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給料支払いが遅れる時の会社側の対処法、および従業員側が支払いを求める方法を解説

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給料支払いが遅れるのは労働基準法違反のため、会社側は遅れないようにできる限りの対処をしなければなりません。また、会社で働く従業員の立場で、自分の給料支払いが遅れる時の対処法を知っておくことも重要です。

この記事では、給料支払いが遅れると生じるリスクや罰則、および遅れを未然に防ぐ方法や遅れそうなときの対処法などを解説します。また、自分が働いている会社の給料支払いが遅れる時に、会社に対して支払いを求める方法も解説します。

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給料支払いが遅れるのは労働基準法違反

給料支払いが遅れるのは労働基準法違反

給料支払いは、労働基準法で支払わなければならないと定められているため(第24条)、どのような理由があろうと未払いは法律違反になります

さらに労働基準法では、支払わなければならない賃金の種類や、賃金の支払い方についても詳細な規定があり、規定どおりに支払わないと法律違反となります

対象となる賃金の種類

労働基準法の対象となる賃金は毎月の給料(定期賃金)だけでなく、労働の対価として労働者に支払うもの全てが含まれます(労働基準法第11条)。

具体的には、以下のような賃金の支払いが遅れると、労働基準法違反となります。

  • 定期賃金(毎月の給料)
  • 退職金
  • 一時金(ボーナスなど)
  • 休業手当
  • 割増賃金(残業代など)
  • 有給休暇の賃金

給料支払いのルール

給料の支払いには、労働基準法第24条が定める「賃金支払いの5原則」と呼ばれるルールがあります。よって、支払いが遅れていなくても、5原則を満たしていないと労働基準法違反となり、罰則の対象となる可能性があります

賃金支払いの5原則とは、以下の5つのルールのことです。

  1. 通貨(日本円)で支払う
  2. 本人に直接支払う
  3. 全額支払う(分割払いや天引きは不可)
  4. 月一回以上支払う
  5. 一定期日に支払う

なお、ルール3の「全額支払う」は、法令で認められている天引きは例外となります(源泉徴収や厚生年金保険料など)。

賃金支払いの5原則に加えて、厚生労働省の通知による「給料日の午前10時までに給料を引き出せる状態にするべき」というルールもあります

これは法律の規定ではないため、違反しても罰則はありません。しかし、振込みが遅いと急ぎの支払いがある従業員が困る恐れもあるため、使用者は遵守を心がけるべきです。

給料支払いが遅れることで生じるリスク

給料支払いが遅れることで生じるリスク

給料支払いが遅れると、以下のようなリスクが生じます。

  • 罰則が課せられる恐れがある
  • 従業員の離職や意欲低下につながる
  • 会社の信用を損なう
  • 訴訟を起こされる可能性がある

給料支払いが遅れるのは法律違反なので、罰則が科せられたり、従業員から訴訟を起こされるリスクが発生します。それに加えて、従業員の離職や意欲低下、会社の信用低下など、経営に大きな悪影響を及ぼすリスクがあります。

罰則が課せられる恐れがある

給料支払いが遅れると、労働基準法などで規定される以下の罰則が科される可能性があります

  • 罰金
  • 遅延損害金
  • 遅延利息
  • 付加金
  • 拘禁刑

ただし、違反したからといってすぐさま罰則が科されるわけではなく、通常はまず労働基準監督署による監督指導が行われます。

厚生労働省のデータによると、労働基準監督署が取り扱った賃金不払い事案のうち、約96%が監督指導により賃金が支払われて解決しているとのことです。よって、実際にこのような罰則が科される事例は、割合としては多くないと考えられます。

しかし、給料支払いの遅れに対してあまり不誠実な対応をとると、このような罰則が科される可能性があることを理解しておきましょう。

以下の節では、これらの罰則についてそれぞれ解説します。

罰金

労働基準法第120条では、第24条(賃金支払いの5原則)に違反した場合は、30万円以下の罰金に処すると定められています。

賃金支払いの5原則には、「月一回以上支払う」「一定期日に支払う」といった項目もあるため、給料支払いが遅れていなくても違反になる可能性があるのが注意点です。

例えば、研修期間などと称して数か月間給料を支払わない、給料支払い日が「月末ごろ」などあいまいなケースなどは、賃金支払いの5原則に違反する可能性があります。

遅延損害金

給料の支払いが遅れると、遅れた期間に対して遅延損害金が発生します。

遅延損害金の利率は、当事者同士で契約がある場合はその利率に従いますが、特に取り決めがない場合は、民法が定める「法定利率」が適用されます(改正民法第404条)。

法定利率は、2024年時点では年3%となっています。

遅延利息

遅延利息とは、給料支払いが遅れたまま従業員が退職した時に、退職した翌日からかかる利息です。遅延利息は、「賃金の支払の確保等に関する法律(賃金支払確保法)」で定められているもので、民法で定められている法定利率とは別物です。

遅延利息の利率は年14.6%となっています。遅延利息は法定利率より非常に高いため、退職後も給料支払いが遅れたままだと会社側に大きな負担がかかることになります。

付加金

付加金とは、労働裁判になった時に請求されることがある、未払い賃金にプラスして支払う金銭のことです。最大で、未払い賃金と同額の付加金が課せられる可能性があります。

付加金の対象となるのは、残業などの割増賃金、有給休暇の賃金などで、毎月の給料(定期賃金)やボーナスなどは対象外です。また、付加金は裁判所が支払いを命じるものなので、裁判にならなければ請求されることはありません

拘禁刑

残業などの割増賃金や年次有給休暇などの未払いは、6ヶ月以下の拘禁刑に処される可能性があります(第119条)。

なお、拘禁刑とは従来の懲役刑と禁固刑を統合した新しい刑罰の制度で、2025年6月16日までに導入される予定となっています。

拘禁刑は、賃金支払いの5原則の違反には適用されません。

従業員の離職や意欲低下につながる

給料支払いが遅れると、従業員の意欲が大きく低下することは避けられません

また、貯金が少なく余裕のない従業員は、毎月の給料で必要な支払いをしなければならないことも少なくありません。こういった従業員にとって、給料支払いの遅れは生活が成り立たなくなる致命的な要因になることもあります。

さらに、給料支払いの遅れは、給料も支払えないくらい経営が苦しいと従業員に察知されることになります。すると、この会社にはもう先がないと判断され、離職につながることにもなりかねません

会社の信用を損なう

給料支払いの遅れは、従業員に対してだけでなく、取引先や顧客、ひいては社会全般に対しての信用も損なうことになります。

給料支払いの遅れは必ずしも外部に漏れるとは限りませんが、従業員を通して取引先や顧客に知られることはあり得ます。取引先や顧客に給料支払いの遅れが知られると、資金繰りが苦しいと判断される可能性が高くなります。

すると、取引先は自社の売掛金も近いうちに未払いになるのではと判断して、取引を中止してしまうかも知れません。顧客もこの会社は危ないと判断して、他社の製品やサービスに乗り換えてしまう可能性があります。

訴訟を起こされる可能性がある

給料支払いの遅れは法律違反であり、従業員に訴訟を起こされる可能性があります。訴訟を起こされると時間的・金銭的にコストがかかるうえ、従業員の信頼を取り戻すのは難しくなるでしょう。

一般的には、まず労働基準監督署の指導などが入るため、訴訟になるケースは割合としては多くありません。しかし、会社側の態度が不誠実な場合は、従業員が訴訟を起こす可能性はあります。

給料支払いが遅れそうな時の対処法

給料支払いが遅れそうな時の対処法

給料支払いが遅れそうなときは、適切な対処をとって回避しなければなりません。給料支払いの遅れを回避するのに有効な対処法としては、以下のようなものが考えられます。

  • 給料支払いを他の支払いより優先させる
  • 融資の支払い猶予などを交渉する
  • 短期間で現金が手に入る資金調達を行う

これらの対処法を実践して、給料支払いの遅れが生じないようにしましょう。

給料支払いを他の支払いより優先させる

給料の支払いが遅れそうな時は、他の支払いを後回しにすることで、給料支払いの資金を捻出できないか考えましょう

事業で発生する主な支払いは、「給料」「支払手形・買掛金」「税金・厚生年金保険料」「家賃・光熱費」「金融機関の融資の返済」などです。これらの中から、支払いが遅れても影響が少ないものを後回しにしていきます

支払いの優先順位に絶対的な正解はありませんが、一例としては以下のような優先順位をつける方法が考えられます。

【支払いの優先順位の例】

  1. 支払手形
  2. 給料
  3. 買掛金
  4. 税金・厚生年金保険料
  5. 家賃・光熱費
  6. 金融機関の融資の返済

順位の低い支払いを後回しにすることで、給料支払いの遅れを回避できる可能性があります。

1.支払手形

給料支払いが遅れそうな時は、基本的には給料支払いを優先させるべきです。しかし、例外として支払手形は給料より優先しなければならないケースがあります

なぜなら支払手形は、一度不渡りを出した6ヶ月以内に二度目の不渡りを出すと、2年間の銀行取引停止処分となるからです。銀行取引が停止したまま事業を続けるのは困難で、事実上の倒産となります。

よって、もし期日が迫っている支払手形がある場合は、給料支払いよりも優先させなければなりません。

2.給料

期日の迫っている支払手形が存在しない場合は、次に給料支払いを優先させましょう。給料支払いの遅れは法律違反であるのに加えて、従業員の離職や意欲低下など大きな悪影響が出ます。

3.買掛金

買掛金の未払いは、取引先の信用を大きく損ねるため基本的には避けるべきです。

しかし、買掛金は支払手形と違って、未払いですぐに銀行取引停止になるわけではありませんこの点において、買掛金は支払手形より優先順位を低くできるといえます。

例えば、支払いを待ってもらえそうな取引先と交渉するなどして、給料支払いのための資金を捻出できないか検討してみましょう。

4.税金・厚生年金保険料

税金や厚生年金保険料には、納付困難な人のための猶予・分割納付制度があります。給料支払いが遅れそうなときは、こういった制度を利用することで、給料支払いの遅れを回避できないか検討してみましょう

ただし、税金の滞納は裁判なしで差し押さえができるため、他の債務を滞納したときよりも早く差し押さえられてしまう可能性があります。さらに、税金を滞納をすると融資を受けることは難しくなるでしょう。

このように、税金・厚生年金保険料の支払いは支払手形などより優先順位は低いかもしれませんが、滞納したリスクは同様に大きいといえます。よって、できるだけ早く支払うか、窓口へ訪問して支払猶予などを受けるべきです。

5.家賃・光熱費

電気代・ガス代・水道代といった光熱費は、1ヶ月程度なら滞納してもすぐに止められることはありません。よって、給料支払いが遅れそうなときは、光熱費の支払いは一旦後回しにして、給料支払いを優先させることができます

下の表は、どれくらいの期間滞納すると電気・ガス・水道が止まるかの目安です。ただし、具体的な期間は電力会社や自治体などによって違ってきます。

【電気・ガス・水道が止まるまでの期間の目安】

光熱費の種類 止まるまでの期間の目安
電気 2ヶ月程度の滞納で止まることが多い
ガス 検針日の翌日から50日経っても支払いがないと停止することがある
水道 2ヶ月から4ヶ月程度の滞納で止まることがある

6.金融機関の融資の返済

金融機関の融資は、返済の猶予(いわゆる「リスケ」)に応じてくれることが多いため、優先順位を最も低くできます

融資の支払い猶予などを交渉する

融資や税金・厚生年金保険料には返済・納付の猶予制度があるので、これらを活用して給料支払いの資金を捻出できないか検討してみましょう。

融資のリスケジュール

融資のリスケジュール(リスケ)とは、返済が厳しい融資に対して、金融機関と相談して返済条件をゆるくしてもらうことです。例えば、元本は据え置きで利息だけを一定期間支払ったり、返済額を減額するといったことができます。

金融庁が金融機関に対して、貸し付け条件の変更に柔軟に応じるように要請しているため、近年はリスケジュールを行ないやすい状況になっています

ただし、リスケジュールで返済条件をゆるくしてもらえる期間は、一般的に半年から一年程度までです。その間に給料支払いの遅れを解消し、健全な経営状態に戻さなければなりません。

また、リスケジュール期間中は、新たな融資を受けることは難しいのが一般的です。その間の資金調達は、他の方法を検討しなければならない可能性があります。

税金・厚生年金保険料の納付猶予

税金や厚生年金保険料の支払いが困難な場合は、納付猶予や分割納付、および差押え財産の換金の猶予を申請できます

・国税

国税の猶予・分割納付は、管轄の税務署、またはe-Tax(国税のオンライン申請システム)から申請可能です。最大一年間の納付猶予、または分割納付ができます。

・地方税

地方税の猶予・分割納付は、該当する自治体の担当窓口から申請できます。制度内容は自治体によりますが、例えば東京都に納める都税の場合は、管轄の都税事務所に申請すれば最大一年間納付を猶予できます。

・厚生年金保険料

厚生年金保険料の猶予・分割納付は、日本年金機構で申請できます。猶予・分割の期間は原則一年以内で、事情によっては最大二年間まで延長可能です。

短期間で現金が手に入る資金調達を行う

給料支払いを他の支払いより優先し、さらに融資の猶予などを利用しても給料支払いの資金が捻出できない場合は、短期間で現金が手に入る資金調達を行う手段が考えられます。

給料支払いが遅れそうな時は時間的な余裕がないため、審査に時間のかかる金融機関の融資は向いていません。よって、ビジネスローンやファクタリングといった、短期間で資金調達できる方法を検討することになります。

他には、遊休資産や余剰在庫の売却、および役員報酬の減額によって資金調達する方法も考えられます。

ビジネスローン

ビジネスローンは融資に比べて金利が高いですが、無担保で早く現金を入手できる手段の一つです。一時的に給料支払いが遅れそうな時は、ビジネスローンでその場をしのぐ方法も考えられます。

ファクタリング

ファクタリングとは、売掛債権を支払期日前にファクタリング業者に売却し、売却代金を受け取るサービスです。売掛債権を保有しているなら、ファクタリングを利用すれば素早く現金を入手できます。

遊休資産や余剰在庫の売却

事業に使っていない資産(遊休資産)や、余っている在庫(余剰在庫)の中にすぐ売却できるものがあるなら、それを売却して現金を入手する方法もあります。

遊休資産は土地などの不動産は売却に時間がかかりますが、機器や什器などの動産は比較的早い売却が可能です。自分で売却する方法が分からない場合は、遊休資産の買取業者に相談することもできます。

余剰在庫も専門の在庫買取業者に依頼すれば、比較的早く現金を入手できます。

役員報酬の減額

どうしても給料支払いの資金が捻出できない場合は、役員報酬を減額して従業員の給料に充てるという方法も考えられます。

役員報酬の変更は、原則として決算後の3ヶ月以内しか実行できません。しかし、経営状況が著しく悪化した場合は、例外的に変更が認められることがあります

ファクタリングは給料支払いが遅れそうな時の資金調達におすすめ

ファクタリングは給料支払いが遅れそうな時の資金調達におすすめ

給料支払いの遅れを回避するために短期間で資金調達したい時、ファクタリングは非常に有用な手段となります

その主な理由として、ファクタリングは売掛債権の売却であり、借入ではない点が挙げられます。ビジネスローンは早く現金が入手できますが、高い金利を返済しなければなりません。また、借入が増えると信用情報に影響が出るのもデメリットです。

ファクタリングは審査時間が非常に短く、即日で現金化できる業者が多いのもメリットです。遊休資産の売却や役員報酬の減額は借入せずに資金調達できますが、早さという点ではファクタリングに劣ります。

また、ファクタリングは不動産担保に依存しない資金調達方法として、中小企業庁が利用を推奨しており、国が推奨しているという安心感もあります。

以上のような理由から、もし給料支払いが遅れそうで早く資金調達したい時は、まずファクタリングを検討すべきだといえます。

給料支払いが遅れそうな時におすすめのファクタリング会社5選

給料支払いが遅れそうな時におすすめのファクタリング会社5選

ファクタリング会社は非常にたくさんあるため、その中から良い業者を選ぶことが大切になります

ここでは、給料支払いが遅れそうな時の資金調達におすすめのファクタリング会社として、以下の5社を紹介します。

  • ベストファクター
  • ビートレーディング
  • アクセルファクター
  • 日本中小企業金融サポート機構
  • トップ・マネジメント

ベストファクター

ベストファクターは、即日振込が可能なファクタリング会社です。即日振込実行率59.5%、平均買取率87.8%(2024年5月時点)と、給料支払いが遅れそうな時の資金調達に適したサービスを提供しています

請求書が発行される前に、注文書の段階でファクタリングが行える「ベストペイ」も提供しており、柔軟な資金調達が可能となっています。

【ベストファクターの基本情報】

住所 (本社)

〒163-1524

東京都新宿区西新宿1-6-1 新宿エルタワー24階

電話番号 0120-765-021(平日10:00-19:00)
公式サイト https://bestfactor.jp/
取り扱っているファクタリングの種類
  • 2社間ファクタリング
  • 注文書ファクタリング(ベストペイ)
買取可能額 30万円~
手数料 2%~20%
入金スピード 最短即日
申し込み方法 電話または問い合わせフォームより
必要書類 身分証、請求書、通帳
オンライン契約 不可(契約時に面談が必須)

ビートレーディング

ビートレーディングは、取引実績5.8万社以上、累計買取額1,300億円の実績があるファクタリング会社です。最大買取率98%、最短2時間で入金可能と、給料支払いが遅れそうな時の資金調達に適したサービス内容となっています。

2社間・3社間ファクタリングに加えて、注文書ファクタリングや介護報酬・診療報酬ファクタリングも取り扱っており、柔軟な資金調達が可能です。

【ビートレーディングの基本情報】

住所 (東京本社)

〒105-0012

東京都港区芝大門一丁目2-18 野依ビル3階・4階

電話番号 0120-265-039(平日9:30-18:00)
公式サイト https://betrading.jp/
取り扱っているファクタリングの種類
  • 2社間ファクタリング
  • 3社間ファクタリング
  • 注文書ファクタリング
  • 介護報酬・診療報酬ファクタリング
買取可能額 3万円~7億円まで実績あり
手数料
  • 2社間ファクタリング:4%~12%程度
  • 3社間ファクタリング:2%~9%程度
入金スピード 最短2時間~3日程度
申し込み方法 Webフォーム・電話・メール・LINE
必要書類 請求書または発注書、通帳コピー
オンライン契約

アクセルファクター

アクセルファクターは、審査通過率93%、最短即日入金が可能なファクタリング会社です。

アクセルファクターは、金融・財務に関する高度な知識・経験を有する「経営革新等支援機関」に認定されており、質の高いサービスを提供できるのが強みとなっています。

【アクセルファクターの基本情報】

住所 (本社)

〒169-0075

東京都新宿区高田馬場1-30-4 30山京ビル5階

電話番号 0120-781-140(平日10:00-19:00)
公式サイト https://accelfacter.co.jp/
取り扱っているファクタリングの種類 2社間ファクタリング
買取可能額 30万円~
手数料
  • ~100万円:10%~
  • 101万円~500万円:5%~
  • 501万円~1,000万円:2%~
  • 1,001万円~:別途相談
入金スピード 最短即日
申し込み方法 公式サイトから
必要書類 身分証、請求書、通帳、確定申告書
オンライン契約

日本中小企業金融サポート機構

一般社団法人日本中小企業金融サポート機構は、営利団体ではないことを生かした良心的な手数料などが強みのファクタリング会社です。ファクタリング以外にも、金融機関の紹介やM&Aなど、さまざまな中小企業支援サービスを提供しています。

中小企業金融サポート機構も先ほどのアクセルファクターと同様、経営革新等支援機関に認定されています。

【日本中小企業金融サポート機構の基本情報】

住所 〒105-0011

東京都港区芝公園一丁目3-5 ACN芝公園ビル2階

電話番号 03-6435-7371(平日9:30-18:00)
公式サイト https://chushokigyo-support.or.jp/
取り扱っているファクタリングの種類
  • 2社間ファクタリング
  • 3社間ファクタリング
買取可能額 3万円~2億円まで実績あり
手数料 1.5%~
入金スピード 最短3時間
申し込み方法 電話またはサイトのお見積りフォームから
必要書類 請求書、通帳コピー
オンライン契約

トップ・マネジメント

トップ・マネジメントは、創業13年、総買取件数55,000件以上の実績があるファクタリング会社です。手数料が良心的で入金も早く、給料支払いが遅れそうな時に最適な業者の一つだといえます。

トップ・マネジメントは、提供しているサービスの豊富さも特徴です。2社間・3社間ファクタリング、見積書・受注書・発注書ファクタリングに加えて、「電ふぁく」「ゼロファク」などの独自サービスを展開しています。

【トップ・マネジメントの基本情報】

住所 〒101-0044

東京都千代田区鍛冶町1-4-3竹内ビル2F

電話番号 0120-36-2005(平日10:00-19:00)
公式サイト https://top-management.co.jp/
取り扱っているファクタリングの種類
  • 2社間ファクタリング
  • 3社間ファクタリング
  • 見積書・受注書・発注書ファクタリング
  • その他「電ふぁく」「ゼロファク」などの独自サービスを展開
買取可能額 要問合せ
手数料
  • 2社間ファクタリング:原則として3.5%~12.5%
  • 3社間ファクタリング:原則として0.5%~3.5%
入金スピード 最短数時間で入金可能
申し込み方法 電話、FAX、またはサイトの申し込みフォームから
必要書類 本人確認書類、請求書、昨年度の決算書、入出金明細
オンライン契約 可(zoomでの面談は必須)

給料支払いが遅れてしまった時の対応

給料支払いが遅れてしまった時の対応

給料支払いの遅れは従業員にとって重大な問題なので、遅れてしまった場合は適切な対応をとることが大変重要になります。

特に、以下のような点を意識して、従業員の心象を悪くしないように心がけましょう。

  • 従業員には誠意をもって対応する
  • いつ支払えるかを明確に伝える
  • 一部でも支払い可能な場合はすぐに支払う

従業員には誠意をもって対応する

給料支払いが遅れてしまった場合、従業員に対して誠意を持った対応をすることが重要です。不誠実な態度を取ってしまうと従業員の心象が悪くなり、離職や意欲低下の原因になります。

まず、給料支払いが遅れたことに対して、経営者本人が謝罪することが重要です。そして、なぜ遅れたのか具体的で納得のいく説明をしましょう。

いつ支払えるかを明確に伝える

給料支払いがいつになるか分からない状態では従業員は不安になるため、いつ支払えるかを明確に伝えることが重要です。

いつ支払えるかを伝えることで、未払いのまま倒産したりしないという安心感を与えるとともに、支払われるまでのプランも立てることができます。

ただし、いつ支払えるかを伝える時は、確実に支払える日にすることが重要です。支払える日を伝えたのに、その日に支払えずまた遅れが生じると、かえって心象を悪くしてしまいます。

一部でも支払い可能な場合はすぐに支払う

給料の全額が支払えなくても、一部が支払い可能な場合はすぐに支払いましょう。一部でも支払うことで従業員に安心感を与えられますし、遅延損害金などの面でも有利になります。

給料支払いの遅れを未然に防ぐには

給料支払いの遅れを未然に防ぐには

給料支払いが遅れた時に適切な対処をすることは重要ですが、それ以前に給料支払いが遅れないように普段から心がけることのほうが大切です。

ここでは、給料支払いの遅れを未然に防ぐ方法として、以下の3項目を解説します。

  • キャッシュフロー管理を徹底する
  • 支払い忘れが発生しないシステムを構築する
  • 経営改善支援を受ける

キャッシュフロー管理を徹底する

給料支払いが遅れないためには安定した利益を出すことも重要ですが、それ以上にキャッシュフローを健全に保つことが重要になります。なぜなら、たとえ利益が出ていても、現金が用意できなければ給料を支払えないからです。

ここでキャッシュフローとは、会社に入ってくる現金(キャッシュイン)と、会社から出ていく現金(キャッシュアウト)の流れ、もしくはキャッシュインとキャッシュアウトの差額を意味する用語です。

たとえ売上が十分あっても、その多くが売掛金でまだ現金化されていないなら、利益は出ていてもキャッシュフローはマイナスという状態が起こり得ます。逆に、利益が出ていなくても、借入や不動産収入などで現金が十分入っているなら、キャッシュフローはプラスになることもあります。

給料支払いの遅れを未然に防ぐには、キャッシュフロー管理を徹底して、現金の不足が起こらないように普段から心がけることが大切です。

支払い忘れが発生しないシステムを構築する

給料支払いが遅れるのは資金難が原因のこともありますが、業務ミスで支払い忘れや支払い間違いが起こることもあります。

ミスによる支払い忘れを防ぐためには、従業員の労働時間を正しく把握する勤怠管理、および正しい給与計算をするシステムを構築することが重要です。

勤怠管理や給与計算は、タイムカードやエクセルで行うことも可能ですが、近年は勤怠管理システムや給与計算システムを導入する企業が増えています。こういったシステムを導入すれば、業務の効率化とミスの軽減が期待できます。

勤怠管理システム

勤怠管理システムには、勤怠管理業務を自動化・効率化するさまざまな機能が搭載されています。また、テレワークなど多様化する勤務形態、および法改正にも対応しやすいのが利点です。

勤怠管理システムは種類が多いので、自社に合ったものを選ぶことが大切になります。以下のようなポイントを踏まえて、自社にとって使いやすいものを選ぶようにしましょう。

【勤怠管理システムを選ぶポイント】

  • 自社の規模に合っているか(中堅・大企業向け、中小・零細企業向け)
  • 料金の安さ(初期費用、従業員1人あたりの月額利用料金)
  • 機能の便利さ(スマホやiPadによる打刻、残業や休憩時間の申請など)
  • オプション機能(不正打刻防止、超過勤務アラートなど)
  • カスタマイズ性の高さ
  • 他のシステムとの連携のしやすさ

これらのポイントの中でも、自社の規模に合ったシステムを選ぶのは特に重要です。

もし、中小企業が大企業向けのシステムを使うと、無駄な機能が多く使いにくいことがあります。また、逆に大企業が中小企業向けのシステムを使うと、管理できる従業員の数が足りないなどのトラブルが起こる恐れがあります。

中堅・大企業向けと、中小・零細企業向けの主な勤怠管理システムには、以下のようなものがあります。

【会社の規模別の主な勤怠管理システム】

会社の規模 主な勤怠管理システム
中堅・大企業
  • キンタイミライ(中堅・大企業でのシェア1位)
  • ジョブカン勤怠管理(シリーズ累計導入企業数15万社以上)
  • チムスピ勤怠(多様な就業ルールに対応)
  • TimePro-VG(自社に合ったシステムを構築できる)
中小・零細企業
  • ハーモス勤怠(従業員30名以下は月額料金無料)
  • クラウザ(従業員100人以下向け)
  • マネーフォワードクラウド勤怠(従業員50人以下向け)

給与計算システム

給与計算システムとは、勤怠管理データなどから、実際に支払う給与を算出するシステムです。給与計算システムは、計算ミスによる給料支払いの遅れを防ぐのに役立ちます。

給与計算システムには、大きく分けて「ERPタイプ」「勤怠管理一体型」「給与計算特化タイプ」があります。それぞれ搭載している機能が違うので、自社のニーズに合うものを選ぶことが大切です。

給与計算システムの種類とその内容、向いている会社の規模などは下の表のようになります。

【給与計算システムの種類】

種類 内容 向いている会社の規模 主な給与計算システム
ERPタイプ 給与計算以外に、勤怠管理・労務管理・販売管理・会計など幅広く対応できる。 中堅・大企業(中小企業向けもあり)
  • COMPANY
  • Pro Active C4
  • POSITIVE
勤怠管理一体型 給与計算以外に勤怠管理や労務管理もできる 中堅・中小企業
  • ジョブカン給与計算
  • マネーフォワード クラウド給与
  • ジンジャー給与
給与計算特化タイプ 給与計算に特化 中小・零細企業
  • 弥生給与
  • PCAクラウド給与
  • 給与奉行クラウド

経営改善支援を受ける

経営が苦しく給料支払いが遅れそうだが、自社内での経営改善が難しい時は、経営改善支援を受けるのも有力な手段です。経営改善の専門家の支援を受けながら計画を立てて、一年から三年程度で経営改善を目指します。

経営改善支援は、長期的な視点で抜本的な解決を図りたい時に適した手段です。また、経営状況を第三者に見てもらうことで、自社だけでは見いだせなかった経営方針やビジネスモデルを発見できることもあります。

経営改善支援には、中小企業庁など国が行っている支援事業と、民間の経営改善コンサルがあります

国の経営改善支援事業

中小企業庁は、経営が苦しい中小企業に対して、経営改善のためのさまざまな支援事業を行っています。経営が苦しく給料支払いが遅れそうな時は、こういった支援事業を利用すると解決できる可能性があります。

中小企業庁が行っている主な支援事業は以下のとおりです。

支援事業の名称 内容
収益力改善支援 収益力低下や借入増加のおそれのある中小企業者を対象に、「収益力改善計画」を作成。
プレ再生支援・再生支援 収益性はあるが財務上の問題がある中小企業を対象に、事業面・財務面での再生支援を実施。
再チャレンジ支援 再生が困難な中小企業に対して円滑な廃業や債務整理を支援
経営改善計画策定支援 国が認定する専門家の支援により「経営改善計画」を策定。費用の一部が補助される。

民間の経営改善コンサル

国の経営改善支援事業以外に、民間の経営改善コンサルを利用する手段もあります。

民間の経営改善コンサルは国の経営改善支援事業に比べるとコストがかかることもありますが、自社に合ったコンサル会社を見つけられれば、経営を大きく改善できる可能性もあります

どうしても給料支払いができない時の私的整理・法的整理

どうしても給料支払いができない時の私的整理・法的整理

資金繰りが苦しくどうしても給料支払いができない場合は、私的整理や法的整理によって債務を整理し、できるだけ給料が支払えるように手続きを進めていくことになります。

ここで法的整理とは、破産法や会社更生法などの法律(いわゆる「倒産法」)に従って、債務整理などを行う手続きです。一方、私的整理は倒産法に従うのではなく、当事者同士の話し合いで債務整理を行う手続きになります。

私的整理と法的整理には、下のようにいくつかの種類があります。これらの中から適した手段を選ぶことが大切です。

  • 私的整理:任意整理・特定調停
  • 法的整理:民事再生・会社更生・特別清算・破産

私的整理と法的整理の主なメリット・デメリットは下の表のとおりとなります。

メリット デメリット
私的整理
  • 柔軟で簡潔な対応ができる
  • 債務整理していることを当事者にしか知られない
  • 債権者に反対されると利用できない
  • 手続きの透明性に乏しく公平性・合理性を保てないことがある
法的整理
  • 法律にもとづいた厳格な手続きができる
  • 反対する債権者がいても多数決などで手続きを進められる
  • 手続きが複雑でコストがかかる
  • 債務整理している事実が取引先などに広く知られてしまう

私的整理・法的整理は、会社を存続させて再建を目指すタイプ(再建型)と、会社を清算して消滅させるタイプ(清算型)に分類できます。また、再建型と清算型どちらも可能なものもあります。

分類は下のとおりです。

  • 再建型のみ:特定調停
  • 清算型のみ:特別清算・破産
  • どちらも可能:任意整理・民事再生・会社更生

特定調停

特定調停とは、債務者と債権者の間に裁判所が選任した調停委員が入り、返済方法について話し合う手続きです。特定調停で合意した内容は裁判における確定判決と同じ効力があるため、債務者は合意内容に従って返済していけば、それ以上の取り立てをされることはありません。

特定調停は、裁判所に申立書などの書類を提出するだけで簡単に利用でき、費用も比較的安く済むのがメリットです。調停は月一回程度行われ、2回程度で終わることが多いとされています。

ただし、特定調停は原則として返済の見込みがあるケースを対象としており、返済が厳しいと判断された場合は申立てが取り下げられることもあるのが注意点です。

また、あくまで話し合いによる和解を目指すものであり、債権者が合意しなければ調停は不成立となります。不成立になった場合は、任意整理や民事再生など、他の手段を検討しなければなりません。

任意整理

任意整理とは、債務者と債権者が直接話し合いをして、返済方法を決めていく手続きです。特定調停と違い、裁判所は間に入りません。

任意整理は民事再生などに比べると、コストが安く手続きに柔軟性があるのがメリットです。また、任意整理の対象ではない取引先とは取引を続けることができ、任意整理をしている事実も通常は知られることはありません。

一方、任意整理は対象となる全ての債権者の合意がないと成立せず、民事再生のように多数決で決めるといったことはできません。

また、任意整理の手続きは、法律にもとづくものではなく裁判所が間に入るわけでもないため、公平性や透明性を保つのが難しいケースもあります。

民事再生・会社更生

民事再生・会社更生とは、民事再生法または会社更生法に従って会社の再建を目指す手続きです。原則として会社は消滅せず(清算することも可能)、支払えない債務を減免したうえで、再生計画にしたがって会社を立て直していきます

民事再生や会社更生では原則として、従業員の給料は金融機関からの借入れや取引先への買掛金より優先的に支払われます。ただし、全額支払われることを保証するものではありません。

民事再生と会社更生は、法律に従って会社を再建するという点は同じですが、その内容については多数の違いがあります。民事再生と会社更生の主な違いは下の表のとおりです。

【民事再生と会社更生の主な違い】

相違点 民事再生 会社更生
経営陣の去就 現経営陣の残留も可能 現経営陣は退陣して管財人に経営権が移る
債権者による担保権の行使 不可
担保権のある債権の減免 不可
株主の権利変更 なし あり
費用 比較的安い 比較的高い
個人・個人事業主の利用 不可

一般的に、民事再生のほうが手続きが簡便で法律による強制力が弱く、費用も安く済みます。一方、会社更生は法律による強制力が強く、民事再生では再建が難しいケースでも再建を目指せる可能性があります。

特別清算

特別清算は、会社法で規定される清算型の法的整理です。会社法の規定に従って、債務整理と法人格消滅の手続きを行います。

特別清算の手続きは、株主総会で選任された清算人の主導により進められます。債権者と個別に話し合って和解するか、債権者集会で一定数の賛成を得ることで、債務の整理が認められます。

もし、債権者の反対により協定や和解を締結できなかった場合は、特別清算の手続きは終了し、破産手続きへ移行します。

破産

破産は、破産法で規定される清算型の法的整理です。債務を整理したうえで法人格を消滅させる点は特別清算と同じですが、準拠する法律が異なるため手続きの内容が違ってきます。

破産は特別清算よりも債務者・債権者の自主性や手続きの柔軟性が制限され、裁判所のより強い強制力のもとで手続きが進められます

特別清算と破産の主な違いは下の表のとおりです。

【特別清算と破産の主な違い】

相違点 特別清算 破産
手続きの主導者 株主総会で選任された清算人 裁判所が選任した破産管財人
株主や債権者の合意 一定数の合意がないと利用できない 合意がなくても利用できる
税金・社会保険料や従業員の給料支払い 支払わないと手続きを進められない 支払えなくても手続きを進められる
個人・個人事業主による利用 不可

自分が働いている会社の給料支払いが遅れた時の対処法

自分が働いている会社の給料支払いが遅れた時の対処法

従業員にとって給料支払いの遅れは、生活に大きな支障をもたらします。よって、もし自分が働いている会社の給料支払いが遅れた時は、すみやかに適切な対処をして、支払ってもらえるように働きかけなければなりません

給料支払いは労働基準法で定められている会社側の義務なので、いかなる場合でも従業員は給料支払いを求めることができます。

ただし、会社に対していきなり強い態度で支払いを要求するのは適切ではありません。まずは遅れた理由やいつ支払える見込みなのかを確認し、会社側に支払う余力がない、または支払う意思がないことが分かった場合は、徐々に強い手段に出ていくことになります。

一例としては、下のような順序で支払いを求めていく方法が考えられます。

  1. 支払いが遅れる理由などを会社に聞いて確認する
  2. 給料支払いが遅れている証拠を揃える
  3. 内容証明郵便を送付して請求する
  4. 労働基準監督署などに相談する
  5. 法的手段をとる
  6. 未払賃金立替払制度を利用する

支払いが遅れる理由などを会社に聞いて確認する

給料支払いが遅れた場合は、まず支払いが遅れた理由、およびいつ支払われる見込みなのかを会社に聞いて確認しましょう

理由については、単なる業務ミスなのか、それとも経営が苦しく支払えないのかによって、今後の対応が大きく変わってきます。

業務ミスの場合はしばらく待っていれば支払われるので問題ありませんが、支払えない場合はこちらから支払いを求める行動を起こしていかなければなりません。

いつ支払われる見込みなのかを確認しておくことも重要です。支払われる日が分かれば、それまでの生活をどうやりくりしていくか計画を立てることができます。

もし、会社が倒産する可能性があることが分かった場合は、「未払労働債権確認書」という書面を書いてもらうのも有効な手段です。

未払労働債権確認書とは、未払い給料の内容について会社側に認めさせる書面で、将来訴訟を起こしたり、未払賃金立替払制度を利用する時などに役立ちます。

給料支払いが遅れている証拠を揃える

経営が苦しく支払う余裕がない、または支払う意思がみられない場合は、徐々に強い手段をとっていくことになります。

そのためには、まず給料支払いが遅れていることを、客観的に証明できる証拠を揃えることが重要です。

労働基準監督署などの相談機関は、給料支払いが遅れている証拠をきちんと揃えないと、動いてくれないこともあるといわれています。また、将来的に法的手段を想定している場合は、証拠を揃えておかないと不利になることがあります。

下の表は、揃えておくべき証拠の例です。これらの証拠をきちんと残したうえで、次の手段を検討していきましょう。

揃えるべき証拠 具体例
自分が働いた時間を証明できるもの 給与明細、タイムカード、勤怠管理表、業務日誌の控えなど
賃金に関する契約内容が分かるもの 雇用契約書、就業規則など

内容証明郵便を送付して請求する

話し合いでの解決が見込めない場合は、次の手段として労働基準監督署などに相談することになりますが、その前に内容証明郵便を送付するのも有効な手段となります

内容証明郵便とは、書面を送付した事実および書面の内容について、郵便局が保証してくれるサービスです。内容証明郵便を送付すると、会社に支払いのプレッシャーを与えるとともに、訴訟になった時に督促を行った証拠にもなります

さらに、督促を行うと給料を請求する権利の時効が一定期間停止するので、時効を引きのばす効果もあります。

労働基準監督署など相談する

内容証明郵便を送付しても支払いが行われない場合は、次の手段として労働基準監督署などに相談することになります。労働基準監督署では、給料未払いやサービス残業、男女の不平等といった、労働基準法に違反する行為全般について無料で相談できます。

相談の結果会社側に問題があると判断されると、労働基準監督署から会社に対して是正の指導・監督が行われます

労働基準監督署の指導・監督に法的な強制力はありませんが、会社にとっては大きなプレッシャーとなります。そのため、法的手段に出なくても、未払い給料が支払われることが期待できます。

労働基準監督署は、あくまで労働基準法に違反する行為を是正する機関なので、相談する際は会社側が労働基準法に違反していることを明確に示す必要があります。証拠が十分でないと、相談しても動いてくれない可能性もあるので注意しましょう。

労働基準監督署に相談する以外の手段としては、労働委員会の「紛争調整委員会によるあっせん制度」を利用するのも有用です。この制度では、従業員と会社の間に「あっせん委員」が入って、話し合いによる和解を目指します。

どこに相談するべきか分からない場合は、各都道府県の労働局に設置されている、「総合労働相談コーナー」などに相談すればアドバイスがもらえます。

法的手段をとる

労働基準監督署などに相談しても給料が支払われない場合は、法的手段による請求を行わなければなりません。

法的手段には、法廷で裁判を行う「訴訟」以外に、より簡便な手段がいくつかあります。どのような手段があるのかを理解して、適切な手段を選ぶことが大切です。

給料支払いを求めるために利用できる、主な法的手段は以下のとおりです。番号が若いものほど手続きが簡易、およびコストが安い傾向があります。

  1. 支払督促
  2. 民事調停
  3. 労働審判
  4. 少額訴訟
  5. 通常訴訟

支払督促

支払督促とは、裁判所から会社へ給料支払いを要求する書面を送ってもらう手続きです。支払督促は単なる書面ではなく、もし会社側が給料を支払わなかった場合、強制執行で取り立てできる法的効力があります

支払督促は申立書を提出するだけで利用でき、料金も訴訟の半額で済みます。また、裁判所に出向く必要もないため、訴訟に比べると時間的・金銭的コストが非常に低いのがメリットです。

ただし支払督促は、もし会社側が異議申し立てをした場合は、民事訴訟に移行する決まりになっているのが注意点です。支払督促をした後に結局民事訴訟になるなら、最初から訴訟を起こした方がよい可能性もあります。

よって支払督促は、会社側が異議申し立てをしない可能性が高い時に検討すべき手段だといえます。

民事調停

民事調停とは、裁判官や調停委員が間に入り、当事者同士が話し合って問題を解決する手続きです。調停で決定した内容は確定判決と同じ効果があり、履行されない場合は強制執行も行うことができます。

民事調停は裁判所に出向いて話し合う必要があるため、支払督促よりは手間がかかりますが、訴訟よりは手続きが簡単で費用も安く済みます。また、会社と争うのではなく円満な解決を目指すため、軋轢なども比較的起こりにくいといえます。

ただし、民事調停はあくまで話し合いによる解決を目指すものなので、両者の折り合いがつかない場合は調停不成立となるのが注意点です。

労働審判

労働審判とは、裁判官と労働問題に詳しい審判員が間に入り、給料未払いなどの問題を解決する手続きです。まず話し合いによる解決を目指し、話がまとまらない場合は裁判官と審判員が妥当と思われる判断を下します。

労働審判で決定した内容は、裁判における和解もしくは判決と同じ効力があり、履行されない場合は強制執行も可能となります。

労働審判は原則として3回以内の審理で終了し、かかる期間は平均で2,3ヶ月程度です。ある程度の手間はかかりますが、訴訟に比べると比較的簡便な手続きといえます。

少額訴訟

少額訴訟とは、60万円以下の金銭の支払いを求める時に利用できる、簡単な手続きで終わる訴訟のことです。通常訴訟と違い、原則として1回の審理で判決が出ます

もし未払いの給料が60万円以下の場合は、通常訴訟より少額訴訟のほうがコストと手間を抑えられます。

通常訴訟

未払いの給料が60万円を超える時は少額訴訟を利用できないため、通常訴訟を起こすことになります。

通常訴訟では、裁判官がお互いの意見や証拠を確認したうえで判決を下すか、和解を成立させることで問題を解決します。判決が確定すると、会社に対して強制執行も行えるようになります。

通常訴訟は最も厳格な法的手段ですが、判決まで1年程度かかることもあり、費用もかかるのが注意点です。

未払賃金立替払制度を利用する

会社が倒産して給料が未払いのまま退職した場合は、未払賃金立替払制度を利用できます。

未払賃金立替払制度とは、倒産した会社の未払い給料の一部を、国が立て替えてくれる制度です。

立て替えられる金額には以下のような制限があり、立替金額は最大で296万円までとなります。

  • 立て替えられるのは未払い給料の額の8割まで
  • 退職時の年齢によって立替金額の上限がある(88万円~296万円)
  • 立て替えの対象となるのは退職6か月前以降の賃金のみ

賃金請求権には時効があるので注意

賃金請求権には時効があるので注意

未払いの賃金に対する請求権には、時効があるのが注意点です。消滅時効期間が過ぎてしまうと、遅れた給料の支払いを請求できなくなります。

消滅時効期間は、2024年時点では3年となっています。これは、以前は2年だった時効を5年に改正するにあたっての移行措置で、将来的には5年に延長される予定です。

時効延長の対象となるのは、毎月の給料やボーナスなどに加えて、休業手当や非常時払いなども含まれます。また、未払い賃金に対する付加金についても、時効が3年に延長されています。

なお、退職金の時効はもともと5年と定められているため(労働基準法第115条)、移行期間は関係なく時効は5年となります。

有給休暇については、有給を取得する権利は時効が2年のままで変更ありません。ただし、すでに取得した有給の賃金を請求する権利は3年に延長されます。

まとめ

まとめ

給料支払いの遅れは労働基準法に違反するため、罰金や遅延損害金などの罰則があります。また、従業員の離職や意欲低下、取引先や金融機関に対する信用低下につながるため、未然に防ぐよう心がけることが重要です。

どうしても支払いが遅れそうな時、または遅れてしまった時は、冷静に正しい対処をとりましょう。対処を間違えて不要なトラブルを起こさないことが大切です。

また、自分が働いている会社の給料支払いが遅れる時は、まず会社に確認を取り、労働基準監督署に相談するなどの対処をしましょう。どうしても給料が支払われない場合は、訴訟などの法的手段をとることもできます。

給料支払いが遅れる時の対処法についてよく理解し、正しい対応ができるようにしましょう。

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