カテゴリの記事一覧

カテゴリ名

注文書買取の申込と契約の流れを徹底解説|入金を早めるポイントとおすすめ業者5選

注文書・発注書のスピード買取・資金調達なら

この記事は約32分で読めます。

注文書買取は、仕事を受注した段階で発生する注文書(発注書)を注文書買取業者が買い取って資金化する資金調達方法です。

2社間ファクタリングをベースに取り入れ、最短即日で資金化ができることから、申込と契約の流れが非常にスムーズな点が特徴です。

この記事では、注文書買取の申込と契約の流れを詳細に解説していきます。

契約に必要な書類や債権譲渡登記についても詳しく解説しているので、これから利用を検討している人はぜひ参考にしてみてください。

注文書買取の申込と契約の流れ

注文書買取は、おおまかに以下のような流れで申込から取引までが行われます。

  1. 注文書買取業者へ申し込む
  2. 面談・審査が行われる
  3. 買取手数料を引かれた金額が最短即日~数日で入金される
  4. 利用者が売掛先から売掛金を回収する
  5. 回収した売掛金を注文書買取業者へ送金する

注文書買取は、基本的に2社間ファクタリングで行われるため、売掛先に債権譲渡を知られずに利用できます。

そのため、入金までの期間が短く、最短即日~数日で資金調達ができる点が魅力です。

まずは注文書を用意して、ファクタリング会社へ買取の相談をすると審査が行われ、審査通過後に契約をおこなうと注文書金額に掛目を乗じた金額から手数料を控除した買取代金が入金になります。

2社間ファクタリングでおこなわれるので、代金が売掛先企業から入金になったあとは、注文書買取業者へ自社が送金しましょう。

注文書買取の取引で利用者が行う5つのこと

注文書買取の申込と契約の流れについて、利用者が行うべきことを詳しく見ていきます。

利用者が行うべきことは、大きく以下の5つです。

  1. 必要書類を用意する
  2. 注文書買取業者と面談・審査を受ける
  3. 債権譲渡登記を行う
  4. 注文書買取業者から入金される
  5. 回収した売掛金を注文書買取業者へ送金する

上記について、詳しく解説していきます。

1.必要書類を用意する

注文書買取では、基本的に以下の書類が必要となります。

必要書類 備考
注文書または発注書 金額・入金日・取引内容が明記されているかを確認
通帳のコピー 取引先との取引歴の確認のため2~3ヶ月分が必要
本査定申込書(審査依頼書) 審査を受けるための必要事項を記入し提出
代表者の身分証明書 運転免許証やマイナンバーカード、パスポート等

注文書買取を利用するには「注文書(発注書)」が必要ですが、発行されていない場合もあるかもしれません。

そのような時は、金額・入金日・取引内容が分かるメール文等で対応してもらえる場合もあります。

注文書がないからと諦めるのではなく、まずは注文書買取業者に相談してみましょう。

また、ここで紹介した必要書類はあくまで一例です。

注文書買取業者によって必要とする書類は異なるため、利用前に必ず確認して不備なく揃えましょう。

2.注文書買取業者との面談・審査を受ける

注文書買取業者に申込したら、面談・審査がおこなわれます。

即日入金を希望する場合は、注文書買取業者がスムーズに審査をできるように利用者側も努力をしなければなりません。

具体的には、以下の点に気をつけましょう。

  • 信用力の高い取引先の発注書を用意する
  • 現状の財務状況をまとめておく
  • 嘘偽りなく現状を話す
  • 必要書類に不備や不足がないようにする

審査では、利用者よりも売掛先企業の信用力が最も慎重に調査されます。

注文書買取業者からすると、確実に売掛金を回収しなければ利益につながらないため、売掛金の支払元である取引先の審査を念入りに行うのです。

そのため、業績の良くない取引先との発注書を審査に出してしまうと、審査に時間がかかり即日入金ができない可能性が高くなるうえに、手数料も上がる傾向にあります。

また、利用者の財務状況についてもわかりやすく話せるようにまとめておいたり、必要書類に不備や不足がないかをしっかり確認しておくこともポイントです。

取引先の信用力に問題がないとしても、利用者の状況に不審な点があったり書類に不明点が多かったりする場合、信用できない利用者と判断されてさらに審査の時間がかかってしまいます。

早期資金化を希望するなら、利用者は上記の点を意識して審査がスムーズに終わるよう努力していきましょう。

3.債権譲渡登記を行う

債権譲渡登記とは、注文書買取業者が第3者への対抗要件を示すために売掛債権が譲渡されたことを登記するものです。

債権譲渡登記を行なうことで、利用者が複数の注文書買取業者と契約(二重譲渡)をして、売掛金の回収ができなくなってしまうリスクを防ぎます。

債権譲渡登記を行う利用者側のメリットは、手数料が安くおさえられる点です。

債権譲渡登記は、二重譲渡されて売掛金の回収ができなくなる注文書買取業者のリスクを防ぎます。

手数料は、注文書買取業者が抱えるリスクに比例するため、債権譲渡登記を行うことで業者のリスクが軽減して手数料もおさえられるのです。

一方で、債権譲渡登記を行うことのデメリットもあります。

それは、取引先に債権譲渡したことが知られてしまうリスクが発生することです。

登記をすると、基本的には誰でも閲覧できるようになるため取引先に見られてしまう可能性があります。

しかし、閲覧するには有料だったり所定の情報が必要だったりするため、現実的に考えると取引先に知られる可能性はそう高くはありません。

2社間ファクタリングがベースとなっている注文書買取では、債権譲渡登記を行うのが基本ですが、義務ではないため省略している事業者もあります。

債権譲渡登記を行うメリット・デメリットを比べて、注文書買取業者を選ぶポイントの1つとして検討しましょう。

4.注文書買取業者から入金される

審査に通過すると、最短即日で注文書買取業者から入金があるため必ず確認しましょう。

この時に入金される金額は、買取手数料を差し引いた金額です。

発注書に書かれている金額がそのまま入金されるわけではないので注意しましょう。

注文書買取業者から入金されたら、人件費や設備費、着手金等の仕事上必要な経費に充てられます。

仕事を受注したはいいものの、資金繰りに困って仕事を完了するための資金が足りない時などに、注文書買取は非常に効果的です。

5. 回収した売掛金を注文書買取業者へ入金する

注文書買取は、2社間ファクタリングで行われるため「回収委託契約」を結び、売掛金を回収して注文書買取業者へ期日までに送金しなければなりません。

本来なら、債権譲渡契約を結んだ以上、売掛金の回収業務は譲受会社である注文書買取業者の業務となります。

しかし、2社間ファクタリングでは売掛先へ債権譲渡の通知を行っていません。

そのため、注文書買取業者から突然売掛金の回収をされてしまっては、売掛先も困惑してしまうでしょう。

そこで2社間の場合は、ファクタリング会社から利用者へ回収業務を委託するという体裁を取ります。これが「回収委託契約」です。

注文書買取は買取金額が入金されて終わりではなく、売掛金を確実に回収し、注文書買取業者へ送金するまでが契約となります。

注文書買取を利用する際の注意事項

注文書買取を利用するときに気をつけるべきことは以下の3点です。

  • 契約締結前に契約書の内容を必ず確認する
  • 審査に落ちる可能性もある
  • 注文書買取に依存しない資金計画が必要

申込をする前に必ず理解しておきたい注意事項であるため、詳しく解説していきます。

契約締結前に契約書の内容を必ず確認する

注文書買取業者との契約締結前に、必ず契約書の内容を確認してください。

注文書買取をはじめとするファクタリング業界では、金融機関のように許可を得なくても営業ができるため、債権の売買に見せかけて違法な貸付を行おうとする業者が混在しているのです。

違法な業者と取引をしないためには、契約前に確実に債権譲渡の契約であるかを確認しなければなりません。

以下のポイントに注目して契約書の内容を確認してください。

確認事項 内容
償還請求権 償還請求権がない契約であるか(償還請求権のある契約の場合は違法業者の可能性が高い)
債権譲渡通知 2社間ファクタリングをベースとする注文書買取では、債権譲渡通知がないことを確認
債権譲渡登記 債権譲渡登記を行うかどうかを確認
買取手数料 相場(2.5%~12%)からかけ離れていないか、余計な諸費用が追加されていないかを確認
担保・保証人 担保・保証人が設定されていないことを確認
報告義務 売掛先の業績が下降するなど不穏な動きがあった場合の報告義務があるかどうかを確認
損害賠償・違約金 損害賠償の範囲・違約金の金額は適切かどうかを確認

違法な業者は上記の内容について、言い逃れできるようにあえてあいまいに書いている可能性があります。

至急で資金調達が必要な場合でも、契約書内容を必ず確認して不明瞭な点を残さないようにしてください。

審査に落ちる可能性もある

注文書買取は、急ぎで資金調達をしたいときに有効な手段ではありますが、必ずしも審査に通過できるわけではありません。

一般的に、通常のファクタリングに比べて売掛金回収までの期間が長い注文書買取は、審査通過率が低いといわれています。

通常のファクタリングなら請求書が発行されてから約1〜2ヶ月待つと売掛金が支払われますが、注文書買取の場合は注文書を買い取ってから最大180日先の売掛金入金まで待たなければなりません。

売掛金入金までの期間が長ければ長いほど、その間に売掛先の業績が傾いて倒産するリスクが高まります。

そのため、注文書買取業者は売掛先を長期的な視点で厳しく審査するのです。

注文書買取で審査通過率を上げるには、長期的なスパンで経営が安定している大手企業や、国や地方団体といった倒産の心配のない取引先との注文書を利用するのがおすすめです。

注文書買取に依存しない資金計画が必要

注文書買取は、最大180日の支払いサイトを最短即日で資金化できる非常に利便性の高いサービスである一方、利用と同時に長期的な資金繰りを解決する資金計画を立てておくことが重要です。

注文書買取は、いわば売掛金の前借りのようなサービスです。

利用した直後は資金が充足していても、計画的に使わないと後々の支払いが厳しくなり、注文書買取を繰り返し利用しなければ経営が回らない状態になる可能性があります。

その場合、取引の都度、注文書買取の高額な手数料を負担しなければならないので、収支や資金繰りはむしろ苦しくなります。

注文書ファクタリングはあくまでも緊急時のみ利用することとし、慢性的に依存しないよう注意してください。

本格的に資金繰り改善をおこなうのであれば、経営改善をおこない収支を改善するか、銀行の長期借入金を利用する必要があります。

そのため、注文書買取を利用する際は、注文書買取に依存しないように長期的な資金計画を立てておくようにしましょう。

注文書買取を有効活用できる場面

注文書買取は、以下のような場面で有効に活用できます。

  • 仕事を受注したはいいものの着手金が不足しているとき
  • 納期までの期間が長く、仕事を完了するための人件費や設備費等が足りないとき
  • 手数料以上の売上を見込める仕事を受注するとき
  • 手元資金以上の大口の仕事を受注したいとき

注文書買取は、仕事を受注した段階で資金を得られる点が魅力です。

そのため「仕事を受注したいけど運営資金が足りない」場面で効果的に活用ができます。

注文書買取を利用すると、注文書がそのまま運転資金になるので会社の規模以上の仕事を積極的に受注可能です。

また、中小企業が大きな運転資金を用意できないので、せっかくの大口の受注を断ってしまうことはよくありますが、注文書ファクタリングを利用すれば、手元に資金がなくても大口の仕事を受注できます。

ただし、手数料は通常のファクタリングよりも高くなる傾向にあるため、手数料分を確実にペイできる売上が見込めるかどうかが利用の判断のポイントです。

注文書ファクタリングの入金時間をを早めるポイント

注文書ファクタリングの申込から入金までの時間を早めたいのであれば、以下の5つのポイントを意識して、申し込みをおこなってください。

  • オンライン完結型のファクタリング会社へ申し込む
  • 優良企業からの注文書を売却する
  • 納期が短い注文書をファクタリングする
  • 取引歴が長い発注先からの注文書をファクタリングする
  • 必要書類をもれなくそろえる

どのファクタリング会社へ申し込みをするか、どの注文書を売却するのかによって注文書ファクタリングにおける入金までのスピードは異なります。スピーディーに注文書を資金化するための5つのポイントについて詳しく解説していきます。

オンライン完結型のファクタリング会社へ申し込む

スピーディーに資金調達をしたいのであれば、オンライン完結型のファクタリング会社へ申し込みましょう。

オンライン完結型のファクタリング会社とは、申込から契約まで、すべてオンライン上で完結し、ファクタリング会社の担当者との対面や、書類の郵送などがない方式です。

ファクタリング会社と面談している時間がかからないので、スピーディーに契約完結ができるのが特徴です。

くわえて、オンライン完結型のファクタリング会社では、審査をAIやシステムでおこなうことが一般的なので、審査に時間がかかりません。

急いで資金調達したいのであれば、対面ではなくオンライン完結のファクタリング会社へ相談しましょう。

優良企業からの注文書を売却する

優良企業からの注文書を売却することも申込から契約・入金までの流れをスムーズに完了するポイントです。

ファクタリングの審査は売掛先企業に対しておこなわれるので、決算状況が良好な企業や大手企業の注文書を売却することで、スムーズに審査を終えられるためです。

反対に、決算状況が悪い企業の注文書を売却した場合には、「本当に期日通りに代金を支払えるのか」という点を慎重に検討しなければならないので、審査には時間がかかることがあります。

「支払いに問題がないだろう」と考えられる大手企業・優良企業からの注文書をファクタリングすれば、スムーズに審査が完了するので、早期入金が期待できます。

納期が短い注文書をファクタリングする

発注から納品までの期間が短い注文書をファクタリングしましょう。

納期が短い注文書の方がファクタリング会社にとってリスクが低いのでスムーズに審査通過しやすい傾向にあるためです。

反対に、納期が長い注文書のファクタリングは審査に時間かかる可能性があります。

納期が長い注文書はファクタリング会社にとって以下のようなリスクがあるためです。

  • 入金期日までの発注元企業が倒産・資金ショートするかもしれない
  • 申込企業が無事に納品できない可能性がある

納期が長くなればなるほど、申込企業に納品できないリスクが高まり、発注元企業(売掛先企業)には期日通りに入金できないリスクが高まります。

そのため、納期が長い注文書は「本当に期日通りに入金(納品)できるのか」という点を慎重に審査するため、審査完了まで時間がかかる傾向があります。

スムーズに審査に通過したいのであれば、納期が短い注文書を選択してください。

取引歴が長い発注先からの注文書をファクタリングする

取引歴が長く、これまでも何度も入金実績のある取引先企業からの注文書をファクタリングしましょう。

これまでの取引歴が長く、入金実績が多いのであれば、ファクタリングする注文書についても、期日までに入金する可能性が非常に高いと考えられるためです。

ファクタリング審査では、取引先からの入金が確認できる通帳の写しの提出が求められることが多いですが、これは「過去にどの程度の取引があるか、これまで入金期日を守っているか」をチェックするためです。

十分な取引実績があり、過去の取引でも入金期日を守って支払いをしている売掛先企業であれば今回も入金期日を守る可能性が高いと判断できるので、審査通過の可能性は高く、スムーズに審査通過できるでしょう。

一方、取引歴が短い場合や、始めて取引する企業は、期日通りに入金する企業かどうかのエビデンスがないので、審査に時間がかかることがあります。

申込から入金までをスピーディーにおこないたいのであれば、取引歴の長い企業からの注文書をファクタリングしましょう。

必要書類をもれなくそろえる

ファクタリングの必要な書類をあらかじめ完璧な状態で揃えておきましょう。

ほとんどのファクタリング会社で、提出に必要な書類が1枚でも欠けていると、審査がそれ以上進まないためです。

ファクタリング会社によって必要な書類は異なるものの、次のような書類の提出が求められることが一般的です。

  • 代表者の本人確認書類
  • 法人の商業登記簿謄本
  • 注文書・契約書・請求書などの売掛債権成因資料
  • 売掛先企業からの入金が確認できる通帳の写し
  • 申込企業の決算書・確定申告書
  • 印鑑証明書
  • 取引先企業との基本契約書
  • 会社のパンフレットや商品案内

このようにファクタリングの申込に必要な書類は多いので、書類の準備だけでそれなりの時間がかかってしまいます。

そこで、必要書類の少ないオンライン完結型のファクタリング会社を利用するのがおすすめです。

オンライン完結型のファクタリング会社は必要書類が最小限になっており、最も少ない会社では以下の3点のみです。

  • 代表者の本人確認書類
  • 注文書・契約書・請求書などの売掛債権成因資料
  • 売掛先企業からの入金が確認できる通帳の写し

決算書も確定申告書の提出も必要ないので、申込企業の決算状況について審査をおこなわないということです。

審査をするのは売掛先企業に対してのみで、スムーズに審査に通過できます。

スピーディーに審査に通過したいのであれば、書類を揃えた状態で申し込むとともに、必要書類の少ないファクタリング会社へ申し込みましょう。

債権譲渡登記・債権譲渡とは?

注文書ファクタリングは売掛先企業の同意なしで契約する2社間ファクタリングでおこなわれるのが一般的で、売掛先企業は契約の介在せず、ファクタリングがおこなわれたことすら知りません。

そのため、同じ注文書を他のファクタリング会社へ二重譲渡するリスクがあります。

また、債務者が債権が譲渡されたことを知らずに、元々も債権者へ代金を支払ってしまうリスクもあるので、債務者に対して「自分が真実の債権者だ」と主張できる対抗要件を具備しなければファクタリング会社は代金を回収できません。

二重譲渡を防ぎ対抗要件を備えるために、注文書ファクタリングなどの2社間ファクタリングでは、売掛債権を売却する際に次のいずれかの方法をとることが一般的です。

  • 債権譲渡登記
  • 債務者の承諾
  • 債権譲渡登記

2社間ファクタリングにおいては、ファクタリングの契約時に債権譲渡登記という手続きが必要になることがあります。

債権譲渡の際に二重譲渡を防ぐための3つの方法について理解しておきましょう。

債権譲渡通知

債権譲渡通知とは、債権譲渡したことを、元の債権者が債務者に対して通知を出すことです。

例えば、「売掛債権〇〇円をA社に譲渡しましたので、お支払いはA社にお願いします。」といった内容を通知します。

債権譲渡通知を出す方法に決まりはないため、メールや郵便などどのような方法でも構いません。

一般的には、譲渡通知を出したことを証明できるよう、債権譲渡通知は内容証明郵便にておこなわれることが基本です。

債権譲渡通知を出すことによって、債務者が債権者とは異なる人に対して代金を支払うことはないので、二重譲渡を回避できます。

ただし、債権譲渡通知は取引先に対して、ファクタリング会社を利用したことを自ら明かすことでもあります。

そのため、取引先に知られることなく資金調達できる2社間ファクタリングで利用されることはありません。

債務者の承諾

債務者の承諾とは、債権譲渡についてあらかじめ債務者から「債権を譲渡したことに関する承諾」をもらうことです。

こうすることによって、債務者が債権者でない人に対して支払いをした場合も「自分が真実の債権者である」と主張できるようになります。

債務者の承諾にも形式はありません。そのため口頭での承諾でも問題はありませんが、承諾を得たことが事実であると証明できるよう「承諾書に実印で押印+印鑑証明書の添付」という形で承諾を得るのが一般的です。

なお、債務者の承諾も事前に債権譲渡を債務者である売掛先企業に知られる行為ですので、2社間ファクタリングで利用されることはありません。

3社間ファクタリングでは、事前に債務者(売掛先企業)の承諾を得て契約を行うため、3社間ファクタリングで採用される方法です。

債権譲渡登記

債権譲渡登記とは、売掛債権を譲渡したことを登記することです。

債権譲渡登記することによって、ファクタリング会社は第3者に対して「この売掛債権は自社がすでに譲渡と受けているものだ」と主張できます。

注文書ファクタリングは売掛先企業の同意なしで契約する2社間ファクタリングでおこなわれるのが一般的で、売掛先企業は契約の介在せず、ファクタリングがおこなわれたことすら知りません。

そのため、同じ注文書を他のファクタリング会社へ二重譲渡するリスクがあります。

債権譲渡登記をおこなっておけば、仮に注文書を二重譲渡されても「すでに当社が譲渡を受けたものだ」と主張できます

注文書ファクタリングの契約時には債権譲渡登記がおこなわれることもあるので、債権譲渡登記について理解しておきましょう。

なお、債権譲渡陶器は第3者に対して対抗要件を備えますが、債務者に対して対抗要件を備えるものではありません。

2社間ファクタリングは売掛先に知られずに売掛債権を売却するものですので、債務者に対して対抗要件を備える必要がないので、2社間ファクタリングで債権譲渡登記が使用されることがあります。

なお、債権譲渡陶器は1件7,500円と司法書士報酬の支出が必要です。

債権譲渡登記を利用しない2社間ファクタリングも多い

債権譲渡登記を利用しない2社ファクタリングも最近は増えています。

顧客の信用や金額によって「二重譲渡のリスクがない」と判断できれば債権譲渡登記なしでも、問題なく回収できるためです。

また、そもそも債権譲渡登記は法人しか設定できないので、債権譲渡登記を必須にしてしまったら、個人事業主に対して2社間ファクタリングを提供できません。

個人事業主に対してもスムーズにファクタリングによる資金提供を実施するため、最近は審査で「二重譲渡のリスクがない」と判断できる事業者のみ審査に通過させ、債権譲渡登記をおこなわない2社間ファクタリングも増えています。

注文書ファクタリングのメリット

注文書ファクタリングには以下の5つのメリットがあります。

  • 受注があったときに資金調達できる
  • 最大180日間資金繰りを前倒しできる
  • 売掛債権がデフォルトしても予定通りに売上が入金になる
  • 売掛先に秘密で資金調達できる
  • 発注元の信用で資金調達できる

素早く資金調達でき、資金繰り改善効果が高いのが特徴です。さらに、売掛先企業の信用で資金調達できるので、銀行融資を借りられないときに活用できるでしょう。

注文書ファクタリングの5つのメリットについて詳しく解説していきます。

受注があったときに資金調達できる

注文書ファクタリングは受注があった時に資金調達できるのが大きなメリットです。

注文書を受け取った段階で資金化できるので、仕事に取り掛かる前に受注に対応した運転資金を調達できます

大きな受注には大きな運転資金が必要なので、手元に運転資金がない企業は大口の受注ができません。

そのため、中小企業の中にはせっかく大口の受注があっても「資金がないから」という理由で、受注を断ってしまう会社も少なくありません。

注文書ファクタリングを利用すれば、取引先からの発注があった段階で、その受注に対応した運転資金を調達できるので、運転資金がないから受注ができないということがありません

手元の運転資金に関わらず大口の受注ができるので、小規模の企業でも大企業に対して営業ができます。

これまでは請けられなかった仕事も請けられるようになるので、注文書ファクタリングでビジネスチャンスを拡大できるでしょう。

最大180日間資金繰りを前倒しできる

注文書ファクタリングは最大180日先が支払期日の注文書を資金化できます。

請求書ファクタリングは最大90日先というのが相場ですので、注文書ファクタリングの方がより長い期間前倒して資金調達が可能です。

資金繰りは1日でも長い期間手元に資金を置いておくことで改善します。

つまり、請求書ファクタリングよりも注文書ファクタリングの方が資金繰り改善効果が高いと言えます。

注文書ファクタリングは半年程度もの長い間、前倒しで資金調達ができるため、高い資金繰り改善効果が見込める点が大きなメリットです。

売掛債権がデフォルトしても予定通りに売上が入金になる

売掛債権がデフォルト(支払不能)になっても、注文書ファクタリングを利用しておけば、その損失を負うことはありません。

注文書ファクタリングは償還請求権なし(ノンリコース)でおこなわれるので、もしもファクタリング後に売掛先企業が倒産したとしても、その損失補填を請求されることがないためです。

仕事を受注して、納品前に発注元企業が倒産してしまうことは珍しくありません。また、請求後に発注元企業(売掛先企業)が代金を支払わずに倒産してしまう可能性もあります。

注文書ファクタリングを利用すれば、納品前や入金前に売掛先企業が倒産しても確実に代金を受け取れます。

「取引先の倒産が心配」「最近、業況が怪しい」「初めての取引だから取引先が信頼できない」というケースでは注文書ファクタリングを利用すれば安心です。

売掛先に秘密で資金調達できる

注文書ファクタリングは、2社間ファクタリングで原則的におこなわれるので、売掛先企業に秘密で資金調達できます。

売掛先企業にファクタリングを利用することを知られると「業況が悪い」「資金繰りが苦しい」などとネガティブに評価されるリスクがあります。

特に、注文段階で注文書を売却することを知られてしまうと「それだけ資金繰りが悪いのに、納品まで仕事を完遂できるか懸念がある」などと疑われ、発注がキャンセルされる可能性もあるでしょう。

注文書ファクタリングであれば、発注元企業(売掛先企業)には秘密で資金調達できるので、自社をネガティブに評価されることも、経営状態に懸念を持たれて注文がキャンセルされる心配もなく安心です。

発注元の信用で資金調達できる

注文書ファクタリングの審査で重視されるのは、発注元企業(売掛先企業)の信用です。

ファクタリング会社へ売却した代金をファクタリング会社へ支払うのは発注元企業だからです。

そのため発注元企業が「支払いに問題がない」とさえ判断されれば、申込企業の決算が赤字や債務超過でも審査に通過できる可能性があります。

つまり、申込企業が金融機関の融資審査に通過できないとしても、経営状態に問題のない企業からの注文書さえ手元に保有していれば、資金調達できる可能性があります。

発注元企業の信用で資金調達できるので、自社の信用では資金調達できない場合の、資金調達手段として、注文書ファクタリングは活用できます。

注文書ファクタリングのデメリット

注文書ファクタリングには以下の2つのデメリットもあるので、理解した上で申し込みを検討しましょう。

  • 請求書ファクタリングのよりも手数料が高い
  • 取り扱い業者が少ない

コストが高く、選択肢が少ないという点には注意が必要です。

注文書ファクタリングの2つのデメリットについて詳しく解説していきます。

請求書ファクタリングよりも手数料が高い

注文書ファクタリングは請求書ファクタリングよりも手数料が高く設定されることが多いのはデメリットです。

注文書ファクタリングよりも以下のような点で請求書ファクタリングと比べてリスクが高いためです。

  • 期日までの期間が長い
  • 納品できない可能性がある

注文書ファクタリングは最大180日先の期日の売掛債権を前倒しで資金調達できます。

また、請求書ファクタリングはすでに納品済みですが、注文書ファクタリングはまだ納品を完了していないので、受注企業を原因として納期までに納品できないリスクがあるためです。

ファクタリング会社にとって、注文書ファクタリングは請求書ファクタリングよりもリスクが大きいので、手数料が高額になります。

請求書ファクタリングの手数料が8%〜15%程度であるのに対して、注文書ファクタリングは10%〜20%程度の手数料になる傾向があります。

資金調達にかかるコストが非常に大きいのが、請求書ファクタリングと比較して注文書ファクタリングのデメリットです。

取り扱い業者が少ない

注文書ファクタリングは取り扱い業者が非常に少ない点もデメリットです。

請求書ファクタリングよりも取り扱い業者が少ないので、複数の業者を比較することが難しいのが実情です。

ファクタリングは法律によって手数料が決まっているわけではありませんし、審査基準も様々です。

そのため、複数のファクタリング会社から相見積もりをとって、手数料を比較するのが基本的な利用方法ですが、注文書ファクタリングは業者が少ないので比較することが難しくなります。

また、業者間の競争も起きにくいため、手数料もそれほど安くなりません

請求書ファクタリングと比較して、注文書ファクタリングの選択肢が少ない点はデメリットです。

申込から契約までの流れが早い注文書ファクタリング5選

資金繰りに困ったときに活用でき、申込から契約までスムーズに完結できる、おすすめ注文書ファクタリングの会社が以下の5つです。

  • ベストペイ
  • ビートレーディング
  • トップマネジメント
  • GMO BtoB 早払い
  • けんせつくん

注文書ファクタリングのおすすめ5社のスペックや特徴を詳しくご紹介していきます。

ベストペイ

入金スピード 最短翌日
買取金額 100万円〜3億円程度
手数料 5%〜
公式HP https://best-pay.jp/

BESTPAYは株式会社アレシアが提供している注文書ファクタリングサービスです。なお、株式会社アレシアは独立系のファクタリング会社として有名なベストファクターを運営している会社です。

ベストファクターはスタッフの対応がよく、知識が非常に豊富で、ファクタリングの相談以外にも財務的なコンサルティングを受けられることで有名なファクタリング会社ですので、ベストペイもスタッフから非常に丁寧な対応を請けられるです。

このサービスは、フィンテック企業のTranzax株式会社と提携しています。

Tranzax株式会社は国の指定を受けた電子債権記録機関として非常に信頼があります。Tranzax株式会社と連携したベストペイのサービスも信頼できるでしょう。

契約には対面が必要になるため、当日中にベストペイのオフィスへ訪問できない場合や、ベストペイの担当者が当時中に企業訪問してくれない場合には即日資金調達はできません。

資金調達スピードはそれほど速くありませんが、信頼できるファクタリング会社から資金調達したい場合にはベストペイがおすすめです。

ビートレーディング

入金スピード 最短即日
買取金額 上限下限なし
手数料 4%~12%
公式HP https://betrading.jp/

ビートレーディングは店舗型ファクタリングとして信頼と実績のある企業です。メディアにも取り上げられることが多いので、ファクタリング会社の中でもっとも知名度のある企業と言っても過言ではありません。

そのため、取引実績5.2万社、累計買取額1,170億円を超える実績がこれまでにあります。

また、オンライン契約にも対応しているので、当日中にビートレーディングのオフィスへ訪問できない方も最短4時間で資金調達が可能です。

店舗型のファクタリング会社として、業界最低水準の手数料なので、上限手数料の目安は12%程度と、かなり良心的な設定になっています。

担当者の知識も豊富で、資金調達だけでなく、財務コンサルティングも請けられます。

安心できる店舗型ファクタリング会社で資金調達を希望する方は、ビートレーディングがおすすめです。

トップマネジメント

トップマネジメント

入金スピード 最短即日
買取金額 最大1億円
手数料 3%~
公式HP https://top-management.co.jp/lp05/index.html

トップマネジメントはファクタリング専門の会社として業歴が長く、多くの取り扱い実績のある企業です。

取り扱っているファクタリングの種類が豊富で、注文書ファクタリングや請求書ファクタリングの他に次のようなファクタリングを取り扱っています。

  • 2.5社間ファクタリング
  • ゼロファク

2.5社間ファクタリングは売掛先からの振込専用口座(申込企業名義)を作成し、口座をトップマネジメントが管理することで、売掛先に知られることなく、3社間ファクタリングのように確実に代金を回収できる仕組みです。代金の持ち逃げリスクがなくなるので、2社間ファクタリングでありながら低い手数料が適用されます。

また、ゼロファクトは補助金・助成金申請と同時につなぎ資金をファクタリングで用意することで、ファクタリングの手数料を引き下げられる仕組みです。

このようにトップマネジメントはファクタリングの手数料を引き下げる仕組みがいくつも用意されています。

そのため、注文書ファクタリングの手数料も低く、3.5%~12.5%で利用できます。

ただし、注文書ファクタリングは設立から半年以上、月商500万円以上の法人しか利用できないので注意してください。

GMO BtoB 早払い

GMO BtoB 早払い

入金スピード 最短2営業日後​​
買取金額 100万円~1億円
手数料 2%〜12%​​
公式HP https://www.gmo-pg.com/service/hayabarai/

GMOペイメントゲートウェイは、大手IT企業のGMOグループで、東京プライム上場企業です。

大手企業が運営しているファクタリング会社ですので、安心して利用できます。

GMOペイメントゲートウェイのBtoB早払いは、専任の担当者がつき、きめ細やかに対応してくれます。

資金化までに2営業日必要になるので、急いで資金調達をすることには向いていませんが、専門性の高い担当者に丁寧に対応してもらいたい方や、信頼できる大手企業から資金調達したい方にはおすすめです。

なお、GMO BtoB早払いは法人のみが利用できるサービスです。

個人事業主ではGMO BtoB早払いを利用できないので注意しましょう。

けんせつくん

けんせつくん

入金スピード 最短即日
買取金額 上限下限なし
手数料 5%~
公式HP https://xn--y8jd4aybzqd.jp/

けんせつくんは、建設業専門のファクタリング会社です。運営しているのでオンライン完結ファクタリング会社として有名なウィットですので、安心して利用できます。

建設業はあらゆる業種の中で最も納期の長い業種の1つです。

注文書ファクタリングを利用すれば、受注段階から受注した工事に必要な金額を手元に確保できるので、納期の長い工事を請けても資金繰りに困ることはありません。

契約はネットで完結できるので、忙しいときにも自宅や会社にいながら資金調達ができます。

最短2時間で資金化できるので「今日、どうしてもお金が必要」という場面でも相談しましょう。

至急で資金調達をしたいなら利用者側の努力も必要

注文書買取は2社間ファクタリングをベースにしており、申込から審査、契約までの流れが非常にスムーズに進みます。

しかし、至急で資金が必要な場合などは、利用者側も取引の流れをしっかり理解し、必要書類等を不足なく用意するといった努力が不可欠です。

注文書買取は、仕事を受注した段階で資金化ができる非常に便利な資金調達方法です。

仕事を遂行するにあたって必要な人件費や設備費に充てられるため、有効に利用すれば事業拡大の一助となるでしょう。

注文書ファクタリング会社 - BESTPAY