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POファイナンス(注文書担保融資)とは?条件・金利・使える金融機関を解説

注文書・発注書のスピード買取・資金調達なら

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受注は決まったのに、材料費や外注費を払う現金が手元にない。注文書を担保に借りられると聞いたものの、自社で使えるのか、いくらかかるのかがわからない。POファイナンスを調べる方の多くは、この状態から始まります。

POファイナンスの仕組みと費用、使える金融機関、使えない場合の選択肢を公表されている情報だけで整理しました。自社でどの方法を使えるかは、冒頭の判断表で確認できます。

結論

POファイナンスは、注文書を担保にして受注段階で融資を受ける仕組みです。金利はファクタリングの手数料よりかなり低く、ノンバンクのセゾンファンデックスでは年3.65%〜9.9%に収まります。

使えるのは、取扱いのある金融機関と取引がある法人です。相談から融資まで1か月から1か月半かかり、発注元の承認も要ります。どれか1つでも欠けると使えません。

このページでわかること

POファイナンスと注文書ファクタリングの違い

金利とTranzaxへの費用、1,000万円を120日間借りた場合の負担額

POファイナンスを扱う金融機関と、使えない5つのケース

公共工事の前払金保証や、補助金のつなぎ資金としての使い方

自社に合う方法の判断表

自社の状況 最初に検討する方法
公共工事を受注した 公共工事の前払金保証(保証料率0.31%〜0.33%程度)
補助金の交付決定を受けている 概算払・交付決定債権譲渡・補助金対応POファイナンス
法人で金額が大きく、資金が要るまで1か月半以上ある POファイナンス(取扱金融機関に相談)
少額・個人事業主・急ぎ・取引金融機関が扱っていない・発注元に知られたくない 注文書ファクタリング
すでに納品して請求書を出した 請求書ファクタリング
時間に余裕があり、財務内容に問題がない 銀行融資(金利が最も低い)

POファイナンス・注文書担保融資・注文書ファクタリングの違い

POファイナンスと注文書担保融資は同じ融資です。注文書ファクタリングは融資ではなく、注文書の売却です。

言葉 意味 法律上の性質
PO Purchase Orderの略。注文書・発注書のこと ―
POファイナンス 注文書を電子記録債権にして、担保として融資を受ける仕組み 貸金。利息制限法の対象
注文書担保融資 POファイナンスの日本語の呼び方。ノンバンクの商品名にも使われる 貸金
注文書ファクタリング まだ発生していない代金を、注文書をもとに売って資金にする取引 民法上の債権譲渡(売買)

注文書を使った資金調達をまとめて「POファイナンス」と呼ぶこともあります。以下では、融資のほうをPOファイナンスと呼びます。

POファイナンス(注文書担保融資)とは

POファイナンスは、受け取った注文書を電子記録債権にし、それを担保に金融機関から融資を受ける仕組みです。

運営しているのは、Tranzax株式会社と、傘下の電子債権記録機関であるTranzax電子債権株式会社です。

金融機関はこれまで、注文書を担保として扱ってきませんでした。存在しない受注を作れてしまうことと、同じ注文書で二重に資金を得られてしまうことが理由です。電子記録債権にすると、代金の発生と譲渡が記録に残ります。偽造も二重譲渡もできなくなるため、担保として使えるようになりました。

お金と代金の流れ

出す側 動くもの 受け取る側
発注企業 注文書 受注企業(自社)
受注企業 申込 Tranzax(注文書を電子記録債権にする)
金融機関 融資 受注企業
発注企業 検収後の代金 信託口座
信託口座 返済 金融機関

代金は受注企業ではなく信託口座に振り込まれ、そこから金融機関へ返済されます。残りがあれば受注企業に入ります。返済のために自社が手続きをする場面はありません。

申込から返済までの流れ

順番 すること
1 発注企業から注文書を受け取る
2 取引のある金融機関に「POファイナンスを使いたい」と相談する
3 Tranzaxが注文書を電子記録債権にする。発注企業がシステム上で承認する
4 金融機関の審査を経て、融資が実行される
5 受注した仕事に着手し、納品する
6 発注企業が検収を終え、信託口座へ代金を振り込む
7 信託口座から融資が返済される

最初の窓口は金融機関

Tranzaxに直接申し込むのではありません。取引のある金融機関がPOファイナンスを扱っていなければ、そこで話が止まります。扱っている金融機関は、使える金融機関の一覧で確認できます。

注文書を使う資金調達方法の違い

受注段階で使える方法は、POファイナンス・注文書ファクタリング・銀行のつなぎ融資の3つです。最も大きな違いは、代金が支払われなかったときに自社が返済するかどうかです。

比べる項目 POファイナンス 注文書ファクタリング 請求書ファクタリング 銀行のつなぎ融資
法律上の性質 融資 代金の売買 代金の売買 融資
使える時期 受注時 受注時 請求書を出した後 受注時
発注元の関わり 承認が必要 2社間なら不要 2社間なら不要 原則不要
審査で見られる先 自社と発注元 主に発注元 主に取引先 主に自社
業歴・決算の影響 受ける 受けにくい 受けにくい 強く受ける
代金が支払われなかったとき 自社に返済義務が残る 償還請求権なしなら責任なし 償還請求権なしなら責任なし 自社に返済義務が残る
貸借対照表 負債が増える 増えない 増えない 負債が増える
費用の数え方 年率(金利) 1回ごとの手数料率 1回ごとの手数料率 年率(金利)
資金になるまで 1か月〜1か月半 最短即日〜翌営業日 最短即日 1か月程度
担保・保証人 電子記録債権 不要 不要 不動産などを求められることが多い

表は横にスクロールできます。

注文書ファクタリングは売買なので、代金が支払われないリスクごと買い手に移ります。POファイナンスは融資なので、発注元が倒産しても返済義務は自社に残ります。

法律上の位置づけ

POファイナンスは融資なので、金利は利息制限法の範囲に収まります。注文書ファクタリングは代金の売買です。2020年4月施行の改正民法466条の6で、将来の代金も譲れることが条文で明確になりました。

注文書ファクタリングは、代金が支払われなくても買い戻しを求めない契約が原則です。買い戻しや弁済を求める条件がある契約は、実質的な貸付とみなされる場合があります。契約書に買い戻しの条項がないかは、申し込む前に確認してください。

参考:改正民法466条・466条の6(2020年4月施行)

POファイナンスの4つのメリット

条件を満たせるなら、受注段階の資金調達で最も費用の軽い方法です。発注元の信用で借りられ、返済の手間もかかりません。

メリット 内容
手元資金がなくても大口を受けられる 着手前に材料費や外注費を用意したうえで、受注できます。
発注元の信用で借りられる 代金は発注元から信託口座へ直接入ります。発注元が官公庁や大企業なら、赤字の会社でも検討の余地があります。
納期が長い案件にも使える 返済期日は注文書に書かれた入金日です。納期が1年を超える工事や開発でも、入金日まで借りたままにできます。
返済の手続きが要らない 信託口座から自動で返済されます。1つの案件の資金を借り、その案件の入金で返すため、資金繰り表も組みやすくなります。

それでも負債は増える

POファイナンスは融資です。借入金として貸借対照表に載り、次の融資の審査でも借入残高として見られます。発注元が倒産して代金が入らなければ、返済義務は自社に残ります。

POファイナンスを使える会社の条件

最初に問われるのは、注文書があることより、取扱いのある金融機関と取引があるかどうかです。融資なので、自社の業歴や決算も審査されます。

条件 内容
金融機関 取扱いのある金融機関と取引があること。地方銀行なら営業エリア内、信用金庫なら営業地区内で会員資格を満たすことが前提です。
注文書 発行済みで、金額・納期・入金予定日が書かれていること。
発注元 電子記録債権の発生と、支払口座の変更に応じてくれること。官公庁や大企業など、信用力が高いほど審査は通りやすくなります。
法人か個人事業主か 金融機関によります。ノンバンクのセゾンファンデックスは法人限定です。
業歴・決算 融資なので審査の対象です。設立して間もない会社は通りにくくなります。
時間 資金が要るまで1か月半ほどの余裕があること。

個人事業主やフリーランスにとって、融資の仕組みは入口が狭い方法です。受注段階で資金が必要なら、個人事業主も対象にしている注文書ファクタリングの会社に相談するほうが早く進みます。

金額が小さい場合にPOファイナンスを使えるか

最低金額は申し込む経路によって違います。公表されている下限は、ノンバンク経由の300万円です。

経路 最低金額 出所
ノンバンク(セゾンファンデックス) 300万円〜5億円 公式サイトの記載
銀行・信用金庫 公表なし(要問合せ) 各金融機関の判断
自治体の案件(岡山市) 100万円以上の委託事案 Tranzax公式
自治体の案件(伊豆の国市) 50万円以上の建設関連業務 Tranzax公式
注文書ファクタリング(参考) 取引実績の最低は15万円 BESTPAYの取引実績

銀行と信用金庫は下限を公表していないため、相談して確かめる必要があります。自治体の案件は、自治体ごとに条件が決まっています。

数十万円から数百万円の金額は、融資では扱いにくい範囲です。注文書買取ファクタリング BESTPAY(株式会社アレシア)の取引実績では、最低15万円から最大4億1,268万円まで取引が成立しています。平均は615万円です。

出所:セゾンファンデックス公式/Tranzax株式会社公式/注文書買取ファクタリング BESTPAY(株式会社アレシア)の取引実績(いずれも2026年9月確認)

発注元に資金調達が伝わるかどうか

POファイナンスでは、資金調達の事実が必ず発注元に伝わります。発注元の承認がなければ手続きが進まないためです。

項目 POファイナンス 注文書ファクタリング(2社間)
発注元の作業 システム上で電子記録債権の発生を承認する なし
支払先 信託口座への変更が必要 変更なし
資金調達の事実 必ず発注元に伝わる 原則として伝わらない

元請けに資金繰りを知られたくない場合の選択肢は、2社間の注文書ファクタリングです。

一方で、発注元が関わることが有利に働く場面もあります。契約書に代金の譲渡を禁じる特約があると、注文書ファクタリングは進めにくくなります。POファイナンスは発注元が承認して代金を発生させるため、この問題が起きません。

検収で減額されたら自社の負担になる

POファイナンスで発生する電子記録債権では、発注元は検収が終わるまで支払いを留保でき、納品に不備があれば減額もできます。融資は満額実行されているため、入金が減った分の返済義務は自社に残ります。

POファイナンスにかかる費用

POファイナンスの費用は年率、注文書ファクタリングの手数料は1回ごとの率です。数え方が違うので、同じ条件の金額にそろえて比べます。

方法 費用の表示
公共工事の前払金保証 保証料率0.31%〜0.33%程度
POファイナンス 年率3.65%〜9.9%(セゾンファンデックスの公表値)
注文書ファクタリング 手数料5%〜20%程度(BESTPAYの公表値。年率ではない)

1,000万円を120日間で比べた負担額

入金まで120日かかる1,000万円の受注を、それぞれの方法で資金にした場合の負担額です。

方法 資金にできる額 費用の内訳 負担額の目安
公共工事の前払金保証 400万円(請負代金の4割以内) 保証料のみ 約1万2,000円
POファイナンス 審査による 金利(年3.65%〜9.9%)、Tranzaxの利用料、事務代行手数料1万円 約16万円〜37万円
注文書ファクタリング 買い取る割合による 手数料5%〜20%(全額を買い取った場合) 約50万円〜200万円
銀行のつなぎ融資 審査による 金利、登録免許税(借入額の0.4%)、司法書士報酬 金利は最も低い。担保設定の費用が別にかかる

表は横にスクロールできます。

注文書ファクタリングの手数料10%を年率に直すと、120日なら30%を超えます。費用だけを見れば、融資のほうが安くなります。それでも買取が選ばれるのは、扱える金額・資金になるまでの早さ・審査の入口が違うためです。

注文書ファクタリングの手数料と手取りの計算は、注文書ファクタリングの手数料と手取りの考え方で詳しく説明しています。

Tranzaxに払う費用

POファイナンスでは、金融機関への金利とは別に、Tranzaxへの費用も必要です。

費目 金額
ファシリティ利用料 融資実行金額 × 金融機関の融資金利の半分(年率1%が上限、税別)
事務代行手数料 10,000円(税別)

ファシリティ利用料は、金利の半分で決まります。融資金利が2.5%なら1%、1.5%なら0.75%です。金利の低い金融機関で借りられれば、Tranzaxへの費用も下がります。

掛け目で変わる手取りの額

1,000万円の注文書があっても、1,000万円が入るとは限りません。買取でも融資でも、額面の一部までという上限があります。この割合が掛け目です。

計算例:1,000万円の注文書を、掛け目80%・手数料10%で資金にした場合
注文書の額面 1,000万円
掛け目80% 800万円
手数料10% −80万円
手取り 720万円

掛け目は会社や案件によって変わり、公表していない会社も多くあります。上の数字は計算の例です。手数料率が同じでも、掛け目が違えば手取りは変わります。

出所:Tranzax電子債権 利用ガイド/セゾンファンデックス公式/東日本建設業保証 公式(2026年9月確認)

申込から融資までにかかる期間

来週の支払いに間に合わせる資金を、POファイナンスで用意することはできません。新規の場合、相談から融資まで1か月から1か月半かかります。

時期 すること
1〜2週目 金融機関へ相談する。POファイナンスを扱っているか、自社が対象になるかを確認する
2〜4週目 利用者登録と必要書類の提出。金融機関の融資審査を受ける
4〜6週目 発注企業が電子記録債権の発生を承認し、支払口座を信託口座へ変える
6週目前後 契約の手続きを経て融資が実行される

Tranzaxは公式の案内で、新規の場合は1か月から1か月半前に金融機関へ相談するよう求めています。発注企業の社内手続きが入るため、自社の都合だけでは短くできません。

急ぐ場合は、注文書ファクタリングが候補になります。広告代理業の法人が、銀行の審査期間では間に合わず、注文書の買取で翌日に資金を用意した例があります。注文書買取ファクタリング BESTPAY(株式会社アレシア)の利用事例です。

POファイナンスを使える金融機関

取引のある金融機関が一覧になければ、POファイナンスは使えません。全国から相談できるのは、商工組合中央金庫とセゾンファンデックスです。

区分 金融機関 使える条件 公表されている条件
全国(政府系) 商工組合中央金庫 全国。組合員資格が前提 要問合せ
全国(ノンバンク) セゾンファンデックス 法人限定。契約時に東京か大阪のオフィスへ来社 年率3.65%〜9.9%/300万円〜5億円
地方銀行 横浜銀行/中国銀行/西京銀行/福岡銀行/静岡銀行/熊本銀行 その銀行の営業エリア内 要問合せ
信用金庫・信用組合 城南信用金庫/西武信用金庫/大阪シティ信用金庫/朝日信用金庫/豊田信用金庫/文化産業信用組合/両備信用組合 営業地区内に事業所か住所があり、会員資格を満たすこと 要問合せ

表は横にスクロールできます。

地方銀行と信用金庫は、営業エリアの外からは申し込めません。補助金のつなぎ資金として使う場合は、相談できる金融機関がさらに増えます。

出所:Tranzax株式会社 公式サイト(2026年9月3日確認)。提携先は随時更新されるため、申し込む前に公式サイトで最新の一覧を確認してください。

POファイナンスを使えない5つのケース

次の5つのどれか1つに当てはまると、POファイナンスは使えません。

No. 使えないケース 理由
1 取引のある金融機関が扱っていない 窓口が金融機関のため。商工組合中央金庫やセゾンファンデックスとの新規取引から始めると、さらに時間がかかります
2 個人事業主・フリーランス ノンバンク経由は法人限定です。銀行経由も融資なので、事業規模と決算が問われます
3 業歴が浅い 融資の審査で、返済できるかを判断する材料が足りないためです
4 資金が要るまで時間がない 相談から融資まで1か月から1か月半かかります
5 発注元に資金繰りを知られたくない 発注元が承認しなければ、電子記録債権が発生しないためです

業歴が浅い場合でも、注文書ファクタリングなら審査の中心は発注元です。設立1年の小売業が、ほかの数社に設立1年未満を理由に断られたあと、注文書の買取で500万円を調達した例があります。注文書買取ファクタリング BESTPAY(株式会社アレシア)の利用事例です。

扱う会社が少ないことも制約になる

ファクタリング会社の口コミサイト「ファクタリング会社の口コミ」には、381社が掲載されています。このうちPOファイナンス対応は2社、注文書買取は9社でした(2026年9月時点)。掲載された会社の中での数字ですが、選べる先が限られていることがわかります。

POファイナンスが使えない場合は、注文書の買取を相談する

業歴が浅い、発注元に知られたくない、来週までに資金が要る。こうした場合でも、法人の注文書なら買取の対象になることがあります。

注文書の内容を伝えて相談する

電話は0120-927-565(平日10時〜19時)です。審査の通過を保証するものではありません。

公共工事なら前払金保証が最も安い

公共工事を受注しているなら、前払金保証が最も安く済みます。POファイナンスより先に検討したい制度です。

公共工事の前払金保証事業に関する法律に基づく制度です。保証会社の保証を付けると、請負代金の4割以内を着工前に受け取れます。保証人も担保も要りません。

項目 内容
受け取れる額 請負代金の4割以内
保証料率 0.31%〜0.33%程度(東日本建設業保証の計算例では、保証金額715万円で保証料19,700円)
担保・保証人 不要
支払われるまで 申請から14日以内
使いみち その工事の下請代金・材料費・労務費などに限られる。使いみちの監査がある

1,000万円の工事なら、400万円を保証料1万2,000円程度で先に受け取れる計算です。同じ400万円を手数料5%〜20%のファクタリングで用意すると、20万円から80万円かかります。十数倍から数十倍の差です。

対象は公共工事だけです。民間工事や、前払金の4割では足りない残りの資金は、別の方法で用意します。建設業の資金の用意の仕方は、建設業の資金繰りで使われるファクタリング会社にまとめています。

出所:公共工事の前払金保証事業に関する法律/東日本建設業保証 公式(2026年9月確認)。保証料は工期や金額で変わります。

補助金のつなぎ資金として使う

補助金は後払いです。事業を進める資金は、先に自社で用意します。このつなぎ資金にも、POファイナンスを使えます。

ものづくり補助金の公募要領で示されている方法は3つです。ものづくり補助金対応POファイナンス・交付決定債権譲渡・概算払です。

3つの方法の違い

方法 内容
概算払 補助事業が終わる前に、補助金の一部を先に受け取る。事務局への申請が必要
交付決定債権譲渡 補助金を受け取る権利を金融機関に譲り、融資を受ける
補助金対応POファイナンス 交付決定通知を電子記録債権にして担保にする。補助金が信託口座に入ると、自動で返済される

補助金対応で相談できる金融機関

補助金対応のPOファイナンスは、通常より相談できる先が広くなります。

区分 金融機関
通常の取扱先に加えて 北九州銀行/城北信用金庫/東京東信用金庫
ノンバンク AGビジネスサポート(事業再構築補助金・ものづくり補助金のみ)/エスシー倶楽部(全国対応・非対面可)/セゾンファンデックス

つなぎ資金で詰まりやすい2つの点

借りられるのは交付決定額まで

担保は補助金を受け取る権利なので、上限は交付決定額です。補助率3分の2で事業費が1,500万円なら、交付決定額は1,000万円です。残りの500万円は、自己資金か別の借入で用意します。

交付決定額が小さいとノンバンクを使えない

セゾンファンデックスの補助金つなぎ融資は300万円からです。交付決定額がそれより小さい補助金では、この経路は選べません。

必要書類と期間

項目 内容
必要書類 Web上で作る利用申込書、取引担当者の本人確認書類、履歴事項全部証明書。ほかに金融機関から追加の書類を求められます
手続きの流れ 利用者登録(無料)→ 提携金融機関へ相談 → 同意書と交付決定通知書の写しを提出 → 審査・契約 → 融資
期間 新規は1か月〜1か月半前に相談する。事業報告と検査を経て補助金が振り込まれると、返済が終わる

自治体の事業や補助金での利用

自治体が発注する業務や、自治体の補助金でも導入が進んでいます。対象と相談先は自治体ごとに違います。

自治体 対象 条件 相談できる金融機関
岡山県岡山市 委託事案、岡山市中小企業支援事業補助金 100万円以上の委託事案など 商工組合中央金庫/中国銀行
京都府京都市 京都発革新的医療技術研究開発助成事業、新たな森林経営担い手支援補助金 ― 商工組合中央金庫
静岡県伊豆の国市 測量業務、建築・土木関係の建設コンサルタント業務ほか 競争入札で発注した50万円以上の建設関連業務 商工組合中央金庫/静岡銀行/セゾンファンデックス
愛知県豊田市 カーボンニュートラル省エネ生産設備導入促進補助金ほか ― 豊田信用金庫/商工組合中央金庫

表は横にスクロールできます。

官公庁や自治体からの受注は、代金が支払われない可能性が低いと判断されやすい案件です。同じ金額の注文書でも、発注元が自治体なら審査は通りやすくなります。

出所:ものづくり補助金 公募要領/Tranzax株式会社 公式/セゾンファンデックス公式(2026年9月確認)。対象の補助金と自治体は随時追加されるため、事務局とTranzaxで最新の扱いを確認してください。

POファイナンスが使えないときの注文書ファクタリング

POファイナンスが使えないときは、注文書を売って資金にする方法が残ります。会社ごとに対象と早さが違うため、優先したい条件から候補を絞るのが近道です。

優先したい条件 候補 公式サイトで確認できた内容
今日か明日に資金が要る ネクストスタイル/ウィット/ビートレーディング 入金まで最短40分/最短2時間程度/最短即日
個人事業主 ビートレーディング/ウィット/ネクストスタイル/ファクトバンク いずれも個人事業主を対象にしている
手数料の上限を先に知りたい GMO BtoB早払い/ファクトバンク/ベストペイ 注文書2%〜12%/2.5%〜10%/5%〜20%程度
受注額の多くを資金にしたい ベストペイ 受注額に対する割合の制限を設けず、案件ごとに判断(法人のみ)
見積書しか手元にない トップ・マネジメント 見積書・受注書・発注書のいずれか1点で相談できる(設立半年以上・月商500万円以上の法人)

各社の条件は、2026年9月14日に各社の公式サイトで確認した内容です。ビートレーディングは2026年9月22日に再確認しました。

比較記事で注文書対応とされていても、公式サイトでは請求書の買取しか確認できない会社があります。申し込む前に、受注段階で買い取れるかを確かめておくと安心です。対応する会社の条件は、注文書ファクタリング対応21社の比較で並べています。

すでに納品して請求書を出している場合は、請求書の買取が候補です。会社の条件は、請求書買取ファクタリング30社の比較で確認できます。

注文書を受け取ったあとに資金が必要になる理由

受注してから代金が入るまでの間に、材料費や人件費が先に出ていきます。立て替える期間が長い業種ほど、受注段階の資金が欠かせません。

時期 出ていくお金 入ってくるお金
受注(注文書を受け取る) ― なし
着手前 材料の仕入れ、外注先への前払い、人員の手配 なし
施工・製造中 職人や社員の人件費、追加の資材費 なし
納品・検収 ― なし
支払期日 ― 代金が入る

色を付けた3つの時期が、自社で立て替える期間です。注文書買取ファクタリング BESTPAY(株式会社アレシア)の取引実績では、最も利用の多い業種は建設業でした。

業種 先に出るお金 利用事例(BESTPAY)
建設業 着工前の材料費、毎月の職人の人件費。工期が1年に及ぶこともある 職人の人件費と材料費に1,500万円を調達し、銀行の借入と併用
製造業 大型の受注で、原材料費と外注費が先に必要になる 主要取引先の減産で不足した材料費と外注費に3,000万円を調達
広告・サービス業 外注費、協力会社への先払い、スタッフの増員 スタッフの増員に1,000万円、派遣の協力会社への先払いに600万円を調達

注文書は必ず書面で受け取る

口頭の発注のまま作業に入ると、注文書がないためPOファイナンスも注文書の買取も使えません。建設業法19条は請負契約の書面の交付を、下請法3条は親事業者に発注書面の交付を義務づけています。資金にすることを考えるなら、注文書を先に受け取ってください。

注文書を売って資金にする手順は、注文書ファクタリングの申込から送金までの手順にまとめています。

審査で見送られる理由と、通すための準備

POファイナンスも注文書の買取も、申し込めば必ず通るわけではありません。見送られやすい条件は、どちらもほぼ同じです。

見送られやすい条件 理由
注文書に金額や納期がない 代金の内容が確定せず、担保にも買取の対象にもできないため
発注元の信用力が低い 代金が支払われない可能性が高いと判断されるため
着手前で進み具合が見えない 納品できるかどうかが読めないため
すでに他社に譲った代金 二重譲渡になるため
発注元が個人 ほとんどの会社が対象外としているため
業歴が浅い(融資の場合) 返済できるかを判断する材料が足りないため

準備しておくと早い書類

書類 内容
注文書・発注書 金額、納期、入金予定日が書かれているもの
通帳のコピー 直近2〜3か月分。表紙付きを求められることが多い
本人確認書類 代表者のもの
取引の履歴がわかる資料 過去の発注書や入金の記録。同じ発注元と取引が続いていると評価されやすい

初めての取引先からの大型受注は、慎重に見られます。審査で見られる点と落ちたときの対処は、注文書買取の審査基準と、落ちたときの対処で詳しく整理しています。

決算書への残り方と、次の融資への影響

POファイナンスは借入金として決算書に残り、注文書ファクタリングは負債になりません。次の融資の審査で見られ方が変わります。

項目 POファイナンス 注文書ファクタリング
仕訳 短期借入金/支払利息 売上債権売却損(営業外費用)
貸借対照表 負債が増える 負債は増えない
消費税 利息は非課税 代金の譲渡は非課税
次の融資の審査 借入残高として見られる 残高には出ない

負債が増えないからといって、銀行から見えなくなるわけではありません。売上債権売却損が毎期の損益計算書に並んでいれば、資金繰りの状態は読み取られます。次の借入を考えると、必要な場面に絞って使うのが得策です。

POファイナンスが向いているかの確認

次の8項目のうち6つ以上に当てはまるなら、取引金融機関にPOファイナンスを扱っているか聞く価値があります。3つ以下なら、注文書の買取のほうが現実的です。

No. 確認する項目
1 必要な資金が数百万円以上ある
2 法人である
3 金額と納期が書かれた注文書が出ている
4 発注元が官公庁や大企業など、信用力が高い
5 入金までの期間が長い(120日を超えるなど)
6 取扱いのある金融機関と取引がある
7 資金が要るまで1か月半以上ある
8 発注元に資金調達の事実が伝わっても問題ない

色を付けた2・6・7・8の4つは、1つ欠けるだけで成立しません。これは目安で、審査の通過を保証するものではありません。

POファイナンスのよくある質問

POファイナンスとは何ですか

受注した注文書を電子記録債権にし、それを担保に金融機関から融資を受ける仕組みです。Tranzax株式会社とTranzax電子債権株式会社が提供しています。納品前の受注段階で資金を用意できます。

POファイナンスとファクタリングの違いは何ですか

POファイナンスは融資で、注文書は担保です。返済義務は自社に残ります。ファクタリングは代金の売買で、償還請求権のない契約なら、代金が支払われないリスクも買い手に移ります。費用の低さではPOファイナンスが、資金になるまでの早さではファクタリングが上です。

注文書があれば銀行から融資を受けられますか

注文書だけで融資が決まることはありません。従来のつなぎ融資では、不動産などの担保を求められます。POファイナンスなら電子記録債権が担保になりますが、取扱いのある金融機関と取引があることが前提です。

POファイナンスは補助金にも使えますか

使えます。交付決定通知を電子記録債権にして、補助金が入るまでのつなぎ融資を受けられます。借りられるのは交付決定額までで、補助事業に必要な総額ではありません。

商工中金や信用金庫でも使えますか

商工組合中央金庫は全国に拠点があり、組合員資格を満たせば相談できます。信用金庫は、城南・西武・大阪シティ・朝日・豊田の各信用金庫などが扱っています。信用金庫は営業地区内に事業所か住所があり、会員資格を満たすことが条件です。

個人事業主や100万円未満でも使えますか

ノンバンクのセゾンファンデックスは法人限定で、300万円からです。自治体の案件では50万円や100万円という条件がありますが、銀行と信用金庫は下限を公表していません。個人事業主や少額の場合は、注文書の買取に対応する会社に相談するほうが早く進みます。

まとめ:金額と時間で使う方法が決まる

POファイナンスは、注文書を担保に受注段階で融資を受ける仕組みです。セゾンファンデックスの公表値で年3.65%〜9.9%と、ファクタリングより費用を大きく抑えられます。

使うには、取扱金融機関との取引・法人であること・1か月半ほどの余裕・発注元の承認の4つがそろう必要があります。1つでも欠けると成立しません。

状況 現実的な選択肢
公共工事を受注している 前払金保証(保証料率0.31%〜0.33%程度)
補助金の交付決定を受けている 概算払、交付決定債権譲渡、補助金対応POファイナンス
法人・大口・時間の余裕がある POファイナンス
少額・個人事業主・急ぎ・金融機関が扱っていない 注文書ファクタリング
納品して請求書を出した 請求書ファクタリング
時間があり、財務内容に問題がない 銀行融資

いくら必要で、いつまでに要るのか。この2つが決まれば、使う方法は絞れます。

注文書の段階で資金が必要なら

注文書買取ファクタリング BESTPAYは、法人の注文書を受注段階で買い取ります。注文書と通帳があれば、買取の可否と振込額の目安をお伝えします。

無料で注文書の買取を相談する

審査の通過を保証するものではありません。

情報の確認日:POファイナンスの取扱金融機関・セゾンファンデックスの融資条件・補助金対応の取扱先・前払金保証の保証料率は2026年9月3日です。注文書ファクタリング各社の条件は2026年9月14日(ビートレーディングは9月22日)です。数値は、Tranzax株式会社・セゾンファンデックス・各社の公式サイトと、ものづくり補助金の公募要領、東日本建設業保証の公表資料で確認しました。取引実績と利用事例は、注文書買取ファクタリング BESTPAY(株式会社アレシア)のものです。

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