一時的に現金が足りなくなった時に必要となる「つなぎ資金」は、資金ショートを回避するために非常に重要です。
しかし、必要になる場面や調達方法が通常の資金調達と違ってくる面もあるので、その内容をよく理解しておくことが大切になります。
今回の記事では、つなぎ資金とは何かについて、必要になる場面や調達のポイントなどの基本事項を解説し、さらに主な5つの調達手段のメリット・デメリットや審査ポイントを解説します。
つなぎ資金とは
つなぎ資金とは、売上金や融資の入金のタイムラグ、または災害などの突発的事態によって一時的に現金が足りなくなった時に、資金ショートを回避するための資金のことです。
長期的に見れば資金が足りている状況を想定して使われる用語で、慢性的な債務超過や赤字の解消を目的とした資金とは意味合いが違います。
つなぎ資金はその性質上、主に短期の融資やすぐに現金化できる資産の売却によって調達され、短期間で清算できるようにするのが一般的です。
つなぎ資金と似た用語に「つなぎ融資」がありますが、これはつなぎ資金の調達を目的とした融資のことをいいます。
個人向けと事業者向けの違い
「つなぎ資金」という用語は、個人向けと事業者向けで意味合いが違ってくるのが注意点です。
個人向けのつなぎ資金は、主に住宅購入の際に使われます。住宅ローンは物件購入後でないと承認されないので、その前の土地購入や着工金などの資金をつなぎ資金と呼びます。
一方、事業者向けのつなぎ資金は住宅購入に限らず、事業で一時的に必要になる資金全般を指します。
つなぎ資金のメリット
つなぎ資金のメリットは、資金ショートによる経営悪化や倒産を回避できることです。
つなぎ資金を確保しておけば、決済日がかなり先になる売掛金や手形も引き受けることができますし、入金まで期間がかかる融資や補助金も積極的に申請できます。
つなぎ資金が必要になる場面
つなぎ資金が必要になる主な場面は以下の3つです。
- 売上や融資の入金まで時間がかかる時
- 補助金の対象事業の運転資金が必要な時
- 不渡りや災害などの突発的事態が起こった時
これらの事態が起こった時は、あせらずにつなぎ資金を検討しましょう。
売上や融資の入金まで時間がかかる時
売上や融資の入金に時間がかかり、さらに手持ちの現金が少ない時に、つなぎ資金を調達する必要が出てきます。
売上を売掛金や手形で引き受けた場合、入金まで数か月かかることもあるので、それまでの間に必要になる現金は別で確保しておかなければなりません。
現金を確保しておかないと、利益があるのに現金が足りず倒産する「黒字倒産」になってしまう恐れもあります。
また、公的機関や銀行の融資は入金までかなり時間がかかることもあるので、つなぎ資金が必要になることもあります。
補助金の対象事業の運転資金が必要な時
補助金は対象となる事業が終わった後に入金されることが多いので、事業自体は自己資金でまかなう必要があります。
そのため、もし事業の運転資金がない場合は、つなぎ資金を調達しなければ事業が行えません。
運転資金がないために補助金申請をあきらめるという事態を避けるためにも、つなぎ資金の確保は重要だといえます。
ただし、補助金が採択されれば、金融機関がつなぎ融資に応じてくれることが多いです。
不渡りや災害などの突発的事態が起こった時
売掛金や手形の不渡り、または災害など不測の事態で現金が不足した時、つなぎ融資を検討する必要が出てきます。
つなぎ資金を利用すべきでない場面
つなぎ資金はあくまで一時的な現金不足を補うもので、長期的にはキャッシュフローが健全な時に有効な手段となります。
慢性的な債務超過や赤字の時に、倒産を回避するために一時的な資金調達をするのは、いわゆる自転車操業であり根本的な解決にはなりません。
資金繰りの抜本的な改善が必要な場面では、つなぎ資金は利用すべきでないといえるでしょう。
つなぎ資金の調達方法とメリット・デメリット
つなぎ資金の調達方法としては、以下の5つが利用されることが多いです。
- ビジネスローン
- 日本政策金融公庫
- 不動産担保ローン
- 手形割引
- ファクタリング
これらの方法にはそれぞれメリットとデメリットがあり、審査に通るためのポイントも違います。違いをしっかり理解して、最も適した方法を選ぶことが大切です。
ビジネスローン
ビジネスローンとは、銀行や消費者金融業者などが提供している事業者向けローンのことです。
基本的なシステムは個人向けカードローンと同じですが、個人向けのように限度枠の範囲内で何度も借入れ・返済を繰り返すことができないタイプもあります。
ビジネスローンは主に銀行系と消費者金融系がありますが、消費者金融系は銀行系より審査が甘く金利が高い傾向があります。
ビジネスローンはあくまで事業資金を借りるためのものなので、個人的な目的に使うことはできません。一方、消費者金融の個人向けローンの中には、事業資金に使えるものもあります。
ビジネスローンのメリット
ビジネスローンの主なメリットは以下のとおりです。
- 担保や第三者保証が不要なものが多い
- 審査基準が甘い
- 税金を滞納していても利用できることが多い
- 審査期間が短い
- 資金の使用用途に制限がない
ビジネスローンのメリットを端的に言うと、簡単に早く借りられることだといえます。担保や第三者保証は不要なものが多く、審査基準も比較的甘く迅速に借りることができます。
特に、消費者金融系のローンは即日融資可能なものが多いです。
審査に関しては、税金の滞納があっても通ることが多く、他の手段に比べてかなり甘いといえます。
また、資金の使用用途に制限がないのが一般的なので、急な事情で別な用途に使いたくなった時でも対応できるメリットがあります。
ビジネスローンのデメリット
ビジネスローンのデメリットとしては、以下の点があげられます。
- 調達できる金額が少ない
- 金利が高い
ビジネスローンは審査基準が比較的甘いですが、銀行系は審査が厳しいので、通る前提で資金繰りしていると後で困る恐れもあります。
また、ビジネスローンで調達できる金額は多くても数百万円程度で、他の手段と比べて多額の資金を調達できません。
金利が高いのも欠点で、年利は5%から18%程度になることが多いです。
ビジネスローンの審査ポイント
ビジネスローンに通るための審査ポイントとしては、以下の点があげられます。
- 決算書をきちんと作成する
- 事業を開始してある程度年月が経っている
- 資金の用途や返済計画をはっきりさせる
消費者金融系のビジネスローンの審査は、決算書をもとにコンピュータで自動審査することが多いので、決算書をきちんと作成することが重要になります。
中小企業は決算書の作成がずさんなことも少なくないので、申込みの際に正しい決算書が作成されているかチェックしましょう。
また、ビジネスローンは申込みの際に過去2期分の決算書を提出することが多く、2期分の決算書がまだ存在しない設立間もない会社は不利になることがあります。
銀行系のビジネスローンの審査では、資金の用途や返済計画をはっきりさせることも重要になります。漠然と「運転資金」と言うのではなく、具体的な用途をアピールしたほうがよいでしょう。
日本政策金融公庫
日本政策金融公庫は、国が出資する金融機関です。事業者を支援するさまざまな融資を提供しており、どの資金も短期で利用できます。
日本政策金融公庫の審査の通過率に公表値はありませんが、50%から60%程度だといわれています。事業計画と決算書がしっかりしていれば、審査に通るのは特別に難しいわけではないといえます。
日本政策金融公庫のメリット
日本政策金融公庫の主なメリットは以下のとおりです。
- 金利や手数料が低い
- 融資額が大きい
- 担保なしの融資も可能
日本政策金融公庫の金利は1%から2%程度で、ビジネスローンに比べるとかなり低いのが特徴です。
また、融資の金額も高額なものが多く、個人事業主で最大数千万円程度、法人で最大数億円程度の融資が可能となっています。
条件によっては無担保の融資が可能なのも、日本政策金融公庫のメリットです。
日本政策金融公庫のデメリット
日本政策金融公庫のデメリットとしては、以下の点があげられます。
- 審査に時間がかかる
- すぐに再申請できないことがある
日本政策金融公庫の融資が入金されるまでの期間は、申し込み完了からおおむね1カ月程度で、ビジネスローンなどに比べるとかなり時間がかかります。数日中にどうしても資金が必要な場面では、日本政策金融公庫は有用ではありません。
日本政策金融公庫は、一度審査に落ちてしまうとすぐに再申請できないことがあるといわれています。つなぎ資金は早さが重要なので、一度落ちると他の調達手段を探すことになる可能性もあります。
日本政策金融公庫の審査ポイント
日本政策金融公庫の審査に通るポイントとしては、以下の点があげられます。
- しっかりした事業計画を立てる
- 健全な財務状況
- 経営者の信用情報にキズがない
- 税金や公共料金の未払いがない
- 面談でしっかりアピールする
日本政策金融公庫の審査では、具体的で矛盾のない事業計画と、健全な財務状況を証明できる決算書が重要なポイントになります。
また、経営者の信用情報も調査されるので、多重債務やローンの未払いがある場合は事前に解消しておきましょう。
日本政策金融公庫の審査では面談があるので、ここでうまくアピールすることも重要になります。面談では主に企業概要書などに基づいて事業計画などを聞かれるので、小売業なら商品の実物を持って行って担当者に見てもらうのも有効です。
不動産担保ローン
不動産担保ローンとは、不動産を担保にした融資です。不動産担保ローンの用途は原則自由なので、つなぎ資金として利用することもできます。
不動産担保ローンのメリット
不動産担保ローンのメリットは以下のとおりです。
- 担保価値によっては高額の融資が可能
- 金利が比較的低い
- 赤字・債務超過でも融資できる可能性がある
- 設立間もない会社でも融資できる可能性がある
- 親族所有の不動産も担保にできる場合がある
不動産担保ローンは不動産を担保にとるので、比較的低金利で高額の融資が可能です。年利は1%から7%くらい、融資額は数百万円から1億円程度で、中には5億円以上の融資が可能と謡っているところもあります。
また、審査は信用力と担保価値の両方を加味するので、赤字・債務超過の企業や設立間もない企業でも、担保価値が十分なら融資を受けられる可能性があります。
担保となる不動産は原則として法人か代表者所有のものになりますが、代表者の親族が保有する不動産も担保にできる場合があります。
不動産担保ローンのデメリット
不動産担保ローンのデメリットは以下のとおりです。
- 不動産がないと利用できない
- 返済できないと不動産を売却される
- 必要書類が多く準備と審査に手間がかかる
- 融資までにやや時間がかかる
- 手数料が高額になりがち
不動産担保ローンでは、決算書や事業計画書などに加えて、登記簿謄本やローン残高証明書といった不動産関連の書類が必要です。また、不動産価値の判定のため現地調査を行うので、審査にやや手間がかかります。
ビジネスローンに比べると融資までに時間がかかるのも、不動産担保ローンのデメリットです。融資までの期間は最短で1週間程度で、長いと1カ月くらいかかることもあります。
不動産担保ローンは手数料が高くなりがちなのも注意しておきたい点です。たとえ金利が低くても、登記や保険などの手数料を加味するとあまり有利にならないケースも考えられます。
手数料の具体的な内容としては、まず抵当権の登録免許税が融資額の0.4%かかり、手続きを司法書士などが代行した場合はその報酬もかかります。
保険に関しては、火災保険や生命保険の加入が必要になる場合があります。
不動産担保ローンの審査ポイント
不動産担保ローンの審査ポイントは以下のとおりです。
- 不動産の担保価値
- 担保となる不動産に先順位がない
- しっかりした事業計画と返済計画
不動産の担保価値は、融資額を決定する最も重要なポイントになります。評価基準は融資先によって違うこともあるので、良い評価をしてもらえる融資先を選ぶことも重要です。
すでに抵当権がついている不動産は審査で不利になるので、先順位がないことも重要になります。
また、事業計画や返済計画も重要な審査ポイントになります。
担保価値が重視されることから、財務状況が悪いために銀行の融資が通らない事業者でも、不動産担保ローンなら通るケースもあります。
手形割引
手形割引とは、支払日がまだ来ていない手形を銀行や手形割引業者に買い取ってもらうことです。支払日がまだ先の手形がある場合は、手形割引をつなぎ資金の調達手段として利用できます。
手形割引のメリット
手形割引のメリットは以下のとおりです。
- 入金までのスピードが比較的早い
- 審査は比較的ゆるい
- 赤字・債務超過でも利用可能
- ローンを返済する必要がない
- 担保や保証人が不要
手形割引を申し込んで入金されるまでの期間はだいたい数日程度で、即日現金化できることもあります。ビジネスローンほどではないものの、スピードは比較的早いです。また、一般的な融資に比べて審査はゆるいといわれています。
手形割引は振出人の信用力も審査対象なので、財務状況が悪い会社でも利用できる可能性があります。ただし、受取人側も不渡りの時に買い戻す信用力は審査されるので、財務状況が良いほうが有利です。
手形割引は不渡りにならなければ返済の必要がないのもメリットといえます。また、手形自体が担保となるので、別途担保や保証人を用意する必要がありません。
手形割引のデメリット
手形割引のデメリットは以下のとおりです。
- 不渡りになると買い戻さなければならない
- 手数料がかかる
- 持っている手形の額しか調達できない
- 分割譲渡しにくい
手形が不渡りになると受取人が買い戻さなければならないのは、必ず留意しておかなければならない点です。
また、手形割引は手数料が引かれるので、支払日まで待って現金化するより損になります。早く現金化できるメリットと手数料が引かれるデメリットを比較して、メリットが大きい時のみ利用するべきです。
持っている手形の額しか調達できないのも、手形割引のデメリットだといえます。手形割引で十分な資金を調達できない場合、他の手段も併用しなければなりません。
また、紙の手形は一部分だけを現金化するのが難しいので、例えば100万円のつなぎ資金が必要な時に1,000万円の手形しかないようなケースでは、手形割引は利用しづらくなります。
電子記録債権(でんさい)は分割譲渡できるので、つなぎ資金にちょうどよい紙の手形がない場合は、でんさいを手形割引と同様に買い取ってもらえる「でんさい割引」を利用するのもよいでしょう。
手形割引の審査ポイント
手形割引の審査ポイントは以下のとおりです。
- 振出人の信用力が重要
- 裏書人の信用力も見られることがある
手形割引の審査では申請者(受取人)の信用も大事ですが、債務者である振出人の信用力が特に重要になります。例えば、申請者の信用力に多少問題がある場合でも、大企業や上場企業の手形なら審査に通る可能性が高いです。
また、手形に裏書人がある場合は、裏書人の信用力も審査に影響することがあります。
ファクタリング
ファクタリングとは、売掛金を支払期日前にファクタリング業者に売却して現金化することです。手数料が引かれますが、早く現金化できるメリットのほうが大きい時に有効な手段となります。
ファクタリングには、債権者とファクタリング業者の2者間のみで契約する「2者間ファクタリング」と、売掛先の承諾を得る「3者間ファクタリング」があります。
2者間ファクタリングでは、まず債権者がファクタリング業者に売掛債権を売却した後、支払期日が来たら通常通り債権者が売掛金を回収します。そして、回収した売掛金をファクタリング業者に支払って手続き完了となります。
一方、3者間ファクタリングは、売掛先がファクタリング業者に直接売掛金を支払います。
2者間ファクタリングは売掛先に知られずに行えるメリットがありますが、手数料は高めで審査もやや厳しくなります。
3者間ファクタリングは手数料が安く審査に通りやすいですが、手続きに手間がかかるのがデメリットです。
ファクタリングのメリット
ファクタリングのメリットは以下のとおりです。
- 信用情報に影響しない
- 返済の必要がない
- 担保や保証人が不要
- 不渡りになっても買い戻さなくてよい
- 入金までのスピードが早い
- 審査が比較的ゆるい
- 赤字や債務超過の会社でも利用できる
ファクタリングは売掛金の売却であって融資ではないので信用情報に影響せず、返済の必要もなく担保や保証人も不要です。また、手形割引と違って不渡りになっても買い戻さなくていいのもメリットだといえます。
入金までのスピードは2者間ファクタリングなら即日から2日程度で、ビジネスローンに劣らない早さです。ただし、3者間ファクタリングは1週間程度かかることもあります。
審査は一般の融資に比べるとゆるく、売掛先に信用力があれば赤字や債務超過の会社でも審査に通ることがあります。
ファクタリングのデメリット
ファクタリングのデメリットは以下のとおりです。
- 手数料は高め
- 手持ちの売掛金の額しか調達できない
- 分割譲渡できない
- 売掛先からの印象が悪くなる可能性がある
ファクタリングの手数料は2者間で10%から18%くらい、3者間で2%から10%くらいで、全体的に高めの傾向があります。
手持ちの売掛金の額しか資金調達できない、分割譲渡できないといった点は、手形割引と同様のデメリットです。
また、売掛先の承諾を得る3者間ファクタリングの場合、売掛先から「経営が苦しいのではないか」と印象が悪くなる可能性もあります。
ファクタリングの審査ポイント
ファクタリングの審査ポイントは以下のとおりです。
- 売掛先の信用力が重要
- 申込者の信用力も審査される
- 支払日までの期間が短いほうが有利
ファクタリングは売掛金がきちんと回収できるかが重要なので、売掛先の信用力が重要になります。
ただし、2者間ファクタリングでは、回収した売掛金を持ち逃げされるリスクがあるため、申込者側の信用も重視されます。
また、支払日までの期間が短い売掛金のほうが、ファクタリング業者にとってはリスクが少なくなるため、審査に通りやすくなるといわれています。
つなぎ資金を調達する際のポイント
つなぎ資金を調達する際は、以下のポイントを押さえておきましょう。
- 本当につなぎ資金が必要か検討する
- つなぎ資金の金額と使い道を明確にする
- 最適な調達方法を検討する
- 返済計画を明確にする
- 必要書類を早めに準備する
本当につなぎ資金が必要か検討する
つなぎ資金はあくまで一時的な現金の不足を補うものです。長期的な資金繰りの悪化に対しては長期的な融資を受けるべきで、今の状況が本当につなぎ資金を必要とするものなのかをまず検討しなければなりません。
また、つなぎ資金の調達は手数料などのコストがともなうので、むやみに利用するとかえって資金繰りが悪くなる可能性もあります。つなぎ融資を利用する前に、手持ちの現金でやりくりできないか今一度検討するのも大切です。
つなぎ資金の金額と使い道を明確にする
つなぎ資金は漠然と利用するのではなく、金額と使い道を明確にしておくことが大切です。
特に、審査が厳しい調達手段を利用する場合は、金融機関等に金額と使途をきちんと説明できる必要があります。
審査が厳しくない場合でも、金額と使途が明確でないと、調達した額が少なすぎて足りなくなったり、逆に多すぎて無駄な手数料を払うという事態になりかねません。
最適な調達方法を検討する
つなぎ資金の調達方法はさまざまであり、それぞれメリットとデメリットがあります。自分の今の状況に照らし合わせて、最適と思われる方法を選ぶことが大切です。
何日以内に資金が必要か、必要金額は少額か高額か、手形や売掛金などの資産があるか、自社の信用力はどの程度か、手数料や金利はどのくらいまで許容できるかなど、あらゆる要素を考慮しましょう。
返済計画を明確にする
融資によってつなぎ資金を調達する場合は、返済計画を明確にしておくことが大切です。つなぎ融資は短期の借入れになるので、一括返済や短期間で完済するスケジューリングが求められます。
必要書類を早めに準備する
つなぎ融資はスピードが求められるので、必要書類を早めに準備しておくことが重要になります。書類に不備がある状態で申請してしまい、再提出を求められるのは時間の無駄です。
必要書類は調達手段によって異なり、中には役場に申請する必要があったり、普段あまり使わないのでどこに保管しているか分からなくなっている書類もあるかもしれません。
このように、書類の準備は予想外に時間がかかってしまうことも少なくないので、できるだけ余裕を持って準備しましょう。
つなぎ資金とは何かしっかり理解して経営に活かそう!
キャッシュフローが健全な会社でも、状況の変化によってつなぎ資金が必要になる場面は起こり得ます。
つなぎ資金の調達失敗は黒字倒産など致命的な事態につながる恐れもあるので、調達方法やメリット・デメリットをしっかり理解して、うまく経営に活かすようにしましょう。