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資金繰りとは?知っておきたい基礎知識や、資金繰りのやり方について徹底解説

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資金繰りは会社を経営する上で事業を継続させるために欠かせないものです。

正しい資金繰りの知識を持っていなければ、売り上げがあっても倒産の危機に陥ってしまう場合もあります。

今回は資金繰りの概要や、資金繰りを改善する方法をわかりやすくまとめたので、資金繰りに悩む方はぜひ参考にして経営の安定を目指してください。

また、資金繰りが悪化するとどうなるのかも解説するので、正しく理解しリスクを回避しましょう。

資金繰りとは?

そもそも資金繰りの「資金」とは、会社としてすぐに支払いに使えるお金を指します。

一方すぐに現金化できないものは「資産」と呼ばれ、「資金」ではありません。

以下は、主な資金と資産の例です。

すぐに使えるお金かどうかというポイントに注目して見てみましょう。

資金繰りとは、会社の資金の出入りを管理して収支の過不足を調整することです。資金は会社にとっての血液にも例えられ、資金が不足すると従業員の給与や取引先への支払いが滞ってしまいます。事業を継続するためにも、正しい知識を身につけておくことが重要です。​

資金
  • 現金
  • 当座預金
  • 普通預金
  • 有価証券
資産
  • 自社ビル
  • その他不動産
  • 設備
  • すぐに解約できない定期預金
  • 貸付金
  • 売掛金

資金は会社にとっての血液や空気に例えられ、資金が不足すると従業員への給与の支払いや取引先への支払いが滞り、事業が回らなくなってしまいます。

そのため、資金繰りにおいては支出を抑え、使える資金を増やしていくことが重要です。

以下では、資金繰りについてより詳しく解説します。

キャッシュフローとの違いは?

経営に関するお金の話題でよく耳にするキャッシュフローという言葉ですが、資金繰りとは意味合いが違います。

資金繰りがすぐ先の未来の現金の流れを把握する目的がある一方で、キャッシュフローは主に過去から現在までの現金の流れを把握するのが目的です。

キャッシュフローは、主に以下の4つに分類されます。

営業活動によるキャッシュフロー 営業活動による現金の出入りを表わす、企業の基本的項目
投資活動によるキャッシュフロー 設備投資や有価証券など将来へ向けた投資の状況
財務活動によるキャッシュフロー 資金調達に関する現金の動き
フリーキャッシュフロー 企業が自由に使える現金

フリーキャッシュフローを把握することで、来期以降の売り上げ目標などの長期的な目標を立てられます

資金繰りと経理の関係

資金繰りは経理業務の中でも最も重要で、資金繰りをおこなうためには現金の流れを把握しておく必要があります。

経理部門のある規模の大きな企業では、経理や財務の担当者が資金繰りを含む会社のお金の流れを把握しています。

ただし、資金繰りを経理部門に丸投げせず、経営部門が資金繰りについて正しい知識を持ち、管理できる体制を整えましょう。

なぜ資金繰りは悪化するのか

資金繰りの悪化とは、従業員への給与や取引先への支払いのための資金が不足している状態を指します。

資金繰りが悪化する原因には、赤字の状態が継続していることや、取引先の倒産、支払い遅延、急激に売り上げが伸びることなどが挙げられます。

赤字経営は、支出が収入を上回っている経営状態のことです。

一時的な赤字経営は手元の資金でしのげるかもしれませんが、赤字が続くと資金が枯渇して支払いが困難になってしまいます。

赤字を脱却するためには、赤字事業の縮小や経費削減などの対策を講じましょう。

一方、急激に売り上げが伸びた場合も注意が必要です。

売り上げが伸びると資金繰りが良くなると思われがちですが、入金と支払いのタイミングが悪いと手元に資金がなくなってしまうため、資金繰りが悪化する要因になります。

資金が確実にあるように、売掛先の与信管理も重要です。

資金繰りが悪化するとどうなる?

以下では、資金繰りが悪化するとどうなるのか詳しく解説します。

リスクについてもしっかり確認し、資金繰りの重要性について把握しておきましょう。

  • 不渡りが出る
  • 黒字でも倒産する可能性がある
  • 投資機会を逃してしまう

不渡りが出る

資金繰りが悪化し約束手形が払えなくなると、その約束手形は不渡りとなります。

小切手や約束手形が不渡りになると、貸主である銀行は「不渡届」を手形交換所に提出します。

「不渡届」が提出されると、不渡りがあった事実が全国の金融機関に伝わる「不渡り処分」を受けますが、一度目の不渡りであれば通知以外の処分はありません。

ただし、会社の信用が大きく損なわれ、新たに融資を受けるのが厳しくなってしまいます

さらに一度目の不渡りから6ヶ月以内に二度目の不渡りを出してしまうと、銀行取引停止処分を受けることになり、借入や当座預金を使った取引が向こう2年間できなくなります。

会社の信用が損なわれるだけでなく小切手や手形も使えなくなるため、事業の継続が難しくなるでしょう。

黒字でも倒産する可能性がある

「黒字倒産」という言葉を聞いたことがある人もいるかもしれませんが、資金繰りがうまくいかないと黒字でも倒産する可能性があるので注意しましょう。

帳簿上は利益が出ていても資金が回収できていない状態で使える資金がないなら、資金繰りがうまくできているとは言えません。

一時的にでも資金不足になってしまえば、取引先への支払いや従業員への給与支払いができずに最終的には倒産の危機に陥ってしまいます。

利益が出ていたとしても、固定で支払う経費は必ず確保しておく必要があります。

赤字経営の場合は資金繰りがショートしないために、より慎重な資金繰りをおこないましょう。

投資機会を逃してしまう

資金繰りが悪化している状態では手元に使える資金がないため、投資機会など重要な時にお金を使えません

絶好の投資機会を逃すと企業の発展にはつながらず、経営状況の改善も難しくなるでしょう。

手元資金がないまま取引を拡大すれば、さらに資金繰りを悪化させてしまう可能性もあります。

投資機会を逃さないためにも、まずは資金繰りを改善して使える手元資金がある状態にしておくことが重要です。

資金繰りを改善する方法

以下では、資金繰りを改善する方法について解説します。

資金繰りに悩んでいる人は、いますぐに実践しましょう。

資金繰りを改善してもすぐに資金が増えるわけではないので、悪化する前に早めの行動が重要です。

  • 資金繰り表を活用して手元の資金を把握する
  • 資金化していない資産を見直す
  • 売掛債権の管理・早期回収を心がける
  • 資金調達を検討する

資金繰り表を活用して手元の資金を把握する

資金繰りを改善したいなら、まずは手元の資金を把握するのが大前提です。

また、どのタイミングでお金が入るのかを把握することによって、使える資金の計算もできるようになります。

資金繰りを把握するためには、資金繰り表を活用して資金の流れを把握しましょう。

資金繰り表は以下のように日次、月次、年次といった期間ごとに作れます。

日次 逼迫した状況で日々の資金の出入りを把握するのに役立つ
月次 月ごとに売上が変動する業種で資金繰りの悪化を把握、予測するのに役立つ
年次 中長期的な経営に役立つ

以下では資金繰り表で特に必要な項目を4つ解説するので、作成する際には必ず入れるように心掛けてください。

また、消費税の支払いなどの項目を見落とさないよう注意しましょう。

  • 営業収支
  • 財務収支
  • 経常収支
  • 経常外収支

営業収支

営業収支とは、企業が本業において生み出した利益の総量を表します。

この収支は、売上高から仕入原価である売上原価を差し引いた売上総利益を算出し、販売費及び一般管理費を差し引くことで求めることができます。

販売費及び一般管理費は、商品を販売するために必要な以外の企業の費用を指します。

営業収支が黒字であれば、企業が安定した収益を上げていると言えます。

しかし、営業収支がプラスであっても、その収入が一時的なものなのか、長期的な利益に繋がっているのかを確認することが重要です。

財務収支

財務収支は、銀行からの借入金の収支を表します。

財務において収支が黒字となる場合、銀行からの借入額が増加していることが示唆されます。

借入金の返済は負債として記載しており、営業収支の収入によって借入額を返済する必要があります。

過剰な借入金が発生した場合、経営上の危険性が高まることが判断できます。

経常収支

経常収支とは、本業以外の経済活動による支出と収入のバランスを表す用語です。

これには、事業とは直接関係のない支出や収入の項目が含まれます。

例えば、借入金の返済や利息の支払いなどが挙げられます。

営業収支がプラスでも、経常収支が小さくなったり、マイナスになったりする場合もあるので注意しましょう。

企業の経営成績を把握する上で、経常収支は最も重要な指標とされています。

経常外収支

経常外収支は、月々に発生する収支ではなく、臨時的に生じる収支を表す項目です。

この中には、資金繰りのために売却した固定資産から得た収益や、法人税などの税金、設備投資などが含まれます。

 

特に、大規模な設備投資を行った場合には、経常外収支が大きなマイナスになることがあります。

資金化していない資産を見直す

資金化していない資産を見直せば、早急に資金を手に入れられる可能性があるため、資金繰りの早期改善につながるかもしれません。

以下の項目をチェックしてみましょう。

  • 貸借対照表の資産欄を確認する
  • 売上金のうち回収されていないものや、放置されている大量の在庫リストを検証する
  • 生産活動に利用していない固定資産および、保有しておくことが無用な有価証券を調査する

該当する項目があった場合、資産化できれば資金繰りを一気に改善できる可能性があります。

売掛債権の管理・早期回収を心がける

また、資金繰りの改善を目指して早期におこないたいのが、売掛債権の支払期日を確認し、売掛金回収漏れが生じていないかを入念に管理することです。

売掛金の回収ができれば、金額によっては一気に資金繰りの改善につながります。

売掛金回収期間の推移が長期にわたるほど、資金繰りは悪くなります。

そのため、売掛金の回収には最善のタイミングを逃すことなく、迅速な対応が求められます。

新規の取引先を取り引き先とする際は、自社にとって適切な売掛金回収条件を交渉することが重要です。

既存の取引先で売掛金回収までが長い場合は、条件の見直しや取引先の変更を検討しましょう。

資金調達を検討する

早期に資金繰りが改善できずに経営が悪化しそうな場合、倒産を避けるために資金調達を検討することも重要です。

以下では、資金調達の方法をより詳しく解説します。

  • 国・地方自治体の補助金や、助成金を検討する
  • 融資を受ける
  • 増資を受ける
  • ファクタリング

国・地方自治体の補助金や、助成金を検討する

国や地方自治体から受けられる補助金や助成金には多くの種類があるので、自社の用途に合うものを探して申し込みましょう。

公的機関の補助金・助成金を受けるには必要書類が多い上に審査が厳しく、審査にも時間を要するのがデメリットです。

ただし信用という面では最も安心できる手段なので、挑戦する価値はあります。

融資を受ける

資金調達でもっともメジャーな方法が、銀行などの金融機関から融資を受けることです。

銀行からの融資にも審査はあるため、まずは資金繰り表を作成し、それをもとに事業計画書を作成しましょう。

増資を受ける

増資は株式会社独自の資金調達方法です。

一般的には資本金を増やす目的で会社が新たに株式を発行し、その株式と引き換えに株主や第三者などから出資を受けます

合同会社の場合は、新たに社員を加入させる、既存社員が追加出資する、資本剰余金を資本金に組み入れるなどの方法があります。

ファクタリング

ファクタリング(債権買取り)は、売掛債権を用いて資金調達を行います。

売掛債権は、取引先に代金支払いを後回しさせて、支払期日が到来した後に請求する方法です。

この売掛債権をファクタリング会社に売却することで、手数料を差し引いた現金を即座に得られます。

ファクタリングは融資とは異なり、負債が増加することはありません

また、通常ファクタリングは買取型と呼ばれるものですが、保証型も存在します。

保証型は資金調達の手段としては利用されず、取引先が倒産した場合に保証会社が補償金を支払ってくれるため、売掛債権の貸し倒れリスクを回避することができます。

まとめ

資金繰りを改善できれば倒産のリスクを回避できるだけでなく、投資に回せる資金を確保でき事業の発展にもつながります

まずは資金繰り表を作成し、無駄を省いていきましょう。

すぐに資金を必要とする場合は資金調達を検討してください。

ぜひ資金繰りを改善し、中長期的な経営戦略を立てられるようにしましょう。

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