カテゴリの記事一覧

カテゴリ名

社会保険料が払えない時の会社への影響や対応策などを解説

注文書・発注書のスピード買取・資金調達なら

この記事は約3分で読めます。

社会保険料が払えない事業者は約14万あるといわれており、決して珍しいケースではありません。よって、社会保険料が払えない時に、どのように対処するかが重要です。

この記事では、社会保険料が払えない時に日本年金機構がどのような対応をするか、会社にどのような悪影響が想定されるかを解説したうえで、適切な対応策を解説します。

社会保険料が払えない時に日本年金機構がとる対応

社会保険料を滞納すると、日本年金機構は下表のような対応で徴収を行います。

督促を行う
  • 督促状や催告書の送付
  • 電話や訪問による納付の奨励
延滞金を徴収する
  • 督促状に記載の支払期限(指定期限)が過ぎると延滞金が発生する
  • 延滞金の利率は毎年見直される
財産を差し押さえる
  • 預金・売掛金・不動産などが差し押さえられ保険料の支払いに充てられる

督促を行う

納付期限が過ぎると督促状が送付され、電話や訪問による納付の奨励も行われます

督促状には最終の支払期限(指定期限)が記載されており、この期限までに支払えば延滞金は発生しません。一方、この期限を過ぎると「滞納処分」と呼ばれる手続きに従って、最終的には財産が差し押さえられます。

滞納処分の手続きは以下のとおりです。

手続き 概要
1.納付指導
  • 分割納付などによる納付計画を立て、滞納を解消できるよう指導する。
2.財産調査
  • 納付指導で滞納が解消できない場合は、預金・売掛金・不動産などの財産が調査される。
3.差押え・換価
  • 財務調査で把握した財産が差し押さえられ支払いに充てられる
4.国税庁への委任
  • 悪質な滞納者に対しては国税庁に徴収業務を委任する

延滞金を徴収する

督促状に記載の支払期限(指定期限)が過ぎると、延滞金が発生します。

延滞金の額は指定期限の翌日からではなく、本来の納付期限の翌日から計算されるのが注意点です。

例えば、納付期限が1月31日で、督促状の指定期限が2月20日の場合、発生する延滞金は下表のようになります。

支払った日 延滞金の有無
2月1日から2月20日までに支払った場合
  • 支払いは遅延したが延滞金はかからない
2月21日以降に支払った場合
  • 2月1日から支払った日の前日までが延滞金の対象になる

延滞金の利率は毎年見直されるので、対象となる年の利率を確認しておきましょう。令和8年の延滞金の利率は以下のとおりです。

延滞金の対象となる日数 年利
納付期限の翌日から3カ月まで
  • 2.8%
3ヶ月を超過した分
  • 9.1%

財産を差し押さえる

差押えが行われると、預金や売掛金などは速やかに保険料の支払いに充てられ、不動産などは公売によって換金して支払いに充てられます

なお、生活に必要な最低限の財産は差押えが禁止されているので、差し押さえられても生活ができなくなるわけではありません。

社会保険料が払えない時に想定される会社への影響

社会保険料が払えなくなると、会社には下表のような影響が及ぶことが想定されます。

新規の借入が難しくなる
  • 社会保険料未納で新規の借入を行うのは困難
取引先との関係の悪化
  • 取引先に知れると関係悪化の恐れがある
従業員のモチベーション低下や離職
  • 従業員の信頼を損ね不安を与える
  • 訪問による支払い奨励などによって従業員にバレる可能性がある

新規の借入が難しくなる

社会保険料が払えない状態で新規の借入を行うのは困難です。

また、すでに借りている分に対しても、返済条件の見直しなどを求められる可能性もあります

取引先との関係の悪化

社会保険料の未納は必ずしも取引先に知られるとは限りませんが、例えば売掛金を差し押さえられた場合などでは知られることになります

取引先に社会保険料が払えないことが知られると、取引の縮小や打ち切りなどを求められる可能性があります

従業員のモチベーション低下や離職

従業員に社会保険料が払えないことが知られると、モチベーション低下や離職の恐れが出てきます

従業員からすると、社会保険料が払えないほど経営が不安定な会社に勤めたいとは思わないのに加えて、健康保険や年金はどうなるのかという不安もあります。

社会保険料が払えない事実は必ずしも従業員に知られるとは限りませんが、訪問による支払い奨励や財務調査、および差し押さえなどをきっかけに知られる可能性があります

社会保険料が払えない時の従業員への影響

会社が社会保険料を滞納していても、従業員の健康保険証は原則として利用可能です。同様に、年金受給額が減ることも原則としてありません

ただし、以下のような手続きの不備によって、保険証や年金に悪影響が出るケースも考えられます。会社側はこれらの手続きをきちんと行うことが大切です。

  • 人員を増やした際に加入を忘れていた
  • 法人化で強制加入になるのを知らなかった
  • 退職の際に保険証の資格喪失手続きを行わなかった
  • 退職後に元従業員が国保・国民年金への切り替えを行わなかった

社会保険料が払えない時の対応策

社会保険料が払えない時は、できるだけ早い段階で年金事務所に相談し、分割納付や猶予の申請をすることが大切です。

督促を無視して滞納を続けるのは最も良くない行為で、事態をかえって悪化させます。

年金機構のHPによると、保険料の納付に対して誠実な意思があることが、分割納付の条件の一つであると記載されています。

よって、督促の無視などの誠実でない行為が、分割納付や猶予の審査に悪影響を及ぼすことも考えられます。

早めに年金事務所に相談する
  • 相談は日本年金機構の窓口である年金事務所で行う
  • 払えなくなる可能性が出てきた時点で相談することが大切
  • 遅くとも督促状が届いたら必ず相談する
分割納付を申請する
  • 保険料を分割で納付できる
  • 分割納付できる期間は1年以内(2年まで延長可能)
  • 財産の差押えも猶予される
  • 延滞金が一部免除される
  • 担保や保証人が必要な場合がある
納付の猶予を申請する
  • 将来の保険料も含めて納付を一定期間猶予できる
  • 災害や病気などの限られた条件で利用可能
  • 財産の差押えなども猶予される
  • 延滞金の全額または一部が免除される
  • 担保や保証人が必要な場合がある

早めに年金事務所に相談する

年金事務所への相談は、社会保険料が払えなくなってしまってからではなく、払えなくなる可能性が出てきた段階で行うのが最善です。

相談を行う際は、事前に予約をして、帳簿類などを持参していくとスムーズに進みます

分割納付を申請する

分割納付は「換価の猶予」を申請して審査に通ると利用できます。申請には下記の条件が必要なのが注意点です。

  • 納付に対して誠実な意思がある
  • 納付期限から6ヵ月以内に申請する
  • 申請する以前の保険料の滞納・延滞金がない

また、下記の条件に当てはまる場合、原則として担保や保証人が必要になります

  • 猶予を受ける保険料の額が100万円を超える
  • 猶予期間が3ヵ月を超える

ただし、日本年金機構のHPによると、担保にできる財産がないと認められる場合は、担保は必要ないとされています。

納付の猶予を申請する

納付の猶予は、下記の事態が起きた時に申請できます。

  • 災害・盗難
  • 事業主や親族の病気・怪我
  • 事業の廃止・休止
  • 著しい損失

納付の猶予は、滞納してしまった保険料だけでなく、支払いが厳しくなると想定される将来の保険料にも適用できるのが特徴です。災害などにより損失を受けた日から、1年以内に納付期限がくる将来の保険料も対象となります。

担保については、納付期限が過ぎている場合は、分割納付と同様に担保や保証人が必要になることがあります。担保が必要になる条件は分割納付の場合と同じです(保険料が100万円超、納付期限から3ヵ月超)。

納付期限がまだ来ていない保険料については、担保や保証人は必要ありません。

社会保険料が払えないまま解散・廃業したらどうなるか

社会保険料が払えないまま会社を解散した場合、支払い義務は原則として消滅します。代表者などが支払いを求められることは原則ありません。

ただし、下記のようなケースでは、例外的に支払義務が発生することがあります。

  • 保険料の分割納付や猶予の際に保証人になった場合
  • 合名会社・合資会社の無限責任社員の場合

一方、個人事業主は廃業しても支払義務が残ります。たとえ自己破産しても社会保険料は免責されません。

まとめ

社会保険料が払えないと、日本年金機構から督促や延滞金の徴収が行われ、最終的には財産を差し押さえられます。

加えて、金融機関や取引先、および従業員との関係悪化といった、会社への悪影響も懸念されます。

よって、社会保険料が払えない時は、早めに年金事務所に相談し、分割納付や猶予を申請することが大切です。なお、放置は事態を悪化させるので行うべきではありません。

社会保険料が払えない時は適切な対応をとり、会社等への影響を最小限に抑えるようにしましょう。

注文書ファクタリング会社 - BESTPAY

閉じる