「自社の技術や商品を買ってくれる企業を見つけたい」
「必要な技術やノウハウがあるが、自社の独力で見つけることが難しい」このような企業課題を解決できるのがビジネスマッチングです。
ビジネスマッチングとは、会社と会社を結びつけるサービスで、民間会社のサービスだけでなく、金融機関や公共機関まで実施しています。
しかし、優良なサービスを利用しないと、マッチングできないのに料金だけ取られてしまうことになるため注意しなければなりません。
この記事ではビジネスマッチングのメリットとデメリットや料金体系を解説するとともに、おすすめのビジネスマッチングサービスをご紹介していきます。
パートナー企業やクライアントを見つけたい方はぜひご覧ください。
ビジネスマッチングとは?
ビジネスマッチングとは、企業と企業を結びつける場所やサービスです。
ウェブ上のサービスもあれば異業種交流会のような形でビジネスマッチングが行われることもあります。
また実施主体も民間会社だけでなく金融機関や自治体などさまざまです。
まずはビジネスマッチングの概要について詳しく解説していきます。
企業と企業を結びつける場所
ビジネスマッチングとは企業と企業を結びつける場所です。
企業は自社にはない技術やノウハウを他社から得ることによってよりよいサービスを提供できますし、異なる分野の企業が提携することによるシナジー効果によってイノベーションが生み出されることもあります。
しかし、企業が求める技術やノウハウを企業が独力で見つけることは簡単ではありません。
そこで、異業種交流会やオンラインなどの形で、企業と企業がマッチングする場を提供するのがビジネスマッチングです。
他社とは提携したくないと考える企業は、そもそもビジネスマッチングを利用しないので、ビジネスマッチングに参加するすべての企業はクライアントやビジネスパートナーを探しています。
そのため、ビジネスマッチングを利用すれば高い確率でクライアントやビジネスパートナーを見つけられるでしょう。
民間会社や自治体や金融機関が行っている
ビジネスマッチングはあらゆる場所で行われています。
民間会社はオンライン上のビジネスマッチングサービスを提供していることが多く、会員になると登録している企業の情報を閲覧できるため、自社のニーズを叶えられる企業を見つけられます。
また行政は異業種交流会などを開催し、対面でのビジネスマッチングの機会を提供していることが多いようです。
金融機関は自分たちの取引先の企業同士を結び付ける取り組みを行っており、基本的には無料で利用できます。
このように、ビジネスマッチングは民間会社だけでなく、行政や金融機関も取り扱うほどポピュラーなものとなっています。
ビジネスマッチングの3つのメリット
ビジネスマッチングには次の3つのメリットがあります。
- クライアントやビジネスパートナーを効率的に見つけられる
- 他社のノウハウや技術を取り入れられる
- パートナー企業のブランド力を活かせる
自社にはない技術やブランドやノウハウを簡単に取得できるのが大きなメリットです。
ビジネスマッチングの3つのメリットについて詳しく見ていきましょう。
クライアントやビジネスパートナーを効率的に見つけられる
ビジネスマッチングを利用すれば、クライアントやビジネスパートナーを比較的容易に見つけられます。
自社のニーズに合う企業を独力でリサーチして、自社でコンタクトを取るなど、クライアントやビジネスパートナーを見つけることは非常に手間がかかります。
ビジネスマッチングを利用すれば、そもそも相手も「ビジネスマッチングを利用したい」と考えているため、独力で交渉するよりも交渉はかなり楽になります。
またどんな技術やノウハウがあるのかも公開されているため、自社のニーズに合った企業を探すことも簡単です。
他社のノウハウや技術を取り入れられる
ビジネスマッチングを利用して他社と提携すれば、非常に簡単に他社のノウハウや技術を取り入れられます。
他社は何年も何十年も時間をかけて、数千万、数億円の投資をして開発した技術やノウハウですので、自社で独自に開発しようと思ったら膨大な時間とコストがかかります。
ビジネスマッチングを利用すれば、時間やコストをかけることなく、他社のノウハウや技術を簡単に手に入れられるのは大きなメリットです。
また、異なる企業同士が提携することで、お互いがこれまでになかったようなアイデアで商品やサービスを生み出すことができる「シナジー効果」が期待できるのもビジネスマッチングのメリットだと言えるでしょう。
パートナー企業のブランド力を活かせる
パートナーになった企業が大手企業であれば、その企業のブランドを自社のブランドのようにして企業活動ができるのもメリットです。
スタートアップなどが「提携企業一覧」などと大手企業の名前をズラリと並べていることがありますが、あれはまさにパートナー企業のブランド力を活かす戦略です。
「大手企業と提携できるほど信頼できる企業なんだ」と、他社は解釈するので、ブランド力のある大手とパートナーになれれば自社のブランドは飛躍的に向上するでしょう。
ビジネスマッチングの3つのデメリット
ビジネスマッチングは容易に自社にはない技術やノウハウやブランドを見つけられる特徴があります。
しかし次の3点はデメリットですので注意しなければなりません。
- 自社に合った企業が見つからないことがある
- 機会は提供するが成果は保証されない
- 相手にとってもメリットがないとパートナーは見つからない
必ずしも企業が見つかるとは限りませんし、成果まで保証するものでもありません。
また、自社にとってだけでなく相手先も自社と提携するメリットを感じなければビジネスパートナーは見つかりません。
ビジネスマッチングの3つのデメリットについて詳しく解説していきます。
自社に合った企業が見つからないことがある
ビジネスマッチングを利用したからと言って、必ずしも自社のニーズに合った企業が見つかるとは限りません。
マッチングできる可能性があるのは、相手もビジネスマッチングを希望している企業だけです。
そのため自社が求めるノウハウや技術を持っている企業がビジネスマッチングを利用していなければ、自社に合った企業とはマッチングできません。
せっかくお金を払って有料のビジネスマッチングサービスに登録しても、成果が出ずにコストだけかかってしまうことがあります。
機会は提供するが成果は保証されない
ビジネスマッチングサービスが提供するのはあくまでも「自社のニーズに合った企業との出会いの機会」だけです。
提供されるのは機会だけですので、成果が保証されるわけではありません。
大きなお金を支払って、自社のニーズに合う企業と出会えたものの、詳細な条件を詰めていったら交渉が決裂することもあります。
また、ビジネスパートナーとコラボして販売した商品が全く売れないこともあるでしょう。
ビジネスマッチングサービスが提供するのはあくまでも「機会」のみで、「成果」までは保証されない点に注意してください。
相手先にもメリットがないとパートナーは見つからない
ビジネスマッチングサービスは、双方に「この会社と組んだらメリットがありそうだ」と感じた場合のみマッチングが成立します。
どちらか一方だけが「相手先企業とビジネスパートナーになりたい」と望んでもマッチングは不可能です。
つまり自社にも他社から必要とされるような技術やノウハウやブランドがないと、ビジネスマッチングは成立しにくいのが現実です。
技術やノウハウなどが何もない状態でビジネスマッチングに参加しても、成功する可能性は高くない点に注意しましょう。
ビジネスマッチングの2つの方法と流れ
ビジネスマッチングには主に次の2つの形があります。
- 自社の希望を出して相手を待つ方法
- 相手の希望を探して応募する方法
それぞれの方法と利用する流れについて詳しく解説していきます。
自社の希望を出して相手を待つ方法
自社に「こんな会社を探している」という案件を掲載する際には、ビジネスマッチングサービスに次のような情報を掲載します。
- 事業内容
- 自社の技術やノウハウ
- 営業実績や売上高など具体的なこれまでの実績
他社が自社の案件内容や掲載内容を確認して「マッチングしたい」「話を聞きたい」と判断すれば自社に対してコンタクトが届くことがあります。
相手企業に自社を見つけてもらうため、自社の情報掲載は行っておいた方がよいでしょう。
相手の希望を探して応募する方法
ビジネスマッチングサイトに掲載されている案件を閲覧して、自社のニーズに叶った案件に応募する方法もあります。
相手先企業は案件を掲載する際に次のような情報を登録しています。
- 事業内容
- 自社の技術やノウハウ
- 営業実績や売上高など具体的なこれまでの実績
これらの情報も確認し「ビジネスパートナーになってもよさそうだ」と判断した場合には、自社からコンタクトを取り、相手先企業と交渉しましょう。
ビジネスマッチングサイトの料金はいくら?
ビジネスマッチングサイトの料金体系には以下の3つの形態があります。
- 月額型
- 成果報酬型
- 課金型
それぞれ、支払う料金が異なることはもちろん、受けられるサービスも異なるので、ビジネスマッチングにおいて料金体系の違いを理解しておくことは非常に重要です。
ビジネスマッチングサイトの3つの料金体系の特徴とメリット・デメリットについて解説していきます。
月額型
月額型とは「初期費用+月額費用」を毎月支払っていく方法です。
月額型のメリットとデメリットは次の通りです。
- メリット:規模が大きいサービスが多い、案件数が多い、相手先からの問い合わせが多い
- デメリット:発注者側が一括見積りするケースが多いため、受注者側としては相見積もりとなるため価格競争になりやすい
- 料金:月額10,000円〜100,000円程度
月額型のサービスは大手が多いため、発注者側の大きな企業が多くなっています。
大手は一括見積りをすることが多いため、相見積もりによって受注価格が下がってしまう可能性が高い点に注意が必要です。
月額型は多くの受注獲得につながる可能性はあるものの、単価は安くなりがちです。
成果報酬型
成果報酬型とは契約した段階で初めて費用が請求されるサービスです。
成果報酬型のビジネスマッチングサービスのメリットとデメリットは次の通りです。
- メリット:受注者側の企業にリスクがない
- デメリット:運営者のヒアリング等が面倒
- 料金:5%〜20%程度
マッチングして、ビジネスパートナーと契約をした段階で、契約金額の5%〜20%程度の料金が発生する仕組みです。
成功しなければ料金は発生しないので、受注者側にとって金銭的なリスクが最も低い方法です。
しかし、サービス事業者としてはマッチングさせなければ売上にならないため、マッチングさせるためのヒアリングや相手先企業の紹介を熱心に行ってきます。
運営側とのやり取りが面倒という人にとってはデメリットです。
課金型
課金型とは情報掲載は無料で行うことができ、案件が発生した際に都度費用を請求される仕組みです。
メリットとデメリットは次の通りです。
- メリット:月額制よりも金銭的なリスクが少ない
- デメリット:案件数を増やすため相見積もりとなるケースが多い
- 料金:5,000円〜20,000円/案件 程度
月額制のように「料金を支払ったのに、全く案件がない」という無駄を排除できます。
ただし、サービス運営側は案件数が増えれば売上になるので、発注者側に相見積もりをさせることが多くなっています。
そのため月額制と同じように結局は価格競争となってしまうケースが多いのはデメリットです。
ビジネスマッチングサイトを選ぶ5つのポイント
ビジネスマッチングサイトは多数存在しますが、サービスを選択する際には次の5つのポイントを必ずチェックするようにしてください。
- 実績
- 分野
- 料金
- 登録企業数
- 運営会社
どれか1つでも欠けてしまうと、最良の企業に出会えない可能性が高くなります。
ビジネスマッチングサービスを選択する際に重要な5つのポイントをご紹介していきます。
実績
ビジネスマッチングサービスのこれまでの実績です。
お金を払って登録するのですから、これまでにマッチングさせた実績がしっかりとあるサービスを選択しましょう。
登録する前に、ビジネスマッチングサービスのホームページを確認し、これまでビジネスマッチングに十分な実績があるかを必ずチェックしてください。
分野
ビジネスマッチングサービスによって得意とする分野は分かれています。
例えばITサービスばかりを取り扱っているサービスに建設業が登録しても、マッチングはなかなか難しいでしょう。
また、海外で商品展開をしたいと考える企業が、国内企業しか対象にしていないサービスを利用してもニーズは叶えられません。
このように、ビジネスマッチングサービスには得意とする分野や地域があります。
自社がどんな技術やノウハウを欲しているのかをまず明確にして、自社の必要としてくれる分野や地域を得意とするサービスを選択してください。
料金
ビジネスマッチングサービスの料金も必ず確認してください。
料金体系は月額、成功報酬、課金などに分かれています。
料金自体はそれほど高いものではありませんが、固定で料金を支払っていきたいのであれば月額型がよいでしょうし、固定費はかけたくないという方は成功報酬型がよいでしょう。
料金体系によって受けられるサービス内容も異なるので、料金体系とサービスが自社のニーズに合っているかを確認しましょう。
登録企業数
登録企業数は多ければ多いほどマッチングの可能性は高くなります。
そのため、基本的には登録企業数が多いビジネスマッチングサービスを利用しましょう。
ただし、登録社数が多くても、実際にはアカウントが動いていないケースもあります。
アクティブな企業数がどの程度なのかを確認するためにも、できれば掲載数も確認するようにしてください。
運営会社
ビジネスマッチングサービスの運営会社がどの会社かも非常に重要です。
ビジネスマッチングサービスに登録するということは自社の情報を少なからず渡すためです。
運営会社の業歴や他にどんなサービスを運営しているかを調べ、インターネット上で口コミも確認してください。
ビジネスマッチングができるWebサービス5選
ビジネスマッチングができる優良なサービスは次の5つです。
- 発注ナビ
- チラCEO(ONLYSTORY)
- Linkers(リンカーズ)
- アイミツ(株式会社ユニラボ)
- 一括.jp(株式会社eclore)
これらのサービスであれば、自社に取って必要な技術やノウハウを持つ企業と出会える可能性が高いでしょう。
優良なビジネスマッチングサービスの特徴を詳しく解説していきます。
発注ナビ
発注ナビは「システム開発会社」に特化した完全無料のビジネスマッチングサービスです。
- 紹介実績:16500
- 対応社数:4000
- 対応テクノロジー:319
- 紹介達成数:92%
このように実績をしっかりと掲載していることから「自社のシステムを新しくしたい」「導入したいシステムがある」「オウンドメディアの管理をしてくれる会社を探したい」という場合に、自社に合った1社を探すことができるでしょう。
コンシェルジュに発注内容を話すだけで最短翌日に開発会社を紹介してくれます。
料金は完全無料で成約手数料もかからない、受注側から料金を受け取るシステムになっているので、発注側は非常に気軽に利用できます。
また、運営会社である「発注ナビ株式会社」はソフトバンクグループのアイティメディア株式会社(東証プライム上場)の100%子会社なので安心して利用できるサービスです。
チラCEO(ONLYSTORY)
チラCEOは企業の決裁者同士をマッチングする経営者マッチングサービスです。
基本的には会いたい決済者をサイト上で見つけて、メッセージを送信することで、相手先の経営者などとやり取りができます。
直近1年半で登録者数は3,000人から7,000人と非常に多くなっています。
料金体系は月額制ですので、固定料金でさまざまな経営者へアプローチできるのでさまざまな企業に営業をかけたい場合に最適です。
Linkers(リンカーズ)
Linkers(リンカーズ)は「製造業」に特化しているサービスで、10,000名以上の技術者/研究者ネットワークを保有しています。
企業が最適なパートナーと出会えるよう、Linkersは次のような多様なサービスを提供しています。
また、全国の産業コーディネーター・中小企業ネットワークやリンカーズの独自データベースを活用して、最適な技術を検索できるサービス「技術探索」が特徴的です。
運営会社は2022年10月26日に東京証券取引所グロース市場に上場しているため安心して取引できます。
アイミツ(株式会社ユニラボ)
アイミツは業種を問わずに利用できるビジネスマッチングサービスです。
累計30万件のマッチング実績があり、2500社のパートナー企業の中から最短翌日に相手企業を紹介してもらうことができます。
掲載されている案件を探すこともできれば、プロに相談して自社に合った企業を紹介してもらうことも可能です。
一括見積もりも簡単ですので、発注者側も便利に利用できます。
料金は受注企業は有料ですが、発注企業は無料で利用可能です。
受注企業の料金は以下の通りです。
- IT業界:月額10万円〜
- その他の業界:月額3万円~
一括.jp(株式会社eclore)
一括.jpは年間10万件以上の問い合わせが発生する、国内最大級のビジネスマッチングサイトです。
累計掲載企業数も5,000社を超えているので、案件数を確保したい方にはおすすめです。
特徴的なのは料金で、リード案件1つにつき、5,000円という課金制を採用しています。
料金が比較的かからないので、低コストで数多くの案件を受注したい企業に向いています。
カテゴリー数も68種類以上に細分化されているので、企業を詳細に絞り込むことも非常に簡単です。
まとめ
ビジネスマッチングとは企業と企業を結びつける場所で、民間会社の他、行政や金融機関などで多くの取り扱いがあります。
ビジネスマッチングに成功すれば、自社にはない他社の技術やノウハウを簡単に得ることができ、自社の課題解決や業務拡大に大いに活用できるでしょう。
ビジネスマッチングサービスは数多くありますが、実績や分野や料金などをしっかりと見比べて、自社のニーズや予算に合ったサービスを利用してください。