ファクタリングとは、ファクタリング会社に売掛債権を売却して現金を得る資金調達方法です。
ファクタリングを利用すれば、売掛金の支払期日まで入金を待つことなく資金調達ができるため、中小企業を中心に資金繰り改善に役立てられています。
しかし「ファクタリングという名前は知っているが、仕組みはメリット・デメリットがわからない」という方も多いのではないでしょうか?
ファクタリングの仕組みを知って正しく利用することで、資金調達の選択肢が増え、事業拡大の一助となるでしょう。
この記事ではファクタリングの概要と種類、混合しやすいほかの資金調達方法との違いについて詳しく解説していきます。
- 1 ファクタリングとは?
- 2 ファクタリングは大きく2種類ある
- 3 請求書買取ファクタリングとは
- 4 ファクタリング利用の流れ
- 5 ファクタリングのメリット
- 6 ファクタリングのデメリット
- 7 ファクタリングと融資の違い
- 8 ファクタリングの審査ポイント
- 9 ファクタリング会社を選ぶポイント
- 10 ファクタリングの審査に必要な書類
- 11 ファクタリング利用の注意点
- 12 違法な業者かどうかを見極めるポイント
- 13 ファクタリングの違法性について
- 14 ファクタリングと混合しやすいサービスの比較
- 15 おすすめのファクタリング会社10選
- 16 ファクタリングについてよくある質問
- 17 ファクタリングを有効に使って資金調達に選択肢を
ファクタリングとは?
ファクタリングとは、売掛債権をファクタリング会社に売却し、手数料を差し引かれた金額分の資金を早期に調達できる資金調達方法の1つです。
例えば100万円の売掛債権を手数料10%で売却した場合、100万円から手数料10万円を控除した90万円の資金を売掛債権の期日前に調達できます。
2000年以降、さまざまな金融政策が見直されたことをきっかけに広く認知されるようになりました。
本来、売掛債権は期日になるまで資金化できない資産ですので、債権が発生してから売掛先から入金があるまで30~60日程度の期間を待たなければなりません。
そこで、ファクタリングを利用して最短即日に入金サイクルを短縮することで、資金が早期に入金となり企業の資金繰り改善に寄与します。
ファクタリングは大きく2種類ある
ファクタリングは「買取型ファクタリング」と「保証型ファクタリング」の2種類に分類されます。
しかし、一般的にファクタリングといえば買取型ファクタリングを指しますし、企業の資金調達方法になるのは買取ファクタリングです。しかし保証ファクタリングも活用することで売掛債権の未回収リスクを排除できるので理解しておきましょう。
買取ファクタリングと保証ファクタリングの違いを解説していきます。
買取型ファクタリング
買取型ファクタリングとは、売掛債権をファクタリング会社に売却し、支払期日よりも前に資金化するものです。
一般的に、ファクタリングといえば買取ファクタリングのことをいいます。
買取型ファクタリングは、通常30〜60日程度かかる入金サイクルを最短即日まで短縮が可能なため、資金繰りの改善が可能です。
保証型ファクタリング
保証型ファクタリングとは、売掛先からの支払いをファクタリング会社が保証するものです。
たとえば、信用力に不安がある取引先と取引をした場合、確実に売掛金が入金されるか不安になります。
こうした状況で保証型ファクタリングを利用すると、売掛先が倒産等によって支払いができなくなっても、ファクタリング会社が保証金を支払ってくれます。
財務状況がどのようになっているのか、不安のある新規取引先との売掛債権に保証ファクタリングをつけておくと安心です。
請求書買取ファクタリングとは
ここからは、買取型ファクタリングの中でも利用者の多い請求書ファクタリングについて詳しく解説します。
請求書ファクタリングとは、請求書を売却して期日前に早期資金化するファクタリングです。
なお、ファクタリングでは請求書の他に、取引先から発注があった段階で資金調達できる注文書ファクタリングなどがあります。
請求書ファクタリングの主な特徴は以下の通りです。
- 契約形態には「2社間契約」と「3社間契約」がある
- 償還請求権のないノンリコース契約を利用する
- 手数料相場は2社間か3社間で異なる
上記3点の特徴を詳しく解説していきます。
契約形態には「2社間契約」と「3社間契約」がある
請求書ファクタリングには、利用者とファクタリング会社のみで完結する2社間契約と、売掛先への通知・承諾を必要とする3社間契約があります。
2社間契約は、売掛先にファクタリング利用の事実を知られることなく資金調達が可能です。
取引先に知られて「あの会社は資金繰りに苦しんでいるのでは?」と勘繰られる心配もありません。
取引先に秘密でファクタリングを利用したい場合に利用しましょう。
一方、3社間契約とは利用者と売掛先企業とファクタリング会社の3社で契約をする方法です。
一見、2社間契約の方が取引先に秘密で利用できるためメリットが大きく感じますが、3社間契約では架空の売掛債権を売却したり二重譲渡するリスクがないので手数料は3社間契約の方が低く設定されています。
なお、2社間契約は最短即日で資金調達できますが、3社間契約は売掛先企業の同意が必要で、契約当事者も多いので資金化までに1週間程度の時間が必要です。
売掛先との関係性や手数料負担、資金調達までのスピードなどを考慮して、どちらの契約形態を利用するか決めましょう。
償還請求権のない「ノンリコース契約」を利用する
請求書ファクタリングには、償還請求権のある「ウィズリコース契約」と償還請求権のない「ノンリコース契約」が存在しますが、必ずノンリコース契約で取引しましょう。
償還請求権(リコース)とは、売掛先が倒産等の理由で売掛金を入金できなかったときに、ファクタリング会社が利用者へ弁済を請求する権利をいいます。
ウィズリコースは弁済を請求される契約であり、ノンリコースは弁済を請求されない契約です。
ファクタリングは回収リスクも含めた売掛債権の売買であることから、ノンリコース契約が基本です。
また、ウィズリコース契約のファクタリングも実在するものの、金融庁は違法の可能性であると注意喚起しています。
ファクタリングの手数料が融資よりも高いのは、ファクタリングは売掛債権を売却した際に売掛債権の回収リスクまでに売却するものであると解されているためです。
つまり、ウィズリコースのファクタリングは実質的に貸付であり、取り扱うには貸金業者登録が必要で、手数料も利息制限法の範囲内でなければなりません。
しかし実際には、業者は貸金業者登録もしていなければ利息制限法も守っていないにで、金融庁はウィズリコースのファクタリングは違法貸付つまり闇金であると断じています。
そのため、ウィズリコース契約のファクタリングは絶対に利用しないようにしてください。
手数料相場は2社間か3社間で異なる
請求書ファクタリングの手数料は2社間と3社間で以下のように異なります。
- 2社間契約:5~15%程度
- 3社間契約:1~5%程度
手数料相場の違いは、ファクタリング会社が負担するリスクの大きさに比例します。
3社間契約は、売掛金の支払期日に売掛先からファクタリング会社へ直接入金する仕組みです。
一方で、2社間契約では支払期日に発生した売掛金を、利用者を経由してファクタリング会社へ支払うことになります。
一度利用者を経由する段階で売掛金を流用されてしまっては、ファクタリング会社にとっては大きな損害です。
また2社間契約は売掛先企業に秘密で売掛債権を売買するため、存在しない架空の売掛債権を売却される可能性もありますし、すでにファクタリング会社へ譲渡している債権を別のファクタリング会社へも譲渡する二重譲渡のリスクもあります。
利用者によって流用されるリスクや架空債権を作成するリスクがあるため、2社間契約は3社間契約よりも手数料は高めに設定されているのです。
自社がどのくらいの手数料を負担できるかを考慮して、2社間か3社間で選びましょう。
注文書ファクタリングとは
注文書ファクタリング(注文書買取)とは、仕事受注段階で発生する注文書もしくは発注書を売却して資金化するファクタリングです。
仕事を請け負った段階で必要資金を得られるため、中小企業を中心に需要が増えています。
注文書ファクタリングの主な特徴は以下の通りです。
- 契約形態は「2社間契約」「ノンリコース契約」が基本
- 手数料相場は20%程度
注文書ファクタリングは2020年頃からスタートした比較的新しい資金調達方法です。
注文書ファクタリングの手数料は、請求書ファクタリングよりも2~5%程高くなっています。
注文書ファクタリングは、入金になるまでの時間が最大180日先と請求書ファクタリングよりも長いためです。
請求書ファクタリングは、仕事完了後の請求書を買い取り、売掛金入金までの30~60日を待つのみです。
しかし、注文書ファクタリングは仕事未完了状態の発注書を買い取るため、売掛金入金までの長い期間を待たなければなりません。
また、そもそも仕事が完遂せずに、予定通りに入金に至らないリスクもあります。
売掛金入金までの期間が長ければ長いほど、売掛先の経営悪化や倒産等のリスクが高まるため、手数料を上げざるを得ないのです。
注文書ファクタリングは、手数料が高くなる一方で、仕事の受注段階に資金調達ができて必要経費に充てられます。
そのため、仕事を開始するために必要な人件費や設備費などを、自己資金では賄いきれないときに利用するのがおすすめです。
ファクタリング利用の流れ
ファクタリングは次のような流れで利用していきます。
- ファクタリング会社をさがす
- 申し込みをする
- 請求書などをアップロードする
- 審査を受ける
- 契約する
- 入金
- (2社間ファクタリングの場合)代金をファクタリング会社へ送金する
それぞれの流れの中で重視する点や、注意すべき点について詳しく解説していきます。
①ファクタリング会社をさがす
まずは利用するファクタリング会社を探します。
- 2社間ファクタリングか3社間ファクタリングか
- いつまでに資金が必要なのか
- 手数料はどの程度を希望するか
これらの観点から自社に見合ったファクタリング会社を探しましょう。
また、手数料はファクタリング会社や審査によって異なるので、複数のファクタリング会社から同時に見積もりをとって、最も条件のよいファクタリング会社と契約するのがおすすめです。
悪徳業者に引っかからないよう、インターネットの口コミを調べておくことも重要です。
②申し込みをする
利用するファクタリング会社が決まったら申し込みをおこないます。
申し込みはインターネット、窓口、電話など、ファクタリング会社によってさまざまな方法が用意されています。
おすすめの方法はインターネットです。
インターネットでの申し込みは24時間365日受け付けているので「お金が必要になった」と、考えた際にスムーズに申し込みが可能になるためです。
オンライン完結型のファクタリング会社であれば、申し込みからすぐにコンピューターが審査を行ってくれるので、インターネット申し込みの方が審査結果が出るまで時間がかからないという特徴もあります。
ただし、インターネット申し込みは入力内容に間違いがないかどうか、自分で確認しなければなりませんし、書類をPDF化して送らなければならないため、PCの操作に自信のない方には不向きです。
自分に合った方法で申し込みをおこないましょう。
③請求書などをアップロードする
次にファクタリングの審査で必要な書類をアップロードします。
提出方法はFAXや窓口で提出など、申し込み方法によって異なりますが、インターネットで申し込む場合にはPDFなどにデータ化してアップロードするのが基本です。
なお、ファクタリングの審査で必要になるのは以下のような書類です。
- 請求書・注文者などの売掛債権成因資料
- 代表者の本人確認書類
- 取引先からの入金が確認できる通帳
- 決算書・確定申告書
- 取引先との基本契約書
ファクタリング会社によって必要な書類は異なります。
ファクタリング会社によっては請求書と通帳だけでよいと決められている場合も多いので、スムーズに審査を受けるためには、できる限り必要書類の少ないファクタリング会社を選択した方がよいでしょう。
④審査を受ける
申し込みをと書類の提出が完了したら審査がスタートします。
2社間ファクタリングであれば審査時間は即日〜2日程度、早いファクタリング会社の場合には数十分程度で完了します。
3社間ファクタリングは売掛先企業の同意が得られなければ審査に通過できないので、審査に数日程度の時間がかかります。
審査結果はメールか電話で通知されるのが一般的です。
⑤契約する
審査に通過したらファクタリング会社と契約しましょう。
契約方法はファクタリング会社によって異なります。
対面が必要な場合には、ファクタリング会社の窓口へ訪問して契約しなければなりません。
最近はオンライン上で契約を完結させられるファクタリング会社も増えており、オンラインで契約できるシステムである「クラウドサイン」を使用するのが一般的です。
クラウドサインは弁護士ドットコムが監修しているオンライン完結型の契約システムで、個人情報の漏洩などの心配はありません。
2社間ファクタリングの場合には、利用者とファクタリング会社だけの契約ですのでスムーズに契約が完了し、審査通過後すぐに契約できます。
3社間ファクタリングの場合には売掛先企業とファクタリング会社も契約しなければならないので、契約手続きには数日程度かかります。
⑥入金
契約が完了したら、指定した銀行口座へ入金が行われます。
2社間と3社間では申込から入金までの時間は以下のように異なります。
- 2社間ファクタリング:最短即日
- 3社間ファクタリング:数日〜2週間程度
急いでお金が必要なのであれば2社間ファクタリングを選択した方がよいでしょう。
⑦(2社間ファクタリングの場合)代金をファクタリング会社へ送金する
売掛債権の支払期日になったらファクタリング会社は売掛先企業から代金を回収します。
2社間ファクタリングの場合、売掛先企業に秘密でファクタリングをおこなうため、売掛債権の代金は通常通りに利用者の口座へ振り込まれます。このお金をファクタリング会社へ送金することで、ファクタリング会社が売掛債権の回収をおこなうことができます。
なお、あらかじめ売掛先企業の同意を得て契約する3社間ファクタリングでは、売掛先企業が直接ファクタリング会社に対して送金するため、代金の送金手続きは必要ありません。
ファクタリングのメリット
ファクタリングのメリットは主に以下の6点です。
- 取引先の信用で資金調達できる
- 最短即日で資金調達できる
- 売掛債権のデフォルトリスクを排除できる
- 取引先に秘密で資金調達できる
- 非対面で契約できる
- 負債が増えない
メリットをよく理解して、メリットを享受できるタイミングでファクタリングを活用しましょう。
取引先の信用で資金調達できる
ファクタリングを活用するメリットは、自社の業績にかかわらず資金化ができることです。
ファクタリングは融資ではなく売買であるため、自社の業績よりも売掛金支払元の取引先の財務状況を慎重に審査します。
通常、融資などの資金調達方法では、借りる人の信用情報を審査し、返済能力があることを判断したうえで融資をします。
そのため、業績不振等で返済能力がないと判断された場合は融資を受けられません。
しかし、ファクタリングは自社の業績が下がっている状態でも、取引先の業績が安定していれば売掛債権を資金化してもらうことは可能です。
たとえば、すでに銀行融資を受けていたり、過去にブラックリストに載ってしまったりしていても利用ができるのです。
ファクタリングは、自社の業績が振るわない時でも利用できる資金調達方法なので、事業拡大の一助となります。
最短即日で資金調達できる
ファクタリングのうち、2社間ファクタリングは最短即日で資金調達ができます。
融資であれば、申込から借入まで最短2週間〜3週間程度の時間がかかるので「すぐにお金が必要」という場面に間に合いません。
「月末の支払いにあてにしていた取引先からの入金が、急に遅れるとの連絡があった」
「今日中にお金を用意しないと、手形が不渡りになる」
事業を営んでいれば、このように緊急でお金が必要になる場面など、多数あります。
ファクタリングであれば最短即日で資金調達できるので、緊急でお金が必要になった場面でも必要な資金を間に合わせられるでしょう。
売掛債権のデフォルトリスクを排除できる
ファクタリングは売掛債権のデフォルト(支払不能)リスクを排除できます。
売掛債権には売掛先企業の経営悪化などを理由として、期日通りに支払われなかったり、支払いが履行されないまま不良債権になってしまうリスクがあります。
しかしファクタリングは償還請求権なし(ノンリコース)で行われるので、ファクタリング後に売掛債権がデフォルトしたとしても、ファクタリング会社から代金を請求されることはありません。
償還請求権とは売掛債権が支払い不能になったときに、債権の買い手が売り手に対して代金を請求する権利です。
ファクタリングは手数料が高い代わりに売掛債権のデフォルトリスクまで一緒に売却しているため、万が一の場合の損失はファクタリング会社が負ってくれます。
売掛債権にはデフォルトのリスクがつきものですが、リスクも一緒に売却できるのがファクタリングの大きなメリットです。
なお、償還請求権ありのファクタリングは実質的な貸付です。貸金業者登録をせずに償還請求権ありのファクタリングを取り扱っている業者は、実質的な闇金ですので、決して取引しないようにしてください。
取引先に秘密で資金調達できる
2社間ファクタリングは取引先に秘密で資金調達ができます。
2社間ファクタリングは、申込企業とファクタリング会社の2者だけで契約し、売掛先企業は契約に介在しませんし、同意も必要ありません。そのため、売掛先企業にファクタリングの利用を知られることなく資金調達できます。
外部から資金調達をしていることを取引先が知ると「業況が悪いのかもしれない」と判断されることがありますし、ましてやファクタリングという認知度が低い方法で資金調達していることを知られると「銀行から融資を受けられない、やばい企業」と自社をかなりネガティブに評価されてしまう可能性が高くなります。
場合によっては取引先との関係性に悪影響を及ぼす可能性もあるでしょう。
2社間ファクタリングであれば、取引先にファクタリングによって資金調達したことを知られる心配はないので、安心して利用できます。
なお、3社間ファクタリングは手数料が低い代わりに、取引先の同意が必要になるため、信頼できる企業への売掛債権を保有している場合のみ利用してください。
非対面で契約できる
ファクタリングは自宅や会社から非対面で契約できるものが多くなっています。
緊急でお金が必要なときに、金融機関窓口まで訪問して申込や契約手続きをすることは大きな手間になります。
融資であれば、申込時と契約時に最低2回は金融機関窓口へ訪問しなければなりません。
ファクタリングは、面談なしで契約できるものも多く、面談が必要な場合もオンライン面談で利用が可能です。
契約手続きもオンライン上で契約が完結できるので、面倒な書類の記入や捺印は不要なケースが多くなっています。
窓口への訪問や、担当者との面談、契約書への記入や捺印など、申込や契約にかかる手間をファクタリングなら削減できます。
手間がかからないので、ファクタリングは忙しい経営者におすすめです。
負債が増えない
ファクタリングは借入ではなく資産の売却です。
売掛債権という資産を、現金預金という資産に交換しているだけですので、負債は一切増えません。
融資によって資金調達する場合には、借入金という負債を増やして、現金預金という資産を増やしています。
負債が増えた分だけ自己資本比率が低下しますし、増えた負債の分だけ貸借対照表全体も大きくなります。
自己資本比率はできる限り高く、貸借対照表全体はできる限り小さくオフバランス化するのが、外部から評価される貸借対照表の形です。
借入金によって資金調達した場合には貸借対照表の評価は下がりますが、ファクタリングによって資金調達した場合には貸借対照表の評価が下がることはありません。
ファクタリングは負債ではないので、外部からの評価を下げないという点もメリットです。
ファクタリングのデメリット
ファクタリングには以下のデメリットがあるので注意しなければなりません。
- 高額な手数料
- 業者選びは自己責任
- 売掛債権以上の金額は調達できない
- 資金繰りは根本的に改善しない
ファクタリングはメリットが大きい反面、デメリットもかなり大きいので、デメリットを理解して上で、しっかりと活用することが重要です。
ファクタリングの4つのデメリットについて詳しく解説していきます。
高額な手数料
ファクタリングのデメリットは、手数料が必要であることです。
3社間ファクタリングなら1~9%、2社間ファクタリングなら5~20%もの手数料が差し引かれます。
たとえば、1,000万円の売掛債権で手数料15%の2社間ファクタリングを利用すると、手元に残るお金は850万円となってしまいます。
本来、売掛債権の支払期日まで待っていたら1,000万円満額受け取れるものの、ファクタリングを利用することで買取手数料分を差し引かれた金額しか残りません。
ファクタリングにかかる手数料は決して安い金額とはいえないため、利用する場面を選ぶことが重要です。
やみくもに利用するのではなく、どうしても自己資金で賄えないときや、資金繰りが悪化しているときなどに絞るようにしましょう。
業者選びは自己責任
ファクタリングでは自己責任で信頼できる業者を選ぶしかありません。
ファクタリングのルールを個別な定めた法律は存在しませんし、ファクタリング業者を営むために、届出や登録や許認可は一切必要ないためです。
つまりファクタリング業は、どんな会社でも営業できますし、手数料なども自由に設定できます。
そのため、ファクタリング会社の中には違法な手数料を設定する悪徳業者や、ファクタリングを偽装して違法な貸付をおこなう、いわゆる闇金も混じっています。
登録や許認可などによって、安全な業者を見極めるための客観的な指針は存在しないため、安全な業者は自己責任で見つける必要があります。
ファクタリングを利用する前には、必ず当該業者の口コミを調べ、複数の業者から相見積もりを取った上で、安全な業者だと判断できる業者とのみ取引するようにしてください。
売掛債権以上の金額は調達できない
ファクタリングで資金調達できるのは、売掛債権の金額が限度です。
ファクタリングは売掛債権を売却する資金調達方法ですので、売掛債権の金額を超える資金を調達することはできません。
融資であれば、年商を超えるような高額な資金調達も可能ですが、ファクタリングでは調達可能額に限度があります。
ファクタリングでは、高額な設備投資や、数ヶ月以上の運転資金などを調達することはできません。
あくまでも、月商程度のお金が緊急で必要になる場合に利用しましょう。
資金繰りは根本的に改善しない
ファクタリングでは資金繰りを根本的に改善させることはできません。
ファクタリングは数ヶ月先に入金になる予定の資金を前倒しで受け取っているだけだからです。
そのため、当初の入金予定日になったらまた資金が不足して、ファクタリングを利用し、また次の入金予定日にもファクタリングを利用するという悪循環になる可能性があります。
どこかで、根本的な経営改善を図るか、長期借入金を利用しないと、手数料を負担する分だけ、資金繰りはどんどん苦しくなります。
ファクタリングはあくまでも緊急時のみ利用できる資金調達手段で、根本的な解決にはなりません。
緊急で困ったときのみ臨時的に利用して、根本的な解決にはならないと理解しておきましょう。
ファクタリングと融資の違い
ファクタリングと融資の違いを理解して、融資とファクタリング、それぞれを適切なタイミングで使い分けることが重要です。それぞれの主な違いは以下のとおりです。
- 審査の対象
- 資金化までの時間
- 契約方法
- 資金調達コスト
- 償還請求権の有無
ファクタリングも融資も「外部からの資金調達方法」という点は同じですが、その他の点はかなり異なります。
ファクタリングと融資の5つの違いを詳しく解説していきます。
審査の対象
ファクタリングにおける審査の対象は売掛先企業です。
ファクタリングで売掛債権を売却した後は、債務者は売掛先企業になり、売掛債権がデフォルトしても、ファクタリング会社は申込企業へ請求することができないためです。
そのため、ファクタリング審査では「売掛先企業が期日とおりに支払いができるかどうか」という点のみが、重視されます。
一方、銀行融資では、申込企業のみが審査対象になります。どんなに優良企業と取引があっても、申込企業が赤字や債務超過や資金繰りの悪化などによって「返済能力がない」と判断された場合は審査に通りません。融資金を返済する義務を負う債務者は申込企業だからです。
そのため、赤字や債務超過や資金繰り悪化などを理由として融資審査に通らない企業でも、ファクタリングであれば返済能力に問題ない企業の売掛債権さえ保有していれば資金調達できる可能性があります。
融資審査に落ちたときも、ファクタリングの利用を検討するとよいでしょう。
資金化までの時間
資金化までの時間はファクタリングの方が圧倒的に早くなっています。
融資は2週間〜3週間程度の時間がかかりますが、2社間ファクタリングであれば最短即日で資金調達可能です。
今日、明日で資金が必要という方は融資では間に合わないため、ファクタリングを活用するとよいでしょう。
契約方法
銀行融資の契約は銀行窓口で銀行員から説明を受けながら対面で契約するのが基本です。
契約書には、借主本人が署名をして捺印しなければなりません。
そのため、契約時には銀行窓口への訪問が必要です。
一方、ファクタリングはオンラインで契約ができる業者が多々あります。
署名や印鑑など必要なく、クラウド契約システムを利用してオンラインで契約内容を確認し、契約を締結できます。
ファクタリング会社のオフィスへ訪問する必要がないので、素早く手軽に資金調達できますし、面倒な書類のやり取りがないので、契約に手間もかかりません。
地方に所在する事業者の方も、東京などのファクタリング会社のオフィスへの訪問は不要です。
ファクタリングは短期間での資金調達を容易にするために契約方法もシンプルに設計されています。
資金調達コスト
資金調達にかかるコストはファクタリングの方が圧倒的に高くなっています。
銀行から借りる事業資金融資は1%〜3%台の金利で借りられますが、ファクタリングは売掛債権の金額に対して10%〜20%(2社間の場合)程度の手数料が必要です。
ファクタリングの手数料は年利ではないので、上記の手数料を年利に換算するとコストはさらに高くなります。
例えば、1ヶ月先に入金になる売掛債権を手数料10%でファクタリングした場合、年利換算では120%もの負担になります。
ファクタリングは銀行融資よりも100倍程度の高負担になることも多いので、資金調達コストはファクタリングの方が非常に高額です。
この点でも、ファクタリングを利用するのは緊急時に限った方がよいでしょう。
償還請求権の有無
ファクタリングには償還請求権がありませんが、銀行融資(手形割引)には償還請求権があります。
ファクタリング後に売掛先企業が倒産して売掛債権が回収不能になっても、ファクタリングには償還請求権がないので申込企業に責任は及びません。
他方、銀行融資(手形割引)には償還請求権があるので、手形割引後に手形が不渡りになった場合には、利用企業に対して銀行は代金を請求する権利があります。
売掛先企業の支払能力が不安な場合にはファクタリング、売掛先企業の支払能力に不安はないものの早期資金化したい場合には銀行で手形割引を利用する、というように適切に使い分けた方がよいでしょう。
ファクタリングの審査ポイント
ファクタリングには審査がありますが、融資とは全く別の視点で行われ、主には以下のポイントが重視されます。
- 売掛先企業の支払能力
- 売掛債権の金額
- 売掛債権の期間
- 売掛先企業との取引歴
- 利用者の信用
ファクタリングがどのような視点で審査をされるのか、詳しく見ていきましょう。
売掛先企業の支払能力
ファクタリング審査で最も重視される点が売掛先企業の支払能力です。
ファクタリングは売掛債権の売却ですので、ファクタリング会社にとって重要なのは「売掛債権が期日通りに支払われるか」という点になります。
そのため売掛先企業が期日通りに代金を支払えるかどうかという点が最も重視され、大手企業や優良企業や官公庁の場合には「支払いには問題ない」と判断されるので、審査に通過できる可能性は非常に高くなるでしょう。
一方、売掛先企業が赤字や債務超過や、過去の支払いに遅れがあった企業では「期日通りに支払われる可能性が低い」と判断されるので、審査に通過できない可能性があります。
複数の売掛債権を保有しているのであれば、最も優良で安定している企業に対する売掛債権をファクタリングするとよいでしょう。
売掛債権の金額
ファクタリングでは売掛債権の金額も重視されます。
特に大きな金額の売掛債権はファクタリング会社にとっては大きな手数料収入になるので審査でプラスになる傾向があります。
ただし、金額が大きければよいというものではなく、売掛債権の金額が利用者の売上規模から見て自然な額かという点は重要です。
例えば年商1,000万円の企業が1,000万円前後の売掛債権をファクタリングした場合は、金額的には不自然です。
年間いくつも生じる売掛債権の中の1つを売却するのがファクタリングですので、年商程度の金額をファクタリングするのが最も自然です。
毎月恒常的に発生している売掛債権を売却するのが最も審査で有利になります。
複数の売掛債権を手元に保有しているのであれば、金額的に無理のない範囲かつ大きな金額の売掛債権を売却することで審査に通過しやすいでしょう。
売掛債権の期間
売掛債権の期間も審査では重視されます。
売掛債権が入金になるまでの期間が長い方が審査では不利になります。
期日の長い売掛債権は入金期日までに売掛先企業の経営が傾いて、売掛債権が未回収になってしまうリスクが高まるためです。
また、そもそもそれほど長い期日を設定する企業の資金繰りは円滑であるとは考えにくいのが一般的です。
一方、期日の短い売掛債権であれば、期日になるまでに売掛先企業の経営状態が悪化する可能性は低いと考えられるので、期間が短い方が審査では有利になります。
手持ちの売掛債権の中で、最も期間が短い売掛債権を売却することで審査に通過しやすくなるでしょう。
売掛先企業との取引歴
利用者と売掛先記号の取引歴も審査では重視されます。
取引歴の長い企業に対する売掛債権で、その取引先がこれまで期日通りに入金を行っているのであれば「今回も期日通りに支払う可能性が高い」と判断できるので審査で有利になります。
一方、取引歴が浅い若しくは初めての取引先の場合には、期日通りに入金になる保証がないので審査では不利になります。
できる限りこれまでの取引歴が長く、毎月向上的に発生している売掛債権をファクタリングすることで審査には有利になるでしょう。
利用者の信用
2社間ファクタリングではファクタリング利用者の信用も非常に重視されます。
売掛先企業の同意を必要とせず、代金が利用者を経由する2社間ファクタリングには以下の3つのリスクがあるためです。
- 架空の売掛債権を売却する
- 他社と二重に譲渡する
- 売掛先から支払われた代金をファクタリング会社へ払わずに流用する
利用者がこれらの行為をするリスクが低いと判断されるためには、ファクタリング会社から利用者が信頼される必要があります。
そのため、あまりにも業績が悪いと審査に通過できないことがあります。
さらに、経営者や人として信頼されるために、以下の点も重要になります。
- 約束を守る
- 時間に遅れない
- 必要書類はもれなく速やかに用意する
- 言葉遣いは丁寧に
- 服装や髪型は清潔感を保つ
これらに注意して、ファクタリング会社からの信頼を獲得しましょう。
なお、事前に売掛先企業の同意を得て、売掛先企業が直接ファクタリング会社へ代金を支払う3社間ファクタリングは、利用者に対するリスクがないので利用者の業況が悪くても審査に通過できることがあります。
自社の業況に自信がない場合や、2社間ファクタリングの審査に落ちてしまった場合には3社間ファクタリングを利用することで審査に通過できる可能性があるでしょう。
ファクタリング会社を選ぶポイント
ファクタリングで成功するには、優良な会社を選ぶことが重要です。
ファクタリング会社を選ぶときは、以下のようなポイントに着目しましょう。
- 資金化までに必要な時間
- 希望調達額は買取可能額を満たしているか
- 窓口の対応
上記について、詳しく解説していきます。
資金化までに必要な時間
自社にとって、資金が必要なタイミングまでに資金化が間に合うかどうかは重要なポイントです。
審査の時間はファクタリング業者によってさまざまで、最短即日で資金化が可能な業者もあれば、1週間程かかる業者も存在します。
すべてのファクタリング会社が即日対応しているわけではないため、審査期間を確認せずに申し込んでしまうと、現金が必要なタイミングに間に合わなくなってしまうかもしれません。
そのため、どのくらいの期間で資金化できるかを確認して選ぶ必要があります。
希望調達額は買取可能額を満たしているか
ファクタリング会社は、買取下限額と買取上限額を設定しており、その範囲内でしか買取してもらえません。
たとえば、買取下限額が100万円に設定されている場合、50万円の売掛債権は買い取ってもらえません。
回収リスクを背負っているファクタリング会社にとって、買取下限額以下の金額ではリスクに対する報酬が小さいと見なされるためです。
ファクタリング会社によって1万円からの買取を行なっているところもあれば、100万円以上と決められているところもあります。
そのため、希望する調達金額が下限額と上限額に合っているかどうかは、ファクタリング会社を選ぶポイントとなります。
窓口の対応
ファクタリングでは大きな金額が動くため、担当窓口や電話での担当者の対応も重要な選考基準となります。
たとえば、以下の部分に気をつけて窓口対応を確認しましょう。
- サービス説明がわかりやすい
- 問い合わせ内容に対して濁さず明確に答えている
- 返信が早い
- 契約内容を正確に説明してくれる
あいまいな回答や不誠実な説明をされる場合は、違法な部分を隠すためにあえてはっきりしない対応をしている可能性があります。
不審な対応をされる場合には、違法な業者も疑いましょう。
ファクタリングの審査に必要な書類
ファクタリングを利用するときは、急いで資金調達が必要なケースが多いです。
急ぎの場面でスムーズな取引ができるよう、審査に必要な以下の書類等はすぐに用意できるように整えておきましょう。
- 法人登記簿謄本:自社が実在する会社である証明
- 身分証明書:申請者自身の証明
- 印鑑証明書
- 決算内容確認書類:2~3期分
- 売掛債権証明書類:請求書等売掛債権を証明できるもの
- 通帳:売掛先との入金記録確認
なお、ファクタリング会社によって必要とされる書類が異なるため、利用するファクタリング会社の準備物欄はあらかじめ確認してから申し込みましょう。
必要書類が少ないファクタリング会社は、本人確認書類、請求書、通帳のコピーの3点だけというところも多いので、スムーズに申し込みをしたい方は必要書類が少ないファクタリング会社を選びましょう。
ファクタリング利用の注意点
ファクタリングの利用時には、以下の点に注意してください。
- 手数料率は審査をしてみなければわからない
- 必ず内容を確認してから契約書を交わす
- 売掛金は必ず一括で送金しなければならない
上記を詳しく解説していきます。
手数料率は審査をしてみなければわからない
ファクタリング会社によって大まかな手数料率は設定されていますが、厳密な金額は審査をしてみなければわかりません。
また、ファクタリング会社によっても買取手数料は変わります。
そのため、急ぎで資金が必要な場合でも、複数のファクタリング会社から相見積りを取って比較検討した方が、低い手数料で資金調達できる可能性があります。
必ず内容を確認してから契約書を交わす
優良な業者であれば必ず契約書が存在します。
しかし、違法な業者は契約書を作成しなかったり、作成したとしても十分な説明がないまま押印だけを求められたりといったケースがあります。
契約書がない、もしくは契約内容を質問しても明確に答えない業者は、違法な契約を隠すためにあえて契約書を作成しないケースが考えられます。
契約書がないようなファクタリング会社とは取引しないようにしましょう。
また、契約書が存在していても手数料内訳や契約内容をあえてあいまいに記載している違法な業者も存在します。
契約書があるからとすぐに押印するのではなく、必ず内容を確認するようにしましょう。
売掛金は必ず一括で送金しなければならない
ファクタリングは融資ではないため、売掛金を回収したら必ずその日のうちにファクタリング会社へ送金しなければなりません。
違法な業者には、分割返済も可能とする業者がいます。
しかし、分割での返済は「貸金」に該当します。
ファクタリングは貸金業ではないため、分割返済は禁止行為です。
分割返済を可能としている業者はいわゆる闇金に該当するので、絶対に取引しないように注意しましょう。
3社間契約の場合は、ファクタリング会社に回収業務の代行までしてもらえるものの、2社間契約の場合は自社で売掛金を回収し、ファクタリング会社へ送金します。
売掛金は、必ず一括で送金しなければならない点に気をつけましょう。
違法な業者かどうかを見極めるポイント
金融機関とは違い、許可や認可が不要で営業できるファクタリングは参入障壁がないため、違法な業者も相当数混じっているのが実情です。
ファクタリングを利用する際には、違法な業者ではないことを見極めなければなりません。
ポイントは以下の通りです。
ポイント | 違法な業者の例 |
---|---|
会社情報は正しいかどうか | ・所在地が不明である ・代表者名や沿革が明記されていない |
手数料は適正かどうか | ・30%を超える手数料が請求される ・手数料以外の費用を請求される |
契約書があるかどうか | ・契約書がない
・契約書があっても説明がなく、押印のみ求められる |
返済方法は正しいか | ・分割返済が可能である(分割返済は貸金とみなされるため、優良な業者は一括返済のみの対応をとる) |
売掛債権の売買がされているか | ・保証人や担保を要求される ・給与ファクタリング(貸金業)を提案される |
違法な業者は「今すぐ現金化」「手軽に現金化」といった、甘い言葉を巧みに使って利用者を呼び込もうとします。
違法な業者との取引に応じてしまうと、高額な手数料を請求されたり悪質な取り立てをされたりと大きな損害を被るため、しっかりと見極めて取引をしましょう。
ファクタリングの違法性について
最短即日で資金調達ができるファクタリングなので、「ファクタリング=違法な取引」と考えている人もいるかもしれません。
しかし、ファクタリングは合法で違法性はありません。
ファクタリングとは、自社が持つ売掛債権を第3者(ファクタリング会社)に有料で売却するという法律上許される行為です。
ファクタリングに関する法律については「2社間契約」か「3社間契約」かによって準拠法が異なります。
3社間契約は消費貸借
3社間契約は、民法第466条の「将来債権の譲渡性」および第467条の「債権の譲渡の対抗要件」が適用されるといえます。
債権は、譲り渡すことができる。ただし、その性質がこれを許さないときは、この限りでない。
2 当事者が債権の譲渡を禁止し、又は制限する旨の意思表示(以下「譲渡制限の意思表示」という。)をしたときであっても、債権の譲渡は、その効力を妨げられない。
つまり、第466条では、売掛債権は同意のうえで自由に売買できる性質を持っているとされます。
しかし、第2項にあるとおり当事者間での売買は可能ですが、このままでは1つの売掛債権を複数のファクタリング会社に、同時に買い取ってもらうことまで可能となってしまいます。
そうした状況を防ぐために、以下第467条の「債権譲渡の抵抗要件」の定めにより、取引先への通知や承諾を得ることで第3者への対抗権を得ているのです。
債権の譲渡(現に発生していない債権の譲渡を含む。)は、譲渡人が債務者に通知をし、又は債務者が承諾をしなければ、債務者その他の第三者に対抗することができない。
2 前項の通知又は承諾は、確定日付のある証書によってしなければ、債務者以外の第三者に対抗することができない。
つまり、3社間契約は民法第466条および第467条によって合法な取引であるといえます。
2社間契約は売買契約
2社間契約には、民法第555条の「売買契約」が適用されるといえます。
売買は、当事者の一方がある財産権を相手方に移転することを約し、相手方がこれに対してその代金を支払うことを約することによって、その効力を生ずる。
2社間契約は、売掛先に通知や承諾を得る工程がないため「自由に売買できる性質を持つ債権をファクタリング会社に売却した」となります。
つまり、2社間契約は日常的な買い物同様に、民法第555条に則って売買可能といえます。
ファクタリングは弁護士法違反?
ファクタリングは弁護士法違反なのではないかという意見があります。
弁護士法第72条、73条では、弁護士以外のものが「業務」としての債権買い取ることや、訴訟や交渉などの債権回収に関する行為は禁止されています。
弁護士又は弁護士法人でない者は、報酬を得る目的で訴訟事件、非訟事件及び審査請求、再調査の請求、再審査請求等行政庁に対する不服申立事件その他一般の法律事件に関して鑑定、代理、仲裁若しくは和解その他の法律事務を取り扱い、又はこれらの周旋をすることを業とすることができない。ただし、この法律又は他の法律に別段の定めがある場合は、この限りでない。
引用:弁護士法第72条
72条では、弁護士ではないものが、報酬目的で法律事務(債権の場合には債務者の相談や裁判所への書類提出、債務者との交渉)を行ってはならないと明記されています。
何人も、他人の権利を譲り受けて、訴訟、調停、和解その他の手段によつて、その権利の実行をすることを業とすることができない。
引用:弁護士法第73条
73条では他人の権利を譲り受けて回収してはならないとされているため、ここだけ読むとファクタリングは確かに弁護士法違反と言えます。
しかし72条には「他の法律に別段の定めがある場合は、この限りでない。」と明記されています。
そして、「再建管理回収業における特別措置法」という法律では、特定金銭債権と呼ばれる、いわゆる金融機関が保有する不良債権の回収に関する行為については、サービサーと呼ばれる債権回収業者が債権回収することは認められています。
そして法務省は特定金銭債権について以下のように定義しています。
(1) 特定金銭債権の定義(取扱債権の範囲)
「特定金銭債権」とは次に掲げるものをいう。(2条1項関係)
<1> 金融機関等(金融機関の連合会、政府系機関、保険会社、貸金業者、政令で定めるものを含む。)の有する貸付債権
<2> 金融機関等の有していた貸付債権
<3> 金融機関等の貸付債権の担保権の目的となっている金銭債権
(中略)
<15> いわゆるファクタリング業者が有する金銭債権(その業務として買い取ったものに限る。)
引用:法務省|債権管理回収業に関する特別措置法の概要
ファクタリングは弁護士でも債権回収業者でもありませんが、特定金銭債権として法務省が「ファクタリング業者が有する金銭債権」と定義しているということは、国がファクタリングを認めているということです。
貸金業に該当する行為でない以上は、民法で定義された正当な行為であり、弁護士法違反には当たらないというのが一般的な解釈です。
給与ファクタリングは違法
通常のファクタリングに違法性はありませんが「給与ファクタリング」は違法です。
「ファクタリング」という文言を利用していますが、違法な業者が合法に見せるために使われているだけなので、惑わされないようにしましょう。
給与ファクタリングとは、個人が給与を対象にファクタリングを行なうサービスです。
仕組み自体は通常のファクタリングと同様ですが、売買対象が売掛債権ではなく給与となります。
つまり、給与の前借りのようなサービスです。
しかし、給料は労働基準法第24条において、労働者へ「直接支払」が義務付けられています。
賃金は、通貨で、直接労働者に、その全額を支払わなければならない。(後略)
つまり、給料は3社間ファクタリングのように、勤務先からファクタリング会社に支払うことは違法です。
さらに、個人における債権譲渡登記は、特例法の対象外となるため利用はできません。
金融庁も以下のように給料ファクタリングには注意喚起をおこなっています。
「給与ファクタリング」などと称して、業として、個人(労働者)が使用者に対して有する賃金債権を買い取って金銭を交付し、当該個人を通じて当該債権に係る資金の回収を行うことは、貸金業に該当します。
貸金業登録を受けていないヤミ金融業者により、年率換算すると数百~千数百%になる手数料を支払わされたり、大声での恫喝や勤務先への連絡といった私生活の平穏を害するような悪質な取立ての被害を受けたりする危険性があります。
また、高額な手数料を支払ってしまうと、本来受け取る賃金よりも少ない金額の金銭しか受け取れなくなるため、経済的生活がかえって悪化し、生活が破綻するおそれがあります。
ヤミ金融業者を絶対に利用しないでください。
引用:金融庁|ファクタリングの利用に関する注意喚起
金融庁は給料ファクタリングを取り扱う業者は「ヤミ金」であると断じています。
したがって、給与ファクタリングは絶対に利用しないようにしましょう。
ファクタリングと混合しやすいサービスの比較
ファクタリングは、ほかの資金調達方法とはどのような違いがあるのでしょうか。大まかに特徴をまとめると以下のようになります。
ファクタリング | 銀行融資 | 売掛債権担保融資(ABL) | 電子記録債権(でんさい) | POファイナンス | |
---|---|---|---|---|---|
調達方法 | 債権の売買 | 融資 | 融資 | でんさい割引 | 融資 |
業者 | ファクタリング会社 | 銀行 | 銀行 | でんさいネット | Tranzax電子債権株式会社 |
資金化までのスピード | 【2社間】最短即日
【3社間】数日~1週間 |
2週間~1カ月 | 2週間~1カ月 | 最短即日(でんさい割引のみ) | 2週間~1カ月 |
発生する手数料 | 【3社間】約5~20%
【2社間】通常ファクタリングの手数料プラス2~5% |
【借入金利】約2%(返済期間等によって変動) | 借入金利+手数料 | 220~800円(金融機関によって異なる) | 借入金利+手数料 |
各資金調達方法との違いを解説していきます。
銀行融資との違い
銀行融資は資金の「融資」であり、ファクタリングは売掛債権の「売買」です。
融資は利用者の決算状況や資金繰りなどの利用者の信用を審査します。
そのため赤字や債務超過や返済原資がない場合には融資をしてもらえない可能性も十分あり得ます。
一方で、ファクタリングは売掛債権の売買であるため、利用者の信用情報や決算内容はほとんど関係ありません。
ファクタリングが審査で重視するのは、あくまで売掛金の出金元である売掛先だからです。
2社間ファクタリングでは一度資金が利用者に経由するので、利用者の資金繰りがあまりにも悪い場合には審査に通過できないこともありますが、融資ほど厳格に利用者の審査はおこなわれません。
信用情報に自信がない、すでに別件で銀行融資を受けているからこれ以上受けられないといった事情がある場合は、ファクタリングを利用するといいでしょう。
売掛債権担保融資(ABL)との違い
売掛債権担保融資(ABL)は、売掛債権や在庫を担保とした「融資」であり、ファクタリングは売掛債権の「売買」です。
ABLは融資であるため、実際に融資を行なうのは銀行です。
そのため審査完了までに2週間~1カ月程かかりますが、安心して利用できると感じる人も多いでしょう。
注意点としては、ABLは、償還請求権のあるウィズリコースであることです。
万が一、取引先が倒産等で売掛金が回収できなくなったら、銀行へ弁済する必要があります。
しかし、ABLの方が金利が低いため、担保にする債権や在庫があり、時間的に余裕があるのであればABLを利用した方がよいでしょう。
電子記録債権(でんさい)との違い
電子記録債権(でんさい)とは、従来の手形を電子化して管理や支払いをデジタル化した決済方法です。
割引をすることで資金調達ができるものの、資金調達のみを目的としたファクタリングとは全く異なります。
割引によって資金調達ができるならどちらも同じでは?と思いがちですが、大きな違いは、電子記録債権は一般社団法人全国銀行協会が主催する「でんさいネット」に加入している企業でなければ利用できないことです。
一方ファクタリングは売掛債権を持ってさえいればすべての企業が利用可能です。
また、コストが非常に安い点もでんさいの大きな特徴です。
でんさいネットに加入しておらず、急いで資金が必要な時等はファクタリング。
自社・取引先ともにでんさいに加入しているなら、コストが安いでんさいを利用するといったように使い分けをすると良いでしょう。
POファイナンスとの違い
POファイナンスとは注文書(Purchase Order)を活用した資金調達方法です。
一般的にPOファイナンスは「注文書を担保とした融資」を指し、ファクタリングは「請求書の売買」です。
なお、注文書ファクタリングも「注文書の売買」です。
POファイナンスは受注段階で発生する注文書に基づく情報を電子記録債権化し、それを担保に金融機関から融資を受け取ります。
仕事の受注段階で資金化が可能な点は注文書ファクタリングと同じですが、融資か売買かどうかが大きな違いとなります。
信用情報に関係なく資金調達をしたいなら、通常のファクタリングもしくは注文書ファクタリングを利用しましょう。
おすすめのファクタリング会社10選
請求書ファクタリングと注文書ファクタリングの両方を取り扱っているおすすめのファクタリング会社は以下の10社です。
- ベストファクター
- ビートレーディング
- GMO B to B 早払い
- ネクストスタイル
- トップマネジメント
- けんせつくん
- PMG
- バイオン
- アクセルファクター
- ファクタリングのTRY
これらのファクタリング会社であれば、請求書ファクタリングだけでなく、注文書ファクタリングも一緒に利用できるので、自社に最も適した方法で資金を調達できます。
それぞれのファクタリング会社の特徴やメリット・デメリットやスペックについて詳しく解説していきます。
ベストファクター
種類 | 2社間ファクタリング 3社間ファクタリング |
調達可能金額 | 制限なし |
手数料 | 2%~ |
入金スピード | 最短即日 |
手続き方法 | 対面 |
公式サイトURL | https://bestfactor.jp/ |
ベストファクターは店舗型のファクタリング会社として担当者の対応がよいことで評判や口コミが良好な企業です。
顧客との面談を重視しており、顧客の財務状況などをしっかりと把握したうえで顧客にとって最適な資金調達方法を提案し、ファクタリングがベストだと判断された場合のみファクタリングを提案するので、無理にファクタリングを勧めるようなことはありません。
担当者には顧客の財務状況をしっかりと判断する知識や目利き能力があるので、審査の際には財務コンサルティングを受けられる点も大きな特徴です。
担当者と継続的な信頼関係や人間関係を構築したうえでファクタリングを利用したいという方にはベストファクターがおすすめです。
また、ベストファクターは注文書買取専門のサービスであるBESTPAY(ベストペイ)を運営しています。
BESTPAY(ベストペイ)はベストファクターと同じく、担当者が面談によって顧客の状況を適切に把握して、注文書の買取を行います。
最短即日入金にも対応しているため、急いで資金が必要な方にはおすすめです。
ビートレーディング
種類 | 2社間ファクタリング 3社間ファクタリング |
調達可能金額 | 制限なし |
手数料 | 2社間ファクタリング:4%~12% 3社間ファクタリング:2%~9% |
入金スピード | 最短2時間 |
手続き方法 | 対面・オンライン |
公式サイトURL | https://betrading.jp/ |
ビートレーディングは独立系ファクタリング会社として、最も高い知名度を誇る有名なファクタリング会社です。
累計取引社数5.2万社、累計買取額1,170億円を達成し、豊富な買取実績を誇ります。
メディアにも取り上げられることも多いファクタリング会社ですので、専門性の高い安心できる企業と取引したい方にはおすすめのファクタリング会社です。
店舗型のファクタリング会社ですので、契約には原則的に面談が必要になりますが、オンライン契約にも力を入れています。
オンラインで面談と面談ができるので、当日中にビートレーディングのオフィスへ訪問できない方でも即日資金調達が可能です。
ファクタリングの専門会社ですので、請求書買取だけでなく注文書のファクタリングにも対応しており、担当者の専門性が非常に高く、資金調達だけでなく、経営や財務内容そのものの相談を幅広くおこなえます。
GMO BtoB 早払い
種類 | 2社間ファクタリング 3社間ファクタリング |
調達可能金額 | 100万円〜 |
手数料 | 請求書買取:1.0%〜10.0% 注文書買取:2.0%〜12.0% |
入金スピード | 最短2営業日 |
手続き方法 | 対面・オンライン |
公式サイトURL | https://www.gmo-pg.com/lpc/hayabarai/ |
大手インターネットグループの GMO傘下のGMOペイメントゲートウェイが運営するファクタリングサービスが「GMO BtoB 早払い」です。GMOペイメントゲートウェイも東京プライム上場企業ですので、安心できる大きな企業とファクタリングの契約をしたい方には向いています。
GMO B to B 早払いの特徴は、1社につき1人の専任の担当者がつくという点です。
不明点やファクタリング以外の経営上の相談なども専任の担当者へ相談できるので、「オンライン完結型のファクタリング会社は誰に相談していいかわからない」という方に向いています。
また、1回きりの利用である「スポットタイプ」と、複数回継続的に利用する「継続タイプ」の2つのコースから選択でき、継続タイプを選択することによって手数料が低くなります。
継続的にファクタリングを利用したい方にはおすすめです。
ただしGMO BtoB 早払いは「すぐに少額の運転資金が必要」という方には不向きです。
- 利用できるのは法人のみ
- 買取額は100万円以上
- 入金まで最短2日
これらの条件がついているので、数十万円単位の少額をすぐに資金調達したい個人事業主などは利用できません。
時間的に余裕をもってある程度まとまった金額を調達したい法人は、ファクタリング会社として運営会社が最も大きいGMO BtoB 早払いを活用するとよいでしょう。
ネクストスタイル
種類 | 2社間ファクタリング 3社間ファクタリング |
調達可能金額 | 100万円〜 |
手数料 | 2%〜 |
入金スピード | 最短2営業日 |
手続き方法 | 対面・オンライン |
公式サイトURL | https://www.nextstyle-tokyo.com/ |
ネクストスタイルは注文書買取も請求書買取も取り扱う、オンライン完結型のファクタリング会社です。
注文書買取を取り扱う業者でオンライン完結の業者は非常に珍しく、「非対面で注文書を資金化したい」という方にネクストスタイルは向いています。
また、20万円の売掛債権から買い取っているので、少額の資金調達をしたい方にもおすすめのファクタリング会社です。
必要書類は注文書と入金が確認できる通帳の写しなどですので、少ない書類で審査を受けられます。
数十万円程度の少額の資金調達をしたい方、ファクタリング会社のオフィスまで訪問している時間がない方、急いで資金調達を希望する個人事業主の方などにネクストスタイルのファクタリングはおすすめです。
トップマネジメント
種類 | 2社間ファクタリング 3社間ファクタリング |
調達可能金額 | 制限なし |
手数料 | 0.5%~12.5% |
入金スピード | 最短即日 |
手続き方法 | 対面・オンライン |
公式サイトURL | https://top-management.co.jp/ |
トップマネジメントは総買取数が55,000件を超える老ファクタリング専門の会社です。
取り扱っているファクタリングの種類が豊富で、通常の買取ファクタリングの他にも以下のようなファクタリングを取り扱っています。
ファクタリング | 内容 |
---|---|
注文書ファクタリング | 発注段階の注文書を資金化 |
2.5社間ファクタリング | 決済用口座を利用者名義の信託口座として資金をトップマネジメントが管理することで、2社間でありながら低い手数料を実現 |
ゼロファク | 補助金申請と、補助事業に必要な前払い経費の調達をファクタリングで実施 |
このように、他社にはないユニークなファクタリングをいくつも取り扱っています。
通常の請求書買取の手数料は上限12.5%で、3社間ファクタリングに至っては上限3.5%と非常に低いコストで資金調達が可能です。
さまざまな方法でのファクタリングを用意しているため、売掛債権を利用して資金調達したいがどの方法が最適かわからないという方は、トップマネジメントへ相談してみるとよいでしょう。
けんせつくん
種類 | 2社間ファクタリング |
調達可能金額 | 制限なし |
手数料 | 5%~ |
入金スピード | 最短2時間 |
手続き方法 | オンライン |
公式サイトURL | https://xn--y8jd4aybzqd.jp/ |
けんせつ業専門のファクタリングサービスです。運営しているのはオンライン完結型のファクタリング会社として知られているウィットです。
ウィットは多くのサイトでも良好な口コミとともに掲載されることが多い独立系ファクタリング会社ですので、けんせつくんも安心して利用できるでしょう。
建設業は入金までのサイトが長いので、ファクタリング審査で最も不利になると言われる属性ですが、けんせつくんは、あえてその建設業にフォーカスしたファクタリング会社ですので、工期の長い注文書でお資金化できる可能性があるでしょう。
建設業は入金までの時間が長いので、多くの会社が工事を受注したら運転資金の確保に苦労しています。
けんせつくんであれば、工期が長い工事であっても資金調達できる可能性があります。
受注後に資金が足りない場合には、相談してみましょう。
PMG
種類 | 2社間ファクタリング 3社間ファクタリング |
調達可能金額 | 制限なし |
手数料 | 0.5%~12.5% |
入金スピード | 最短即日 |
手続き方法 | 対面・オンライン |
公式サイトURL |
PMGはファクタリングとコンサルティング業務をかなり幅広く取り扱っている店舗型のファクタリング会社です。
日本全国に支店や営業所を構えているのが特徴です。
東京本社の他、大阪と福岡に支社を持ち、札幌、仙台、千葉、さいため、横浜、名古屋、広島に営業所を持っています。
また、東京商工リサーチで「独立系ファクタリング会社売上NO1」にも認定されている非常に信頼できる会社です。
専門性が非常に高いので、さまざまなファクタリングサービスを実施しています。
明確に「注文書を買い取る」という記載はありませんが、ホームページには以下のように記載されています。
弁済責任はお客さまにはありませんのでご安心ください。ただ弊社が買取をした際の請求書や注文書などに偽造の要素が見られる場合はしかるべき措置を取らせて頂く場合もございます。
引用:PMG|よくある質問
このことから、注文書も買い取っていることがわかるので、取引先から発注があったらPMGに相談することで早期資金化できる可能性があります。
コンサルタントとしての評判も非常に高い会社ですので、知識レベルの高い担当者と取引したい方はPMGが向いています。
バイオン
種類 | 2社間ファクタリング |
調達可能金額 | 5万円〜 |
手数料 | 10% |
入金スピード | 最短60分 |
手続き方法 | オンライン |
公式サイトURL | https://ai-factoring.jp/ |
AIファクタリングの名称でオンライン完結型ファクタリングサービスを展開している会社です。
手数料は10%固定、入金まで最短60分なので低コストかつスピーディーに資金調達が可能です。
また、5万円から買取可能なので、小規模事業者も気軽に利用できます。
バイオンはホームページの作りが非常に丁寧で、ファクタリングの基礎知識や豊富なQ&Aなど、ファクタリングに対して不安を抱えている方の疑問や不安に丁寧に回答しているのが特徴的で、ネット上の口コミや評判も上々です。
必要書類には「発注書・注文書・契約書など売掛先と取引が確認できる書類」と明記されているため、注文書の買取も行ってくれることがわかります。
オンライン完結でスムーズに注文書ファクタリングを利用したい方は相談してみましょう。
アクセルファクター
種類 | 2社間ファクタリング 3社間ファクタリング |
調達可能金額 | 制限なし |
手数料 | 2%〜 |
入金スピード | 最短即日 |
手続き方法 | 対面・オンライン |
公式サイトURL | https://accelfacter.co.jp/ |
アクセルファクターは独立系の店舗型ファクタリング会社として、担当者の専門性が高く利用者からの口コミや評判もよい優良なファクタリング会社です。
国が指定する「認定経営革新等支援機関」に認定されており、中小企業支援のプロフェッショナルとしてファクタリングだけでなく、資金繰りや財務全体の相談をすることができます。
店舗型のファクタリング会社ですので、面談が必要になりますが、オンライン面談やオンライン契約にも力を入れており、利用者の約半分の人が即日の資金調達に成功しているとホームページに明記されています。
注文書ファクタリングという商品を広く取り扱っている訳ではありません。
しかしホームページには「将来債権(家賃や委託費)につきましては個別にご対応させて頂いておりますので、直接ご相談頂ければ幸いです。」と明記されているため、例えば、大口の発注が入った際に増加運転資金が不足するような場合は、トップマネジメントへ相談することで資金調達できる可能性があります。
国が中小企業支援の専門家として認定している信頼できるファクタリング会社ですので、資金繰り全体の相談をしたい場合などにも活用しましょう。
ファクタリングのTRY
種類 | 2社間ファクタリング 3社間ファクタリング |
調達可能金額 | 10万円〜500万円 |
手数料 | 3%〜 |
入金スピード | 最短即日 |
手続き方法 | 対面 |
公式サイトURL | https://www.factoring-try-sko.co.jp/ |
ファクタリングのTRYは対面で契約をおこなうファクタリング会社です。
利用可能額の上限は500万円と比較的少なめなので、小規模事業者向けのファクタリングサービスだといえるでしょう。
ファクタリングTRYの契約方法は対面と決められており、オンライン完結には対応しています。
顧客との面談によって顧客の経営状態や財務状況をしっかりと把握した上での審査を心がけている証拠だと言えるでしょう。
地方の企業でもTRYの担当者が日本全国に訪問するので、わざわざ東京の事務所まで訪問する必要はありません。
ファクタリングのTRYも明確に注文書買取を実施している旨の表現はありません。
しかしホームページには「契約書や発注書などがあれば売掛金の買い取りが可能なケースがあります。」と記載されているため、相談すれば注文書を買い取ってもらえる可能性があるでしょう。
ファクタリングについてよくある質問
ファクタリングについてよくある質問をご紹介していきます。
- 請求書ファクタリングと注文書ファクタリングを同時にできますか?
- 1社のファクタリング審査に落ちたら他社の審査にも通りませんか?
- ファクタリングの利用は個人信用情報に記録されますか?
- ファクタリングは個人でも利用できますか?
- 給料ファクタリングや領収書ファクタリングとはなんですか?
- 手数料の他にどんな費用がかかりますか?
ファクタリングついての疑問を解消した上で申込を検討しましょう。
請求書ファクタリングと注文書ファクタリングを同時にできますか?
1つの取引について請求書ファクタリングと注文書ファクタリングを同時に行うことはできません。
注文段階で注文書ファクタリングを利用しているのであれば、業務完了後に請求書を送付したとしても、すでにその売掛債権は注文段階でファクタリング会社へ売却しています。
別の会社へ請求書を売却すると二重譲渡になってしまうので絶対にやめましょう。
なお、別々の取引であれば請求書ファクタリングと注文書ファクタリングを同時に実施することは問題ありませんし、それぞれの売掛債権が「回収可能性が高い」と判断されれば審査に通過できる可能性は高くなるでしょう。
1社のファクタリング審査に落ちたら他社の審査にも通りませんか?
そのようなことはありません。1つのファクタリング会社の審査に落ちても別のファクタリング会社であれば審査に通過できる可能性もあります。
ファクタリング会社によって審査基準は異なりますし、手数料の高いファクタリング会社はより高いリスクを負うことができるので、手数料の低いファクタリング会社の審査に落ちても手数料の高いファクタリング会社であれば審査に通過できることがあるためです。
そのため、審査に落ちたら同じ売掛債権で別のファクタリング会社へ申込をしてみるとよいでしょう。
審査に自信がないのであれば、最初から複数のファクタリング会社へ申し込みをしてみることもおすすめです。
ただし手数料が20%を超える業者は悪徳業者の可能性が高いので、いくら審査に通過したとしても取引を避けた方がよいでしょう。
ファクタリングの利用は個人信用情報に記録されますか?
ファクタリングの利用は個人信用情報には記録されません。また決算書にも記録されません。
個人信用情報にアクセスしたり記録できるのは、信用情報機関に加盟している業者だけですが、ほとんどのファクタリング会社は信用情報機関に加盟していないためです。
そのため、ファクタリングを利用しても資金調達をおこなったことを外部に知られることはないですし、別の融資などの審査で不利になることもありません。
借入金を利用した場合には個人信用情報か決算書には記録され、外部からの評価が下がる可能性があるので、外部に秘密で資金調達したい場合には、ファクタリングがおすすめです。
ファクタリングは個人でも利用できますか?
個人事業主もファクタリングを利用できます。
ただし、法人に対する取り扱いしか行っていないファクタリング会社は多いので、個人事業主の方は利用するファクタリング会社をしっかりと選定しましょう。
給料ファクタリングや領収書ファクタリングとはなんですか?
給料ファクタリングとは、すでに労働を行い金額が確定しており給料日前で未払位の給料を業者へ売却して給料日前に早期資金化する方法です。
領収書ファクタリングとは、従業員が企業に対して立て替えて未精算の経費を業者へ売却して、早期に資金化する方法です。
いずれの方法も実質的には貸付であり、違法行為とされています。
給料ファクタリングも領収書ファクタリングも、取り扱っている業者は闇金ですので、絶対に取引しないようにしてください。
手数料の他にどんな費用がかかりますか?
ファクタリングでは手数料の他には費用はかかりません。
ファクタリングの手数料の中には、業務にかかるコストやファクタリング会社が背負うリスクに対するプレミアムなど、あらゆる経費が含まれていると考えられているためです。
また、手数料には消費税もかかりません。
そのため、手数料の他にも税金や費用を請求する業者は悪徳業者であると考えられるので、取引をしない方がよいでしょう。
なお、顧客が地方に所在している際に、特別に出張する際の旅費は請求されることがあります。
ファクタリングを有効に使って資金調達に選択肢を
ファクタリングは、売掛債権を売却して期日よりも早期に資金を得る資金調達方法です。
最短で即日に資金を調達できるため、中小企業を中心として資金繰りに寄与します。
また、審査対象は申込企業ではなく売掛先企業ですので、自社の決算状況や収支が悪くても優良企業に対する売掛債権さえ手元に保有していれば審査に通過できる可能性があります。
そのため、銀行融資の審査に通過できない場合の、資金調達手段としても重宝するでしょう。
ファクタリングは大きく「保証型」と「買取型」の2種類があり、一般的に知られるファクタリングは買取型です。
買取型の中でも、請求書ファクタリングと注文書ファクタリングは一般的なビジネスの場で使いやすい資金調達方法といえるでしょう。
資金の必要なタイミングや負担可能な手数料を考慮して、有効に使い分けることが重要です。