ファクタリングは売掛債権を売却することで、売掛金の支払期日より前に資金が手に入る調達方法です。
欧米で発祥・発展してきた資金調達方法であり、資金繰り改善に効果があるとされ、近年日本でも使用され始めています。
ここでは、ファクタリングの意味や利用時の注意点について知りたい人向けに、ファクタリングの意味や仕組み、買取型・保証型の特徴、利用時の注意点などについて解説します。
また、ファクタリングの違法性について知りたい人向けに、ファクタリングは違法ではないことを、法的根拠を用いて解説しますので、参照ください。
ファクタリングの意味は売掛債権を売却して資金調達すること
ファクタリングとは、自社が持っている売掛債権をファクタリング会社に売却し、売掛金の支払期日より前に資金調達する方法です。
英語ではfactoringと表記し、主な意味は他人が有する売掛債権を買い取って、早期に資金化する金融サービスを指します。
なお売掛債権とは、自社と取引先の間で商品やサービスの売買契約が成立し、取引先より代金を支払ってもらう権利のことを言います。
売掛債権は「受取手形」や「売掛金」として貸借対照表では資産に分類されます。
つまり、ファクタリングは自動車や不動産などを売却して資金化することと同じで、資産を売却して現金預金という資産を手に入れてる資金調達方法です。
日本ではあまり馴染みのない資金調達方法ですが、欧米ではかなり一般的なサービスとして普及しています。
ファクタリングは、主に買取型と保証型に分類され、それぞれ使用目的が異なります。
一般的にファクタリングという時には、買取型のファクタリングを指します。
買取方ファクタリングの主な特徴は以下の通りです。
- 売掛債権を期日前に売却し早期に資金化する
- 償還請求権なし(ノンリコースで実施される)
- 借入ではない
- 売掛先企業の信用で資金調達できる
- 2社間ファクタリンと3社間ファクタリングがある
ファクタリングの5つの意味や特徴について詳しく解説していきます。
手数料払って売掛債権を期日前に売却し早期に資金化する
ファクタリングは売掛債権を期日前に売却することで、売掛債権の期日よりも早くに資金化する方法です。
売掛債権は期日になるまでに資金化できない資産ですが、ファクタリングを利用することによって期日を待たずに早期資金化できます。
ファクタリングには手数料が発生するので、ファクタリングを利用すると手数料を控除した金額が入金になります。
売掛債権はファクタリング会社のものになるので、売掛債権期日になると原則的に売掛先企業はファクタリング会社に対して代金を支払います。(例外的に2社間ファクタリングは利用者が間に入ってファクタリング会社へ代金を支払う)
償還請求権なし(ノンリコース)で実施される
ファクタリングは償還請求権なし(ノンリコース)で取り扱われます。
償還請求権とは、ファクタリング後に売掛債権が回収不能になった場合、元の所有者であるファクタリング利用者に対して代金を請求する権利のことです。
ファクタリングは売掛債権売却時に売掛債権の回収リスクも一緒に売却していると解されており、そのため利息制限法を超える高額な手数料を設定しても違法ではありません。
つまり、償還請求権なしで行われるのがファクタリングの原理原則です。
ファクタリングで資金調達した後は、売掛先企業が倒産したとしても利用者には一切責任が及ばず、売掛債権の回収リスクから完全に解放される点はファクタリングの大きなメリットです。
借入ではない
ファクタリングは借入ではない資金調達方法です。
売掛債権という貸借対照表に記載されている資産を売却して、現金預金という資産と交換しているだけですので、会計上は資産と資産の交換になります。
融資であれば借入金という負債が貸借対照表に計上されますが、ファクタリングで資金調達しても負債は増えません。
負債が増えないことによって、自己資本比率を下げることなく資金調達でき、貸借対照表が大きくなることもありません。
自己資本比率は高い方が企業の評価は高くなりますし、不要な資産や負債を持たずにできる限り貸借対照表を小さくする(オフバランス化する)ことも評価されます。
ファクタリングは借入ではない資金調達方法として企業にとって大きな意味を持ちます。
売掛先企業の信用で資金調達できる
ファクタリングは売掛先企業の信用で資金調達できる点が最大の特徴です。
売掛債権という代金を受け取る権利(債権)を売却するため、ファクタリング会社へ代金を支払うのは売掛先企業です。
そのため審査では「売掛先企業が代金を支払えるかどうか」という点のみが重視されると言っても過言ではありません。
利用者に信用力がなくても売掛先企業が支払いに問題がない企業であれば審査に通過できる可能性が高く、利用者が赤字や債務超過で融資審査に落ちたあとでも、ファクタリングであれば審査に通過して資金調達できる場合があります。
融資審査に落ちた際の資金調達方法としてファクタリングは重宝します。
2社間ファクタリンと3社間ファクタリングがある
ファクタリングは売掛先企業を契約に介在させずに利用者とファクタリング会社だけで契約する2社間ファクタリングと、あらかじめ売掛先企業の同意を得て利用者とファクタリング会社の3社で契約する3社間ファクタリングという2つの契約形態があります。
2社間と3社間ではメリットとデメリットが全く異なるので、売掛先企業との関係性や資金が必要なタイミングなどに合わせて自由に使い分けられる点は特徴的です。
2社間ファクタリングと3社間ファクタリングの違い
買取型には契約形態によって、以下の2種類に分類されます。
- 2社間ファクタリング|取引先に知られず早期に資金調達可能
- 3社間ファクタリング|手数料が安く審査に通りやすい
それぞれの仕組みやメリット・デメリットについて解説しますので、参照ください。
2社間ファクタリング|取引先に知られず早期に資金調達可能
2社間ファクタリングとは、利用者とファクタリング会社で契約されます。売掛債権の売却を、取引先に通知されないことが最大の特徴です。
利用者とファクタリング会社の双方で契約内容に同意し、審査に通るとすぐ資金が手に入るため、入金スピードが早いことが魅力と言えます。
2社間のメリット・デメリットについて、以下に詳しく解説します。
2社間のメリット
2社間のメリットは、以下の3つが挙げられます。
- 即日資金調達が可能
- 非対面で契約できる
- 取引先にファクタリング利用が通知されない
資金繰りに困り、今すぐ手元に資金が欲しい企業におすすめの利用方法です。
即日資金調達が可能
2社間は、利用者とファクタリング会社間で契約が行われるため、スムーズに審査に進めます。
審査に通れば、当事者同士ですぐに契約でき、即資金が入ることから、入金スピードが速く、ファクタリング会社によっては即日で入金される場合もあります。
非対面で契約できる
2社間ファクタリングは非対面かつオンラインで契約完結できる会社が多数あります。
2社間ファクタリングの契約当事者は利用者とファクタリング会社という2社だけですので、審査に通過すれば、すぐに契約手続きへ進めるためです。
3社間ファクタリングの場合は、売掛先企業に期日になった時の支払先などを説明しなければならないので、契約に時間がかかり、基本的には対面や郵送での契約手続きが必要になります。
- 忙しくてファクタリング会社の事務所へ訪問できない
- 近くにファクタリング会社がない地方の企業
- ファクタリング会社の事務所へ訪問することに抵抗がある
このような方でも、2社間ファクタリングであれば非対面かつオンラインで契約完結できる業者が多いので会社や自宅にいながらファクタリング契約を進められます。
取引先にファクタリング利用が通知されない
自社・ファクタリング会社間の契約であり、取引先には通知されません。
ファクタリングという資金調達方法は借入と比較するとまだまだマイナーなので、取引先の中にはファクタリングで資金調達したことを知って「あの会社は資金繰りが苦しい」「怪しい方法でお金を借りようとしている」などとネガティブに判断されて、関係性に悪影響してしまう可能性もあります。
自社と取引先の信頼関係が構築中である場合や、取引先に知られたくない場合におすすめの資金調達方法と言えます。
2社間のデメリット
デメリットには、以下の3点が挙げられます。
- 手数料が高い
- 審査が厳しい
- 債権譲渡登記を求められることがある
デメリットによっては2社間ファクタリングが利用できない可能性もあるため、しっかり確認しておきましょう。
手数料が高い
2社間は、ファクタリング会社にとって最大の損失である、売掛金の未回収リスクが高いため、手数料が高く設定されています。
手数料の相場は以下の通りです。
- 2社間ファクタリング:5~15%
- 3社間ファクタリング:1~10%
償還請求権がないことから、取引先が売掛金を支払わないと損をするのはファクタリング会社です。
ファクタリングの手数料が高いのは、売掛債権に内在する回収リスクに対するリスクプレミアムだと言えます。
売掛金から手数料が引かれてしまうため、ファクタリング利用者としては少しでも抑えたいところでしょう。
売掛債権が複数ある場合は、取引先の知名度が高いところや、経営が安定しているところを選んでファクタリングすると、手数料が抑えられる傾向があります。
3社間よりも審査が厳しい
2社間ファクタリングは3社間ファクタリングと比較して審査が厳しい傾向があります。
2社間の審査が厳しい理由は、以下の3つが考えられます。
- 代金流用のリスクがある
- 架空債権のリスクがある
- 二重譲渡のリスクがある
2社間ファクタリングは利用者が代金を流用するリスクがあります。
2社間ファクタリングでは売掛金の支払いが利用者を経由するためです。
取引先から支払われた売掛金を、利用者がファクタリング会社に支払わない可能性が、ゼロとは言い切れません。そのため、あまりにも資金繰りの悪い企業は代金流用のリスクが高いと判断されて審査に落とされてしまう可能性があります。
また、2社間ファクタリングでは売掛先企業の同意なしで契約するため、利用者が悪意を持って以下のような行為をするリスクがあります。
- 存在しない売掛債権(架空債権)を作り上げてファクタリングを利用する
- すでに他のファクタリング会社へ売却した売掛債権を別のファクタリング会社へ二重に譲渡する
ファクタリング利用者の経営状態が苦しいと、これらの行為に及ぶ可能性があるので、2社間ファクタリングでは3社間ファクタリングよりも利用者の信用に対しても厳しくチェックをおこないます。
債権譲渡登記を求められることがある
売掛債権の二重譲渡を防止するために、債権譲渡登記を求められることがあります。
債権譲渡登記とは「自社が持つ売掛債権は、ファクタリング会社Aに売却しました」と法務局に登記することです。
債権譲渡登記があることによって、もしも二重譲渡があってもファクタリング会社は「すでに自社が譲渡を受けた債権だ」と対抗できるので、ファクタリング会社の権利を守ることができます。
債権譲渡登記を発行するためには、1件7,500円の登録免許税や手続きを行う司法書士への報酬など、およそ12万円の費用が発生し、この分だけ手数料が高くなる傾向があります。
あらかじめ売掛先企業の同意を得て手続きする3社間ファクタリングでは二重譲渡のリスクがないので、債権譲渡登記は必要ありません。
2社間ファクタリングのみ、債権譲渡登記を求められる可能性があるという点はデメリットです。
3社間ファクタリング|手数料が安く審査に通りやすい
3社間ファクタリングは、自社・ファクタリング会社・取引先の3社で行われる契約を言います。
取引先を交えて契約されることから、売掛債権の信頼度が高く、手数料が安く抑えられるのが特徴です。
また、3社間は取引先がファクタリング会社に直接売掛金を支払うため、自社にとって手間がありません。
以下に、3社間のメリット・デメリットについて解説していますので、参照ください。
3社間のメリット
3社間のメリットは、以下の4つが挙げられます。
- 手数料が安い
- 審査に通りやすい
- 安心して利用できるファクタリング会社が多い
- 回収事務をアウトソーシングできる
低コストで資金調達できる上に、審査に通過しやすい点などがメリットとして挙げられます。
3社間ファクタリングの4つのメリットについて詳しく解説していきます。
手数料が安い
3社間は、取引先が関わることで売掛債権の信頼度が高いと判断されることから、手数料が安いです。
2社間の手数料が5〜15%なのに対し、3社間は1〜5%とほぼ半分で利用できます。
ファクタリング会社にとって、売掛金の未回収リスクが低いと判断される売掛債権に対しては、手数料が安く設定されることが多いです。
知名度が高い企業や、国・地方公共団体が委託する企業などの売掛債権であれば、1%台の手数料が適用されるケースもあり、2社間ファクタリングと比較してかなりの低コストで資金調達できる点は3社間ファクタリング最大のメリットです。
審査に通りやすい
3社間ファクタリングは売掛先企業とファクタリング会社が直接契約できることから、架空債権や二重譲渡や代金流用のリスクがありません。
そのため、3社間ファクタリングでは利用者の信用はほど審査されず、利用者の決算状況の悪さなどを理由に2社間ファクタリングの審査に通過できなかった企業でも3社間では通過できる可能性があります。
赤字や債務超過が続いており2社間ファクタリングの審査に通過できる自信がない方や、2社間ファクタリングの審査に落ちてしまった方は、3社間ファクタリングであれば資金調達できるかもしれません。
安心して利用できるファクタリング会社が多い
3社間を取り扱っているファクタリング会社は、大元が銀行や大手企業である場合が多く、信頼度が高いため、安心してファクタリングが利用できます。
ファクタリング会社の中には、信用に欠ける闇金に近い業者が混在しているケースがあります。
しかし3社間ファクタリングであれば大手企業や銀行の関連会社のケースがほとんどですので、2社間ファクタリングよりも安心して業者を選べる点もメリットです。
回収事務をアウトソーシングできる
3社間ファクタリングは売掛債権の回収事務をアウトソーシングできる点もメリットです。
あらかじめ売掛先企業の同意を得て手続きする3社間ファクタリングでは、入金の確認、消し込み作業、未入金時の督促などは全てファクタリング会社がおこなってくれます。
2社間ファクタリングでは代金の入金を受けるのは利用者ですので、回収事務は利用者が行わなければなりません。
企業にとって売掛債権の回収管理は非常に大きな事務的な負担になっています。
3社間ファクタリングであれば、回収事務をアウトソーシングすることによって企業の事務的な負担を軽減できます。
企業のバックオフィス業務を効率化できる点は3社間ファクタリングの大きなメリットだと言えるでしょう。
3社間のデメリット
3社間のデメリットは、以下の2つが挙げられます。
- 入金まで時間がかかる
- 取引先との信頼関係が崩れる危険性がある
今後の経営にも関わってくるデメリットもあるため、しっかり抑えておきましょう。
入金まで時間がかかる
契約に取引先が加わることで、書類のやり取りや契約内容の確認などに時間がかかります。
2社間は最短で即日入金が可能なのに対し、3社間は2〜3週間かかる場合があります。
資金調達までの期間にゆとりを持って、3社間を利用しましょう。
取引先との信頼関係が崩れる危険性がある
3社間ファクタリングは取引先との関係性を壊してしまう可能性がある点もデメリットです。
契約に売掛先企業が介在する3社間ファクタリングでは、必然的に取引先にファクタリングの利用を知られることになるため、取引先企業との信頼関係が崩れる危険性があります。
ファクタリングを利用することを知った取引先は「資金繰りに苦労している会社」「資産がない」など、利用者に対してマイナスのイメージを持つ可能性があるためです。
長年付き合いがあり、信頼関係が構築できている企業や、大企業・国や地方公共団体など、ファクタリングの利用を通知されても問題ないとされる売掛債権を利用しましょう。
保証型ファクタリングの意味とは?
保証型ファクタリングとは、売掛金が未回収となった場合に、ファクタリング会社から保証金を受け取る方法です。
保証型を利用するには、保証料の支払いが必要であり、売掛債権に保険をかけるイメージで考えましょう。
そのため、売掛債権はファクタリング会社に売却しません。
保証型は、売掛債権に対し審査を行い、保証限度額が設定されます。
例えば、100万円の売掛債権に対し審査を行った結果、保証限度額を70万円と設定されたとします。
売掛金の未回収が確定した場合、70万円がファクタリング会社から自社に入金される流れとなります。
保証型の利用をおすすめするシーンは以下の通りです。
- 取引先の経営状況が心配なとき
- 新しく取引を始めたばかりで信頼度が低いとき
- 売上がひとつの企業に集中しているとき
次に保証型のメリット・デメリットについて解説しますので、参照ください。
保証型のメリット
保証型には、以下の4つのメリットがあります。
- 貸倒れのリスクが回避できる
- 与信審査の手間が省ける
- 信頼度の高いファクタリング会社が利用できる
- 複数の売掛債権が利用できる
保証型では資金調達はできませんが、売掛先と安心して取引でき、確実な回収が担保されるというメリットがあります。
保証ファクタリングの4つのメリットについて詳しく解説していきます。
貸倒れのリスクが回避できる
保証ファクタリングを利用することで、売掛債権が万が一貸し倒れた場合に代金が保証されます。
貸し倒れとは、売掛金が支払われないことで債権者が債権(売上)を回収できないことを言います。
保証型を利用しなければ、売掛金全額が入らないことで大きな損失となり、場合によっては取引先と一緒に倒産する「連鎖倒産」に陥るリスクもあります。
しかし保証ファクタリングを利用すれば売掛金の大半は保証金として入金されるため、大きなメリットと言えるでしょう。
与信審査の手間が省ける
保証ファクタリングを利用することで、本来自社で行うべき取引先に対する与信審査を、ファクタリング会社が代行してくれることで手間が省けます。
与信審査とは、取引先の支払い能力を調査し、取引しても問題ないか、信頼してもよい企業なのかを見定めることです。
保証型を利用することで、ファクタリング会社が取引先の支払い能力などを調査するため、保証料を支払い、与信審査を外注するイメージと言えます。
審査のプロが与信審査をおこなってくれるので、利用者が自ら与信審査をおこなうよりもより精度が高い審査を実施することが可能です。
取引先が複数あり、自社では与信審査が追いつかない場合に、保証型を利用することもあります。
信頼度の高いファクタリング会社が利用できる
保証型を取り扱っているファクタリング会社は、銀行と取引のある会社が多く、信頼度が高いです。
実質的な貸付をおこなっているようないわゆる闇金や、法外な手数料を設定する悪徳業者は、保証ファクタリングを取り扱ってもメリットがないので、保証ファクタリングは基本的に安全な業者しか取り扱っていません。
ファクタリング会社の信頼度が高いため、安心して利用できます。
複数の売掛債権が利用できる
保証型は、売掛債権の売却ではないことから、複数の企業や債権をまとめて申し込むことができます。
与信審査が不十分で、取引先の信頼度が不透明な売掛債権が複数ある場合は、まとめて申し込み可能です。
1社1社の与信審査をおこなうと審査にも非常に手間がかかりますが、保証ファクタリングを利用すれば、与信審査のアウトソーシングができるのは保証ファクタリングのメリットです。
保証型のデメリット
保証型には、以下の2つのデメリットがあります。
- 保証料がかかり返金されない
- 取引先の信頼度によっては審査が通らない可能性がある
コスト面などは保証ファクタリングのデメリットです。
2つの注意点について詳しく解説していきます。
保証料がかかり返金されない
保証型には、売掛債権の信頼度に応じて保証料がかかり、相場は1〜8%です。
わたしたちがかけている生命保険や車の任意保険のような、保険料と捉えましょう。
例えば、100万円の売掛債権で保証型ファクタリングを利用したとすると、保証料は1〜8万円かかることになります。
また、保証料は返金されません。
売掛金の金額が大きければ大きいほど、保証料も高額になってきます。
売掛債権が複数あり、どの取引先も心配だからといって保証型を利用すると、保証料だけでも大きな出費になるでしょう。
複数の取引先に保証型を利用したい場合でも、より経営状況が不安な取引先に限定するのがおすすめです。
取引先の信頼度によっては審査が通らない可能性がある
ファクタリング会社が売掛債権の信頼度を調査した結果、不当と判断された場合は、保証型を利用できない可能性があります。
返済能力が低い、信頼に欠けるような取引先の売掛債権は保証不可とされる確率が高いため、注意しましょう。
また、保証期間内に取引先の業績が悪化した場合は、保証の廃止を通知されることもあります。
ファクタリングの審査基準
ファクタリングでは必ず審査が行われ、審査では以下のようなポイントが重要になります。
- 売掛先企業の信用
- 売掛債権の金額
- 売掛債権の期間
- 売掛先企業との取引歴
- 利用者の信用
ファクタリングでは主に売掛先企業の信用が重視されるので、どの売掛債権を売却するのかによって審査に通過できるかどうかは異なります。
ファクタタリングの審査基準について詳しく解説していきます。
売掛先企業の信用
ファクタリングで最も重視されるにが売掛先企業の信用です。
売掛先企業に支払能力があると判断されれば、ファクタリング会社が売掛債権を回収できる可能性が高いので審査に通過できる可能性が高くなります。
- 業績良好な企業
- 大手企業
- 官公庁
- 過去にも何度も入金実績があり遅れがない企業
これらのいずれかに該当する売掛債権は支払能力が高いと判断される可能性が高くなります。
手元に複数の売掛債権があるのであれば、最も信用度の高い企業が債務者になっている売掛債権をファクタリングしましょう。
売掛債権の金額
売掛債権の金額が利用者にとって妥当なものかどうかも重要です。
具体的には月商と同程度の金額であれば、金額的に不自然ではないので審査でマイナスになることはありません。
一方、利用者の売上規模から見て、金額的に不自然な場合には、架空債権の懸念を持たれてしまうので審査に通過できないことがあります。
例えば、年商1,000万円の事業者が1,000万円を超える売掛債権でファクタリングの申し込みをした場合には、金額的に明らかに不自然です。
「資金調達のために架空の売掛債権をでっちあげてるのでは?」と疑われてしまう可能性があるので、これでは審査に通過することは難しくなります。
利用者の売上規模から見て、自然な金額の売掛債権の方が審査に通過できる可能性が高くなるでしょう。
売掛債権の期間
売掛債権の支払期日までの期間も審査では重視されます。
支払期日までの期間が短ければ審査に通過しやすくなりますし、支払期日までの期間が長ければ審査でマイナスになります。
期間が長いと支払期日になるまでに売掛先企業が経営悪化してしまう可能性があるためです。また、そもそもそれほど長い期間を設定する企業の資金繰りが健全とは判断されにくいためです。
反対に、売掛債権の期間が短ければ期日になるまでに売掛先企業の経営が悪化するリスクが低いので、審査ではプラスになります。
複数の売掛債権を保有しているのであれば、支払期間が短い売掛債権をファクタリングしましょう。
売掛先企業との取引歴
利用者と売掛先企業との取引歴も審査では重視されます。
売掛先企業との取引歴が長く、これまで支払いに遅れがないのであれば「今回も期日通りに代金が支払われる可能性が高い」と判断されるので審査ではプラスです。
一方、売掛先企業との取引歴が短い場合や、初めて取引する企業に対する売掛債権の場合は「期日通りに支払われるか分からない」と判断され、審査ではマイナスです。初めての取引先に対する売掛債権については買い取りをおこなっていないふぁくたりんぐ会社も数多く存在します。
これまで継続的に取引をしている企業に対する売掛債権をファクタリングした方が審査では有利になるでしょう。
利用者の信用
2社間ファクタリングではファクタリング利用者の信用も重視されます。
ファクタリング利用者が赤字や債務超過などの場合には、架空債権や二重譲渡などのリスクがありますし、あまりにも資金繰りが苦しい場合は期日に売掛先企業からしはられる代金を流用する可能性もあるためです。
そのため赤字や債務超過が続いており、資金繰りがかなり苦しいと判断される企業は2社間ファクタリングを断られてしまう可能性があります。
一方、3社間ファクタリングは、売掛先企業の同意を得て、売掛先企業がファクタリング会社へ直接代金を支払うため利用者の信用は審査にはほとんど影響しません。
自社の財務状況などに自信がないのであれば、3社間ファクタリングへ申し込みましょう。
ファクタリング利用をおすすめする4つのタイミング
ファクタリングの利用をおすすめする以下の4つのタイミングを紹介します。
- 急いで資金が必要なとき
- 売掛金の入金までにまとまった支払いが必要になったとき
- 起業したばかりで自社に実績がないとき
- 銀行融資に落ちたとき
資金繰りに悩んでいる方は、ファクタリングを利用するタイミングも重要になってきますので、以下を参照ください。
急いで資金が必要なとき
中小企業がファクタリングを利用する理由として多いものが緊急で資金が必要になったときです。
2社間ファクタリングは最短即日で入金を受けられますし、業者の中には最短10分とか30分で入金される場合もあります。
事業活動においては「今日中に資金を用意しないと手形が不渡りになる」「あてにしていた入金が遅れると急に取引先から連絡があった」など、緊急で資金が必要になる場面は少なくありません。
このような時に、申込から入金まで2週間〜3週間程度の時間がかかる銀行融資であれば、資金は間に合いません。
しかしファクタリングであれば最短即日で資金調達できるので、急いで資金が必要になったときに重宝します。
売掛金の入金までにまとまった支払いが必要になったとき
売掛金の支払いは、売買契約締結後1〜2カ月先のことが多いです。
その間に商品やサービスの素材の支払いや、従業員への賞与などでまとまった出費があるにもかかわらず、手元に資金がないときにファクタリングの利用が有効です。
資金繰りは手元の資金が多ければ多いほど良好になるので、ファクタリングを利用するこで入金サイトが短縮して手元資金が潤沢になります。
ファクタリングを利用することで、資金繰りそのものが改善する効果も期待できるでしょう。
起業したばかりで自社に実績がないとき
ファクタリングと銀行融資の違いについて、以下の表を参照ください。
ファクタリング | 銀行融資 | |
---|---|---|
重視するポイント |
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企業直後の利用 |
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会計処理上の分類 | 売掛金の減少と現金の増加 | 負債 |
ファクタリングと銀行融資は、審査で重要視する視点が異なるため、起業したばかりで資金繰りに悩んでいる方は、ファクタリングの利用がおすすめです。
ただし、取引先に重点を置いて審査が行われると言っても、自社が全く審査されないわけではありません。
ファクタリング会社とのやり取りには誠実な対応を心がけ、書類を不備なく用意するなど、ファクタリング会社に信頼してもらえるように気を付けましょう。
また、ファクタリングは会計処理上、負債にはなりません。
負債が多いと、銀行からはあまりよいイメージは持たれません。
今後融資を検討している場合は、ファクタリングで資金調達しましょう。
銀行融資に落ちたとき
ファクタリングは取引先の返済能力を重視しているため、銀行融資に落ちてしまってもファクタリングは利用できる可能性があります。
銀行融資は自社の返済能力や経営状況を重視しており、審査も厳しいです。
そのため、利用者の決算が赤字や債務超過で、融資をおこなっても改善の見込みがないと判断されてしまったら審査に通過することは不可能です。
一方、ファクタリング審査では売掛先企業の信用が重視されるので売掛債権の信頼度が高ければ審査に通りやすい傾向があります。
自社の行
ファクタリングの利用時の注意点を紹介
ファクタリングを利用する際の注意点を紹介します。
2社間・3社間それぞれを利用するにあたり、以下の4つの注意点に気を付けましょう。
- ファクタリング会社への支払いは一括のみ
- 支払期限を過ぎている売掛債権は利用できない
- 本質的に資金繰りは改善しない
- 安全な業者は自己責任で選ぶ必要がある
ファクタリングは借入とは異なるので、資金繰りが円滑になるのは一時的です。
また、業者選びには十分に注意しましょう。
ファクタリングを利用する際の4つの注意点について詳しく解説していきます。
ファクタリング会社への支払いは一括のみ
ファクタリング会社に売掛金を支払うときは、一括支払いのみ適応されます。
ファクタリングは貸付ではなく、債権の売却であり売買契約にあたるからです。仮に分割払いにしてしまうと貸付に該当するため、ファクタリング会社が違法行為を行ったとみなされてしまいます。
2社間の場合は取引先から自社へ売掛金が支払われますので、そのままファクタリング会社に送金しましょう。
支払期限を過ぎている売掛債権は利用できない
売掛債権には支払期限が設定されており、期日を過ぎても支払われていない債権は利用できません。
ファクタリングは売掛債権の支払期日より前に資金調達をする方法であり、期日を過ぎた債権は、対象にはならないためです。
支払期限内の売掛債権を利用しましょう。
本質的に資金繰りは改善しない
ファクタリングでは企業の資金繰りを本質的に改善させることはできません。
ファクタリングは1ヶ月〜3ヶ月程度先に入金になる売掛債権の入金を前倒しにしているだけだからです。
つまり、ファクタリングによって資金調達しても、当初の入金期日には入金がないので、その頃には再び資金繰りが苦しくなり、再度ファクタリングを利用するという悪循環に陥ってしまう可能性があります。
ファクタリングを利用するのは、あくまでも緊急で資金が必要になったときに留め、本質的に資金繰りを改善したいのであれば、長期借入金を利用し、長期借入金が手元にある間に経営改善を図るようにしてください。
安全な業者は自己責任で選ぶ必要がある
ファクタリング業者の中には、法外な手数料を設定する悪徳業者や実質的な貸付をおこなう闇金も混じっています。
ファクタリング業を営むためには、行政への許認可や登録や免許などは一切必要ないので、どんな業者でも営業できるためです。
貸金業者のような登録制度であれば、登録貸金業者を探すことによって安心安全な業者を見つけることは簡単です。
しかしファクタリングは、登録貸金業者のような客観的な指標がないので、安全な業者は自己責任が探さなければなりません。
- インターネットの口コミを調べる
- 法人登記がなされている法人か調べる
- 業界団体に加盟しているか調べる
- 複数社から査定をとって業者を比較する
これらの方法で、安心安全な業者を自己責任で選択するようにしてください。
違法業者によるファクタリングに注意
ファクタリング会社の中には、不当な手数料を提示する、分割払いにして貸付を行おうとする違法業者が紛れています。
ファクタリング自体は法律に則った正当な取引であるため、業者選びが重要です。
以下の項目について、詳しく解説します。
- ファクタリング自体は違法ではない
- 給与ファクタリングは違法の可能性が高い
- 違法業者の3つの特徴
ファクタリングが違法ではない根拠、違法業者とはどのような特徴があるのかが分かりますので、参照ください。
ファクタリング自体は違法ではない
ファクタリングは民法に適用された、正当な取引です。ファクタリングの法的根拠となる法律は以下の3つです。
民法第466条(債権譲渡)
債権は、譲り渡すことができる。ただし、その性質がこれを許さないときは、この限りでない。
引用:第466条|民法|e-Gov法令検索
自社とファクタリング会社が同意していれば、取引先に通知しなくても債権の譲渡が認められていることを示す内容になっています。
民法第467条(債権の譲渡の対抗要件)
債権の譲渡(現に発生していない債権の譲渡を含む。)は、譲渡人が債務者に通知をし、又は債務者が承諾をしなければ、債務者その他の第三者に対抗することができない。
引用:第467条|民法|e-Gov法令検索
以下の手続きをすることで、効力を発揮するとされています。
- ファクタリング会社が取引先に売掛債権の譲渡を通知する
- 取引先が売掛債権の譲渡を承諾する
これは3社間ファクタリングの契約に取引先が関わり、債権譲渡に同意した上で行われる契約と言えます。
民法第555条(売買契約)
売買は、当事者の一方がある財産権を相手方に移転することを約し、相手方がこれに対してその代金を支払うことを約することによって、その効力を生ずる。
引用:第555条|民法|e-Gov法令検索
自社とファクタリング会社双方が、売掛債権を売買することに同意していれば成立するという内容です。
以上のことから、ファクタリングは法律に則り行われている取引であり、違法ではないと言えます。
給与ファクタリングは違法の可能性が高い
給与ファクタリングとは、労働者がもらう給与を債権として売却し、給与の支給日より前に、資金調達する方法を言います。
給与ファクタリングが違法の可能性が高い理由は以下の通りです。
- 労働基準法の規定により、給与は労働者本人にのみ支給されること
- ファクタリング会社は本人にのみ支払いを請求するしかないこと
以上のことから、給与ファクタリングは貸金業とみなされるため、ファクタリングとは言い難い取引であるとされています。
貸金業登録していない業者が給与ファクタリングを行うことは違法とされるため、利用は控えましょう。
違法業者の6つの特徴
ファクタリングは営業するための許認可や登録や免許が一切必要ありませんので、悪徳業者・違法業者には十分注意し、安全な業者は自分の目で選ぶ必要があります。
違法業者には以下のような特徴があるので、違法業者の特徴を押さえて、危ない業者との取引は避ける必要があります。
- 償還請求権がある
- 分割の買い取りや支払いを求めてくる
- 担保や保証人を要求する
- 契約書がない
- 所在地や代表者が不明瞭
- 売掛債権の再利用を薦めてくる
どのような業者が違法とみなされるのか、以下の6つの特徴について解説しますので参照ください。
償還請求権がある
償還請求権ありのファクタリング契約は違法です。
ファクタリングは売掛債権売却時に売掛債権の回収リスクを一緒に売却していると解されており、ファクタリングの手数料は回収リスクに対するリスクプレミアムだからです。
つまり回収リスクを負わないファクタリングは実質的な貸付と判断され、その場合業者は①貸金業者登録をしなければならい②手数料は利息制限法の範囲内としなければならない
という2つの縛りを受けることになります。
ほとんどのファクタリング会社は貸金業者登録をしていませんし、手数料は利息制限法を大きく逸脱しています。
つまり償還請求権ありの業者は無登録で実質的な貸付を行う違法業者、いわゆる闇金ですので、絶対に取引すべきではありません。
償還請求権ありのファクタリングについて、金融庁も以下のように注意喚起を行っています。
ファクタリングとして行われ、契約書に「債権譲渡契約(売買契約)」であることが定められた取引であっても、経済的に貸付けと同様の機能を有していると思われるようなものについては、貸金業に該当するおそれがあります。
例えば、譲渡した債権の回収(集金)がファクタリング業者から売主に委託されており、売主が集金できなかった場合に、○ 売主が債権を買い戻すこととされている
○ 売主自身の資金によりファクタリング業者に支払をしなければならないこととされている
などといったようなものについては、貸金業に該当するおそれがあります。また、ファクタリングが貸金業に該当するかについては、契約書にノンリコース(売却した売掛債権等が返済不能になっても売却した事業者に返済義務は生じないこと)の規定があるかなどの形式的な要素だけでなく、経済的側面や実態に照らして判断されるものですので、注意が必要です。
金融庁|ファクタリングの利用に関する注意喚起
闇金と取引してしまうと悪質かつ脅迫的な取り立てが行われる可能性があるため、絶対に取引しないようにしてください。
分割の買い取りや支払いを求めてくる
分割での買取や支払いを求めてくる業者は違法業者の可能性が極めて高いと判断できます。
ファクタリングの代金は一括買取が原則で、ファクタリング会社の支払いと一括しか認められていません。
分割での支払いが認められているのは、貸金業などだけですので、ファクタリングであるにも関わらず、分割払いができる業者は実質的な貸付を行う闇金の可能性が高いと判断できます。
一括以外の方法での支払いや買取を求めてくる業者も極めて闇金の可能性が高いため、取引を行ってはなりません。
担保や保証人を要求する
ファクタリングであるにも関わらず担保や保証人を要求する業者も悪徳業者の可能性が高いでしょう。
ファクタリングは売掛債権の売却で、売掛債権を売却した後は、利用者とファクタリング会社の関係性は特にありません。
利用者はファクタリング会社にとって債務者ではないので、担保や保証人を要求される道理がないため、やはりこのような業者も違法の可能性が極めて高いと判断できます。
ファクタリングは当然ですが担保も保証人も必要ありませんので、それらを要求する業者とは絶対に取引しないようにしてください。
契約書がない
契約書が発行されないファクタリング会社も違法性が高い悪徳業者の可能性があります。
あえて、契約書という物的証拠を残さずに、後から自社に都合のいいような要求ができる余地を残していると考えられるためです。
契約書がある業者であれば、契約者に記載のない義務を負う必要はありません。
オンライン完結のファクタリング会社でも契約書の控えはメールなどで交付されるので、必ず契約書を発行する業者とのみ取引するようにしてください。
ファクタリングには契約書が必ず存在します。契約書を提示せず、曖昧なまま取引をしようとする業者には注意しましょう。
また契約書の内容に不明点が多い場合や、何度も内容が変更される場合も注意が必要です。
所在地や代表者が不明瞭
ファクタリング会社のホームページに記載されている所在地や代表者が不明瞭な業者は、利用を控えましょう。
ファクタリング会社について調べたい場合は、法人番号公表サイトを活用するのがおすすめです。
会社を設立したときに法人番号が割り振られ、サイト内で検索すると所在地や企業の名称が分かるようになっています。
検索して出てきた情報は、国が認めている内容であるため信頼度が高いです。
気になるファクタリング会社は、検索してみるとよいでしょう。
法人番号公表サイトURL:https://www.houjin-bangou.nta.go.jp/
売掛債権の再利用を薦めてくる
一度譲渡した売掛債権で再び契約しようと持ちかけてくるファクタリング会社は、違法業者である可能性があります。
売掛債権の再利用は貸金業にあたるため、ファクタリングではありません。
貸金業登録をしていないファクタリング会社が行うことは違法行為です。
一度契約した後に、再び譲渡契約を持ちかけられた場合は、対応せず金融庁や警察に相談しましょう。
また、問い合わせた後にしつこく勧誘をしてくるような業者も悪徳な業者の可能性があります。
しつこい勧誘をする業者とは取引しないようにしましょう。
初めての利用におすすめのファクタリング会社10選
初めてファクタリングを利用する方は低コストかつスピーディーに資金調達できる安全な業者と取引しましょう。
ファクタリング利用が初めての方におすすめのファクタリング会社は以下の10社です。
- OLTA
- ベストファクター
- ビートレーディング
- ペイトナーファクタリング
- ラボル
- フリーナンス
- 日本中小企業金融サポート機構
- 買速
- バイオン
これらの業者であれば、最短即日で低コストの資金調達ができ、安全に利用できます。
おすすめファクタリング会社の特徴やスペックについて詳しくご紹介していきます。
OLTA(オルタ)
取り扱いサービス | 2社間 |
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契約方式 | オンライン |
手数料 | 2~9% |
入金スピード | 最短1日 |
買取限度額 | 制限なし |
公式サイトURL | https://www.olta.co.jp/ |
OLTA(オルタ)はオンライン完結型ファクタリングを日本に広めた会社です。
OLTAがオンライン完結型のファクタリングを広めて以降、他社もオンラインに力を入れるようになりました。
オンライン完結型のファクタリングという意味を表す「クラウドファクタリング」という言葉もOLTAの商標です。
店舗を持たないので店舗管理コストや人件費がかからず、手数料の上限は9%と業界最低水準となっています。
買取額には下限も上限もないので、売上規模の小さな小規模事業者から中堅企業まで幅広く利用できるのが特徴です。
また、OLTAの特徴はなんと言っても圧倒的な安心感です。
大手企業が出資しており、資本金は44億円を超えています。
また、全国の銀行と提携し、当該銀行と提携したファクタリング商品を展開しており、銀行の顧客に対してもファクタリングを実施しています。
資本金が大きく、銀行が提携するほどのファクタリング会社ですので、安心して利用できるでしょう。
ベストファクター
取り扱いサービス | 2社間、3社間 |
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契約方式 | 対面 |
手数料 | 2%〜 |
入金スピード | 最短即日 |
買取限度額 | 30万~ |
公式サイトURL | https://bestfactor.jp/ |
ベストファクターは独立系のファクタリング会社の中でも、インターネット上の口コミや評判が非常に良好な企業です。
担当者の対応がよく、財務全般に対する知識のレベルが高いので、審査の際には財務コンサルティングを受けることが可能です。
またベストファクターは顧客との対面での面談を非常に重視しています。
ファクタリングを販売することが第一だとは考えていないため、顧客と面談し、顧客にとってファクタリングが最良の選択肢であると判断できた場合のみ、ファクタリングを提案しています。
また、遠方の企業に対してはベストファクターの担当者が出張してくれるので安心です。
ファクタリング会社の担当者と信頼関係を築き、継続的に取引をしていきたいと考えている方にはおすすめのファクタリング会社です。
ビートレーディング
取り扱いサービス | 2社間、3社間、診療・介護報酬債権買取、Beトレペイメント |
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契約方式 | 対面・オンライン |
手数料 | 【2社間】4%~12%程度 【3社間】2%~9%程度 |
入金スピード | 最短2時間 |
買取限度額 | 下限上限なし |
公式サイトURL | https://betrading.jp/ |
ビートレーディングは、店舗型の独立系ファクタリング会社として、最も有名で知名度の高い企業です。
メディアにもたびたび登場しているため、ファクタリングを利用したことがない方も「名前だけは聞いたことがある」という方も多いのではないでしょうか?
累計取引社数は5.2万社、累計買取実績は1,170億円を超えており、多くの人がビートレーディングで資金調達した実績があります。
担当者はファクタリング以外にも金融や財務の知識を持っているので、資金繰り全般の相談ができ、財務コンサルティングも受けられます。
店舗型のファクタリング会社ですので、本来は契約時には面談が必要ですが、最近はオンライン面談・オンライン契約にも力を入れており、オンラインであれば、最短2時間で資金調達が可能です。
また、店舗型でありながら上限12%の手数料はかなり低いと言えるでしょう。
ビートレーディングは業者の安全性・専門性・スピード・コストというあらゆる面で高いレベルのファクタリング会社です。
ペイトナーファクタリング
取り扱いサービス | 2社間 |
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契約方式 | 非対面式 |
手数料 | 10% |
入金スピード | 最短10分 |
買取限度額 | 〜100万円 (初回25万円迄から徐々に拡大) |
公式サイトURL | https://paytner.co.jp/factoring |
ペイトナーファクタリングは小規模事業者専用のファクタリング会社として非常に多くの特徴があるファクタリング会社です。
最も大きな特徴は最短10分で資金化できるという点です。
あらかじめアカウントを作成しておけば、請求書のアップロードから最短10分で入金されます。
また、手数料は10%で固定なのであらかじめ資金調達コストがわかりやすい点も大きなメリットです。
さらにペイトナーファクタリングは、個人宛の請求書をファクタタリングできる唯一の主要ファクタリング会社です。
個人事業主相手に事業をしている事業者の方は、これまでファクタリングを利用することが難しかったですが、ペイトナーファクタリングであれば、個人事業主相手に事業をしている方もファクタリングを利用できます。
なお、ペイトナーファクタリングは小口専門のファクタリング会社ですので、初回は25万円までしか利用できません。
徐々に限度額は拡大していくものの、上限では100万円までとなっているので、規模の大きな事業者は活用できない点に注意しましょう。
ラボル
取り扱いサービス | 2社間 |
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契約方式 | 非対面式 |
手数料 | 10% |
入金スピード | 最短60分 |
買取限度額 | 1万円〜限度なし |
公式サイトURL | https://labol.co.jp/ |
ラボルを運営する株式会社ラボルは東証プライム上場企業の株式会社セレスです。
そのため、ラボルは実質的に上場企業が運営するファクタリングサービスですので、運営企業の信頼性は抜群です。
ファクタリングの内容も、手数料が10%固定で、最短60分入金、1万円から上限なしの買取額と、利便性・スピード・コストとあらゆる面でメリットがあります。
最大の特徴は24時間365日入金に対応しており、必要なタイミングでいつでも資金調達ができるという点です。
夜間でも深夜でも資金調達できるため、飲食業やサービス業の方が急にお金が必要になった際に活用できるでしょう。
安心できる企業からスピーディーに資金調達したい方にラボルはおすすめです。
FREENANCE(フリーナンス)
取り扱いサービス | 2社間ファクタリング |
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契約方式 | オンライン |
手数料 | 3%〜10% |
入金スピード | 最短即日 |
買取可能額 | 上限・下限なし |
公式サイト | https://freenance.net/ |
フリーナンスは大手インターネット企業で、東証プライム上場のGMOインターネットグループの関連会社であるGMOクリエイターズネットワークが運営するファクタリングサービスです。
超大手企業が実質的に運営するサービスですので、業者の安全性を求める方にはおすすです。
フリーランスはフリーランスや小規模事業者向けに以下のようなサービスを提供しています。
- 即日払い:2社間ファクタリング
- あんしん補償:仕事の結果生じた賠償責任を補償
- フリーナンス口座:ペンネームや屋号で口座を作成できる
- バーチャルオフィス:バーチャルオフィスを格安で利用可能
基本補償であるあんしん補償Bacicやフリーナンス口座はアカウントを作成するだけで無料で利用できます。
フリーランスは会社などに仕事上のミスを守ってもらうことができないので、フリーナンスあんしん補償は非常にメリットがあります。
また、フリーランスや個人事業主は個人名でしか口座を作成できないので、フリーナンスあんしん口座を作成して屋号やペンネームで口座を作成すれば対外的な信用確保につながるでしょう。
フリーナンスのファクタリングサービスである「即日払い」は、アカウントを作成しておけば最短30分で審査が完了し、即日入金を受けられます。
大手インターネット企業のサービスとして審査は自動化されているため、利用を重ねていけば一桁台の非常に低い手数料で利用することも可能です。
大手企業から低コストでファクタリングを利用したい方におすすめですし、ファクタリングを利用しない方もアカウント作成だけをおこなっておいて損はないでしょう。
日本中小企業金融サポート機構
取り扱いサービス | ・2社間ファクタリング ・3社間ファクタリング |
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契約方式 | オンライン・電話・郵送 |
手数料 | 1.5%〜10% |
入金スピード | 最短即日 |
買取可能額 | 上限・下限なし |
公式サイト | https://chushokigyo-support.or.jp/ |
日本中小企業金融サポート機構は法人形態が非営利団体である一般社団法人という非常に珍しい業者です。
ファクタリングサービスを提供していますが、コンサルティング業務も本格的におこなっており、経営再建、M&A、事業承継、補助金申請など様々なサポートをおこなっています。
国が認定している中小企業支援のプロである「認定経営革新等支援機関」でもあるため、非常に専門性の高い担当者から審査やコンサルティングを受けることもできるでしょう。
非営利団体ですので、手数料は非常に低く、10%を切るような非常に低い利率で資金調達することもできます。
契約はオンラインにも対応しているため、早めに申し込めば最短即日資金調達することも可能です。
安心できる専門的なコンサルタントからファクタリングも含めた総合的な相談をしたい方に日本中小企業金融サポート機構はおすすめです。
買速
取り扱いサービス | ・2社間ファクタリング ・3社間ファクタリング |
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契約方式 | オンライン・電話 |
手数料 | 1%〜10% |
入金スピード | 最短30分 |
買取可能額 | 10万円〜5,000万円 |
公式サイト | https://kai-soku.jp/ |
買速は前年度買取実績が56億円という非常に多くの買取実績を誇るファクタリング会社です。
手数料の上限は10%と非常に低くなっており、低コストでの資金調達を希望する方におすすめです。
さらにオンラインの審査システムや契約システムが非常に充実しており、最短30分で入金対応しており、買取金額を把握できるオンライン査定は最短30秒で買取可能額が表示されます。
ホームページは、非常に詳細にファクタリングの基礎知識や商品の特徴などが明記されており、顧客に対して丁寧に説明しようという姿勢がうかがえる点も好感が持てます。
低コストでスピーディーに資金調達したい方におすすめです。
バイオン
取り扱いサービス | 2社間ファクタリング |
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契約方式 | オンライン |
手数料 | 10% |
入金スピード | 最短60分 |
買取可能額 | 5万円〜 |
公式サイト | https://ai-factoring.jp/ |
AIファクタリングの名称でオンライン完結型のファクタリングを提供している会社です。
申込から契約まで全てオンラインで完結し、手数料は10%固定なので、他社との比較が容易ですし、事前に資金調達コストを把握できるので安心です。
最短60分で入金を受けられるので急いでいるときにも活用できるでしょう。
ホームページもファクタリングについての基礎知識や商品内容などが詳細に解説されているので、安心できるファクタリング会社だと判断できます。
ただしバイオンは必要書類が多い点に注意が必要です。アカウント作成から申し込みまでには以下の書類が必要です。
①本人確認書類(身分証)
②請求書(売掛金)
③全銀行口座の入出金明細(3ヶ月分)
④直近の決算書
⑤発注書・注文書・契約書など売掛先と取引が確認できる書類
決算書の提出まで必要になるので、しっかりと審査をおこなう安心なファクタリング会社だと判断はできますが、これらを全てPDFなどにデータ化して送付することはかなりの手間になるので注意してください。
トップマネジメント
取り扱いサービス | ・2社間ファクタリング ・3社間ファクタリング |
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契約方式 | オンライン・電話・窓口 |
手数料 | 3.5%~12.5% |
入金スピード | 最短即日 |
買取可能額 | 上限・下限なし |
公式サイト | https://top-management.co.jp/ |
トップマネジメントは独立系の店舗型ファクタリング会社として非常に評価の高い信頼できるファクタリング会社です。
累計取引社数は5.5万社を超えており、すでに多くの企業はトップマネジメントで資金調達をおこなっています。
基本の2社間ファクタリングの手数料は上限は12.5%とまずますですが、トップマネジメントは2.5社間ファクタリングである「電ふぁく」というサービスを取り扱っています。
電ふぁくは、振込口座をトップマネジメントを管理することで、2社間ファクタリングでありながら手数料を引き下げられるサービスで、電ふぁくの手数料は1.8%~8.0%という業界最低水準になります。
この他にも補助金申請とファクタリングを同時におこなう「ゼロファク」や、取引先から注文があった段階で注文書を買い取る「注文書ファクタリング」など、豊富なサービスを取り扱っています。
規模の大きな企業も利用しているので、売掛債権の金額が大きな企業も利用を検討してみましょう。
ファクタリングの意味についてよくある質問
ファクタリングの意味についてよくある質問や素朴な疑問にお答えしていきます。
- ファクタリングは弁護士法違反ではないのですか?
- ファクタリングとファクターの意味や使い方に違いはありますか?
- 国際ファクタリングとはどのような意味なのでしょうか?
- 経理にとってファクタリングはどんな意味がありますか?
ファクタリングの意味などについて疑問を解消した上で申込を検討しましょう。
ファクタリングは弁護士法違反ではないのですか?
ファクタリングは弁護士法違反ではありません。
確かに、債権の回収は弁護士と債権回収業者「サービサー」だけが許可されている業務です。
そのため、ファクタリングについて「弁護士法違反では?」という声が多いのも事実です。
サービサーは特定金銭債権という主に金融機関が保有する債権だけを回収することができます。
そして、特定金銭債権には以下のような債権が含まれます。
<1> 金融機関等(金融機関の連合会、政府系機関、保険会社、貸金業者、政令で定めるものを含む。)の有する貸付債権
<2> 金融機関等の有していた貸付債権
<3> 金融機関等の貸付債権の担保権の目的となっている金銭債権
(中略)
<15> いわゆるファクタリング業者が有する金銭債権(その業務として買い取ったものに限る。)
引用:債権管理回収業に関する特別措置法
このように特定金銭債権にはファクタリングという文言がはっきり登場しており、法律ではファクタリング業者が業務として買い取ることを認めています。
また、そもそも債権の譲渡は民法で認められています。
これらの理由から、ファクタリング会社は債権の回収リスクまで含めて売掛債権を買い取っている場合には合法であると判断できます。
ファクタリングは弁護士法違反ではありません。
ファクタリングとファクターの意味や使い方に違いはありますか?
ファクタリングとファクターは厳密には意味が異なります。
ファクタリングとは売掛債権を期日前に売却して早期に資金化する資金調達方法です。
一方、ファクターは売掛債権を買い取る人のことです。つまりファクターはファクタリング会社を示すのが一般的です。
ファクタリング会社のことをファクターと表現するケースも多いので、ファクターと聞いたらファクタリアング会社のことだと理解しておきましょう。
国際ファクタリングとはどのような意味なのでしょうか?
国際ファクタリングとは、海外の企業と取引する際に、当該売掛債権を保証するサービスです。
海外の企業は支払能力はもちろん存在すら確かでないので、取引をおこなうには一定のリスクがあります。
しかし、国際ファクタリングを利用することによって、海外の企業とも安心して取引できます。
具体的には、74 か国・268 社に及ぶ国際ファクター連盟であるFactors Chain International(FCI)に加盟している現地の金融機関が海外取引先の審査を行い、審査で問題がない場合のみ保証を得ることが可能です。
現地の金融機関がしっかりと審査をしてくれるので、初めて取引する企業とも安心して取引できますし、従来の取引方法である信用状の発行よりもスピーディーに審査できます。
経理にとってファクタリングはどんな意味がありますか?
経理担当者にとってはファクタリングは早期資金化による資金繰り改善効果だけではありません。
ファクタリングは償還請求権がないので、万が一、売掛債権が回収不能になっても利用者に損失はありません。
そのため、貸し倒れに備えて貸し倒れ引当金を積み立てる事務などが不要です。
さらに3社間ファクタリングであれば、売掛先企業はファクタリング会社へ直接代金を支払うので、売掛債権の入金を管理したり、未回収先への督促などを行う事務からも解放されます。
3社間ファクタリングを利用すれば、売掛債権の回収や管理や消し込み作業などの事務をアウトソーシング化できます。
ファクタリングを利用することによって、資金繰り改善だけでなく、経理事務を効率化できるので、余ったリソースを他の収益部門へ回すことが可能です。
ファクタリングは近年注目されている新しい資金調達方法
ファクタリングには、売掛債権の売却により売掛金の支払期日より前に資金調達できる買取型と、債権に保険をかける扱いができる保証型があります。
ファクタリングは、法律に則った正当な資金調達方法であり、資金繰り改善に効果的です。
しかし、金融機関のように認可や登録がなくても運営できるファクタリング会社の中には、違法業者も紛れている可能性が高いです。
そのため、違法業者の特徴を理解することで、自社が被害に遭うリスクを回避できます。
ファクタリングの意味や種類、メリット・デメリットを理解して、自社に合ったファクタリングを利用しましょう。