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事業者用のクレジットカードで借り入れできる?借り入れ可能なカードを5選紹介

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個人用のクレジットカードはほとんどの場合借り入れ(キャッシング)ができますが、法人や個人事業主といった事業者用のクレジットカードでも借り入れできるのでしょうか。

この記事では、事業者用のクレジットカードで借り入れできるものはあるのかなどを解説し、借り入れできる事業者用のおすすめクレジットカードを5選紹介します。

クレジットカードには個人用と事業者用がある

クレジットカードには、個人用のカードと事業者用のカードがあります。例えば、「三井住友カード」は個人用で、「三井住友ビジネスカード」は事業者用です。

個人用のクレジットカードは個人の名義で契約可能で、個人の支払いに使用できます。そして、事業者用のクレジットカードは法人や個人事業主等が契約可能で、事業にともなう支払いに使用できます。

個人用と事業者用のクレジットカードの主な違いは下表のとおりです。

相違点 個人用 事業者用
契約者
  • 個人
  • 法人
  • 法人の代表者
  • 個人事業主
支払口座
  • 個人の口座
  • 法人口座
  • 個人事業主が事業に使用している口座
支払方法
  • 一括払い・分割払い・リボ払いなど
  • 分割払いやリボ払いは利用できないこともある
限度額
  • 比較的低い
  • 比較的高い
追加カード
  • 家族が利用
  • 従業員が利用
追加カードの発行可能枚数
  • 比較的少ない
  • 比較的多い
付帯サービス
  • 個人向け
  • ビジネス向けのサービスもある

付帯サービスは、個人用のクレジットカードでは、例えば各種保険や空港ラウンジサービス、提携店舗での割引・優待などがあります。

そして、事業者用のクレジットカードでは、保険やラウンジサービスなどに加えて、会計ソフトとの連携や売掛金の回収サポートなど、ビジネス用の付帯サービスもあります。

事業者用のクレジットカードで借り入れできる?

個人用のクレジットカードはほとんどの場合借り入れ(キャッシング)できるのに対して、事業者用のクレジットカードはできないことが多いです。

特に、法人用のクレジットカードは、「UCコーポレートカード」など一部の例外を除き、借り入れできるカードはほとんどありません。

これは、法人は個人より借り入れ額が大きくなることが多いのに加えて、倒産などによって貸し倒れになる可能性があり、カード会社にとってリスクが大きいことなどが理由とされています。

個人事業主用のクレジットカードも借り入れ不可のものが多いですが、「三井住友カードビジネスオーナーズ」を始め、借り入れ可能なカードもいくつかあります

なお、個人用のクレジットカードで借り入れたお金は、事業資金としては使用できないことがほとんどです。

「キャッシング枠」があればクレジットカードで借り入れできる

クレジットカードで借り入れをするには、クレジットカードの「キャッシング機能」を使います

キャッシング機能とは、クレジットカードを使ってお金の借り入れができる機能のことです。キャッシング機能があれば、消費者金融などを利用しなくても、クレジットカードだけでお金を借りることができます。

なお、クレジットカードで借り入れできる限度額を「キャッシング枠」といいます。

【クレジットカードにキャッシング機能をつける方法】

クレジットカードの発行時または発行後に、申込みすればキャッシング機能をつけることができます。ただし、申込みの際は審査が行われ、審査に通らなければ利用できません。

【審査方法】

銀行融資や消費者金融などの審査と同様に、申込者の返済能力や信用情報などをもとに審査されます。

【提出書類】

クレジットカードのキャッシング枠の申込みでは、本人確認書類は必要ないこともあります。収入を証明する書類については、個人は源泉徴収票など、事業者は決算書や確定申告書などを提出することが多いです。

【キャッシング機能の使い方】

キャッシング機能の使い方は、消費者金融のカードローンなどとおおむね同じです。キャッシング枠の範囲内で好きな時に何度も借り入れができ、一括・分割・リボ払いなどの方法で返済します。

【キャッシング機能は付与しなくてもよい】

キャッシング機能をつけるかは自由であり、必要がないなら付与しなくても構いません。

例えば、キャッシング機能を使う予定がない場合や、機能があるとつい借り過ぎてしまう場合などでは、キャッシング機能をつけないままカードを使うことも可能です。

「キャッシング枠」と「ショッピング枠」の違い

クレジットカードで支払いや借り入れができる限度額には、「キャッシング枠」と「ショッピング枠」という2つの枠があります

キャッシング枠はクレジットカードで借り入れができる限度額、そしてショッピング枠はカード払いで買い物や支払いができる限度額です。借り入れができないクレジットカードでは、キャッシング枠はゼロでショッピング枠のみ設定されます。

キャッシング枠とショッピング枠の利用限度額の仕組み

キャッシング枠とショッピング枠は別々ではなく、ショッピング枠の中にキャッシング枠が含まれる形になっていますショッピング枠がショッピングとキャッシングができる総額で、ショッピング枠の一部をキャッシングにも利用できるという仕組みです。

例えば、ショッピング枠が50万円でキャッシング枠が10万円の場合、もし5万円借り入れすると、ショッピング枠が残り45万円、キャッシング枠が残り5万円となります。

ショッピング枠は、使った額が40万円以下なら、ショッピング枠が使った分だけ減り、キャッシング枠は10万円のままです。

そして、ショッピング枠を40万円超使った場合は、キャッシング枠の残りも減少します。例えば、ショッピング枠を45万円使うと、ショッピング枠の残りが5万円、キャッシング枠の残りも5万円となります。

キャッシングの利用枠の決まり方

キャッシングの利用枠は、消費者金融のカードローンなどとおおむね同じで、申込者の収入や信用によって決まります

法人や個人事業主向けの場合は、法人の財務状況や信用、個人事業の収益や安定性などが審査されます。また、法人代表者名義の法人カードの場合は、代表者個人の信用も審査対象となります。

【個人向けカードは総量規制が適用される】

個人向けクレジットカードでは、総量規制が適用されます。

総量規制とは、個人の借り入れは年収の3分の1までとするルールです。個人の借りすぎを防ぐなどの目的で、法律により規定されています。

総量規制は全ての借り入れの合計額に対して適用されるため、複数枚のカードで借り入れがある場合は、それらの合計が年収の3分の1までとなります。

法人や個人事業主向けのカードには、総量規制は適用されません。

【利用枠の増額と減額も可能】

一度設定されたキャッシング枠は、増額・減額することも可能です。増額は審査が必要ですが、減額は審査なしで行えます。

増額の審査は、申込み時点での収入や信用をもとに行われます。よって、収入が以前より減っていたり、他社のカードの借り入れが増えている場合などでは、審査に通らない可能性もあります。

「クレジットカードのキャッシング」と「カードローン」の違い

クレジットカードのキャッシングとカードローンは別なサービスですが、どちらもカードを使って借り入れするため、違いが分かりにくいこともあります。

クレジットカードのキャッシングは、ショッピングの支払いができるクレジットカードの付帯機能として、借り入れもできることです。一方、カードローンは借り入れ機能のみで、ショッピングの支払いはできません

具体例としては、「三井住友カード」や「JCBカード」などがクレジットカードで、「SMBCモビット」や「JCBカードローン FAITH」などがカードローンとなります。また、「アコム」や「アイフル」などの消費者金融もカードローンの一種です。

クレジットカードのキャッシングは、カードローンに比べて限度額が低く、金利が高い傾向があります。しかし、借り入れのために新たにカードを作らなくてもよいので、手軽に少額の借り入れをしたい時などに適しています。

クレジットカードで借り入れした後の返済の仕組み

クレジットカードで借り入れした後は返済する必要があるため、返済方法および返済額と返済期間の仕組みを理解することが大切です。

返済方法

クレジットカードで借り入れした後の主な返済方法は、ATM・口座振替・指定口座への振込などです。

どの返済方法が可能かはカードによって違うこともあるので、自身が使っているカードの返済方法を確認しましょう。

【ATM】

ATMは銀行などの金融機関を始め、コンビニATMでも返済できることが多いです。24時間利用可能なATMもあるので便利ですが、手数料がかかることがあるのが注意点です。

【口座振替】

口座振替は、自分の口座から自動で引き落とされる返済方法です。返済忘れの心配がないのがメリットですが、残高不足にならないように気をつける必要があります。

【指定口座への振込】

指定されたカード会社の口座に振り込む返済方法です。金融機関に振り込みに行く手間がかかりますが、近年はネットバンクが利用可能なことも多いです。

返済額と返済期間

クレジットカードの借り入れの返済額と返済期間は、一回払いかリボ払いか、およびリボ払いでどの返済方式を採用しているかによって変わってきます

借り入れには利息がかかるため、同じ額を借り入れしても、返済の仕方によって最終的に支払う総額が変わってくるのが注意点です。原則として、返済期間が短いほど利息の支払いが少なくなり、支払う総額も少なく済みます

一回払い

返済額を最小に抑えたい場合は、一回払いで返済するのが最善です。一度にまとめて返済すれば、利息がかかる期間が最小限で済みます。

ただし、無理して一回払いで返済すると、その後の資金繰りが苦しくなる可能性もあります。余裕資金で返済できる見込みがある場合に、一回払いを選択するとよいでしょう。

リボ払い

リボ払いとは、借り入れ金額にかかわらず、毎回一定の金額を返済する方法です。例えば、借り入れ額が10万円でも20万円でも、毎回1万円ずつ返済するといった仕組みになります。

リボ払いは、返済額が一定なので資金繰りの計画が立てやすいのが利点です。一方、借り入れ額が増えるほど返済期間が長くなり、利息の合計額が大きくなります

リボ払いの返済方式

リボ払いは毎回の返済額が一定の返済方法ですが、返済額のうちいくらを元金と利息に充当するかを決める方法(返済方式)に、いくつかの種類があります

よって、一口にリボ払いといっても、返済方式の違いによって、返済期間や最終的な支払額が変わってくることがあるのが注意点です。

リボ払いの主な返済方式には、「元利定額方式」と「元金定額方式」があります。また、毎回の返済額を決める方法として、多くの場合「残高スライド方式」が採用されます。

【元利定額方式】

元利定額方式は、元金と利息の合計額を一定にする返済方式です。例えば、毎回の返済額が1万円の場合、そのうちの9,000円を元金、1,000円を利息に充当するといったように返済します。

元利定額方式では、返済の初期は利息の充当額が多く、後半になるほど元金の充当額が増えていきます。よって、返済初期は元金が減りにくいのが注意点です。一方、返済額は毎回一定のため、返済計画は立てやすくなります。

【元金定額方式】

元金定額方式とは、元金の支払額を一定にしたうえで、そこに利息を上乗せした額を、毎回の返済額とする返済方式です。例えば、元金の返済額が毎回1万円で、そこに利息が1,000円上乗せされると、支払額は11,000円になります。

元金定額方式では、返済初期はまだ元金が大きいため利息も大きくなり、返済が進んで元金が減ると利息も減っていきます。そのため、毎回の返済額は完全に一定ではなく、初期のほうが返済額がやや大きくなります

返済額が一定ではないため返済計画を立てにくいのが注意点ですが、元金を毎回一定額返済するため、元利定額方式より返済期間は短くなる傾向があります。

【残高スライド方式】

リボ払いは借り入れ額にかかわらず毎回一定額を支払う返済方法ですが、実際は借り入れ額が増えると段階的に返済額が増える「残高スライド方式」を採用することが多いです。

残高スライド方式では、例えば元金の残高を10万円ごとなどに区切り、残高10万円以下なら返済額1万円、10万円から20万円なら返済額2万円のように、段階的に返済額が増えていきます。

残高スライド方式は、通常は元利定額方式または元金定額方式と組み合わせて使われます。

例えば、毎回の返済額は残高スライド方式で決めたうえで、元金と利息の内訳を元利定額方式で決める場合は、「残高スライド元利定額方式」などと呼ばれます。

クレジットカードで借り入れするメリット

クレジットカードでの借り入れには、以下のようなメリットがあります。メリットを活かしてクレジットカードの借り入れを利用することが大切です。

  • 手軽に利用できる
  • 急な出費の備えができる
  • 海外で現地通貨のキャッシングも可能

手軽に利用できる

クレジットカードの借り入れは、他の借り入れ手段に比べて手軽に利用できるのがメリットです。普段支払いに使っているクレジットカードで、ATMなどからいつでも借り入れできます。

また、申込み手続きが簡単で、担保や保証人が不要なのも利点です。手続きが早いので、申込みから最短即日での借り入れも可能となっています。

申込みはネットや電話などからいつでも行うことができ、提出書類は年収を証明する書類のみでよいことが多いです。

使途が原則自由なのも便利な点で、個人用クレジットカードなら個人の生活費や遊興費など、事業者用なら仕入や買掛金の支払いなど、その時々で必要な費用に利用できます。

急な出費の備えができる

急な出費の備えができるのも、クレジットカードの借り入れの便利な点です。

今すぐ借り入れする必要がなくても、クレジットカードのキャッシング枠を作っておけば、トラブルなどで急な出費が発生した時に対応できます。

海外で現地通貨のキャッシングも可能

クレジットカードのキャッシングは、海外で現地通貨の借り入れができることが多いです。近くに両替所がない時でも、クレジットカードで現地通貨を調達できます。

両替所よりコストが安く済む場合がある

クレジットカードで現地通貨の借り入れをして帰国後すぐに返済すると、両替所を利用した場合より手数料が安くなる場合があるのも利点です。

例えば、手数料が1ドルあたり2円の両替所で1,000ドル(約15万円)を両替すると、手数料は2,000円となります。

一方、年利18%のキャッシングで1,000ドル借り入れして、10日後に帰国して一括返済したとすると、利息は約740円となり、両替所を利用した場合より安く済みます。

クレジットカードで借り入れする際の注意点

クレジットカードで借り入れするのはメリットもある一方、注意しておきたい点もあります。以下のような点に注意して、クレジットカードでの借り入れを有効活用しましょう。

  • 金利が比較的高いので計画的に利用する
  • 借り入れした分ショッピング枠が減る
  • キャッシングではポイントはつかない
  • 「クレジットカード現金化」は規約違反なので利用しない

金利が比較的高いので計画的に利用する

クレジットカードで借り入れすると、最大で年利18%程度の金利がかかります。これは銀行融資を始めとする他の借り入れ手段より高い傾向があるので、計画的に利用することが大切です。

例えば、年利18%で10万円借り入れした場合、利息は1ヵ月で約1,480円、1年だと18,000円になります。借り入れ額が増えて返済期間が長引くと、利息の支払いが資金繰りを圧迫してしまう可能性もあります。

また、もし返済が遅延すると、遅れた日数分は通常の金利より高い「遅延損害金」が適用されるのも注意点です。

クレジットカードの借り入れを計画的に利用するには、以下のような点を意識することが大切になります。

  • 借り入れ額は必要最低限に抑える
  • 収入と支出から無理なく返済できる額を見積もる
  • 削減できる支出がないか検討する
  • 複数の借り入れがある場合は金利が高いものを優先的に返済する

クレジットカード会社の公式サイトには、多くの場合簡易的な返済シミュレーションがあります。クレジットカードで借り入れする前に、返済シミュレーションでおおまかな返済のイメージをつかんでおくのもおすすめです。

借り入れした分ショッピング枠が減る

前章でも解説したように、クレジットカードのキャッシング枠は、ショッピング枠の中に含まれる形になっています。そのため、クレジットカードで借り入れすると、その分ショッピング枠が減るのが注意点です。

例えば、ショッピング枠が50万円で10万円借り入れすると、残りのショッピング枠は40万円になります。ショッピング枠をぎりぎりまで使うことが多い場合、借り入れによってショッピング枠が足りなくなる可能性もあるので注意しましょう。

キャッシングではポイントはつかない

クレジットカードで買い物や支払いをすると、多くの場合ポイントやマイルがつきます。一方、キャッシングではつかないことがほとんどです。

ただし、期間限定のキャンペーンなどでポイントがつくこともあるので、利用しているカードの公式サイトなどで情報をチェックしておくと、お得になることもあります。

例えば、以下のようなキャンペーンが行われていることがあります。

  • キャッシング枠新規登録でポイントプレゼント
  • キャッシングを利用すると抽選でポイントプレゼント
  • 一定額以上のキャッシング利用でポイントプレゼント

「クレジットカード現金化」は規約違反なので利用しない

ショッピング枠を現金化できる「クレジットカード現金化」というサービスがありますが、これはカードの規約違反なので利用しないようにしましょう

クレジットカード現金化とは、ショッピング枠で業者が指定する買い物をして、それを売却したり、キャッシュバックなどの名目で現金を得るサービスです。

クレジットカード現金化を使えば、キャッシング枠を使い切って借り入れができない時でも、ショッピング枠が残っていれば現金を得ることができます。

しかし、クレジットカード現金化は手数料が高く、金利に換算すると法律の上限を大きく超えることが多いです。よって、資金繰りが苦しいからといって安易にクレジットカード現金化を利用すると、かえって状況が悪くなることがほとんどです。

他にも、カード会社からペナルティを受けたり、詐欺などのトラブルに巻き込まれる恐れもあります

バレるとペナルティを受ける可能性がある

クレジットカード現金化の利用はカード会社にバレないこともあるといわれていますが、もしバレると強制退会などのペナルティを受ける可能性があります

強制退会の事実は、信用情報機関の信用情報に登録されるのも注意点です。

カードを作ったりローンを組む際、金融機関は信用情報機関の信用情報を照会します。よって、クレジットカード現金化がバレて強制退会になると、そのカードが使えなくなるだけでなく、他のほぼ全てのカードやローンの利用が難しくなってしまいます。

トラブルに巻き込まれる恐れがある

クレジットカード現金化業者は、ヤミ金融を始めとする悪質業者が多いといわれています。犯罪被害などのトラブルに巻き込まれる恐れもあるため、絶対に利用しないようにしましょう。

例えば、利用者から取得した個人情報を利用して詐欺を行ったり、商品の購入だけさせて現金を入金しないといった事例があるといわれています。

事業者用のクレジットカードを作るメリット

前の章でも解説したように、事業者用のクレジットカードは、個人用と違い多くの場合借り入れはできません。

しかし、それ以外のメリットも大きいため、たとえ借り入れできなくても、事業者用のクレジットカードを持つことは有益です。

事業者用のクレジットカードの主なメリットには、以下のようなものがあります。

  • 経理業務を効率化できる
  • 何にいくら支払っているか把握しやすくなる
  • 支払いを一か月ほど後回しにできる
  • 付帯サービスを利用できる

経理業務を効率化できる

事業者用のクレジットカードを使うと、経理業務を効率化できます。

多くの事業者用クレジットカードでは、支払明細と経理・会計ソフトの連携が可能です。支払いがソフトに自動で入力・仕訳されるので、経理の業務効率化になるとともに、入力ミスなどのエラーを削減できます。

従業員用の追加カードを利用すると、従業員の支払いも自動でソフトに取り込まれます。立替払いの清算や、紙の領収書の提出・収集などの作業が不要になり、経理以外の従業員の業務効率化にもなります。

何にいくら支払っているか把握しやすくなる

事業者用のクレジットカードを使うと、何にいくら支払っているかが把握しやすくなります。これにより、従業員の不正防止や、支払いの明確化などの効果が期待できます

従業員の不正防止

従業員が経費を立て替え払いすると、水増し請求などの不正が行われる可能性があります。一方、従業員用のクレジットカードを使えば、支払いが明確になるため不正が起こりにくくなります

また、従業員用のカードの中には、特定の支払い以外に利用できないよう設定できるものもあります。こういったカードを使えば、不正をさらに防ぐことが可能です。

個人事業主の支払いの明確化

個人事業主は、事業用の資金を個人的な生活費などに充てるなど、個人の支払いと事業の支払いが混同していることが多いです。これ自体は違反ではありませんが、帳簿の作成が煩雑になり、事業の資金繰り状況が分かりにくくなるといった弊害もあります。

そこで、個人事業主用のクレジットカードを使って事業の支払いを一本化すると、個人の支払いと事業の支払いを明確に区別できて便利です。

支払いを一か月ほど後回しにできる

経費を事業者用のクレジットカードで支払うと、実際の支払いは翌月のカードの支払日になります。そのため、現金払いや銀行振込などに比べて、支払いを一か月ほど後回しにすることができます

一般に、売掛金などの回収はできるだけ早くして、逆にこちらの支払いはできるだけ遅くしたほうが、手元の現金が残るため望ましいといわれています(キャッシュフローの改善)。

事業者用のクレジットカードは、キャッシュフローの改善効果も期待できるのがメリットです。

付帯サービスを利用できる

事業者用のクレジットカードを持つと、事業者向けのさまざまな付帯サービスが受けられます

個人向けクレジットカードの付帯サービスと同じものもありますが、それらに加えて事業に役立つサービスも受けられるのが特徴です。

事業者用クレジットカードの主な付帯サービスには、以下のようなものがあります。

  • ポイント・マイルの付与
  • 空港ラウンジの利用
  • カードで支払った商品の盗難などの補償(ショッピング保険)
  • 現地でケガや病気になった時の補償(傷害保険)
  • カードやパスポートなどを紛失した時の補償(傷害保険)
  • 航空券や海外ホテルなどの予約サービス
  • 会計ソフトとの連携

付帯サービスは、年会費が高いカードやグレードの高いカード(ゴールドカードやプラチナカード)ほど、充実している傾向があります。年会費の安さを重視するか、付帯サービスを重視するかによって、自身に合うカードを選びましょう。

事業者用のクレジットカードを作る際の注意点

事業者用のクレジットカードはメリットが多いですが、以下のような注意点もあります。注意点も踏まえたうえで、カードを有効活用することが大切です。

  • 年会費などのコストがかかる
  • 分割払いやリボ払いはできないことが多い
  • 従業員の不正利用に注意する

年会費などのコストがかかる

事業者用のクレジットカードを作ると、多くの場合年会費などのコストがかかります

年会費が無料のカードもありますが、他にも以下のようなコストがかかることもあるため、利用するカードの手数料体系を確認しておくことが大切です。

  • 発行手数料
  • 追加カードやETCカードの発行手数料
  • 追加カードの年会費
  • 外貨決済時の手数料

なお、原則として年会費が有料のカードでも、初年度のみ無料、または一定額以上の利用で翌年無料になるものもあります。

分割払いやリボ払いはできないことが多い

個人用のクレジットカードはほとんどの場合分割払いやリボ払いができるのに対して、事業者用のクレジットカードは一括払いのみのことが多いです。

事業者は個人より支払いが高額になることが多いため、分割払いやリボ払いはカード会社にとってリスクが大きいことなどが理由とされています。

ただし、「三井住友カードビジネスオーナーズ」や「オリコEX Gold for Biz」など、分割払いやリボ払いが可能な事業者用カードも一部存在します

従業員の不正利用に注意する

従業員用の追加カードを使う場合は、不正利用に注意する必要があります。私的な支払いに流用したり、領収書の改ざんなどの不正が起こらないように、ガバナンスを徹底することが大切です。

従業員に悪意がなくても、経費にならないものをうっかりカードで払ってしまうなどのミスが起こることもあります。よって、従業員用カードを支給する際は、どの支払いに使ってもよいか説明することが大切です。

第三者の不正利用にも注意

紛失や情報漏洩などによって、第三者に不正利用される可能性もあります。カードの貸し出しや返却、および管理の徹底や、フィッシング詐欺に遭わないように指導するなどの対策が重要です。

むやみなカード発行は避ける

従業員用の追加カードは便利ですが、むやみに発行しすぎると管理が難しくなり、不正利用のリスクが増す恐れがあります。よって、追加カードは使途や限度額を明確にしたうえで、必要十分な枚数を発行することが大切です。

借り入れができる個人事業主用クレジットカード5選

事業者用のクレジットカードは借り入れ不可のことが多いですが、個人事業主用のカードの中には借り入れ可能なものもあります

ここでは、借り入れができる個人事業主用クレジットカードとして、以下の5選を紹介します。

  • 三井住友カードビジネスオーナーズ
  • ライフカードビジネスライトプラス
  • JCB Biz ONE
  • セゾンコバルト・ビジネス・アメリカン・エキスプレス(R)・カード
  • しんきんビジネスカード(個人事業主専用)Visa

三井住友カードビジネスオーナーズ

三井住友カードビジネスオーナーズ

三井住友カードビジネスオーナーズは、個人事業主と法人代表者向けのクレジットカードです。

三井住友カードビジネスオーナーズは、キャッシング枠の設定が可能です。ショッピング枠が最大500万円で、この枠内でキャッシング枠を設定できます。分割払いやリボ払いも可能で、使い勝手の良いカードだといえます。

なお、同じく個人事業主向けのカードである「三井住友ビジネスカード for Owners」もキャッシング枠の設定が可能で、中小企業向けの「三井住友ビジネスカード」も海外キャッシングのみ可能です。

三井住友カードビジネスオーナーズのランクは「一般」と「ゴールド」があり、一般は年会費永年無料、ゴールドも年間100万円以上の利用で無料になります。

従業員向けのパートナーカードは最大18枚まで発行可能で、多くの個人事業主にとって十分な枚数だと考えられます。

また、カード払い非対応の取引先への支払いをカード払いに変更できる、「請求書カード払い」サービスが利用できるのも便利な点です。

付帯保険は、一般カードは海外旅行のみ対応で、国内旅行とショッピング補償はつかないのが注意点です(ゴールドはあり)。

「選べる無料保険」

一般カードの付帯保険は初期設定では海外旅行傷害保険のみですが、「選べる無料保険」サービスを利用すれば別の保険に変更可能です。

選べる無料保険では、海外旅行傷害保険を、交通事故の入院費補償や、トラブル時の弁護士費用の補償などに変更できます。

普段海外に行かない方や、別の海外旅行傷害保険に入っている方などは、保険を変更したほうが有益です。

なお、保険を変更すると、海外旅行傷害保険は利用できなくなります。

【三井住友カードビジネスオーナーズ(一般カード)の基本情報】

国際ブランド
  • Visa
  • Mastercard
年会費
  • 無料
利用限度額
  • 最大500万円
  • 分割・リボ払いは200万円まで
追加カード
  • 18枚まで
ポイント還元
  • 200円につき1ポイント
  • 条件により最大3ポイント

ライフカードビジネスライトプラス

ライフカードビジネスライトプラス

ライフカードビジネスライトプラスは、個人事業主と法人代表者向けのクレジットカードです。ショッピング枠が最大500万円で、この枠内でキャッシング枠をつけることができます。

なお、法人向けの「ライフカードビジネスプラス」は、キャッシング不可となっています。

ライフカードビジネスライトプラスのランクは「スタンダード」と「ゴールド」の2つで、スタンダードは年会費無料、ゴールドは初年度無料で2年目以降は2,200円です。

分割・リボ払い対応で会計ソフトとの連携も可能と、使いやすいサービス内容となっています。

総じて良いカードですが、従業員用の追加カードが3枚までしか発行できないのは注意点です。また、スタンダードでは旅行傷害保険がつかないのも留意点といえます(ゴールドは付帯)。

【ライフカードビジネスライトプラス(スタンダード)の基本情報】

国際ブランド
  • Visa
  • Mastercard
  • JCB
年会費
  • 無料
利用限度額
  • 最大500万円
追加カード
  • 3枚まで
ポイント還元
  • 1,000円につき1ポイント
  • 条件によりポイントアップあり

JCB Biz ONE

JCB Biz ONE

JCB Biz ONEは、個人事業主と法人代表者用のJCBカードです。ショッピング枠の限度額は500万円で、この範囲内でキャッシング枠を設定できます。

ランクは「一般」と「ゴールド」の2つで、一般は年会費無料、ゴールドは5,500円です。ただし、ゴールドの年会費は初年度無料なのに加えて、年間100万円以上の利用で翌年度も無料となります。

JCB Biz ONEは、「弥生会計」などのクラウド会計ソフトとの連携や、JCB会員向けの資金管理ポータル「Cashmap」などが利用可能で、事業をサポートするサービスが充実しています。

また、申込みから最短5分でアプリでカード番号を発行可能という、手軽さも強みの一つです。

一方、付帯サービスはあまり充実していないのが注意点です。旅行保険は国内・海外ともに非対応で、ラウンジ利用やショッピング保険はゴールドのみ付帯となります。

また、追加カードは発行できず、ETCカードが1枚のみ発行可能です。

JCB Biz ONEは、シンプルな機能のカードを手軽に発行したい方などに向いているといえます

【JCB Biz ONE(一般)の基本情報】

国際ブランド
  • JCB
年会費
  • 無料
利用限度額
  • 最大500万円
追加カード
  • なし
ポイント還元
  • 1,000円につき2ポイント(1ポイント3円~5円程度相当)
  • 優待店での利用はポイントアップあり

セゾンコバルト・ビジネス・アメリカン・エキスプレス(R)・カード

セゾンコバルト・ビジネス・アメリカン・エキスプレス(R)・カード

セゾンコバルト・ビジネス・アメリカン・エキスプレス(R)・カード(以下「コバルト」と略)は、個人事業主や法人代表者向けのAMEXカードです。年会費は無料で、キャッシング機能を利用できます。

また、年会費有料(33,000円)で付帯サービスなどが充実している「セゾンコバルト・ビジネス・アメリカン・エキスプレス(R)・カード」(以下「プラチナ」と略)も、キャッシングを利用可能です。

コバルト、プラチナともに追加カードは9枚まで、ETCカードは5枚まで発行可能となっています。

付帯サービスは、旅行保険や空港ラウンジ利用等はプラチナのみで、コバルトには付帯していません。

コバルトは付帯サービスは少ないですが、低コストでシンプルな機能のAMEXカードを持ちたい方などにおすすめです。

【セゾンコバルト・ビジネス・アメリカン・エキスプレス(R)・カードの基本情報】

国際ブランド
  • AMEX
年会費
  • 無料
利用限度額
  • 30万円~500万円
追加カード
  • 9枚まで
ポイント還元
  • 1,000円につき1ポイント(最大5円相当)
  • 加盟店での利用等でポイントアップ

しんきんビジネスカード(個人事業主専用)Visa

しんきんビジネスカード(個人事業主専用)Visa

しんきんビジネスカード(個人事業主専用)Visa(以下「個人事業主専用Visa」と略)は、個人事業主用のしんきんカードです。国内および海外キャッシングが利用可能となっています。

また、法人用の「しんきんビジネスカード一般Visa」でも、海外キャッシングのみ利用可能です。

個人事業主専用Visaは、ショッピング枠が80万円まで、キャッシング枠が50万円までと、限度枠が少ないのが注意点です。また、年会費も1,375円かかります。

しかし、追加カードが発行可能で、旅行保険やショッピング保険もついているので、小規模な個人事業主がキャッシング可能なビジネスカードを持ちたい時におすすめです。

【しんきんビジネスカード(個人事業主専用)Visaの基本情報】

国際ブランド
  • Visa
年会費
  • 【本会員】税込1,375円
  • 【パートナーカード】1名につき税込440円
利用限度額
  • 20万円~80万円
  • キャッシングは50万円まで
追加カード
  • 発行可能
  • 枚数は要問合せ
ポイント還元
  • 1,000円につき2ポイント(1ポイント5円程度相当)

借り入れせずに資金調達できる「ファクタリング」もおすすめ

クレジットカードで借り入れできるのは便利ですが、借金であるため金利をつけて返済しなければなりません。

無計画に利用してしまうと返済が苦しくなる可能性もあるため、借り入れ以外の資金調達方法を検討することも大切です。

借り入れせずに資金調達できる手段の一つとして、「ファクタリング」というサービスがあります。

ファクタリングとは、売掛債権を支払期日前にファクタリング会社に譲渡して、譲渡代金を受け取るサービスです。売掛金を受け取るタイミングを前倒しにすることで、借り入れせずに手元の現金を増やすことができます。

ファクタリングは売掛債権の信用を中心に審査されるため、借り入れと違い利用者の信用が低くても利用できるのが特徴です。また、借り入れではないため、信用情報に影響がないのもメリットだといえます。

一方、手数料がかかることや、売掛金を一括でファクタリング会社に振込む必要があることなどは注意点です。

借り入れとファクタリングはそれぞれメリットと注意点がありますが、両者を適切に使い分けることでより良い資金繰りを実現できます。

まとめ

事業者用のクレジットカードは借り入れできないことが多いですが、個人事業主向けのカードは一部可能なものもあります。借り入れが可能だと、急な出費への備えができるのに加えて、海外で現地通貨の借り入れもできて便利です。

また、事業者用のクレジットカードは経理業務の効率化などのメリットが大きいので、たとえ借り入れできないカードでも保有することは有益です。

事業者用のクレジットカード、およびカードでの借り入れを有効活用して、事業の資金繰りや業務効率化などに役立てましょう。

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