクタリングの仕訳は、契約の型ごとに本数も使う科目も違います。4つの型を並べると次のとおりです。

仕訳の本数 特徴
A:契約日と入金日が別(3社間に多い) 2本 いったん未収入金で受ける
B:契約日と入金日が同じ(2社間に多い) 3本 売掛先からの入金と送金の処理が残る
C:注文書を受注段階で売る 4本 売上を計上する前なので型が変わる
D:保証型 1〜3本 資金調達ではなく貸倒れへの備え

自社がどの型かを見分ける3つの質問

この順に答えると型が決まります

1. 売ったのは請求書ですか、それとも注文書・発注書ですか。注文書なら型Cです。

2. 売掛先はファクタリングの利用を知っていますか。知っていて、売掛先が直接ファクタリング会社へ支払うなら型Aです。

3. 売掛先から自社にお金が入り、それをファクタリング会社へ送金するなら型Bです。

保証型だけは、売掛金を売る契約ではありません。保証料を払い、回収できなくなったときに保証金を受け取る仕組みなので、資金は入ってきません。保証型を資金調達として決算書に反映させると、実態と合わなくなります。

契約形態そのものの違いは3社間ファクタリングの仕組みと手数料で詳しくまとめています。

自社のケースがどの処理になるか分からないとき

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請求書ファクタリングと注文書ファクタリングは仕訳が違う

結論売上を計上した後か前かで、使う科目が変わります。

同じファクタリングでも、売ったものが請求書か注文書かで仕訳の型が変わります。違いは次の5点です。

比較する点 請求書ファクタリング 注文書ファクタリング
譲渡する対象 発生済みの売掛債権 これから発生する債権
売上の計上 原則としてすでに計上済み まだ計上していない場合がある
売掛金 帳簿にすでに存在する 原則としてまだ存在しない
処理の中心 売掛金の振替と消込 契約と精算の条件に応じた処理
経理上の注意 売掛金の消込漏れ 売上の計上時期、前受金の残高

注文書買取の出発点は、入金があった日に売上を立てないことです。詳しい仕訳は後半で解説します。

ファクタリングの仕訳で使う勘定科目

結論手数料は売掛債権売却損。損益計算書では営業外費用に入ります。

冒頭に挙げた7つの科目が、決算書のどこに載るかまで整理しました。

勘定科目 分類 使う場面 決算書での位置
売掛金 資産 売上が発生したとき 貸借対照表・流動資産
未収入金 資産 契約したが入金前のとき 貸借対照表・流動資産
売掛債権売却損 費用 手数料を計上するとき 損益計算書・営業外費用
預り金 負債 2社間で売掛先から入金されたとき 貸借対照表・流動負債
前受金 負債 注文書買取で先に資金を受けたとき 貸借対照表・流動負債
支払手数料 費用 保証型で保証料を払うとき 損益計算書・販売費及び一般管理費
短期借入金 負債 売却として処理できない契約のとき 貸借対照表・流動負債

売掛債権売却損は営業利益を減らさない

売掛債権売却損は、損益計算書では営業外費用に入ります。売上原価でも販管費でもないため、ファクタリングを使っても営業利益は変わりません。減るのは経常利益です。

科目の選び方で、決算書の見え方も変わります。手数料を販管費の支払手数料で処理すると、営業利益まで下がります。銀行に決算書を見せる場面では、この差が効いてきます。

会計ソフトに科目がないときの登録

売掛債権売却損は、標準の科目一覧に入っていないソフトもあります。freee、マネーフォワード クラウド、弥生会計のいずれでも、確認する点は次の3つです。画面の操作手順は更新されることがあるため、各ソフトのヘルプで最新の手順をご確認ください。

確認する点 設定の内容
科目があるか なければ「売上債権売却損」「債権売却損」で追加登録する。追加できないソフトでは雑損失や支払手数料で代用する
税区分 非課税取引として登録する。課税仕入で入力すると、控除できない仕入税額を計上することになる
補助科目 未収入金・預り金・売掛債権売却損に、ファクタリング会社ごとの補助科目を作る

補助科目と摘要の書き方

2社間では、預り金の残高が「どの会社にいくら送金すべきか」を表します。複数社を使っていると、残高だけでは見分けがつきません。補助科目を先に作っておくと、送金漏れを残高で見つけられます。

摘要欄の記載例(そのまま使えます)

譲渡時:〇〇商事 売掛金 ファクタリング譲渡(△△ファクタリング/2026年3月末期日分)

入金時:△△ファクタリング 買取代金入金(手数料相殺後)

売掛先入金時:〇〇商事 入金 譲渡済債権のため預り金計上(△△ファクタリング宛)

送金時:△△ファクタリング 譲渡代金送金(預り金取崩)

摘要に「譲渡済債権のため」と一言あると、後から帳簿を見返す人にも、税務調査の場面でも説明が早く済みます。

手数料の年間合計は、翌年に条件を交渉するときの材料になります。1件ずつでは小さく見えても、年間で集計すると調達額の1割前後になることもあります。補助科目を分けておけば、決算のときにすぐ集計できます。

2社間ファクタリングの仕訳(額面500万円・手数料10%)

結論契約と入金が別の日なら4本、同じ日なら3本です。

2社間は、売掛先に知られずに資金化できる契約です。そのかわり、期日に回収したお金をファクタリング会社へ送金する処理が残ります。

① 売掛金が発生したとき

借方 貸方
売掛金 5,000,000 売上 5,000,000

売上が発生したときの仕訳は、ファクタリングを使う場合も通常と同じです。

② ファクタリング契約を結んだとき(入金前)

借方 貸方
未収入金 5,000,000 売掛金 5,000,000

債権を売った時点で、売掛金は自社のものではなくなります。まだ現金は入っていないので、未収入金に振り替えて受けます。

③ ファクタリング会社から入金があったとき

借方 貸方
普通預金 4,500,000 未収入金 5,000,000
売掛債権売却損 500,000    
借方合計 5,000,000 貸方合計 5,000,000

入金額と手数料を足すと、額面と一致します。手数料を借方に足したのに、入金額を額面のままにしてしまう入力ミスが最も多く起きます。合計が合っているかを、この段階で確認しておくと安心です。

④ 期日に売掛先から入金があったとき

借方 貸方
普通預金 5,000,000 預り金 5,000,000

2社間では売掛先に通知しないため、期日には通常どおり自社の口座に入金されます。ただし入金されたお金はファクタリング会社のものです。売上でも売掛金の回収でもないので、預り金という負債で受けます。

⑤ ファクタリング会社へ送金したとき

借方 貸方
預り金 5,000,000 普通預金 5,000,000

契約と入金が同日なら②③をまとめられる

2社間は申込から入金までが短く、契約日と入金日が同じになることもあります。同日なら、②と③を1本にまとめられます。

借方 貸方
普通預金 4,500,000 売掛金 5,000,000
売掛債権売却損 500,000    

この場合、未収入金は使いません。契約と入金が同日になる会社を選べば、それだけで仕訳が1本減ります。

3社間ファクタリングの仕訳(仕訳は2本)

結論預り金も送金の仕訳も発生しません。契約時と入金時の2本だけです。

3社間では、売掛先が直接ファクタリング会社へ支払います。自社の口座を経由しないため、回収にまつわる処理がまるごとなくなります。

① ファクタリング契約を結んだとき

借方 貸方
未収入金 5,000,000 売掛金 5,000,000

② ファクタリング会社から入金があったとき(手数料3%の場合)

借方 貸方
普通預金 4,850,000 未収入金 5,000,000
売掛債権売却損 150,000    
借方合計 5,000,000 貸方合計 5,000,000

期日に売掛先が支払っても、自社での処理はありません。取引先の数が多い会社ほど、3社間にすると事務が軽くなります。手数料の水準は2社間・3社間の手数料相場で比べられます。

注文書ファクタリングの会計処理

結論入金の日に売上は立てません。前受金で受けて、納品後に精算します。

注文書や発注書を受け取った段階、つまりまだ納品も請求もしていない時点で資金化する場合、これまでの仕訳がそのまま使えません。

請求書買取と仕訳が変わる理由

請求書買取なら、帳簿にはすでに売掛金が立っています。だから売掛金を未収入金に振り替えられます。

注文書の段階では、まだ商品もサービスも引き渡していません。売上を計上していないので、振り替える先の売掛金が帳簿にありません。ここで無理に売掛金を立てると、売上の前倒し計上になります。

やってはいけない処理

注文書を売って入金があった日に「売掛金/売上」を計上する。受注しただけで売上を立てることになり、収益の計上時期が実態とずれます。売上は納品・検収など、引き渡しが終わった時点で計上します。

入金時・納品時・回収時・送金時の仕訳

注文書の額面500万円、買取率90%(450万円)、手数料10%(45万円)で、405万円が入金される場合です。契約は2社間で、納品後は自社が売掛先から回収し、その資金をファクタリング会社へ送金します。

① 注文書を譲渡して入金があったとき(納品前)

借方 貸方
普通預金 4,050,000 前受金 4,500,000
売掛債権売却損 450,000    
借方合計 4,500,000 貸方合計 4,500,000

受け取ったのは売上ではなく、将来の債権を売った対価です。負債である前受金で受けます。

② 納品・検収が終わったとき

借方 貸方
売掛金 5,000,000 売上 5,000,000

③ 期日に売掛先から入金があったとき

借方 貸方
普通預金 5,000,000 売掛金 5,000,000

④ ファクタリング会社へ譲渡分を送金したとき

借方 貸方
前受金 4,500,000 普通預金 4,500,000

買い取られなかった50万円は自社に残ります。前受金が消えて、手元に50万円が残る形で取引が終わります。

送金するまでは自分のお金ではありません

2社間では、期日に売掛先から入金された500万円が、いったん自社の口座に入ります。残高は増えますが、うち450万円はファクタリング会社に送金する分です。前受金を取り崩すまで運転資金に回すと、送金が遅れて契約違反になります。

一部しか買い取られなかったとき・検収で減額されたとき

注文書買取では、希望額の全部が買取の対象にならないこともあります。納品後の検収で、発注元から金額を減らされることもあります。どちらも、契約書に定めた精算の方法で処理が変わります。

起きたこと 考え方
希望500万円に対し400万円しか買い取られなかった 譲渡したのは400万円分。前受金も400万円で立てる。残りは通常の売掛金として自社で回収する
検収で額面が500万円から450万円に減額された 売上は450万円で計上する。前受金が譲渡額を上回る場合は、差額の精算方法を契約書で確認する
発注そのものが取り消された 債権が発生しないため、受け取った資金の返還や代替債権への差し替えなど、契約上の取り扱いに従う

契約ごとに定めが違うため、一律の仕訳は当てはめられません。減額や一部買取が起きた時点で精算の条件を確認すると、科目を決められます。

送金時の振込手数料はどちらが負担するか

2社間で自社が送金する場合、振込手数料は通常、送金する側である利用者の負担です。金額は小さいものの、処理を間違えると手数料が二重に計上されます。

借方 貸方
前受金 4,500,000 普通預金 4,500,660
支払手数料 660    
借方合計 4,500,660 貸方合計 4,500,660
売掛債権売却損に混ぜない

振込手数料は銀行に払う費用で、ファクタリング会社の手数料ではありません。売掛債権売却損に含めると、年間の手数料を集計したときに実際より多く見えます。支払手数料で分ければ、課税仕入としても処理できます。

契約書で先に確かめる2点

1つ目は、譲渡の対象です。将来発生する債権そのものなのか、納品後に債権が確定してから譲渡が実行されるのか。前者なら上の①から、後者なら入金をいったん預り金で受ける形になります。

2つ目は、買い取られなかった部分の扱いです。自社に残るのか、回収後に精算するのか。ここで④の金額が変わります。契約書の文言をそのまま顧問税理士に見せると、科目が決まります。

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売掛金の消込はいつ・どうするか

結論2社間では、売掛先から入金された日に売掛金を消し込みません。

仕訳そのものより、消込でつまずく方が多い部分です。タイミングごとに整理しました。

2社間の消込

タイミング 消し込むもの やってはいけないこと
譲渡したとき 売掛金(未収入金へ振替) 売掛先の補助元帳に残したままにする
買取代金が入金されたとき 未収入金 売上として計上する
売掛先から入金されたとき 何も消し込まない(預り金を立てる) 売掛金の回収として消し込む
送金したとき 預り金 そのまま残して決算を迎える

3行目が最大の落とし穴です。売掛金は譲渡した時点で帳簿から消えているため、売掛先からの入金で消し込むものは残っていません。ここで売掛金を消そうとすると、補助元帳がマイナスになるか、二重に消し込むことになります。

3社間の消込

3社間では、売掛先からの入金が自社の口座に来ません。譲渡した時点で売掛金を未収入金へ振り替え、買取代金の入金で未収入金を消します。これで完了です。

注意点は1つだけです。譲渡した債権を、売掛先の補助元帳に残さないこと。残したままにすると、いつまでも入金されない売掛金として翌期以降も繰り越されます。

補助元帳の残高が合わないときの確認順

この順に見ると原因が絞れます

1. 譲渡した債権を、売掛先の補助元帳から落としているか。

2. 売掛先からの入金を、売掛金の回収として処理していないか。預り金で受けているか。

3. 預り金の残高が、まだ送金していない金額と一致しているか。

4. 未収入金の残高が、まだ入金されていない買取代金と一致しているか。

5. 額面と入金額の差額を、手数料と買い取られなかった部分に分けているか。

掛け目・買取率・留保金・手数料は別のもの

結論額面と入金額の差を全部手数料にすると、費用の過大計上になります。

額面100万円の債権を売っても、100万円から手数料を引いた額が入るとは限りません。買取率が設定されると、買取の対象になる金額が額面より小さくなるためです。4つの用語を分けて考えます。

用語 意味 入金額への影響
額面 請求書・注文書の金額 基準となる金額
買取率(掛け目) 額面のうち買い取る割合 買取の対象額が決まる
留保金 買い取らずに据え置く部分 期日後に返還される契約もある
手数料 ファクタリング会社の報酬 買取対象額から差し引かれる

平均買取率88.8%が意味すること・意味しないこと

公開されている取引データの一例では、平均買取率は88.8%です。額面のうち、平均して88.8%が買取の対象になったという意味になります。

「手数料11.2%」という意味ではありません

買取率・留保金・手数料は、それぞれ別のものです。買取の対象額が決まったあと、そこからさらに手数料が引かれます。最終的な入金額は契約条件によって変わります。

出所:注文書買取ファクタリング BESTPAY(株式会社アレシア)の取引実績。同じデータでは平均買取額615万円、買取実績は15万円から4億1,268万円まで幅があります。

500万円のモデルケース

額面 5,000,000円
買取率88.8% → 買取対象額 4,440,000円
手数料10%(例) → 444,000円
入金額 3,996,000円/額面との差 1,004,000円

この104万円を全額売掛債権売却損にすると、費用を過大に計上することになります。内訳は、手数料が44万4千円、買い取られなかった部分が56万円です。後者は期日後に自社へ戻る、あるいは自社が回収する部分にあたります。

留保金が後から戻る契約の場合の処理

額面全額を譲渡して、掛け目を超える部分を期日後に返金する契約もあります。この場合、入金時に返ってくる分を未収入金として資産に残し、返金を受けたときに取り崩します。売却損として費用になるのは、実際の手数料の部分だけです。

掛け目そのものの考え方は掛け目で減る手取りとファクタリングのデメリットでも整理しています。

計上した売却損が、想定より大きくありませんでしたか

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保証型ファクタリングの仕訳

結論資金は入ってきません。保証料を払い、回収不能が確定したときに保証金を受け取ります。

① 保証料を支払ったとき(売掛金500万円・保証料10万円)

借方 貸方
支払手数料 100,000 普通預金 100,000

期日に売掛先から入金されれば、あとは通常の回収の仕訳だけです。保証料は掛け捨ての保険料と同じで、戻ってきません。

② 回収不能が確定し、保証金400万円を受け取ったとき

借方 貸方
貸倒損失 5,000,000 売掛金 5,000,000
普通預金 4,000,000 雑収入 4,000,000
保証金は全額とは限りません

保証には保証極度額と保証割合があります。売掛金の全額が補填される前提で仕訳を組むと、実際の入金額と合いません。契約書の保証割合を見てから金額を入れると、差異が出ません。

ファクタリングを利用した会社の決算書はどう見えるか

結論営業利益は変わりません。動くのは経常利益と、期末の負債です。

額面500万円・手数料10%で2社間を使い、期首の普通預金を100万円としたときの、貸借対照表の主な科目です。

科目 利用前 買取代金の入金後 売掛先の入金後(送金前) 送金後
普通預金 1,000,000 5,500,000 10,500,000 5,500,000
売掛金 5,000,000 0 0 0
預り金(負債) 0 0 5,000,000 0
資産合計 6,000,000 5,500,000 10,500,000 5,500,000
繰越利益剰余金への影響 △500,000 △500,000 △500,000

損益計算書では、売掛債権売却損50万円が営業外費用に入ります。売上高も売上原価も販管費も動かないため、営業利益は利用前と同じです。経常利益と当期純利益だけが50万円下がります。

注意したいのは3列目です。売掛先から入金を受けたあと、送金する前の状態では、資産も負債も500万円ずつ膨らみます。この状態で決算日を迎えると、決算書の見え方が変わります。

決算日をまたぐときの処理

結論またいでも税金は増えません。ただし、いつまたぐかで期末に残る科目が変わります。

ファクタリングを使ったから税金が増えるわけではない

決算期をまたぐと税金がかかる、という説明を見かけますが、正確ではありません。法人税も消費税も、売上を計上した時点で課税関係が決まります。売掛金が現金になっているかどうかは関係ありません。

ファクタリングを使っても使わなくても、その期の税額は変わりません。手数料は売却した期の費用になるので、利益はむしろその分小さくなります。

2社間で売掛先の入金後・送金前に決算日を迎えたとき

「ファクタリングは借入ではないので負債が増えない」と言われますが、2社間では負債が立つ場合があります。分かれ目は、決算日の時点でどこまで進んでいたかです。3月決算の会社を例に、2つのケースを並べます。

ケース1:決算日の時点で、売掛先からまだ入金がない

日付 出来事 3月31日に残るもの
3月25日 売掛金500万円を譲渡し、450万円が入金
3月31日 決算日。売掛先からはまだ入金なし なし
4月5日 売掛先から500万円入金(預り金を計上)
4月6日 ファクタリング会社へ500万円送金

譲渡も買取代金の入金も3月中に終わっているため、期末の貸借対照表には何も残りません。負債も増えません。

ケース2:決算日の時点で、売掛先から入金済み・送金前

日付 出来事 3月31日に残るもの
3月25日 売掛金500万円を譲渡し、450万円が入金
3月28日 売掛先から500万円入金(預り金を計上) 預り金 5,000,000円
3月31日 決算日 預り金が流動負債に計上される
4月6日 ファクタリング会社へ送金し、預り金を取り崩す 翌期の処理

同じ取引でも、送金が決算日をまたぐかどうかで決算書が変わります。負債を増やしたくない場合は、送金を決算日より前に終える段取りにするか、預り金そのものが発生しない3社間を選ぶ方法があります。

契約から入金までが決算日をまたいだ場合

3月末に契約し、買取代金の入金が4月になった場合は、期末に未収入金が資産として残ります。負債ではありませんが、内容の説明を求められることがあります。譲渡した債権の一覧があると、その場で答えられます。

期末に債権を譲渡すると貸倒引当金の繰入限度額が減る

貸倒引当金の繰入限度額は、期末に持っている売掛金などの帳簿価額に繰入率を掛けて計算します。期末より前に売掛金を譲渡すると、その債権は期末に存在しないため、計算の対象から外れます。

資本金1億円以下の中小法人が法定繰入率を使う場合、繰入率は業種で決まっています。卸売業・小売業は1,000分の10、製造業は1,000分の8、サービス業などその他の事業は1,000分の6です。

期末直前に譲渡した売掛金 5,000,000円
その他の事業の法定繰入率 6/1000
減る繰入限度額 30,000円(=損金が3万円少なくなる)

金額としては大きくありませんが、期末付近でまとまった債権を譲渡すると効いてきます。手数料を払ったうえに損金も減るため、決算月の利用は負担が二重になります。

参照:No.5501 一括評価金銭債権に係る貸倒引当金の設定|国税庁

ファクタリングと消費税

結論債権の譲渡そのものは非課税です。別建てで請求される項目は分けて見ます。

譲渡対価は非課税

売掛金の譲渡は、消費税法上の金銭債権の譲渡にあたり非課税取引です。譲渡代金に消費税は上乗せされません。

参照:No.6201 非課税となる取引|国税庁

自社が保有する売掛債権の譲渡と課税売上割合

非課税売上が増えると課税売上割合が下がり、仕入税額控除が減るのではないか。問い合わせの多い論点です。

自社の売上から生じた売掛債権を譲渡した場合、その譲渡対価は課税売上割合の計算上、総売上高に含めないとされています。資産の譲渡等の対価として取得した金銭債権が、計算の対象から外れるためです。

この整理が当てはまる範囲

ここで説明しているのは「自社の売上から生じた売掛債権を譲渡した場合」です。ファクタリング一般についての整理ではありません。他社が持っていた債権を譲り受けて売った場合など、取引の類型が変わると扱いも変わります。判断に迷う場合は顧問税理士にご確認ください。

参照:No.6405 課税売上割合の計算方法|国税庁(消費税法施行令第48条)

譲渡対価と役務提供の対価を分けて考える

「ファクタリングの手数料」という言葉は、契約によって指すものが違います。分けずに処理すると、税区分を間違えます。

請求された項目 性格 考え方
額面と買取代金の差額 債権の譲渡対価の一部 非課税取引にあたるため、適格請求書が交付されないことがある
事務手数料・出張費など別建ての請求 別途の役務提供の対価 課税取引になることがある。適格請求書の対象かを確認する
債権譲渡登記の司法書士報酬 役務提供の対価 課税仕入として処理する

請求書や明細の内訳を見れば、譲渡対価と役務提供の対価を分けられます。内訳が「手数料一式」としか書かれていない場合は、内訳を出してもらう必要があります。分けられなければ、税区分も費用の区分も決まりません。

債権譲渡登記の費用は課税と不課税が混ざる

2社間で債権譲渡登記を求められると、登記の費用が別に発生します。費用の種類ごとに、科目も税区分も分かれます。

費用 金額 勘定科目 消費税
登録免許税(債権5,000個以下) 1件7,500円 租税公課 不課税
登録免許税(債権5,000個超) 1件15,000円 租税公課 不課税
抹消登記 1件1,000円 租税公課 不課税
司法書士報酬 数万円〜 支払手数料 課税仕入

参照:債権譲渡登記等 添付書面・登録免許税|法務省

登記費用をまとめて売掛債権売却損に入れると、課税仕入にできる司法書士報酬を取りこぼします。登記が不要な会社を選べば、この処理そのものが発生しません。

残しておく証憑チェックリスト

結論1回の取引で7種類の書類が出ます。案件ごとにまとめて残します。

書類 何を証明するか 受け取り方の例
ファクタリング契約書 契約条件(償還請求権・掛け目・精算方法) クラウド契約のPDF
債権譲渡契約書・譲渡通知 債権が移転したこと PDFまたは書面
注文書・請求書 譲渡した債権の内容 自社の控え
入金明細 買取代金と手数料の内訳 PDFまたはネットバンキング
手数料明細 手数料の内訳(役務提供分の有無) PDF
送金記録 ファクタリング会社へ支払ったこと ネットバンキングの控え
債権譲渡登記の登記事項概要証明書 登記の有無と費用 書面

案件ごとにフォルダを分けておくと、税務調査で取引の流れを説明しやすくなります。特に2社間では、送金記録がないと「入金を自社の収入にしたのでは」という疑いを晴らせません。

電子で受け取った書類の保存ルール

メールやクラウド契約でPDFを受け取った場合、電子帳簿保存法でいう電子取引にあたります。印刷して紙で保管し、元のデータを消す運用は原則として認められません。

保存するときは、取引年月日・取引金額・取引先で検索できる状態にします。ファイル名を「20260401_5000000_○○ファクタリング.pdf」の形にして、専用のフォルダにまとめる方法でも要件を満たせます。基準期間の売上高が5,000万円以下の事業者は、税務調査でデータをダウンロードして渡せるなら、検索機能の確保が不要です。

猶予措置もあります。やむを得ない事情が所轄税務署に認められ、調査のときにデータの提出と書面の提示に応じられる場合です。この場合は、要件どおりでない保存も認められます。ただし経過的な扱いなので、まずは元のデータを消さずに残すことが先です。

償還請求権や買戻条件があるときの扱い

結論売却として処理できるかは、契約条件とリスクの負担を踏まえた判断になります。

契約書に、売掛先が支払わなかったときは自社が買い戻す、あるいは自社の資金で支払うという条項が入っていることがあります。この場合、そのまま売却の仕訳を切ってよいとは限りません。

企業会計基準第10号(金融商品に関する会計基準)では、金融資産の消滅を認識できるのは支配が移転したときとされています。買戻しの権利や義務がある場合、支配が移転したといえるかは、契約条件やリスクの負担を踏まえた判断になります。売却として処理できないと判断される場合は、金融取引として借入金で処理します。

金融取引として処理する場合の入金時

借方 貸方
普通預金 4,500,000 短期借入金 5,000,000
支払利息 500,000    

この処理では、売掛金は帳簿に残したまま負債が増えます。オフバランスにはならず、自己資本比率も下がります。

契約書のどこを見るか

「償還請求権」「買戻し」「遡求」という語が手がかりです。金融庁は、売主が債権を買い戻すこととされているものについて、貸金業に該当するおそれがあると示しています。売主自身の資金で支払う定めがある場合も同じです。会計処理の判断だけでなく、契約そのものを見直す材料になります。

どちらの処理になるかは契約書の内容によります。該当する条項が見つかったら、条文をそのまま顧問税理士にご確認ください。

参照:ファクタリングの利用に関する注意喚起|金融庁企業会計基準第10号 金融商品に関する会計基準

買戻条項が入っている契約が違法かどうかの線引きは、ファクタリングの法的根拠と違法な取引の例で整理しています。

決算書を銀行に見せるときに聞かれること

結論ファクタリングを使ったことは、決算書から見当がつきます。

銀行が見るのは、次の4か所です。

決算書の場所 何が見えるか 準備しておく説明
営業外費用の売掛債権売却損 手数料の年間総額 何回、何のために使ったか
流動負債の預り金 期末時点で送金前の債権額 いつ送金したか(送金控えを用意)
売掛金の残高 売上に対して残高が不自然に少ない 譲渡した債権の一覧
短期借入金 金融取引として処理した場合に計上される 契約書の該当条項

単発の利用なら、説明のしかたで受け取られ方が変わります。受注が増えて先出しの資金が必要だった、と伝えられれば、資金繰りが回っている証拠になります。一方、毎月同じ額を繰り返し譲渡していると、銀行返済のために手数料を払い続けている状態と見られます。継続して使う場合は、融資への切り替えを含めた出口があると説明しやすくなります。

会計処理でよくある間違い10選

間違い 何が起きるか 直し方
1. 負債と債権を混同する 買掛金や借入金を「債権」に分類してしまう 簿記の5要素は資産・負債・純資産・収益・費用
2. 借方と貸方が合わない 入金額を額面のまま入れ、手数料を足して合計がずれる 入金額+手数料=額面になっているか毎回確認する
3. 額面との差を全部手数料にする 掛け目の分まで費用にして、費用を過大計上する 明細で手数料と買取率の内訳を確認する
4. 手数料を課税仕入で入力する 控除できない仕入税額を計上する 譲渡対価は非課税。別建ての役務提供分だけ分ける
5. 売掛先の入金で売掛金を消し込む 譲渡済みの売掛金を二重に消し、残高が合わなくなる 売掛先からの入金は預り金で受ける
6. 譲渡した債権を補助元帳に残す 入金されない売掛金が翌期以降も残り続ける 譲渡時に売掛金を落とす
7. 預り金を消し忘れる 決算書に負債が残り続ける 送金した日に預り金を取り崩す
8. 決算日時点の残高を確認しない 預り金・未収入金・前受金が意図せず期末に残る 決算前に3科目の残高を照合する
9. 注文書買取を売掛金の譲渡と同じ仕訳にする 売上を前倒しで計上してしまう 売上は納品・検収の時点で計上する
10. 契約条件を見ずに売却と決めつける 買戻条件がある契約を売却処理してしまう 償還請求権・買戻しの条項を先に確認する

会計処理の手間が少ないファクタリング会社8社

結論同日入金・3社間・登記なし・掛け目なし。この4つで仕訳の本数が変わります。

会計処理の負担で見る4つの軸

1. 契約と入金が同日になるか(同日なら未収入金の仕訳が不要)

2. 3社間を扱っているか(3社間なら預り金と送金の仕訳が不要)

3. 債権譲渡登記が必要か(不要なら登録免許税と司法書士報酬の処理が発生しない)

4. 掛け目があるか(掛け目なしなら額面と入金額の差がそのまま手数料)

条件を公表していない会社が多い

手数料や買取金額を公式サイトに書いていない会社は珍しくありません。ファクタリング会社の口コミサイト「ファクコミ」が主要208社を調べたところ、買取金額を公表していない会社が57社ありました。債権譲渡登記が不要と明記している会社は76社です。

出所:ファクタリング会社の口コミ(ファクコミ)|ファクタリングの選び方・主要208社調査

以下では、公式サイトで確認できた内容だけを数値で示します。公式に記載がない項目は、推測せず「要問合せ」と書いています。

8社の比較表

会社 注文書 3社間 手数料 買取金額 会計上とくに確認したい点
ベストペイ 要問合せ 要問合せ 100万円〜3億円程度 買取率と留保部分の扱い
ウィット 要問合せ 下限なし 手数料の内訳の記載
アクセルファクター 要問合せ 2%〜(上限要問合せ) 30万円〜1億円 3社間を選んだ場合の入金日
日本中小企業金融サポート機構 要問合せ 1.5%〜 下限・上限なし 2社間と3社間で手数料がどう変わるか
PayToday 要問合せ 要問合せ 1%〜(上限要問合せ) 要問合せ 掛け目なし・登記なしで仕訳が最少
ZIST 要問合せ 要問合せ 要問合せ 要問合せ 契約と入金が同日になるか
うりかけ堂 要問合せ 要問合せ 要問合せ 手数料の見積書が出るか
アクティブサポート 要問合せ 要問合せ 要問合せ 要問合せ QuQuMoと同一運営である点

◎は受注段階の注文書・発注書を買い取れると公式に示している会社、○は取り扱いを公式に確認できる項目です。記載がない項目を対応ありとは書いていません。

各社の詳細(開いて確認できます)

ベストペイ(株式会社アレシア)

注文書・発注書を受注段階で買い取るサービスです。請求書が発行される前に資金化するため、仕訳は前受金から入る型になります。

注文書対応 ◎ 受注段階で買取可
入金までの日数 最短翌日
買取金額 100万円〜3億円程度(実績は15万円〜4億1,268万円)
手数料 要問合せ
必要書類 注文書(発注書)/通帳3ヶ月分(表紙付き)/本査定申込書
償還請求権 ノンリコース
3社間・登記 要問合せ

向いている場面:着手前に材料費や人件費の支払いがあり、請求書を出せる時期まで待てない場合。最も多い利用業種は建設業です。

注意点:手数料の水準と債権譲渡登記の要否は公表されていません。見積もりの段階で確認が必要です。公表の目安は100万円からですが、実績では15万円の買取もあります。

ウィット

注文書と請求書の両方を扱い、公式FAQで金額の下限を設けていないと明記しています。

注文書対応 ◎ 発注時の注文書に対応
入金までの日数 申込から最短2時間
買取金額 下限なし
手数料 要問合せ
契約形態 2社間・3社間
手続き 電話・LINE・メールで非対面完結

向いている場面:数十万円単位の少額を、開業間もない段階で資金化したい場合。銀行借入があっても利用できると明記されています。

注意点:手数料が公表されていません。建設業向けの「けんせつくん」は同じ株式会社ウィットの運営です。相見積もりのときに別会社として数えると、同じ会社に2回申し込むことになります。

アクセルファクター

関東財務局・関東経済産業局から認定経営革新等支援機関の認定を受けています。2社間と3社間の両方を扱います。

買取金額 30万円〜1億円
手数料 2%〜(上限は要問合せ)
入金までの日数 最短即日。申込の半数以上が即日決済
審査通過率 新規申込者で93.3%(公式値)
契約形態 2社間・3社間
拠点 東京・仙台・名古屋・大阪

向いている場面:契約と入金を同日にまとめ、仕訳を減らしたい場合。3社間を選べば預り金の処理もなくなります。

注意点:30万円未満の請求書と、請求先が個人の債権は対象外です。手数料の上限は公表されていません。

日本中小企業金融サポート機構

非営利型の一般社団法人が運営しています。買取金額に制限を設けておらず、1万円から2億円までの買取実績があります。

買取金額 下限・上限なし(実績1万円〜2億円)
手数料 1.5%〜
契約形態 2社間・3社間から選択可
買取対象外 給与債権・売掛先が個人の債権/回収済み・支払遅延中の売掛金
赤字・税金滞納 利用可能と明記

向いている場面:金額の大小にかかわらず相談したい場合。赤字や税金の滞納があっても利用できると公式に明記されています。

注意点:支払期日を過ぎた売掛金は買い取れません。回収が遅れている債権をファクタリングで処理できない点は、各社に共通します。

PayToday

掛け目を使わず、請求金額の100%から手数料を引いた額が入金されると明記しています。額面と入金額の差がそのまま手数料になるため、仕訳がいちばん単純になります。

掛け目 なし
債権譲渡登記 行っていないと明記
手数料 1%〜(上限は要問合せ)
買取金額 要問合せ
支払サイト 最大90日後の請求書まで対応
対象 法人・個人事業主(個人事業主は確定申告書の提出不要)
営業時間 平日10:00〜17:00

向いている場面:掛け目と登記費用の処理をまとめて省きたい場合。売掛先が倒産しても支払義務は生じないと明記されています。

注意点:営業時間が平日17時までです。夕方以降と土日は動かないため、即日を狙うなら午前中の申し込みになります。

ZIST

新規申込者の審査通過率を93%以上と公表しています。2社間契約を推奨しており、最短当日の入金に対応します。

入金までの日数 最短当日
審査通過率 93%以上(公式値)
契約形態 2社間を推奨
手数料 要問合せ
買取金額 要問合せ
対象 中小企業・中小零細企業・個人事業主

向いている場面:契約と入金を同日に済ませ、未収入金を使わずに処理したい場合。

注意点:手数料も買取金額も公表されていません。他のサイトに数値が載っていることがありますが、公式の記載とは一致しないため、見積もりでの確認が必要です。

うりかけ堂

株式会社hs1が運営しています。公式FAQで、利用者の約半数が個人事業主だと示しています。

対象 法人・個人事業主(利用者の約半数が個人事業主)
税金滞納 相談可と明記
契約形態 2社間では売掛先への通知なし
手数料 要問合せ
買取金額 要問合せ

向いている場面:個人事業主として、帳簿を自分で付けながら少額を回したい場合。

注意点:手数料は「最安水準」とあるだけで、数値の記載がありません。比較サイトによって買取下限の記載が分かれている会社です。

アクティブサポート

法人と個人事業主の両方に対応します。営業時間は平日9:00〜19:00で、夕方の申込にも間に合う時間帯です。

対象 法人・個人事業主
営業時間 平日9:00〜19:00
手数料 要問合せ
買取金額 要問合せ

向いている場面:日中に動けず、夕方に相談したい場合。

注意点QuQuMo(ククモ)は同じ株式会社アクティブサポートの運営です。相見積もりを取るときに2つを別会社として数えると、同じ会社に2回申し込むことになります。

規模や実績も含めて広く比べたい場合は、大手ファクタリング会社25社の比較もあわせてご覧ください。

条件を並べて比べたい方へ

買取条件・手数料の見積もりを取る

見積もりの段階で、手数料の内訳と登記の要否を確認できます

0120-927-565平日10時〜19時受付/通話無料

契約前に経理として確認する7項目

確認する項目 会計処理への影響
1. 手数料の内訳 譲渡対価と役務提供の対価で税区分が変わる
2. 掛け目(買取率) 額面との差のうち、費用にできるのは手数料だけ
3. 留保金の有無と返還時期 返還されるなら未収入金として資産に残す
4. 債権譲渡登記の要否 登録免許税は不課税、司法書士報酬は課税仕入
5. 回収と送金の方法 自社送金なら預り金と振込手数料の処理が発生する
6. 償還請求権・買戻条件 売却として処理できるかの判断が変わる
7. 契約書・明細の発行 証憑がないと処理の根拠を示せない

見積書に「手数料一式」としか書かれていない場合は、内訳を出してもらう必要があります。内訳が分からないと、費用にできる部分と資産に残す部分を分けられません。

ファクタリングの会計処理に関するよくある質問

ファクタリングは負債になりますか

買取型で、売却として処理できる契約であれば負債にはなりません。ただし2社間で、売掛先から受け取ったお金を送金する前に決算日が来ると、預り金が負債として残ります。買戻条件が付いている契約は、金融取引として借入金で処理することがあります。

手数料の勘定科目は何ですか

売掛債権売却損です。損益計算書では営業外費用に入ります。会計ソフトに科目がなければ、売上債権売却損として登録するか、雑損失・支払手数料で代用します。

会計ソフトの税区分はどうしますか

債権の譲渡対価にあたる部分は、非課税取引として処理します。事務手数料など別建てで請求される役務提供の対価は、課税取引になることがあります。明細の内訳を確認したうえで、最初の1件を顧問税理士に確認しておくと、以降は同じ設定で処理できます。

手数料の請求書にインボイスは必要ですか

債権の譲渡そのものは非課税取引にあたるため、その対価について適格請求書が交付されないことがあります。一方、別途の役務提供として請求される項目は課税取引になることがあり、その部分は適格請求書の対象になり得ます。請求書の内訳で判断します。

ファクタリングを使うと課税売上割合は下がりますか

自社の売上から生じた売掛債権を譲渡した場合、その譲渡対価は課税売上割合の計算上、総売上高に含めないとされています。取引の類型が変わると扱いも変わるため、判断に迷う場合は顧問税理士にご確認ください。

注文書ファクタリングでも売上を計上しますか

入金の時点では計上しません。売上は納品や検収が終わった時点で計上します。受け取った資金は前受金などの負債で受け、納品後に精算します。

売掛先から入金されたとき、売掛金を消し込みますか

2社間では消し込みません。売掛金は譲渡した時点で帳簿から落ちているためです。入金は預り金で受け、送金したときに預り金を取り崩します。

保証金を受け取ったときの科目は何ですか

雑収入です。本業の売上ではないため、売上と分けて計上します。同時に、回収できなかった売掛金を貸倒損失として処理します。

個人事業主でも同じ処理ですか

勘定科目の考え方は同じです。青色申告で複式簿記を使っている場合は、同じ仕訳が使えます。青色申告決算書に売掛債権売却損の欄はないため、経費欄の空いている行に科目名を書いて金額を入れるか、雑費として処理します。白色申告なら収支内訳書の経費欄に同じように記載します。

契約書は印刷して保管してもいいですか

PDFで受け取ったものは、データのまま保存します。印刷した紙だけを残して元のデータを消す運用は、電子帳簿保存法上は認められません。ファイル名に日付・金額・取引先を入れておくと、検索の要件を満たせます。

まとめ:型を決めれば仕訳は4本以内で終わる

この記事のポイント8点

3社間なら仕訳は2本、2社間で契約と入金が同日なら3本、日が分かれると4本になります。

手数料は売掛債権売却損で、営業外費用です。営業利益は減りません。

注文書買取では売上を前倒しで計上せず、前受金などで受けてから納品後に精算します。

2社間では、売掛先からの入金で売掛金を消し込みません。預り金で受けます。

額面と入金額の差には掛け目が混ざります。費用にできるのは手数料の部分だけです。

2社間で入金後・送金前に決算日を迎えると、預り金が負債として残ります。

債権の譲渡対価は非課税です。別建ての役務提供の対価は分けて判断します。

買戻条件がある契約は、売却として処理できるかを契約書で確認します。

判断に迷ったら、契約書の償還請求権の条項と、見積書の手数料の内訳。この2つを顧問税理士に見せれば、科目はその場で決まります。

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