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独立・開業する際の資金調達方法12選!それぞれのメリットについて徹底解説

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独立・開業する際に当たって誰もが心配になるのが、資金面の問題です。多くの人が開業にかかる設備費や当面の運転資金が必要になるため、外部から資金調達をしなければなりません。

ただし、資金調達の方法は多種多様です。資金調達方法の中には金利が高いものや返済期限が短いものもあるので、資金調達について正しく理解していないと、後で返済に苦労する可能性があります。

そこで、本記事では独立・開業の資金調達方法を紹介するとともに、それぞれのメリットについて徹底解説します。必要な書類や準備することについても解説するので、正しい知識を身につけておきましょう。

資金調達方法は融資と出資の2種類がある

そもそも、独立・開業の際の資金調達方法は、大きく分けて融資と出資の2種類があります。どの資金調達方法が向いているかは、事業規模や内容によって異なります。

以下では、融資と出資の概要についてそれぞれ解説していくので、どちらに当てはまるのか考えてみてください。

  • 融資とは
  • 出資とは

それぞれの違いについてまずはしっかりと理解しましょう。

融資とは

融資とは、金融機関や公的機関からお金の借り入れをおこなうことです。出資と比較して返済義務が発生しますが、経営権には関与されません。

融資には利子が発生し、融資を受けた個人または企業は一定期間内に元本と利子を並行して返済していかなければなりません。利率は契約内容によって変わります。

また、融資を受ける際には、借り入れ先の機関に事業計画書を提出する必要があります。独立・開業したばかりでは売上実績がなく信用が低いので、事業計画書の内容や自己資金の有無などが重要です。

出資とは

出資は、個人投資家やベンチャーキャピタルが将来的な利益を見込んでお金を投資することです。出資の最大のメリットとしては、返済の必要がないことが挙げられます。事業に失敗して倒産したとしても出資分の借金を背負うこともありません。

しかし、デメリットとして発行する株式の数や保有株の割合によっては、経営権への影響が懸念されます。また、出資を受けることにより持分比率が下がり、会社の売却や配当の受け取りの際にリターンが少なくなる可能性も考えられます。

融資で資金調達をおこなう方法4選

まずは、融資により資金調達をおこなう方法を紹介していきます。

  • 日本政策金融公庫の融資制度
  • 制度融資
  • ビジネスローン
  • 個人借入
  • 個人間融資

融資の方法や機関によって融資・返済の条件や利率が違うので、比較して適切な方法を選択しましょう。

日本政策金融公庫の融資制度

日本政策金融公庫は政府系金融機関の1つで、次のような小規模事業者や創業企業への融資をおこなっています。

  • 新創業融資制度
  • 中小企業経営力強化資金
  • 挑戦支援資本強化特例制度

創業期や小規模の事業では信用が少なく金融機関の融資を受けづらいですが、日本政策金融公庫は提出書類などの条件を満たした上で、審査を通過すれば融資を受けられます。

新創業融資制度

新創業融資制度は新たに事業を始める方、事業開始後税務申告を2期終えていない方が対象の制度です。無担保および無保証人で融資を受けられるので人気があります。

融資限度額 3,000万円(うち運転資金1,500万円)
返済期間 各融資制度に定める返済期間以内
資金使途 新たに事業を始めるため、または事業開始後に必要とする設備資金および運転資金
金利 融資内容に合わせた利率を適用
連帯保証人の有無 原則不要

参考:日本政策金融公庫

新創業融資制度は自己資金の要件があり、新たに事業を始める方と事業開始後税務申告を1期終えていない方については、創業時において創業資金総額の10分の1以上の自己資金が必要です。

また、審査に当たっては創業計画書の提出や事業所の訪問などがあります。審査に通過し融資を受けられる基準は「新たに営もうとする事業について、適正な事業計画を策定しており、当該計画を遂行する能力が十分あると認められる方」です。

中小企業経営力強化資金

中小企業経営力強化資金は新たに事業を始める方または事業開始後おおむね7年以内の方が対象です。

中小企業経営力強化資金を利用するには、認定支援機関(経営革新等支援機関)の助言と指導を受けることが必須なので注意しましょう。また、1年ごとに日本政策金融公庫に経過報告をする必要があります。

融資限度額 7,200万円(うち運転資金4,800万円)
返済期間 ・設備資金:20年以内

<うち据置期間2年以内>

・運転資金:7年以内

<うち据置期間2年以内>

資金使途 新たに事業を始めるため、または事業開始後に必要とする設備資金および運転資金
金利 融資内容に合わせた利率を適用
連帯保証人の有無 無担保・無保証人も可

参考:日本政策金融公庫

また、日本政策金融公庫が指定する事業計画書の作成が必要です。この事業計画書は新創業融資制度で必要な創業計画書よりも詳細な記載が必要であるため、準備に時間を要します。

新創業融資制度と比較して利率が低い傾向にあり、さらに自己資金要件もないので、融資を受けるメリットは非常に大きいと言えます。

挑戦支援資本強化特例制度

挑戦支援資本強化特例制度は、日本政策金融公庫がおこなう各種融資において一定の条件に該当する場合に利用できる特例制度です。

この制度の大きな特徴は、資本性ローンであることです。資本性ローンとは、新規事業に取り組む中小企業に対して供給される資金で、金融機関の資産査定上、負債ではなく自己資本とみなされます。

また、法的倒産手続きの際に、すべての債務に償還順位が劣後するのも特長です。特例制度の対象となるのは、以下のいずれかの融資制度の対象である必要があります。

  1. 新規開業資金
  2. 新事業活動促進資金
  3. 海外展開・事業再編資金
  4. 事業承継・集約・活性化支援資金
  5. 企業再建資金

また、次の要件も満たさなければいけません。

  1. 地域経済活性化にかかる事業を行うこと。
  2. 税務申告を1期以上行っている場合、原則として所得税等を完納していること。
融資限度額 7,200万円
返済期間 5年1ヵ月以上20年以内
資金使途 該当する融資制度に定める設備資金および運転資金
金利 1年ごとに業績に応じて変動
連帯保証人の有無 無担保・無保証人

参考:日本政策金融公庫

利用の際は、日本政策金融公庫へ事業計画書の提出が必要です。また、完済までは四半期ごとに経営状況の報告等を含む特約を結ぶ必要があります。

制度融資

制度融資は、地方自治体・金融機関・信用保証協会の3つの機関が連携しておこなう、中小企業者向けの公的な融資制度のことを指します。

制度融資は都道府県のみならず市区町村がおこなっている場合もあり、「融資あっせん制度」という名称が使われていることもあるので覚えておきましょう。

制度融資の申し込みから入金までは、以下のような流れで進みます。

  1. 地方自治体に融資あっせんを申し込む
  2. 地方自治体から交付されたあっせん書を受け取る
  3. 金融機関に融資を申し込む
  4. 金融機関経由で信用保証協会に保証を申し込む
  5. 信用保証協会が審査をおこなう
  6. 信用保証協会から金融機関へ保証許諾が通知される
  7. 金融機関から銀行口座へ入金

制度融資は事業の目的に合わせた融資が受けられますが、一方で融資の申し込みから入金までの工程が長く、時間がかかるのがデメリットです。

ビジネスローン

ビジネスローンは金融機関が扱うサービスで、法人と個人事業主が申し込める融資制度です。ビジネスローンの大きなメリットには、融資スピードの早さ日本政策金融公庫や制度資金よりも審査が緩いという点があります。

また、ビジネスローンは原則として無担保・無保証人で申し込めます。

ただし、公的機関や銀行の融資に比べて金利が10%〜18.0%と高く、借入可能額も低いので注意が必要です。

個人借入

個人借入は創業者本人が自分の信用をもとに銀行や金融機関からお金を借りる方法です。

資金用途に原則がないのはカードローンやフリーローンですが、総量規制により年収の3分の1を超える貸付は受けられず、また金利も高いのでおすすめはできません

さらにキャッシングの履歴は個人信用情報に残る上、返済が滞った際に信用を失うデメリットもあります。そもそも個人向けローンを事業資金に使うこと自体が、金融機関の規定違反で期限の利益喪失になるリスクがあります。

期限の利益が喪失すると、債務者は債務の一括返済が求められる場合があるので注意しましょう。

個人間融資

個人からお金を借りる個人間融資という方法もあります。家族や友人、知人などの間でお金の貸し借りをおこなうのは、法に触れることではありません。そのため、開業のための資金調達方法としてはよくあるケースです。

最近ではSNSや掲示板を通じて、すべてインターネット上での個人間融資がおこなわれています。

ただし、インターネット上での個人間融資は、貸金業法や出資法といった法律に抵触する可能性があるのでおすすめできません。

さらに、インターネットを介しておこなわれる個人間融資の貸し手は、多くが闇金業者です。闇金業者を利用すると法外な利息を要求されたり、厳しい取り立てにあったりするリスクがあります。

融資を受けるために必要な準備

融資を受けるためには、以下の3つの準備が必要です。

  • 十分な自己資金を用意する
  • 開業する職種と今までの経歴が合致している
  • 事業計画書を充実させる

上記の準備に加えて、利用する融資の種類に合わせて必要書類を揃えましょう。個人事業を営む人は税務署に開業届を提出している必要があります。

また、審査の際には金融事故がないかどうかも重視されます。金融トラブルがあった場合は貸し手もリスクを懸念するため、融資を受けるのが難しくなるでしょう。

出資で資金調達をおこなう方法4選

続いて、出資により資金調達をおこなう方法を紹介します。

  • 自己資金
  • ベンチャーキャピタル
  • クラウドファンディング
  • エンジェル投資家

融資とは異なり、出資は返済の必要がありません。ただ、出資方法によりさまざまな要件があるので、自分に合った方法で資金調達を目指しましょう。

自己資金

まず、もっとも簡単で手続きや返済などが何も必要ない方法として、自己資金を事業資金として活用する方法があります。

自己資金として認められるのは、以下のような資金です。

  • 自身の預金
  • 贈与されたお金(家族、友人からの資金援助を含む)
  • 退職金
  • 資産を売却して得た資金 
  • みなし自己資金

融資を受ける際には自己資金が要件として求められる場合も多く、自己資金が少ないと融資を受けられないので注意しましょう。融資を受ける際に保有しておくべき自己資金は、創業資金総額の3分の1以上が目安です。

また、法人を設立する場合、個人と法人の資金が区別されるようになります。自分1人しかいない会社でも法人のお金を引き出して自由に使うことができなくなるため、自己資金を投入し過ぎず、ある程度は手元に残しておくようにしましょう。

ベンチャーキャピタル

ベンチャーキャピタルは、ベンチャーやスタートアップ企業のような成長の見込まれる企業を支援する投資会社のことです。

投資会社は支援先の企業が未上場時の時点で投資をおこない、成長後に株式売却益や事業の売却で利益をえます。ベンチャーキャピタルをおこなっているのは銀行・証券会社・保険会社・ノンバンクなどの金融機関です。

ベンチャーキャピタルを利用すれば財務状況が改善し、また企業としての信用が担保されるため融資が受けやすくなるメリットがあります。また、ベンチャーキャピタルを通じて経営ノウハウを学べる、他社と事業提携がしやすくなるなどの恩恵もあります。

一方で、経営への干渉を受けることや、上場できない場合は株式買取請求をされるのがデメリットです。

クラウドファンディング

クラウドファンディングは、インターネットを利用して不特定多数の人からお金を集める方法です。

クラウドファンディングには以下のようにさまざまな実施形式があるので、事業内容や必要な金額など状況に応じて使い分けましょう。

  • 購入型クラウドファンディング
  • 寄付型クラウドファンディング
  • 金融型クラウドファンディング

以下では、それぞれのクラウドファンディングについて簡単にご紹介します。

購入型クラウドファンディング

購入型クラウドファンディングはクラウドファンディングの中でももっともポピュラーな方法で、出資した支援者に金銭以外のリターンが発生するものです。

購入型クラウドファンディングのリターンとしては商品やサービスの提供が代表的です。

購入型クラウドファンディングのメリットは資金調達時に元手が必要ないため、どんな人でも気軽に参入できる点にあります。また、調達状況によって事業開始前にリスクなしでマーケティング調査ができるのもメリットです。

一方で、方式によっては目標金額に達しなかった場合に返金しなければならないデメリットがあります。

寄付型クラウドファンディング

寄付型クラウドファンディングは支援者からの資金を「寄付金」として受け取るクラウドファンディングで、商品やサービスなどのリターンがないのが特徴です。

寄付型クラウドファンディングは被災地の復興支援や社会課題、人権問題の取り組みなど公益性の高いものが多く、NPO法人や自治体、学校法人などがよく利用します。

営利目的の事業主が寄付を集めるのは難易度が高いので、利用する場合は支援者を集められるだけの正当な理由を考えましょう。

金融型クラウドファンディング

金融型クラウドファンディングは支援者がプロジェクトの起案者に融資をするもので、支援者には利息や株式などの金銭的なリターンがあるのが特徴です。

金融型クラウドファンディングには、主に以下の3種類があります。

  • 融資型
  • ファンド型
  • 株式型

融資型は金融機関からの融資が難しい場合などに利用され、金利が高いのが特徴です。逆に支援者は利回りの高い分配金を受け取れるメリットがあります。

ファンド型は特定のプロジェクトを通じて、個人投資家から出資を募ります。支援者はファンドを通じて定期的に配当や商品などのリターンを受け取るのが特徴です。

株式型は、支援者が非上場株式をリターンとして受け取れるクラウドファンディングです。

エンジェル投資家

エンジェル投資家は実績の少ない企業に出資する個人投資家を指します。エンジェル投資家を利用して受けられる支援の金額はさまざまで、事業の将来性や新規性などをアピールできれば多くの支援を受けられるでしょう。エンジェル投資家へのリターンは企業が成長した際の配当や株式などです。

エンジェル投資家から出資を受けるメリットは、返済の義務がないことはもちろん、経営的なアドバイスを受けられることやビジネスパートナーを紹介してもらえる可能性があることです。

一方、企業成長を厳しく求められることや、場合によっては経営への干渉を受けることがあるので注意しましょう。

出資を受けるために必要な準備

出資を受けるために必要な準備は利用する資金調達方法によって異なりますが、どの方法にも共通して言えるのは、事業内容や計画を明確にして、企業としての価値・魅力を高めておくことです。

出資を受けるには、出資してくれる人物に魅力的な企業として映らなければいけません。

また、出資者に対してのリターンを含め、出資者が理解でき投資したいと思わせるような準備が必要なため、一定の手間や煩わしさが発生するでしょう。

出資を受けるためには次のような書類が必要です。

  • 定款
  • 登記簿謄本
  • 資金繰り表
  • 資本政策案
  • 最近3期分の決算書・申告書一式
  • 株主名簿・株主総会議事録
  • 役員等の略歴
  • サービス・製品カタログ
  • 事業経歴書
  • 事業計画書

どのような書類が求められるかは出資先によって異なりますが、一般的な例として知っておきましょう。

その他の資金調達方法

融資や出資以外にも、開業資金を調達できる方法があります。

  • 補助金・助成金
  • 共済
  • ビジネスコンテスト

特殊な例なので融資・出資の方が手段としては安定的ですが、調達できればメリットもあるのでそれぞれチェックしておいてください。

補助金・助成金

補助金や助成金は政府や地方自治体による支援制度で、返済不要であるため開業を目指す人に人気の資金調達方法です。補助金や助成金の多くは創業後でも申請可能なため、ほかの資金調達方法との併用にも向いています。

ただし、補助金は応募期間や採択件数があらかじめ決まっており、申請件数が多くなるほど受給難易度が高くなるのが特徴です。また、給付まで時間がかかるデメリットもあります。

一方で助成金は要件を満たせば多くが受給でき、随時受け付けています。また、助成金はほとんどの場合雇用保険加入者が1名以上いる必要があり、労働関連法規に違反していないことが重要です。

共済

経営者向けの共済は、毎月の掛金を支払うことで、万が一の事態に備えた借入を可能にする制度です。

起業時に倒産のリスクについて考える方は少ないと思いますが、経営者となる以上、リスクを適切に抑えることが必要です。

特に、独立行政法人中小企業基盤整備機構が実施している小規模企業共済や中小企業倒産防止共済は、起業時に加入を検討しましょう。

ビジネスコンテスト

ビジネスコンテストとは、ビジネスアイデアを競うコンテストで、公的機関や民間企業などさまざまな団体が企画しています。

ビジネスコンテストに参加して入賞すれば賞金が獲得できるため、資金調達の手段として目指す人も多いです。

主なビジネスコンテストには、以下のようなものがあります。

  • NCCベンチャーグランプリ
  • 40億人のためのビジネスアイデアコンテスト
  • TRRIGER
  • DBJ女性新ビジネスプランコンペティション

また、参加することで実践的なアドバイスをもらえたり、ビジネス上での人脈が作れたりするので参加して損はありません。

まとめ

資金調達の方法は主に返済の必要な融資と返済の必要がない出資に分けられます。返済の必要がない出資は魅力的に見えますが、リターンが必要であったり経営に干渉されたりといったリスクもあります。

どちらが良いかは開業を目指す人の財務状況や事業内容にもよるので、まずはどちらについても理解を深め、より自分に合った方法を選択しましょう

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