「借入ではない」「ブラックOK」などの触れ込みで見かけることがある個人給料のファクタリングは、違法なため利用してはいけません。
この記事では、個人給料のファクタリングの違法性や利用すべきでない理由、合法な売掛債権ファクタリングとの違いなどを解説します。
また、個人給料のファクタリングでトラブルになってしまった時の相談先や、個人が利用できる合法で安全な資金調達手段もあわせて解説します。
そもそもファクタリングとは?
ファクタリングとは、事業者が保有する売掛債権を、ファクタリング業者に売却する資金調達方法です。単に「ファクタリング」と言う時は、通常は売掛債権のファクタリングを意味します。
ファクタリングを利用すれば、売掛金が支払われる前にファクタリング業者から代金を受け取ることができ、前倒しで売掛債権を現金化できます。
一方、売掛債権はファクタリング業者に譲渡されるため、売掛金はファクタリング業者が受け取ることになるのが注意点です。また、売却手数料が1%から15%程度引かれます。
ファクタリングは売掛債権の売却であって、借入れではないのが特徴です。返済の必要がないため、返済能力が低く融資の審査に通らない事業者でも利用できます。
また、売掛債権をファクタリング業者へ譲渡するため、ファクタリング利用者は売掛金の未払いリスクを手放せるのもメリットです。もし売掛金が未払いになった場合、その損失は売掛債権を保有しているファクタリング業者が負います。
事業者間の売掛債権ファクタリングは違法ではない
民法では、債権は原則として譲渡してもよいと定められています。売掛債権ファクタリングはこの規定にもとづいた取引のため、違法性はありません。
売掛債権ファクタリングは違法でないだけでなく、国が利用を推進している資金調達手段でもあります。
中小企業の資金調達手段が融資に依存しすぎている現状を改善する方策の一つとして、国は売掛債権ファクタリングを利用しやすい法整備などを行っています。
個人給料のファクタリングとは
個人給料のファクタリングとは、売掛債権ファクタリングと同様の手法で、個人給料をファクタリングすることです。個人給料を債権の一種とみなし、これを給与ファクタリング業者に売却して現金化します。
売掛債権ファクタリングと同様、給料日前に現金を得られる代わりに、個人給料を受け取る権利は給与ファクタリング業者に譲渡されます。一定の手数料が引かれるなどの点も、売掛債権ファクタリングと同様です。
なお、個人給料のファクタリングは、「給与ファクタリング」または「給料ファクタリング」と呼ばれるのが一般的です。
個人給料のファクタリング利用の流れ
個人給料のファクタリングの利用の流れは以下のとおりです。これは、売掛債権のファクタリングでいう「2社間ファクタリング」と同様の流れになります。
- ファクタリング業者に問い合わせて申込みする
- 審査を受ける
- 審査に通ったらファクタリングの契約を締結する
- 給料の額面から手数料が引かれた額が業者から振込まれる
- 給料日が来たら給料を業者に支払う
個人給料のファクタリングは違法なので注意
個人給料のファクタリングは、一見売掛債権ファクタリングと同様のサービスに見えますが、裁判によって債権の売却ではなく貸金業に該当すると判決が出ています。
よって、貸金業登録をしていない業者が個人給料のファクタリングを行うと、貸金業を無許可で営業するいわゆる「ヤミ金融」に該当する違法行為となります。
個人給料のファクタリングが違法な理由
個人給料は債権の一種ではありますが、労働基準法により「労働者に直接支払わなければならない」と定められています。一方、売掛債権にはこのような縛りはありません。
この違いにより、売掛債権のファクタリング業者は売掛先から直接支払いを受けられるのに対して、給与ファクタリング業者は給与ファクタリング利用者の勤務先から個人給料を直接受け取ることができません。
こういった違いが、売掛債権ファクタリングはあくまで債権譲渡であって貸金業ではないのに対して、個人給料のファクタリングは貸金業に該当すると判断されました。
個人給料のファクタリングが貸金業であるということは、その手数料は事実上貸付の金利ということになります。
手数料を金利とみなして年利を計算すると、ほとんどの業者で貸金業法および利息制限法の上限(最大年20%)を超えており、これらの法律に違反しています。また、総量規制の対象外となっているのも問題点です。
実態はヤミ金融の隠れみの
結局のところ、個人給料のファクタリングの多くはヤミ金融の隠れみのであり、利用すると違法な高金利でかえって資金繰りが苦しくなる恐れがあります。
売掛債権のファクタリングは合法で国も利用を推進しているが、個人給料のファクタリングは違法なヤミ金融の一種です。同じ「ファクタリング」という名前がついていても、両者は全く別物であることを理解するのが重要だといえます。
違法でないか見分けるポイント
個人給料のファクタリング業者が、違法でないか見分けるポイントは以下のとおりです。
- 貸金業登録をしている
- 金利が貸金業法、利息制限法の範囲内(最大で年利20%)
- 契約が債権譲渡契約ではなく金銭消費貸借契約である
これらの条件を満たすということは、結局のところ正規の貸金業者であるということです。
個人給料のファクタリングは貸金業にあたると判決が出ているので、「借入ではない」「ブラックOK」などと謳っている業者は違法業者の可能性が高いといえます。
個人給料のファクタリングが広まった背景
個人給料のファクタリングは、2010年代後半から2021年ごろにかけて広まりました。
個人給料のファクタリングが広まった背景には、借入ではないという謳い文句によって、借入ができない人でも利用しやすかった点があげられます。
個人給料のファクタリングは借入ではないとされていたため、借入に比べて以下のような利点がありました。
- 勤務先にバレない(在籍確認を行わない)
- 多重債務やブラックでも審査に通る(信用情報を照会しない)
- 総量規制の対象外
このため、多重債務で正規の消費者金融から借りられない人などが、個人給料のファクタリングに流れたと考えられます。
さらに、増税、物価高、コロナ禍などでお金が足りない人が増加したことも、利用に拍車をかけた面があるといえます。
個人給料のファクタリングでトラブルが起きた時の相談先
もし個人給料のファクタリングを利用してしまってトラブルが起きた時は、自分だけで解決しようとせず適切な相談先に相談することが大切です。
個人給料のファクタリングでトラブルが起きた時の主な相談先には、以下のようなものがあります。
- 消費者生活センター
- 金融サービス利用者相談室
- 貸金業相談・紛争解決センター
- 弁護士・司法書士
- 警察
消費者生活センター
消費生活センターとは、消費者からの相談や暮らしに役立つ情報提供などを通して消費者をサポートする、自治体が設置している機関です。
個人給料のファクタリングで生じたトラブルについても、消費生活センターで相談できます。
料金は無料で、専門の相談員によるアドバイスを受けられます。場合によっては、消費生活センターがトラブルに介入して交渉する「あっせん」を行うこともあります。
どの消費生活センターに相談したらいいか分からない場合は、電話番号「188」の「消費者ホットライン」に相談すれば、最寄りの消費生活センタ―を紹介してくれます。
なお、自治体によって「消費生活支援センター」「生活センター」など、機関の名称が違っていることがあるので注意しましょう。
【相談先】
都道府県別問合せ先検索 | https://www.kokusen.go.jp/map/ |
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消費者ホットライン | 局番なし 188 |
平日バックアップ相談(最寄りの相談窓口につながらない場合) | 03-3446-1623
(平日10:00-12:00 13:00-16:00) |
金融サービス利用者相談室
金融サービス利用者相談室とは、金融庁が設置している一般向けの相談サービスです。金融に関するトラブルについて、相談員がアドバイスや他機関の紹介などを行います。
相談は原則として電話で行われますが、公式サイトのチャットボットも利用できます。「借入を検討している業者が貸金業登録しているか確認したい」などの簡単な質問は、チャットボットを利用すると便利です。
申込みは原則として電話やウェブサイトから行いますが、郵送やFAX(高齢者・障害者専用)でも受け付けています。
金融サービス利用者相談室は国が提供している安心感が利点ですが、あくまで相談・アドバイスのみで、あっせんや仲介は行なわないのが注意点です。
【相談先】
電話 |
IP電話
(平日10:00-17:00) |
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ウェブサイト受付窓口 | https://www.fsa.go.jp/opinion/ |
郵送 | 〒100-8967 東京都千代田区霞が関3-2-1 中央合同庁舎第7号館 金融庁 金融サービス利用者相談室 |
FAX(高齢者・障害者専用) | 03-3506-6699 |
貸金業相談・紛争解決センター
貸金業相談・紛争解決センターは、日本貸金業協会が提供する一般向けの相談窓口です。ヤミ金融や多重債務などに関する相談を始め、ギャンブル依存症等を治したい方へのカウンセリングなども行っています。
日本貸金業協会とは、貸金業者などで構成される自主規制機関で、貸金業者が健全な運営を行い、安心して利用できる環境づくりを目指す活動を行っています。
電話・FAX・郵送および協会に直接訪問(事前予約が必要)での申込みが可能です。
【相談先】
電話 | 0570-051-051(平日9:00-17:00) |
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FAX | 03-5739-3024 |
郵便・訪問 | 〒108-0074 東京都港区高輪3-19-15 二葉高輪ビル2階 |
弁護士・司法書士
すでに業者から執拗な取り立てがあるなど緊急性が高い場合は、弁護士や司法書士に直接相談するのがよいでしょう。
弁護士や司法書士に相談すれば、業者に対して取り立てをストップするように働きかけてくれます。また、闇金に払ったお金を取り返す方法や、業者からの報復行為の防止などについてもアドバイスしてもらえます。
弁護士や司法書士にはそれぞれ得意分野があるため、全ての弁護士・司法書士が闇金問題に精通しているとは限らないのが注意点です。相談する際は、闇金問題に詳しい弁護士・司法書士を選ぶことが重要になります。
どの弁護士・司法書士に相談すればいいか分からない場合は、消費生活センターなどに相談すれば、弁護士・司法書士を紹介してもらえます。また、闇金問題に強い弁護士・司法書士の検索サイトなどを利用するのもよいでしょう。
弁護士や司法書士への依頼は、費用がかかるのがネックになります。相談は一回数千円程度、具体的な対処をしてもらった場合は数万円程度の報酬がかかるのが一般的です。
もし、これらの費用が捻出できない場合は、日本司法支援センター「法テラス」を利用する方法もあります。
法テラスは、国が設立した法律トラブルの総合案内所です。経済的に余裕がない人向けに、無料相談や弁護士費用の立て替えサービスなどを提供しています。
なお、弁護士や司法書士に相談する際は、以下の点を踏まえておくとスムーズに進めやすくなります。
- 相談内容や質問事項をあらかじめ整理しておく
- 資料や証拠はできるだけ用意する
- 自分にとって不利な情報や言いたくない情報も隠さず話す
相談内容や質問事項をあらかじめ整理しておく
弁護士などへの相談は時間が決まっていることが多いため、あらかじめ相談内容や質問事項を整理して、効率よく相談できるように準備しておきましょう。
資料や証拠はできるだけ用意する
トラブルと関連する資料や証拠があると、相談がスムーズに進みます。
例えば、トラブルになっている業者の住所や連絡先等の基本情報、契約書やメール・LINE・SNSのやりとりなどは、保存して相談の際に持っていくとよいでしょう。
また、執拗な取り立てがある場合は、電話での会話の録音や、取り立てに来た際の動画などがあると対処しやすくなります。
自分にとって不利な情報や言いたくない情報も隠さず話す
自分にとって不利な情報や言いたくない情報を隠してしまうと、弁護士や司法書士が対応しづらくなります。弁護士や司法書士に適切な対処をしてもらうためには、正しい情報をきちんと話すことが大切です。
例えば、自分の浪費癖やギャンブル依存などがトラブルの原因であることを隠してしまうと、後に任意整理や自己破産などを行う際に、手続きが思うように進められなくなる可能性もあります。
警察
業者から犯罪行為をされた場合は、すみやかに警察に相談しましょう。
相談先は、最寄りの警察署の生活安全課、もしくは警察相談専用電話「#9110」です。110番は緊急時の通報先なので、相談のために電話するのは控えましょう。
なお、警察は民事には介入しないため、金銭トラブルそのものに関する相談は受け付けてもらえません。警察が動いてくれるのは、金銭トラブルに付随して犯罪行為があった場合になります。
具体的には、業者から以下のような行為をされた場合は、警察が動いてくれる可能性があります。
犯罪行為の種類 | 具体例 |
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貸金業法に違反する取り立て行為 |
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脅迫 |
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暴行・傷害 |
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器物損壊 |
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住居侵入・不退去 |
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その他の犯罪行為 |
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警察に動いてもらうためには、事件性があることを示すことが重要になります。業者の名称や連絡先、通帳や振込明細、メールや電話などのやり取りの記録、脅迫や暴行行為を記録した音声・動画などを、できるだけ用意しておきましょう。
個人給料のファクタリングに代わる安全な資金調達方法および決済手段
ここまで見てきたように、個人給料のファクタリングは違法なので、たとえお金が必要でも利用してはいけません。お金が必要な場合は、個人給料のファクタリングに代わる安全な資金調達方法および決済手段を利用しましょう。
個人が利用できる主な資金調達方法および決済手段には、以下のようなものがあります。これらの仕組みとメリット・デメリットを比較検討して、自分にとって適切と思う手段を利用しましょう。
- 給与前払いサービス
- カードローン
- 後払いアプリ
- キャリア決済
- 口座貸越
- 生命保険の契約者貸付
- 生活福祉資金貸付
給与前払いサービス
給与前払いサービスとは、企業が自社の従業員の給与の一部を、給料日前に支払うサービスです。福利厚生の一環として導入する企業が増えています。
給料を前払いできる点は個人給料のファクタリングと似ていますが、給与前払いサービスは企業が自社の従業員に対して行うものであり、違法性はありません。
給与前払いサービスは、スマホアプリなどで前払いの申請をするシステムが一般的です。前払いを利用した月の給料日には、前払いの額を差し引いた金額が支払われます。
給与前払いサービスは安全かつ便利な資金調達手段ですが、自分が働いている会社がサービスを導入していなければ利用できません。また、手数料が数パーセント程度かかる場合があることや、給料の全額は前払いできないことが多いのが注意点です。
カードローン
カードローンは、個人が利用できる安全な資金調達手段の一つです。
担保や保証人が必要ないことが多く、審査通過率も比較的高いため利用しやすいのがメリットです。また、限度額の範囲で何度でも利用可能で、使い道も自由なため利便性が高いのも利点だといえます。
一方、金利は比較的高い傾向があるので、用途と返済プランをきちんと立てて、計画的に利用することが大切です。無計画に借り続けると、金利の支払いが積み重なって資金繰りに困る場合もあります。
後払いアプリ
後払いアプリとは、スマホなどによる決済で買い物をして、支払いは後日口座振替やコンビニ払いなどで行う決済方法です。PayPayやpaidyの後払いなどが有名ですが、他にも多数の後払いアプリがあります。
後払いできる点はクレジットカード払いと同じですが、クレジットカードより審査がゆるいのがメリットの一つです。フリーランスや学生など、クレジットカードの審査に通りにくい人でも利用できます。
一方、自分が使っている後払いアプリに対応している店舗・サイトでないと、利用できないのは注意点です。また、クレジットカードのキャッシング枠やショッピング枠に比べると、利用限度額が低い傾向があります(数万円程度のことが多い)。
後払いアプリは安全で便利な決済手段ですが、現金化を目的とした利用は禁止されているのが一般的です。
例えば、換金目的で後払いアプリを使って商品を購入し、買った商品をすぐに売却するといった行為は、運営会社にバレると利用停止などのペナルティを受ける可能性があります。
後払いアプリの現金化を専門とする業者もありますが、こちらも利用が運営会社にバレるとペナルティを受ける可能性があります。
キャリア決済
キャリア決済とは、後払いで買い物をした代金が、後日携帯料金と一緒に請求される決済手段です。ドコモの「d払い」やソフトバンク「まとめて支払い」を始め、各携帯会社によって提供されています。
利用の流れや特徴などは後払いアプリと似ており、支払い方法が主な相違点となります。クレジットカードに比べて審査がゆるく、利用限度額が低い(10万円程度のことが多い)など、後払いアプリと類似のサービスといえます。
現金化目的での利用がバレると、利用停止などのペナルティを受ける可能性があるのも、後払いアプリと同様です。
口座貸越
口座貸越とは、口座残高が足りなくなった時に、金融機関から自動で不足分が貸付されるサービスです。ゆうちょ銀行や、その他の民間金融機関などで利用できます。
例えば、残高が2万円で3万円の引き落としがあった時、自動で1万円が貸付されて残高がマイナス1万円となります。
基本的なシステムはカードローンなどと同じで、借りた後は毎月返済を行い、返済額には利息が上乗せされます。利用には審査が必要で、安定した収入があるなどの条件を満たす必要があるのも、カードローンなどと同様です。
生命保険の契約者貸付
生命保険に入っているなら、契約者貸付で資金調達する手段もあります。
生命保険の契約者貸付とは、生命保険に加入している人が利用できる、保険会社による融資です。
生命保険を解約すると「解約返戻金」というお金が返ってくる場合がありますが、契約者貸付はこの解約返戻金を担保に貸付を行います。
生命保険を解約して、解約返戻金を受け取って資金調達することも可能ですが、契約者貸付を利用すれば解約せずに資金調達できます。また、カードローンなどに比べて金利が低い傾向がある(2%から6%程度)のも利点です。
一方、契約者本人しか利用できないことや(被保険者や受取人は利用できない)、解約返戻金のない生命保険では利用できないことなどが注意点です。
生活福祉資金貸付
生活福祉資金貸付とは、自治体による生活困窮者等のための貸付制度です。生活保護とは別の制度で、生活の立て直しのために一時的な資金援助が必要な人に対して貸付を行います。
一時的な生活費や家を借りるための敷金・礼金等、就職のための技能習得費、病気の療養費、子供の教育費などを借りることができます。
借りられる金額はおおむね数十万円程度までで、利子は年利1.5%となります(連帯保証人がいれば無利子)。
個人事業主が利用できる安全な資金調達方法および決済手段
会社員をしながら副業で個人事業主をしているなら、個人事業主が利用できる資金調達や決済手段を利用するのも有用です。
ここでは、個人事業主が利用できる安全な資金調達方法および決済手段として、売掛債権ファクタリングと請求書カード払いを解説します。
売掛債権ファクタリング
これまで解説したように、個人給料のファクタリングと違い、売掛債権のファクタリングは合法な資金調達手段です。よって、副業で売掛債権を持っている場合は、それをファクタリングして資金調達できます。
個人事業主は会社と違い、事業資金を個人的に使用しても特に問題はありません(事業主貸で計上すればよい)。よって、個人的にお金が必要な時は、売掛債権ファクタリングで調達するのが有力な選択肢となります。
請求書カード払い
請求書カード払いとは、事業で生じた買掛金をクレジットカードで支払うことです。
カード払いにすると決済の翌月に請求が来てから引き落とされるので、請求書の支払期日の当日に銀行振込で支払う場合に比べて、支払いのタイミングを1,2ヶ月程度遅らせることができます。
個人事業主の場合、支払いを遅らせて一時的に浮いた現金を、個人的な支払いに使うことも可能です。
ただし、請求書カード払いはあくまで支払いを遅らせるだけなので、後できちんと支払いができるように計画を立てておく必要があります。また、請求書カード払いの利用には、3%程度の手数料がかかるのも注意点です。
個人事業主が利用できるおすすめの売掛債権ファクタリング
売掛債権ファクタリングには、法人しか利用できない業者もあります。よって、個人事業主が利用する場合は、個人事業主も利用可能な業者を探さなければなりません。
個人事業主が利用可能なファクタリング業者は多数あるため、業者を見つけること自体は難しくないでしょう。しかし、その中から自分に合う優良な業者を選ぶのは、初めての方にとって難しいかもしれません。
そこでここでは、個人事業主が利用できる売掛債権ファクタリング業者の中から、おすすめの大手優良業者を5選紹介します。どの業者を利用するか決めかねる場合は、この5社から選べば間違いがないでしょう。
【個人事業主におすすめの売掛債権ファクタリング業者5選】
- ベストファクター
- ビートレーディング
- アクセルファクター
- ペイトナーファクタリング
- フリーナンス
ベストファクター
ベストファクターは、個人事業主が利用できるおすすめの売掛債権ファクタリング業者です。
手数料は2%からと業界最安水準で、最短24時間以内でのスピード入金が可能のため、急ぎでお金が必要な場合にも重宝します。なお、即日振込実行率は、2024年10月実績で59.5%となっています。
最小買取額が2024年10月実績で15万円となっており、少額の売掛債権が多い個人事業主でも利用しやすいのも利点です。
総じて良心的で便利なサービス内容ですが、契約時に面談が必須で、オンライン完結の手続きができないのは注意点です(地方・遠方の方は出張面談可能)。
また、同社が提供している注文書ファクタリングの「ベストペイ」は、法人のみ利用可能となっています。
【ベストファクターの基本情報】
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オンライン契約 | 契約時に面談が必要(出張面談あり) |
ビートレーディング
ビートレーディングは、「ファクタリングのパイオニア」といわれている老舗のファクタリング業者です。取引実績は5.8万社以上、累計買取額は1,300億円以上と、業界最大クラスの実績を誇っています。
最短2時間で入金可能、最大買取率は98%と、利用しやすいサービス内容が強みです。必要書類が請求書・通帳の2点のみで、決算書などは原則必要ないのも便利な点だといえます。
また、申込みから契約までオンライン完結可能なので、会社に訪問する必要がないのもメリットです(対面契約も可)。
【ビートレーディングの基本情報】
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住所 | 【東京本社】
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必要書類 | 【会員登録時】
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アクセルファクター
アクセルファクターは、2018年創業の大手ファクタリング会社です。中小企業支援の経験とスキルを国が認定する「経営革新等支援機関」に指定されており、レベルの高いサービスを提供できるのが強みとなっています。
アクセルファクターのファクタリングは、半数以上の取引で即日入金を実現している入金スピードが強みで、急ぎで現金を入手したい方におすすめです。
また、ファクタリング以外にも、財務コンサルティングや税金・社会保険料の猶予支援、助成金・補助金紹介なども手がけており、資金繰りに関する総合的なサポートを受けられるのも魅力だといえます。
一方、最小買取額が30万円とやや高めなので、少額の債権しか持たない個人事業主は利用しづらい可能性があるのは注意点です。
【アクセルファクターの基本情報】
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ペイトナーファクタリング
ペイトナーファクタリングは、フリーランス・個人事業主向けのファクタリング業者です。1万円から利用可能、最短10分で入金可能と、個人事業主が利用しやすいサービス内容となっています。
電話やメールのやりとりなく審査・契約できるので、精神的負担がなく気軽に利用できるのも魅力です。
手数料は、審査結果や売掛債権の額などによらず、一律で10%となっています。一律の手数料は現金化できる額を計算しやすいのが利点ですが、10%以下でファクタリングを提供している業者もあるため、他社に比べて手数料が割高になる可能性があるのは注意点です。
【ペイトナーファクタリングの基本情報】
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フリーナンス
フリーナンスは、フリーランス・個人事業主向けのファクタリングです。ファクタリング以外にも、バーチャルオフィスや収納代行用口座の提供、納期遅延などのトラブルに対する補償サービスなどを手がけています。
無料・月額490円・月額980円の3つのプランがあり、上位プランほど多くのサービスを利用できます。なお、ファクタリングは無料プランでも利用可能です。
ファクタリングは、手数料が3%から10%、申込みから最短30分で審査可能と、利用しやすいサービス内容となっています。
【フリーナンスの基本情報】
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まとめ
個人給料のファクタリングは違法なので、お金が必要でも利用してはいけません。合法で国も利用を推進している売掛債権ファクタリングとは、全く別物であることを理解することが大切です。
お金が必要な場合は、給与前払いサービスや後払いアプリなど、合法で安全な手段を利用しましょう。もし、個人給料のファクタリングでトラブルになった場合は、消費生活センターや弁護士などいくつかの相談先があります。
また、副業で個人事業主をしている場合は、個人事業主向けの売掛債権ファクタリングを利用するのもおすすめです。
個人給料ファクタリングのような違法な資金調達手段を避けて、安全な資金繰りを心がけましょう。