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事業資金の借り入れでおすすめの方法6選!借りられない原因と代替案も解説

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事業資金の調達方法を考える際、「借り入れ方法には何があるか」「融資以外に選択肢はあるのか」と迷う経営者も多いでしょう。事業資金の借り入れには日本政策金融公庫や銀行などの金融機関が有力な選択肢として注目されています。

今回の記事では、事業資金を借り入れできるおすすめの金融機関6選を厳選し、金利や入金スピードなどを比較しました。さらに、事業資金の借り入れまでの流れや借りられない理由、融資以外の借り入れ方法などを網羅的に解説します。

本記事を読めば適切な事業資金の借り入れ方法が見つかり、安心して申し込めます。自社の事業や目的に合う事業資金の借り入れ方法を選び、お金の悩みを解決しましょう。

事業資金を借り入れできる金融機関6選!特徴やメリットを解説

法人や個人事業主が事業資金を借り入れできる融資の種類は、事業規模やニーズに応じて複数存在しています。代表的な資金調達先は以下の通りです。

  • 日本政策金融公庫
  • 地方自治体
  • 都市銀行
  • 地方銀行
  • 信用金庫・信用組合
  • ノンバンク

それぞれの借り入れ方法ごとに特徴や利用条件が異なり、自社の状況に合うサービス選択が大切です。

日本政策金融公庫は中小企業や小規模事業者向けの融資制度が多数ある

日本政策金融公庫は、国が100%の株式を常時保有が法律で定められている公的な金融機関で、財務省管轄の「政府系金融機関」の1つです。民間の金融機関の取り組みの補完を目的としており、中小企業や小規模事業者、個人事業主などの資金調達を支援する制度がそろっています。

例えば「新規開業・スタートアップ支援資金」は、新たに事業を始める方または事業開始後税務申告を2期終えていない方でも融資を受けられます。

急な資金繰りの悪化に対応できる臨時の融資制度が提供される場合もあります。「経営環境変化対応資金(セーフティネット貸付)」では社会的・経済的な環境変化などの外的要因で一時的に売上が減少して業況が悪化した方でも借り入れが可能です。

窓口では専門の担当者がつき、資金計画や返済見通しについてのアドバイスを受けられる点もメリットです。起業時の資金調達を考えるなら、非常に心強い存在と言えます。

地方自治体は金融機関や信用保証協会と連携して融資してもらえる

地方自治体では、自治体・民間の金融機関・信用保証協会の3つの組織が協力して融資を行う「制度融資」を提供しています。制度融資は、単独では資金調達が難しい中小規模の事業主を支援して地域経済の活性化を進めるための融資制度です。

自治体・民間の金融機関・信用保証協会はそれぞれ以下のような役割を持ちます。

自治体
  • 有利な融資条件を設定する
  • 金融機関に預託金を出して低金利な融資を実現する
民間の金融機関
  • 申込者の返済能力を審査する
  • 自治体が定めた条件で融資を行う
  • 県から利子の補助を受けて低金利で中小企業者に融資する
信用保証協会
  • 中小企業者が融資を受ける際に公的な保証人となる
  • 県が定めた条件に協力して保証料率を引き下げる

制度融資では、自治体から民間の金融機関に預託金を出し、貸付原資の一部を負担しています。通常の保証とは別枠で預託金の範囲内で融資を受けられるため、一般的な融資よりも借りやすいメリットがあります。

また、預託金の存在によって、銀行が起業の信用や実績から金利を決めるプロパー融資などと比較して低金利での融資が可能です。

制度融資では信用保証協会の保証が受けられるため、融資が受けやすいメリットもあります。

都市銀行は資金が豊富だが大手企業向け

都市銀行は、全国規模のネットワークを持つ日本最大手クラスの銀行の総称です。「三菱UFJ銀行」「三井住友銀行」「みずほ銀行」といった、いわゆる「3大メガバンク」などが該当します。豊富な資金力を背景に大手企業の大規模融資にも対応できる点が特徴です。

一方で審査基準が厳格であり、地方銀行や信用金庫などと比較しても一定の業績や信用が求められます。中小企業や創業して間もない事業者の場合、融資を受けるのが難しい傾向です。

審査では財務諸表や返済実績などによる明確な評価基準があるため、柔軟な対応はあまり期待できないでしょう。

地方銀行は中小企業や個人事業主が借り入れできるチャンスがある

地方銀行は地域に根ざした運営をしている銀行です。静岡銀行や横浜銀行、福岡銀行など自治体名を冠する銀行が多く、本店所在地のある都道府県と、隣接した地域を中心に店舗展開をしています。

地域に根ざした運営を行っているため、地域経済を支えている中小企業や個人事業主に対しても積極的に融資を行う傾向です。例えば地方銀行は比較的規模の大きな中堅企業が多い第一地方銀行と、中小・零細企業との取引が多い第二地方銀行があります。

第二地方銀行は第一地方銀行に地元企業のメインバンクの座を取られるケースが多く、中小企業にも積極的に営業をする傾向にあります。また、借り入れ残高がある間は毎年決算書を提出するため、その期間はアドバイスを受けられる点もメリットです。

信用金庫・信用組合は地域密着型の金融機関

信用金庫・信用組合は地域密着型で、地元の中小企業や個人事業主を主な取引相手としている金融機関です。銀行と違って営利を目的としておらず、地域の発展を支援する姿勢のため、実情を加味した柔軟な審査が期待できます。

事業の将来性、経営者の人柄、地元での信用など銀行では考慮されにくい部分を重視する傾向にあります。小口融資や運転資金など日常的な資金需要に適している点もメリットです。

金利優遇などのキャンペーンも随時行っているため、低金利のタイミングで申し込めば返済総額を抑えやすくなっています。中小企業やベンチャー企業、個人事業主が融資を期待するなら信用金庫や信用組合も候補になるでしょう。

ノンバンクは融資スピードが早いビジネスローンがある

ビジネスローンは、銀行やノンバンクなどの金融機関が法人または個人事業主向けに提供するローン商品です。なかでもノンバンクは融資までのスピードがほかよりも早い傾向にある点が特徴で、企業の資金調達の手段として広く知られています。

ノンバンク」に該当するのは、主に以下の企業です。

  • 消費者金融
  • クレジット会社
  • 信販会社
  • リース会社
  • ビジネスローン会社 など

銀行のように保証人や担保を必要としないケースが多く、小規模企業や個人事業主でも利用しやすい傾向です。ノンバンクのビジネスローンは銀行からの融資が難しい企業向けに誕生した経緯があり、銀行と比べて審査基準が緩め・柔軟とされています。

また、申し込みや融資の実行までが早ければ数日~数営業日で完了する可能性もあり、銀行よりも早い審査が完了しやすくなっています。急いで資金調達をしたい事業者に向いているでしょう。

一方、審査が緩めの傾向にある反面、一般的な融資よりも金利が高くなる点がデメリットです。

事業資金には大きくわけて2種類がある

事業資金は、事業を始めるときや運営をする際に必要になる資金の総称です。事業資金は大きくわけて以下の2種類に分かれます。

  • 設備資金
  • 運転資金

2つの事業資金の違いを把握しておきましょう。

設備資金

設備資金は、事業の設備投資に利用される資金です。代表的な設備投資に関する費用は以下の通りです。

  • 不動産購入費用
  • 内装工事費用
  • 車両購入費用
  • パソコンなどのOA機器購入費用
  • ホームページ制作費用 など

例えば飲食店を開業する場合、店舗を借りるための敷金・礼金、外装工事費や内装工事費、ホームページ制作費用などが設備資金に該当します。上記のほか、ソフトウェアや特許権、商標権などの知的財産も設備資金にあたります。

設備資金の融資を受ける場合は、金融機関に資金使途の報告が必要になる場合があります。見積書の提出が求められる可能性もあるため、事前に購入予定の設備や物品などの見積もりをとっておくと良いでしょう。

運転資金

運転資金は、企業の営業に必要な支払いをするために必要な資金です。設備や資産購入のために使われる設備資金とは利用使途が異なります。

設備資金に該当する費用の例は以下の通りです。

  • 原材料の購入費用
  • 従業員の給与支払い
  • 事務所の賃貸費用
  • 光熱費
  • 通信費など

一般的に事業で商品を仕入れたり、人件費や家賃を支払ったりするタイミングは売上の入金よりも前に訪れます。特に企業と企業の取引では掛け売りが一般的で、販売した代金がすぐ入金されるわけではありません。そのため、運転資金は単月分だけでなく、数ヶ月分は確保しておかなければいけません。

毎月の運転資金が不足しないよう、入金と出金のタイミングを把握しておく必要があるでしょう。

事業資金を借り入れするための流れ

事業資金の借り入れの大まかな流れは以下の通りです。

  1. 相談・申し込み
  2. 面談・審査
  3. 融資の実行

事業資金を借り入れする流れを把握しておき、実際に手続きをする際の参考にしましょう。

相談・申し込み

事業資金の融資を受ける際、金融機関の窓口で事前相談が可能です。事前に相談しておくと、融資条件や必要書類などの情報が手に入り、スムーズに準備を進められるようになります。

会社案内や事業計画書、決算書などがあると、企業ごとの問題点や課題を踏まえて相談できるでしょう。相談を重ねて事業資金の借り入れの申し込みが確定したあとは、申込書に必要事項を記入して提出に進みます。

必要書類は銀行によっても異なりますが、主に以下の書類の提出を求められます。

  • 決算書3期分
  • 試算表
  • 資金使途明細
  • 受注明細
  • 事業計画書
  • 資金繰り表
  • 登記簿謄本
  • 印鑑証明書
  • 納税証明書
  • 銀行取引明細書
  • 確定申告書 など

必要書類は法人か個人事業主かによっても異なりますが、本人確認書類や登記簿謄本、納税証明書などは必ず提出が必要です。

面談・審査

審査の内容は金融機関によって異なりますが、多くの場合は担当者の訪問や面談が必要です。カードローンやビジネスローン以外の方法で金融機関から融資を受ける場合、基本的に面談が必要だと覚えておきましょう。

例えば日本政策金融公庫の国民生活事業では、現在の事業の状況や資金使途について質問されます。書類で提出済みの情報を再度確認される可能性もあるため、口頭で説明できるように事前準備が大切です。

また、「借りたお金の使い道」や「借りたあとの返済をどう進めるのか」といった書類ではわかりにくい部分も確認されます。面談後は、融資の可否を判断するための審査が実施されます。

審査中に追加書類の提出を求められる可能性もあるため、真摯に対応して審査結果を待ちましょう。

融資の実行

面談と審査が完了したあと、金融機関から融資の可否について回答があります。

事業資金の融資には主に以下の3つがあり、証書型の貸付の場合は審査を通過後に金融機関と申込者のあいだで金銭消費貸借契約を締結します。

  • 当座貸越:審査で決められた利用可能額の範囲で繰り返し借り入れできる
  • 手形貸付:約束手形を発行してお金を借り入れできる
  • 証書貸付:審査で決められた融資額を一括借り入れする(金銭消費貸借契約が必要)

金融機関と金銭消費貸借契約を締結する場合、必要事項への記入と捺印をして提出しましょう。契約書の内容に不備がないか精査してから押印するのが大切です。

契約の締結後は、指定の口座に入金されます。契約締結から入金までの期間は金融機関によって異なりますが、1週間前後で入金されるのが一般的です。

事業資金を借り入れするときの選び方

事業資金融資の選び方は、以下の通りです。

  • 金利の水準
  • 融資までにかかる時間
  • 申込条件

事業資金の借り入れ方法の選び方を把握しておき、より自身にあったサービスを選択しましょう。

金利の水準

事業資金の借り入れ方法によって、金利の設定が大きく異なります。例えばノンバンクのビジネスローンの金利は年10%超なのに対し、日本政策金融公庫は年1~3%程度の低金利の借り入れが可能です。

金利が低いほど毎月の返済利息は抑えられ、返済総額が抑えられたり返済期間が短縮できたりする可能性があります。事業資金の借り入れでは金利に注目し、少しでも返済負担を抑えられる商品を選びましょう。

よって、申し込み先を決める際は1社だけを見るのではなく、複数社での比較が大切です。

融資までにかかる時間

申し込みから融資までにかかる時間は、金融機関や融資の種類によって異なります。例えば一般的な銀行融資の場合は申し込みから融資までに数週間以上の時間がかかるケースも珍しくありません。

一方、ノンバンクのビジネスローンであれば申し込みしてから最短即日での融資を受けられる可能性もあります。なるべく早くお金を用意したい事情がある場合、最短即日融資が可能など、スピーディな融資に対応している借り入れ方法がおすすめです。

申し込み条件

事業資金の借り入れ方法によって、申し込み条件がそれぞれ設定されています。申し込み条件を満たさない限りは資金調達の手段として利用できず、融資が後ろ倒しになってしまいます。

例えば日本政策金融公庫では一時的に業況が悪化している事業者向けに「経営環境変化対応資金(セーフティネット貸付)」を提供しています。誰でも申し込めるわけではなく、一時的に売上の減少等で業績が悪化しているが、中長期的には回復が見込まれるなど、申し込み条件に合致する事業者が申し込めます。

事業資金の借り入れを検討する場合、申し込み条件をクリアしているかを事前に確認しておきましょう。

事業資金を借り入れしやすくするためのポイント

事業資金を借り入れしやすくするためのポイントは、以下の通りです。

  • 自己資金を準備しておく
  • 資金使途を明確にしておく
  • 事業計画書を作成する
  • 認定支援機関を活用する

審査されるポイントを押さえて的確な準備を進めれば、審査に通る可能性も高くなるでしょう。

自己資金を準備しておく

融資の審査において、自己資金は重要な要素の1つです。一般的に総資金の10~30%が自己資金の目安とされていますが、これは30%前後の自己資金がないと返済が大変になるためで、金融機関は事業主に自己資金の確保を求めています。

具体的に自己資金として認められるお金の例は、以下の通りです。

  • 自身が預貯金口座で貯めたお金
  • 返済義務がなく、贈与されたお金
  • 自分自身の退職金
  • 資産を売却して得た資金 など

人から借りたお金は返済義務があり、自己資金ではないと判断される可能性もあるため注意が必要です。親兄弟などの親族、友人などから援助を受けたお金が自己資金に該当するかは、金融機関によって判断が異なる場合があります。

資金使途を明確にしておく

事業資金を借りるには、できる限り資金使途を具体的に記載しましょう。金融機関は貸し手の責任として、資金が反社会的勢力に流れたり、公序良俗に反する使途に使われたりしないように確認する義務があります。また、資金がどの用途にいくら必要かを明確に把握できないと、金融機関は貸し倒れのリスクを正確に判断できません。

資金使途は「設備資金のため」「運転資金のため」といった大まかな分類をするだけでは不十分です。例えば機械設備投資の場合、購入目的や設備導入によるコスト削減、売上増加の目途など、具体的なお金の使い道を説明する必要があります。

資金使途を説明するためには、見積書の提出も必要です。内装工事や機械設備投資など大きな費用がかかる部分は、見積書がないと審査が進まないため注意が必要です。

事業計画書を作成する

事業資金に限らず、融資を行う金融機関では返済能力を重視して審査を実施します。明確かつ具体的な事業計画書を作成したうえで、収支の見通しや資金の使途、返済の目途などについて丁寧な説明が不可欠です。

特に、事業の実現可能性に関係する数字は、明確に提示しましょう。加えて競合分析やリスクの存在と対策なども盛り込むと説得力がある事業計画書と判断され、融資の審査に好影響を与える可能性もあります。

  • 売上予測:客単価×来店客数×営業日数など売上を予測する計算式を記載する。また、季節の変動や売上に影響するリスクも盛り込む
  • 経費の内訳:人件費、家賃、仕入、広告費用などの項目と見積もりを提示する
  • 競合分析:営業エリア内の競合の店舗数や自社の差別化ポイントを明確にする

認定支援機関を活用する

融資を受ける可能性を高めるなら、認定支援機関のサポートを受けるのが有効です。認定支援機関は、中小企業支援に関して専門的な知識や実務経験が一定レベル以上ある者として、国に認定された支援機関です。

認定支援機関に該当するのは、税理士や税理士法人、中小企業診断士、公認会計士などの士業のほか、商工会議所や金融機関などです。認定支援機関に依頼すると事業計画の策定や実行支援、進捗状況の管理、フォローアップまで一貫してサポートを受けられます。

認定支援機関の専門家の指導のもとで作成した事業計画を提出すると金融機関からの信頼が高まり、審査結果に影響する可能性があります。

事業資金の審査に落ちて借りられない理由

事業資金の審査に通らなかった場合、考えられる主な理由は以下のとおりです。

  • 借り入れ希望金額が高すぎる
  • 事業の将来性や収益性をアピールできていない
  • 信用情報に延滞などの傷がある

借りられないリスクを避けるためにも、あらかじめ審査に通らない理由を把握しておきましょう。

借り入れ希望金額が高すぎる

自己資金や事業の規模に比べて借り入れ希望額が大きすぎると、審査に通らない原因になる可能性があります。なぜなら、事業資金の希望金額が申込者の経営の現状と合っているかは、審査通過の重要なポイントになっているためです。

事業資金の融資の可否は、申込者の経営状況や自己資金なども含めたさまざまな要因で決定されます。仮に審査に通らなかった場合、事業の現状と比較して借り入れ希望額が高すぎなかったか検証してみましょう。

事業の将来性や収益性をアピールできていない

融資を受けられなかった場合、自社の事業の将来性や収益性が伝わっていなかった可能性があります。事業資金の融資では審査担当者に「貸付をして大丈夫だ」と思ってもらうのが大切です。

融資の審査では、事業計画書などの書面内容の確認に加え、面談が行われる場合があります。面談では担当者が事業計画書を見たうえで「借りたお金の使い道」「返済プランはどうなっているか」が確認されます。将来性や収益性があって安定した売上と利益が生まれ、確実に返済していけるプランが伝わらないと審査通過は難しくなるでしょう。

面談では競合他社の状況や市場の動向まで質問される可能性があるため、事業の将来性を示すためにも念入りに調査しておきましょう。

信用情報に延滞などの傷がある

信用情報に延滞情報がある状態は一般的に「傷」と呼ばれており、審査結果に大いに影響する可能性があります。金融機関は申込者がきちんと返済してくれるのかを重視して審査するためです。

過去に事業融資や個人向けローン商品の返済延滞があると審査担当者が返済能力に不安を覚えるため、審査で不利になる可能性があります。審査に通らなかったときは、原因調査のために信用情報の開示請求をしてみるとよいでしょう。信用情報は、CICやJICC、全国銀行個人信用情報センターなどの信用情報機関で開示請求が可能です。

過去の返済延滞などの記録が信用情報に残っている場合は金融機関から融資を受けられない可能性が高くなります。返済延滞などの記録が残っている場合、後述する「ファクタリング」など、信用情報に傷があっても資金調達できるサービスを検討してみましょう。

事業資金を借り入れする際の注意ポイント

事業資金を借り入れする際の注意ポイントは、以下の通りです。

  • 融資が必要な1~2ヶ月以上前から行動を始める
  • 事業資金はプライベートには使わない
  • 借り入れに必要な書類は正確に準備する
  • 借り入れや返済に関する疑問は事前に解消しておく

必要な時期から逆算して事業資金を借り入れできるように、注意ポイントに気をつけながら準備を進めましょう。

融資が必要な1~2ヶ月以上前から行動を始める

金融機関に申し込んでから融資を受けられるまでには相当の時間がかかる可能性があります。どのくらい時間がかかるのかは申し込む金融機関によっても異なりますが、申し込みから融資実行まで1~3週間ほどを要するのが一般的です。また、日本政策金融公庫などでは1~2ヶ月以上の時間がかかる可能性もあります。

支払期限を逃さないためにも、事業資金が必要なタイミングの1~2ヶ月以上前から融資の申し込みなどの手続きを進めておきましょう。

事業資金はプライベートには使わない

事業資金として借りたお金は、必ず事業用に利用する必要があります。プライベートな用途で利用してしまうと金融機関からの信用を失い、新たな融資を受けられなくなる可能性があるため注意が必要です。

事業資金の利用履歴は預金通帳や帳簿から把握されるため、金融機関に隠れて私的に利用するのは不可能です。金融機関からの信用を失うと事業の継続に悪影響を与えるため、絶対に避けましょう。

企業や事業者としての信用を守るためにも、借り入れした事業資金は徹底的に管理して事業計画に沿った使い方をしましょう。

借り入れに必要な書類は正確に準備する

事業資金を早く借り入れしたいなら、書類に間違いがないように正確に準備する必要があります。提出した書類に間違いがあると再提出が必要になり、審査が完了するまでに余計な時間がかかるためです。

金融機関ごとに提出を求められる書類は異なりますが、一般的には以下のような書類を提出します。

  • 確定申告書(直近1~2年分)
  • 事業計画書
  • 本人確認書類
  • 預金通帳の写し
  • その他、金融機関が指定する書類

また、金融機関によっては書類の間違いが原因で担当者からの信用を損ねたり、追加の書類提出が必要になったりする可能性もあります。特に数字の整合性に関するミスは誤解を招いたり再確認を求められたりする可能性もあるため、細心の注意が必要です。

融資に申し込む担当者とは別の人間の第三者チェックを入れるなど、ミスがないように万全の体制で必要書類の準備に臨みましょう。

借り入れや返済に関する疑問は事前に解消しておく

事業資金についての疑問や不安は、全て解消してから申し込みましょう。借り入れ・返済方法、金利の仕組みを理解せずに契約してしまうと、後からトラブルに発展するかもしれません。

例えば金利から計算される利息金額や毎月の返済金額を把握していないと、返済に苦慮する可能性もあります。

返済が長期にわたるときは返済総額や毎月の返済金額、返済スケジュールも確認し、納得したうえで申し込むべきです。契約内容が複雑でよくわからないときは疑問をそのままにせず、顧問税理士などの専門家に相談すると冷静な判断ができるでしょう。

融資以外に事業資金を借り入れする方法

融資以外で事業資金を借り入れする方法には、主に以下の3つがあります。

融資の審査に通らない場合でも事業資金の用意ができるよう、並行して検討を進めておきましょう。

融資型クラウドファンディングは融資を通じてファンを獲得できる

融資型クラウドファンディングとは、資産運用を考える投資家や支援者から小口の資金を集める方法です。金融機関ではなく投資家や支援者から借り入れする点が特徴で、支援してくれた人にはリターンとして利子をつけた金銭を返済します。

支援者が個人投資家で企業のビジョンに賛同している状況で投資してくれるため、金融機関からの融資が受けられない場合でも資金調達が可能です。融資型クラウドファンディングが活きるのは、新商品や新サービスを開発したときです。

投資家が融資型クラウドファンディングでの投資判断をする場合、起業の事業内容や提供サービスなどを事前に詳しく調べます。投資家の調査を通じて、自社商品やサービスの認知向上につながる可能性があります。

ビジネスカードを利用して決済を遅らせる方法もある

融資の審査に通らない場合、ビジネスカードを利用して支払いを遅らせる方法もあります。資材の購入や原材料の仕入れなどに事業用の「ビジネスカード」が利用できる場合、現金払いから切り替えると支払い期日を遅らせられます。

現金なら月末に支払いが必要なときでも、「月末締め翌月26日払い」などのビジネスカードを選択すれば支払いの後ろ倒しが可能です。ビジネスカードの機能は提供している金融機関ごとに異なるため、以下のような点を比較して自身に合う商品を選択しましょう。

  • 年会費
  • 利用限度額
  • ポイント還元率
  • 国際ブランド
  • 付帯サービス

例えば年会費無料のビジネスカードならコストをかけずに資金繰りを改善できる可能性があります。また、ビジネスカードによっては支払った金額に応じてポイントが付与される場合があります。

法人カードによってはさまざまな付帯サービスの利用が可能です。カード名義人の従業員が提携飲食店やスポーツジムの利用料割引を受けるなど、福利厚生としても利用できます。

ファクタリング」なら売掛金を現金化できる

ファクタリングとは、企業が持っている売掛金(売掛債権)をファクタリング会社に買い取ってもらう方法です。売掛金の支払い期日よりも早く現金化できるため、事業資金が不足する際などにスピーディな資金調達が可能です。

売掛金の入金より前に支払いが重なって資金が不足した際の対策として利用できます。例えばA社がB社に商品を販売したと仮定しましょう。支払いサイトが「月末締め翌々月末払い」の場合、1月に販売した商品代金の入金日は3月31日です。

2月に大きな支払いがあって自己資金が不足した場合でも、ファクタリングで売掛金を売却すると3月31日よりも前に入金してもらえます。ファクタリングの入金までにかかる時間はファクタリング会社ごとに異なりますが、最短即日から1週間程度でお金の受け取りが可能です。

事業資金の確保におすすめのファクタリング会社5選

事業資金を確保する方法の1つ「ファクタリング」のなかでも、おすすめの種類は下表の通りです。

サービス名 種類 買取可能額 手数料 入金スピード 手続き方法
日本中小企業金融サポート機構
  • 下限・上限なし
  • 1.5%~10%
  • 最短3時間
  • オンライン・電話・メール
ビートレーディング
  • 下限・上限なし
  • 最短2時間
  • オンライン・LINE
みんなのファクタリング
  • 非公開
  • 非公開
  • 最短60分
  • オンライン
ベストファクター
  • 30万円~
  • 2%~20%
  • 最短即日
  • オンライン・電話(契約時は要面談)
FREENANCE
  • 1万円・上限なし
  • 3%~10%
  • 最短30分
  • オンライン

ファクタリングの種類、買取可能額、入金スピードなどを比較検討し、自社の資金繰りに最適なサービスを選択しましょう。

日本中小企業金融サポート機構|必要書類が少なく対面不要

日本中小企業金融サポート機構

種類
買取可能額
  • 下限・上限なし
手数料
  • 1.5%~
入金スピード
  • 最短3時間
手続き方法
  • オンライン・電話・メール
公式サイト https://chushokigyo-support.or.jp/

日本中小企業金融サポート機構は、一般社団法人によって運営されているファクタリングサービスです。公益性が高く、信頼性を重視してファクタリング業者を選んでいる方に選ばれています。

手数料は1.5%~と低めの水準であり、買取可能額に上限がないため億単位のファクタリングも可能です。審査から入金まで最短3時間とスピーディな資金調達が可能で、急いで資金の準備をしたい事業者にも向いています。

経営コンサルも実施しているので、資金調達だけでなく経営改善を目指す事業者にもおすすめです。

ビートレーディング|パソコンやスマホからのオンライン契約が可能

ビートレーディング

種類
買取可能額
  • 下限・上限なし
手数料
入金スピード
  • 最短2時間
手続き方法
  • オンライン・LINE
公式サイト https://betrading.jp/

ビートレーディングは、東京・仙台・名古屋・大阪・福岡に拠点を持つ大手のファクタリング会社です。取引実績は71,000社を超えており、豊富な実績と信頼性があります。

申し込みから契約まで全てオンラインで完結できる点が特徴で、申し込みから最短2時間で資金調達が完了します。また、手続きに必要な書類も簡素で、必要な書類は「請求書」「通帳のコピー」の2点のみです。

また、2社間・3社間の両方に対応していて、3社間ファクタリングなら手数料は2%からと低水準を実現しています。信頼できるファクタリング会社を安い手数料で利用するなら、ビートレーディングはおすすめの事業者です。

みんなのファクタリング|土日祝でも最短60分の振込に対応している

みんなのファクタリング

種類
買取可能額
  • 非公開
手数料
  • 非公開
入金スピード
  • 最短60分
手続き方法
  • オンライン
公式サイト https://minnanofactoring.net/

みんなのファクタリングは、土日祝でも最短60分で振込が可能なファクタリングサービスです。非対面で手続きが進められるため、多忙な事業者でも手間なくスピーディに資金調達ができます。

2社間ファクタリングに特化している点も特徴で、売掛先に「ファクタリングで資金調達している」という事実が知られる心配がありません。3社間ファクタリングがない欠点もありますが、2社間のみで取引する事業者にとっては非常に使い勝手が良いサービスと言えるでしょう。

ベストファクター|年間相談件数が10,000件を超えて実績が高い

ベストファクター

種類
買取可能額
  • 30万円~
手数料
  • 2%~20%
入金スピード
  • 最短即日
手続き方法
  • オンライン・電話(契約時は要面談)
公式サイト https://bestfactor.jp/

ベストファクターは、年間相談件数が10,000件を超えて実績が高いファクタリングサービスです。手数料率が2%からと低水準で審査通過率も92.2%と高く、初めてファクタリングサービスを利用する事業者にもおすすめできます。

2社間と3社間の基本的なファクタリングに加え、注文書ファクタリングを提供している点も特徴です。注文書ファクタリングは系列サービスの「BESTPAY」が提供しており、注文書の時点ですぐに売却して現金化ができます。

また償還請求権なしの「完全買取」である点も特徴です。万が一買い取られた売掛金が回収困難になったとしても、利用した事業者に保証を求められません。

FREENANCE|フリーランスや個人事業主に強い支援サービス

フリーナンス

種類
買取可能額
  • 1万円・上限なし
手数料
  • 3%~10%
入金スピード
  • 最短5分
手続き方法
  • オンライン
公式サイト https://freenance.net/

FREENANCE(フリーナンス)は、「フリーランス・個人事業主を支えるお金と保険のサービス」です。フリーナンス即日払いというサービスでは手持ちの現金を即日で現金化でき、融資を受けずに資金調達ができます。

利用できるファクタリングは「2社間ファクタリング」で、取引先に即日払いのサービス利用が知られません。手数料は請求書額面の3%~10%で、フリーナンス口座を使えば使うほど手数料率は下がります。

入金まで最短5分と非常にスピーディで、個人事業主・法人問わず登録後にすぐ利用できます。

事業資金の借り入れに関するよくある質問

事業資金の借り入れに関してよくある質問は多岐にわたりますが、代表的な例は以下の通りです。

  • 事業資金を借りるには自己資金はいくら必要?
  • 事業資金が借りやすい法人融資はある?

事業資金の借り入れに関する不安が解消し、自社にあった資金調達を成功させましょう。

事業資金を借りるには自己資金はいくら必要?

事業資金を借り入れしやすくするには自己資金の用意が望ましいですが、「絶対に○○円」が必要という決まりはありません。一般的には総資金の「10%~30%」が目安とされていますが、これは30%の自己資金がないと返済が大変になるため、一定の自己資金を求められるためです。

自己資金は多いほど信用が高まって融資を受けられる可能性が高まります。必要な自己資金は企業や事業規模によっても異なるため、適正な金額を知りたい場合は金融機関や専門家に相談するのがおすすめです。

事業資金が借りやすい法人融資はある?

一般的に事業資金の融資を受けやすい制度として、「信用保証協会付き融資」「日本政策金融公庫の融資」があります。信用保証協会付き融資は信用保証協会が保証してくれる融資です。金融機関は貸し倒れのリスクが低く、保証がない状態と比較して融資を受けられる可能性が高いと考えられます。

日本政策金融公庫は創業時の支援や中小企業向けの融資制度を提供しており、返済計画や事業内容が明確なら融資を受けられる可能性があります。

事業資金の借り入れ先は目的に合致した金融機関に申し込もう

日本政策金融公庫や大手銀行は低金利で長期の借り入れに向きますが、審査に時間がかかるため短時間で融資を受けたい方には不向きです。融資スピードを重視するならノンバンクのビジネスローンも候補になるでしょう。

事業資金の借り入れ先を検討する際は、金融機関ごとの特徴やメリットを確認したうえで違いを明確に把握する意識が重要です。金融機関ごとに金利の水準や返済期間、利用限度額などが異なります。

また、融資の審査に通らない場合はファクタリングなどの手段を利用した資金調達も可能です。事業資金の借り入れ先や融資以外のサービスを比較したうえで、事業資金の確保の課題を解決しましょう。

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