JCB請求書カード払いは、クレジットカード会社のJCB自身が運営する請求書カード払いサービスです。
この記事では、JCB請求書カード払いのサービス内容や利用方法、強みと注意点などを解説します。
JCB請求書カード払いとは
JCB請求書カード払いとは、取引先から受け取った請求書の支払いを、銀行振込からJCBカード払いに変更できるサービスです。
カード払いにすることで支払日を延期し、借入せずに資金繰りを改善できます。
取引先がカード払いに対応していなくても利用できるのが大きな特徴で、カード決済にともなうコストを取引先が負う必要はありません。
【JCB請求書カード払いの基本情報】
支払いの早さ |
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手数料 |
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支払いを延長できる日数 |
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利用可能な国際ブランド |
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審査・提出書類 |
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社会保険料納付 |
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経営母体と実績 |
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運営会社 |
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JCB請求書カード払いの利用方法
JCB請求書カード払いの利用方法は、請求書カード払いサービスの一般的な利用方法とおおむね同じです。
まず、初回利用時にアカウント登録して、サービスを利用可能な状態にします。そして、カード払いにしたい請求書の情報を入力して、振込みを申請します。
そして申請が受け付けられると、こちらが指定した日にカード払いによる振込が行われます。
1.アカウント登録
まずは、JCB請求書カード払いの公式サイトから、新規アカウント登録を行います。画面に従って必要情報を入力して送信すると審査が行われ、原則当日中に審査結果がメールで通知されます。
2.振込の申請
請求書とその取引先、および利用するJCBカードの情報を入力し、請求書カード払いの申請を行います。
3.カード払いの実行
申請が受け付けられると、カード払いによって取引先へ振込が行われます。なお、振込業務はJCBとともにJCB請求書カード払いを運営している「デジタルガレージ」が行います。
振込日は申請の3営業日後以降から選択可能です。
請求書カード払いサービスのメリット
ここでは、JCB請求書カード払いを含む、請求書カード払いサービスの一般的なメリットとして、以下の項目を解説します。
- 請求書の支払いを延期できる
- 手続きが簡単で利用しやすい
- 取引先に知られずに利用できる
- 業務を効率化できる
- カードのポイントがつく
請求書の支払いを延期できる
請求書の支払いを延期できるのは、請求書カード払いの主要なメリットです。請求書の支払期日にカード払いで支払うと、実際の支払いは次回のカードの引落日になるため、1,2ヵ月程度支払いを遅らせることができます。
JCBカードは、締日が毎月15日で支払日が翌月10日です。よって、例えば請求書の支払いをカード払いで月末に支払うと、カードの請求は翌々月の10日となり、支払いを約40日延期できます。
なお、請求書カード払いはあくまで支払いを引き延ばすだけなので、長期的な資金繰り改善には向いておらず、一時的な資金繰りのための利用がメインとなります。
例えば、以下のようなケースでは請求書カード払いが有用です。
- 融資のつなぎ資金の確保
- 一時的な閑散期における現金の確保
- 突発的な仕入や人件費等への対応
手続きが簡単で利用しやすい
請求書カード払いは、手続きが簡単で利用しやすいのが特徴です。
融資やファクタリングでは審査や契約締結などが必要ですが、請求書カード払いではこういった手続きは必要ありません。カードと請求書の情報を登録すれば、即日から数日程度で振込が行われます。
ただし、請求書カード払いでも、まれに簡単な審査を行うことがあります。
JCB請求書カード払いでも、新規登録時にユーザー登録審査が行われます。ただし、ネット上でアカウント登録した後、原則当日中に審査結果がメールで届くという簡単なものです。
審査完了後は、請求書・取引先・JCBカードの情報を入力すれば、カード払いでの振込が行われます。
取引先に知られずに利用できる
請求書カード払いは、取引先にカード払いを知られずに利用できるのも利点です。
請求書カード払いやファクタリングのような金融サービスは、主に一時的な資金繰り対策に利用されます。
そのため、もし取引先にこういったサービスの利用が知れると、「資金繰りが苦しいのではないか」と思われ、関係性が悪化するケースがあるといわれています。
しかし請求書カード払いは、原則として利用の際に取引先に通知することはなく、振込名義も自社に変更できるため、利用を取引先に知られることはありません。
ただし、JCB請求書カード払いでは、取引先情報をJCBなどに伝えることを、取引先が承諾する必要があります。
業務を効率化できる
請求書カード払いを利用すると、銀行振込などの支払い業務が不要となるため、業務を効率化できます。
また、請求書カード払いは、家賃や人件費などの支払いも対応していることが多いので、支払いの一元化による効率化も可能です。
JCB請求書カード払いでは、オフィスの賃料や業務委託費用などの支払いが可能となっています。
カードのポイントがつく
請求書カード払いは、利用額に応じてカードのポイントがつくのも利点です。よって、手数料からポイントを差し引いたものが実質的なコストとなります。
JCBカードのポイントは原則として1,000円につき1ポイント(3円から5円程度に相当)です。
なお、個人事業主・フリーランス向けのJCBカード「Biz ONE」はポイントが2倍つくので、個人事業主・フリーランスの方はBiz ONEで利用するとお得です。
請求書カード払いサービスの注意点
ここでは、JCB請求書カード払いを含む、請求書カード払いサービス全般の注意点として、以下の2点を解説します。
- 手数料がかかる
- カードの限度額までしか利用できない
手数料がかかる
請求書カード払いは、手数料がかかるのが注意点です。JCB請求書カード払いでは、振込額に対して税抜2.98%の手数料がかかります。
請求書カード払いの手数料相場は3%前後とファクタリングに比べると安いですが、それでも年利に換算するとビジネスローンなどと同程度です。よって、無計画に利用し過ぎると、手数料コストが負担になる可能性もあります。
請求書カード払いは、支払いを引き延ばせるメリットと手数料コストを踏まえて、計画的に利用することが大切です。
最低手数料にも注意
請求書カード払いの手数料は、少額の振込に対してはパーセンテージではなく、一律の最低手数料が適用されることがあるので注意しましょう。
JCB請求書カード払いでは、振込金額が1万円以下の場合は、一律税込330円となります。
よって、例えば5,000円の振込で330円の手数料を払うと、パーセンテージとしては330÷5,000=6.6%と割高になります。
カードの限度額までしか利用できない
請求書カード払いは、使用するカードの限度額までしか利用できません。例えば、JCB一般法人カードの限度額は最大500万円となっています。
まれに複数のカードで支払いができる業者もありますが、JCB請求書カード払いでは対応していません。
JCB請求書カード払いの強み
前章までで、請求書カード払いの一般的なメリットと注意点を見てきましたが、ここではJCB請求書カード払いの独自の強みとして、以下の点を解説します。
- JCBの運営という安心感
- 「DGFT請求書カード払い」のノウハウを活用したサービス
JCBの運営という安心感
請求書カード払いは金銭を扱うサービスのため、経営母体がしっかりしているほうが安心できます。
その点、JCB請求書カード払いは、JCBカードの発行会社であるJCB自身が運営しており、共同運営のデジタルガレージも東証プライム上場企業のため安心感があります。
「DGFT請求書カード払い」のノウハウを活用したサービス
JCB請求書カード払いをJCBとともに運営しているデジタルガレージは、以前から「DGFT請求書カード払い」という請求書カード払いサービスを運営しており、JCBもパートナー企業として参画しています。
そのため、JCB請求書カード払いでは、DGFT請求書カード払いで培ったノウハウを生かした、質の高いサービスの提供が可能となっています。
例えば、使いやすいユーザーインターフェース、不正利用防止などのセキュリティ、良心的な手数料などを実現しています。
JCB請求書カード払いの注意点
ここでは、JCB請求書カード払いを利用する際に注意したい点として、以下の点を解説します。
- JCB以外のカードは利用できない
- JCBでもパートナーカード発行会社のカードは利用できない
JCB以外のカードは利用できない
JCB請求書カード払いはJCBカードに特化したサービスであり、他の多くの業者で利用可能なVisaやMastercardは利用できません。
なお、DGFT請求書カード払いではVisa・Mastercard・JCB・Diners Clubが使用できるので、JCB以外のカードを使いたい方はDGFT請求書カード払いを利用するとよいでしょう。
JCBでもパートナーカード発行会社のカードは利用できない
JCBカードの発行会社には「JCBグループ」と「パートナーカード発行会社」があり、JCB請求書カード払いが利用できるのはJCBグループ発行のカードのみとなります。
JCBグループとは、JCBと金融機関等の連携による、JCBのフランチャイズ会社のことです。そしてパートナーカード発行会社とは、自社で独自にJCBロゴのついたカードを発行する、いわゆる「流通系」や「信販系」カードの会社のことです。
JCBグループとパートナーカード発行会社の、主な具体例は以下のとおりです。
JCBグループ |
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パートナーカード発行会社 |
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JCB請求書カード払い以外の主な請求書カード払いサービス
ここでは、JCB請求書カード払い以外の主な請求書カード払いサービスとして、以下の5社を紹介します。JCBカードを持っていない方や、他社も比較検討したい方などにおすすめです。
- DGFT請求書カード払い
- 支払い.com
- INVOYカード払い
- labolカード払い
- オリコ請求書カード払い
DGFT請求書カード払い
DGFT請求書カード払いは、JCB請求書カード払いを共同運営している「デジタルガレージ」による請求書カード払いサービスです。JCBもパートナー企業として参画しています。
他社ではほとんど利用不可のDiners Clubが利用できるのが大きな特徴で、他にもVisa・Mastercard・JCBが利用できます。
手数料も税込3%と手ごろなので、JCB請求書カード払い以外の選択肢としておすすめです。
【DGFT請求書カード払いの基本情報】
支払いの早さ |
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手数料 |
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支払いを延長できる日数 |
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利用可能な国際ブランド |
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審査・提出書類 |
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社会保険料納付 |
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経営母体と実績 |
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運営会社 |
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支払い.com
支払い.comは、大手信販会社の「クレディセゾン」と、法人カードの「UPSIDER」が手がける請求書カード払いサービスです。
振込スピードは最短翌日で、社会保険料の納付も可能と、全体的に優良なサービス内容となっています。
手数料が税別4%と高めなのが注意点ですが、JCB請求書カード払い以外の選択肢の一つとして有力です。
【支払い.comの基本情報】
支払いの早さ |
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手数料 |
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支払いを延長できる日数 |
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利用可能な国際ブランド |
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審査・提出書類 |
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社会保険料納付 |
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経営母体と実績 |
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運営会社 |
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INVOYカード払い
INVOYカード払いは、大手ファクタリング会社「OLTA」の子会社が運営する請求書カード払いサービスです。累計取扱額は100億円を突破しており、十分な実績があります。
手数料は3%(非課税)と良心的で、振込日を最短当日から30日後までの間で指定できるなど、サービス内容は総じて優良です。
月間200万円以上利用の場合は、個別相談でより安い手数料にすることも可能なため、高額の請求書がある方に特におすすめだといえます。
【 INVOYカード払いの基本情報】
支払いの早さ |
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手数料 |
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支払いを延長できる日数 |
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利用可能な国際ブランド |
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審査・提出書類 |
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社会保険料納付 |
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経営母体と実績 |
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運営会社 |
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labolカード払い
labolカード払いは、大手ファクタリング会社の「ラボル」と、大手信販会社の「オリコ」による請求書カード払いサービスです。
フリーランス・個人事業主向けのサービス内容で、オンラインショッピングの支払いなどにも利用できます。審査完了後は24時間365日振込可能なのも利点です。
手数料がJCBのみ割高なのが注意点で、JCBで利用するならJCB請求書カード払いのほうが割安になります。よって、VisaかMastercardで利用したい方にとって、おすすめの選択肢の一つだといえます。
【labolカード払いの基本情報】
支払いの早さ |
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手数料 |
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支払いを延長できる日数 |
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利用可能な国際ブランド |
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審査・提出書類 |
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社会保険料納付 |
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経営母体と実績 |
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運営会社 |
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OBS オリコ請求書カード払い
OBSオリコ請求書カード払いは、大手信販会社「オリコ」による請求書カード払いサービスです。
オリコ請求書カード払いは、支払いする側だけでなく、支払してもらう側も利用できるのが特徴です。
請求書を発行した後、取引先にOBSで支払うようにリクエストすることで、カード払いに変更できます。これにより、売掛金の早期回収などのメリットが得られます。
【OBS オリコ請求書カード払いの基本情報】
支払いの早さ |
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手数料 |
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支払いを延長できる日数 |
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利用可能な国際ブランド |
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審査・提出書類 |
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社会保険料納付 |
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経営母体と実績 |
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運営会社 |
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まとめ
JCB請求書カード払いは、JCB自身が運営する請求書カード払いサービスです。「DGFT請求書カード払い」のノウハウを生かした、優良なサービス内容が強みとなっています。
JCBグループが発行したJCBカードしか利用できないのが注意点ですが、JCBで請求書カード払いを検討している方におすすめのサービスです。