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事業資金が返済できない時の対応策や相談先、債務整理の手段などを解説

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事業資金を返済できない時は、適切な対応ができるかが大変重要になります。再建を目指すためには、正しい対応策を知っておくことが必須です。

この記事では、事業資金が返済できない時の対応策や、有用な相談先を解説します。また、どうしても返済できない時の債務整理の手段なども解説します。

事業資金が返済できない時に起こること

事業資金が返済できないと、下表のような事態が起こる可能性があります。どのようなことが起こり得るのかを理解して、冷静に対処することが大切です。

借入先からの督促
  • 電話や文書などで支払いをうながされる
遅延損害金の発生
  • 通常の利率より高い利率が適用される
  • 返済が遅れた日数分に適用される
信用情報機関のブラックリストになる
  • 返済が遅れた事実は信用情報機関に登録されブラックリストとなる
  • ブラックリストになるとほとんどの金融機関で借入が困難になる
  • 登録情報は数年間保存される
代位弁済が行われる
  • 信用保証協会つきの融資では、返済が遅れると保証協会が代わりに返済する。
  • 代位弁済後は信用保証協会へ返済しなければならない
一括返済を求められる
  • 長期間返済が遅れると一括返済を求められることがある
連帯保証人への請求
  • 連帯保証人がいる場合はそちらに返済を求めることができる
法的措置をとられる
  • 訴訟や支払督促の送付など
  • 最終的には財産を差し押さえられる場合もある

借入先からの督促

書面での督促には、主に「督促状」「催告書」「支払督促」といった種類があります。これらの書面は法的効力などの性質が違うため、相違点を理解しておくことが重要です。

これらの書面の性質の違いは下表のとおりです。

書面の名称 主な性質・特徴
督促状
  • まず最初に送付されることが多い
  • 送付すると時効が猶予される
  • 差押えを行う法的効力はない
催告書
  • 督促状を送っても返済されない時に送付されることが多い
  • 今後法的手段に移行する最終通告の意味合い
  • 送付すると時効が猶予される
  • 差押えを行う法的効力はない
支払督促
  • 裁判所が送付する返済を命じる書面
  • 無視すると差押えが可能な法的効力を持つ

遅延損害金の発生

遅延損害金は通常の利息より高いのが一般的なので、返済が遅れるほど余計に借金が膨らむことになります。ただし、法律の上限である年利20%を超えることはありません。

信用情報機関のブラックリストになる

信用情報機関は3機関あり、ほぼ全ての金融機関はいずれかの信用情報機関に加盟しています。

信用情報機関の情報は加盟金融機関なら閲覧できるため、ブラックリストになるとほとんどの金融機関に返済が遅れた事実が知られることになります

情報が登録される期間は、完済または契約終了後から最大5年程度です。登録期間が過ぎると情報は削除され、ブラックリストが解消されます。

自分がブラックリストになっているかどうかは、信用情報機関に開示請求すれば確認できます。

代位弁済が行われる

代位弁済は借金が帳消しになるわけではなく、信用保証協会への返済義務が残ります

信用保証協会への返済は、原則として一括で求められます。しかし、代位弁済された事業者は一括返済できる資力がないことが多いため、債務整理で対応せざるを得ないケースも少なくありません。

また、代位弁済を行った事実は信用情報機関に登録されるため、新規の借入は困難になります。

一括返済を求められる

一括返済を求められるとより資金繰りが苦しくなり、事業の継続が困難になる可能性が高くなります。一括返済を求められるほど事態が深刻になる前に、適切な対処をすることが大切です。

連帯保証人への請求

経営者以外の者が連帯保証人になっている場合は、人間関係にも深刻な悪影響を及ぼすことが多いです。

なお、仮に連帯保証人の財産が差し押さえられた場合でも、生活に必要な最低限の財産は残されます。また、家族や親族の財産が差し押さえられることはありません。

法的措置をとられる

法的措置にまでなってしまうと、多くの場合事業の継続は困難です。また、訴訟になった場合は時間的・精神的な負担も大きくなります。

法的措置をとられるほど事態が深刻になる前に対処し、どうしても返済できない場合は債務整理を検討すべきです。

事業資金が返済できない時の対応策

事業資金が返済できない時は、下表に示すような対応策によって再建を目指すことになります。

各手段のメリットや特徴を理解して、適切な手段を活用しましょう。

できるだけ早い段階で借入先に相談する
  • 返済できなくなる前に早めに相談する
リスケジュールを申し出る
  • 返済条件を緩和してもらう手続き
  • 追加融資は難しくなる
  • 再建可能であることを示す必要がある
追加融資を申し出る
  • 追加融資によって再建できる見込みが高い場合
  • 説得力のある経営改善計画を提示する必要がある
借り換え・おまとめを申し出る
  • 有利な返済条件の融資に借り換える
  • 複数の借入を一つにまとめて返済条件を緩和する
  • 追加融資は難しくなる

できるだけ早い段階で借入先に相談する

返済できなくなってしまってからではなく、返済できなくなる可能性が出てきた時点で相談することが大切です。

日頃から借入先とコミュニケーションをとって信頼関係を築いておくと、いざ返済できなくなった時に親身に対応してくれる可能性が高くなります。

リスケジュールを申し出る

具体的なリスケジュールの例は以下のとおりです。

  • 一定期間元本は据え置きで利息だけ支払う
  • 返済期間の延長
  • 毎月の返済額の減額

リスケジュールは原則として再建を目指すための措置なので、経営改善計画書などによって再建が見込めることを示す必要があります。また、リスケジュール中の追加融資は難しくなります。

なお、リスケジュールは国が金融機関に対して柔軟に対処するよう要請しているのもあり、申し込めば90%以上程度が承諾されるといわれています。

追加融資を申し出る

事業資金が返済できない状況で追加融資を受けるのは、原則として困難です。しかし、再建できる見込みが高い経営改善計画があれば、追加融資を受けられることもあります

経営改善計画を立てる際は、中小企業活性化協議会などの支援を受けるのも有用です。

借り換え・おまとめを申し出る

借り換えやおまとめにも審査があるため、返済が遅れてしまった後だと利用するのが難しくなります。利用するなら、返済できなくなる可能性が出てきた段階で早めに申し込むことが大切です。

なお、借り換えやおまとめによって返済期間が長くなると、利息の総額が高くなる可能性があります。利用する際は、毎月の返済額の減額だけでなく、返済総額も考慮することが大切です。

事業資金が返済できない時の相談先

事業資金が返済できない時は、自分だけで悩むのではなく、適切な機関等に相談することが大切です。借入先に相談するのはもちろんですが、それ以外にも相談できる場所がいくつかあります。

下表に示すような機関に相談することで、資金繰り改善をより円滑に進められる可能性があります。

中小企業活性化協議会
  • 中小企業の経営課題解決を支援する公的機関
  • 相談は無料
  • 金融機関との交渉もサポート
  • 各都道府県に設置されている
商工会議所・商工会
  • 中小企業や個人事業主の支援などを行う地域密着型の機関
  • 専門家が無料で対応
中小企業支援センター
  • 自治体が設置している中小企業の支援機関
  • 経営課題について総合的に相談できる
税理士・中小企業診断士
  • 資金繰りや事業計画などの相談
  • 正確で説得力のある書類の作成
  • 融資担当者等との交渉・面談対策
弁護士・法テラス
  • 債務整理など法的な手続きの相談
  • 弁護士費用がない場合は法テラスへの相談が有用

中小企業活性化協議会

中小企業活性化協議会では、主に下表のような支援を手がけています。

資金繰りが苦しくなる前の段階での収益力改善、資金繰りが苦しくなってからの事業再生、そして事業継続が困難になってからの再チャレンジと、各フェーズでの支援を行っています。

支援制度の名称 概要
収益力改善支援
  • 収益力改善のためのアクションプランや資金繰り計画の支援
  • 収益力低下や借入増加の懸念がある中小企業が対象
早期経営改善計画策定支援
  • 経営改善計画策定を支援する専門家への費用の一部を補助
再チャレンジ支援
  • 再生困難な中小企業の再チャレンジ支援
  • 私的整理や個人保証の解除など

商工会議所・商工会

商工会議所と商工会は似ている部分も多いですが、下表のような相違点があります。

相違点 商工会議所 商工会
設置地域
  • 主に市区
  • 主に町村
対象
  • 中堅・大企業も対象
  • 主に中小企業と個人事業主
事業内容
  • 国際的活動も含め幅広い
  • 主に中小企業や個人事業主の支援

中小企業支援センター

中小企業支援センターは、各都道府県と政令指定都市等に設置されています。

なお、「産業支援センター」「産業振興財団」など、地域によって名称が違うので注意しましょう。

中小企業支援センターが行っている主な事業は以下のとおりです。

事業 概要
相談
  • 会社経営の経験がある専門家などが対応
専門家派遣
  • 専門家を派遣して経営課題解決をサポート
事業可能性評価
  • 新事業の可能性を専門家が評価
その他
  • 研修・セミナー・交流会など

税理士・中小企業診断士

税理士や中小企業診断士は、書類を正確に作成するだけでなく、整合性や根拠を持たせた説得力のある書類を作成することにも長けています

また、資金繰りに役立つ制度などにも詳しいので、自分が知らなかった有用な制度を教えてくれることがあるのも利点です。

追加融資やリスケジュール等についても、税理士や中小企業診断士は審査に通るポイントを熟知していることが多いので、計画書作成や面談対策などについて有用なアドバイスがもらえます。

弁護士・法テラス

民事再生などの債務整理を行う場合は、弁護士への相談が不可欠です。

どの弁護士に相談すればいいか分からない、または弁護士費用がない場合は、まず「法テラス」の無料相談を利用するとよいでしょう。

法テラス(日本司法支援センター)とは、法的なトラブル全般について相談できる機関です。無料相談に加えて、弁護士費用の立て替え制度などもあります

どうしても事業資金が返済できない時の債務整理の手段

どうしても事業資金を返済できない場合は、債務整理を検討することになります。ただし、債務整理にはいくつか種類があるため、適切な手段を選ぶことが重要です。

中小企業が利用できる主な債務整理の手段は下表のとおりです。これらの特徴やメリットを理解して、自身の状況に適した手段を利用しましょう。

任意整理
  • 借入先と交渉して返済条件の緩和などを行う
  • 裁判所を通さない比較的簡易な手続き
  • 元本のカットは難しいことが多い
特定調停
  • 裁判所を通して返済条件の緩和を交渉する
  • 弁護士に依頼せず自分だけで行うことも可能
  • 合意は確定判決と同じ法的効力がある
「中小企業事業再生等ガイドライン」にもとづく私的整理
  • ガイドラインにもとづく私的整理
  • 法的整理より柔軟で迅速
民事再生
  • 負債を減らして事業の再生を目指す法的整理の一種
  • 元本を圧縮できる
  • 再建の見込みがないと利用できない
特別清算
  • 借金を整理したうえで株式会社を消滅させる法的整理の一種
  • 破産に比べて会社主導の柔軟な手続きが可能
  • 株主や債権者の一定数以上の同意がないと実行できない
破産
  • 借金を整理したうえで会社を消滅させる法的整理の一種
  • 裁判所主導で手続きが厳格に決まっている
  • 株主や債権者の合意は不要

任意整理

任意整理は、返済条件を緩和すれば再建が目指せる時に有用な手段です。借入先と直接交渉して、利息のカットや返済期間の延長などを行います。

裁判所を通さない手続きのため、時間的・金銭的コストが比較的低いのが利点です。ただし、借入先の同意が必要なため、成功するとは限らないのが注意点です。

また、任意整理は弁護士へ依頼することが大半のため、弁護士費用などが必要になります。

特定調停

特定調停も比較的簡易な債務整理の手段ですが、裁判所を通して法的効力のある合意ができるのが特徴です。

申込費用は債権者1社あたり500円程度と大変安く、裁判所へ出向く回数も2回程度で済むことが大半とされています。

「中小企業事業再生等ガイドライン」にもとづく私的整理

中小企業事業再生等ガイドラインは、中小企業が私的整理を行う際の指針です。ガイドラインを遵守することで、より円滑に私的整理を進めることができます。

中小企業事業再生等ガイドラインの全文は、全国銀行協会の公式サイトで公開されています。

民事再生

民事再生は、原則として事業の再生を目指す手続きです。債務整理によって再建できる見込みが高い時に有用な手段となります。

債権者数と債権額の過半数の同意で可決できるため、反対する債権者がいても実行できる可能性があるのも利点です。

一方、民事再生を行った事実は官報に掲載されるため、広く知られる可能性があるのは注意点です。

特別清算

特別清算は破産に比べると、比較的低コストで手続きも簡易です。ただし、株主や債権者の一定数以上の合意が必要で、反対が多いと実行できず破産手続きに移行します。

なお、特別清算は株式会社のみ利用できる制度で、個人事業主や合同会社等は利用できないのが注意点です。

破産

破産は借金を整理して会社を消滅させる点は特別清算と同じですが、根拠となる法律が違うため手続きにも相違点があります。

破産の手続きは裁判所が選んだ破産管財人の主導で行われ、会社側の主導権はないのが特別清算との重要な違いです。

残った資産は破産法にもとづいて平等に分配され、特別清算のように特定の債権者に優先的に分配するといったことはできません

なお、破産は株主や債権者の同意がなくても実行でき、個人事業主や合同会社等でも行えます。

事業資金が返済できない時にしてはいけないこと

事業資金が返済できない時に、下表のような行為はするべきではありません。これらの行為は問題を先送りにして事態を悪化させるものです。

返済のための借入を行う
  • 一時しのぎで根本的な解決にならない
  • 借入が増えて事態が悪化する
借入先からの督促を無視する
  • 後々法的措置に移行する可能性がある
  • リスケジュールなどによる再建の可能性が低くなる
借入先に嘘をつく
  • 虚偽の説明はほとんどの場合バレる
  • バレると信用を損ない事態が悪化する
ヤミ金融から借り入れる
  • 違法な高金利や取り立てなどのトラブルに巻き込まれる

返済のための借入を行う

借入を返済するための資金を、他の金融機関から借り入れるのは根本的な解決策になりません。借入先と借入額が増えて、かえって資金繰りに窮することになります

また、自転車操業状態は精神的な負担も大きく、本業への悪影響も懸念されます

資金繰りが苦しい時でも焦って短絡的な判断はせず、冷静に対処することが大切です。

借入先からの督促を無視する

借入先からの督促を無視すると、最終的には法的手段に移行する可能性が高くなります

また、借入先からの心象が大変悪くなるため、リスケジュールや私的整理などによる再建の可能性も低くなってしまいます

督促の無視は事態をかえって悪くするため、必ず対応するようにしましょう。

借入先に嘘をつく

資金繰りが苦しいと、売上や借入額などについて嘘をついてしまうことがありますが、これは借入先の信用を損なうのでするべきではありません

信用を損なうと、リスケジュールなどの再建策が行えなくなる可能性もあり、事態をさらに悪化させます。

ヤミ金融から借り入れる

正規の金融業者から借り入れができないからといって、違法なヤミ金融から借り入れるのは最も避けるべき行為です。

ヤミ金融は違法な高金利や取り立てを行うことが多く、深刻なトラブルに巻き込まれる可能性があります

また、ヤミ金融で借り入れても資金繰りの改善にはならず、事態を悪化させるだけです。

資金繰りに窮した時は、リスケジュールや債務整理などの正しい手段で対応しましょう。

まとめ

事業資金が返済できない時は、早めにリスケジュールや借り換えなどの対策を行い、返済条件を緩和することが大切です。その際、中小企業活性化協議会などの機関に相談するのも有用です。

それでも事業資金を返済できない場合は、任意整理を始めとする債務整理を検討することになります。債務整理は必ずしも会社がなくなるわけではなく、再建を目指せる手段もあります。

なお、返済のために新たな借入をしたり、督促を無視するといった行為は、かえって事態を悪化させるので行わないようにしましょう。

事業資金が返済できない時でも、正しい対応をすれば再建できる可能性があることを理解して、冷静に対処することが大切です。

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